この「武人時代」、実は今年のNHK大河ドラマ「平清盛」と同時代を描いている。腐敗した貴族政権を打倒して、武士による政権を打ち立てるというテーマも全く同じ。まさに同時期、お隣の国で同じような社会変革が起きていたという事実も興味深い。
また、今年2月に韓国で放送がスタートした注目作「武神」(キム・ジュヒョク主演)の直前の時代を描いた作品であり、終盤にはチェ・チュンホン(崔忠献)をはじめ、「武神」と共通する人物も多数登場する。1人の固定した主人公ではなく、リレー形式で主人公が入れ替わっていくため、158話という長丁場ながらも、最後まで視聴者を飽きさせない。まるで歴史書の記述を映像化したような、時代の流れが味わえる作品だ。
No | あらすじ |
第1話 武人たちの怒り | 舞台はワンゴン(王建)が高麗を建国してから250年たった1170年。18代王・毅宗(ウィジョン)は文臣たちと酒色に溺れる毎日を送り、その陰で武臣たちは虐げられてきた。毅宗は気まぐれで武臣たちを振り回したあげく、武術訓練の場で酒盛りし、ついには老将軍を若い武術の達人と対決させてそのやられっぷりを嗤うなど徹底的に武臣たちを蔑む。屈辱を受けた上将軍チョン・ジュンブは、かねてから不満を募らせていた牽龍行首(キョルリョンヘンス)のイ・ウィバンと散員(サノン)イ・ゴンの意見を取り入れ、挙兵を敢行。普賢院(ポヒョノン)に到着したところで、毅宗の取り巻きの文臣たちを皆殺しにし、堕落の元凶である奸臣ハン・レを毅宗の目の前で殺害する。後宮では、毅宗の寵愛を独り占めする奴婢出身のムビも享楽にふける毎日。恭睿(コンイェ)太后は、平手打ちでムビを叱責するが…。 |
第2話 王宮制圧 | 多くの文臣たちが捕らわれるが、左政宣キム・ドンジュンが逃げ延びる。普賢院で挙兵したイ・ウィバンは、巡検(スンゴム)軍散員チェ・ウォンと結託して、王宮の制圧に向かう。宦官のワン・グァンチがこれを伝書鳩で毅宗に知らせようとするが、イ・ウィミンがこの鳩を捕え密書を奪い取る。その頃、寵姫ムビは昼間の恭睿太后からの叱責の謝罪に向かうが、太后はこれを受け入れずムビを追い出す。外にでたムビは、非常事態に気づき王印を持って密かに王宮を脱出する。一方、チョン・ジュンブは毅宗を連れて王宮に戻り、事態の収拾を図ろうとするが、それに対してイ・ウィバンは、義兵が単なる反乱になってしまうと言って反対する。そんな中、毅宗は血書を書き、ワン宦官たちを使ってイ・ウィバンらをだまし討ちにしようとするが、失敗してしまう。 |
第3話 廃位 | イ・ウィバンは、自身をだまし討ちにしようとした毅宗にワン宦官の生首を見せ、廃位を迫って部屋に軟禁する。イ・ゴは毅宗の殺害を口にするが、ウィバンは、「逃げたジュンブに自分たちを大逆罪で殺させる名分が出来てしまう」と制止し、宦官らを拷問にかけ、穀宗の密命だと証言させようとする。これに反対するチョン・ジュンブだが、毅宗が将軍たちも含めて始末しようとしていたと聞かされ、毅宗の廃位を決意する。ウィバンは廃位に反対する官僚を惨殺させ、ジュンブは、ユン・インチョムら元老や恭睿太后に廃位を承認させる一方で、血気にはやって暴走するウィバンらを牽制するために、大将軍ソン・ユインの軍勢を王宮に呼び寄せて、ウィバンの軍勢と対峙させる。 |
第4話 挙兵の大義 | チョン・ジュンブの裏切りで、ソン大将軍と対峙するイ・ウィバンら。一触即発の場面でウィバンは、毅宗の血書を見せながら、自分たち武臣が挙兵するに至った理由を説得。形勢不利と見たジュンブは、ウィバンと1対1で話し合い、自分に誤解があったと言い訳し武臣同士の衝突は回避される。そんな中、キム・ドンジュンが兵を引き連れて王宮に向かっているとの知らせが入る。チョン・ジュンブは老体にも関わらず自ら先鋒に立って制圧に出向き、宿営地の奇襲に成功する。チョン・ジョンブ不在の中、イ・ウィバンは太子たちを人質にとって、恭睿太后に新王の擁立を求め、廃位された毅宗は王宮から追放される。全てがウィバンの思い通りに進んだが、ここまで来て肝心な王印のないことに気付く。新王の即位には王印がなくては出来ない。そんな時、火事の知らせが…。 |
第5話 王印の行方 | 火事の知らせで一人部屋に残ったイ・ウィバンをムビの侍女オランが襲う。オランはムビから「穀宗が廃位されていなければウィバンを斬り、廃位済みだったら王印を渡せ」という2つの命令を受けていた。そんな中チェ・ウォンは、ソン・ユインら老将軍を、王印を隠した犯人として捕らえ拷問しようとするが、オランから王印を受け取っていたウィバンは、チェ・ウォンを捕えさせ老将軍らを解放する。みごとドンジュンらを制圧したジュンブは、ついにドンジュンの首をはね積年の怨みを果たす。一方、王印が行方不明だと知った太后は、密かに幽閉されている毅宗のもとに手紙を送るが、その手紙は武臣たちの手に落ちてしまう。そんな中、キム・ドンジュンの軍勢を制圧して帰郷の途に就くチョン・ジョンブは、イ・ウィバンの裏切りを知ってイ・ゴらを捕えようとする。 |
第6話 新王擁立 | 帰京途中、息子チョン・ギュンからウィバンの裏切りを聞かされたジュンブは、帯同していた牽龍行首軍を討てと命令。徹底抗戦をするもイ・ゴらがピンチになったその時、捕らわれたはずのソン・ユイン将軍が現れ、ウィバンへの誤解を解く。チョン・ジュンブは、イ・ゴらとの戦いをやめ、王宮に戻る。緊急会議が開かれ、自分に相談せずに王を廃位したウィバンを叱責したジュンブは、王印がなくては思い通りの譲位が出来ないと、すぐに弥勒寺に預けられているムビの子供の捕縛を命じる。その頃イ・ゴは、チョン・ジュンブ暗殺の邪魔をしたとして、イ・ウィミンを連行し、激しく鞭打ちする。それを知ったウィバンは、命令を出したのは自分だとイ・ゴと睨みあい、ウィミンを解放し、2人の関係が険悪に。そんな折、恭睿(コンイェ)太后の腹のうちの読めないチョン・ジュンブは、気が弱く自身の言いなりにできそうな翼陽侯(イギャンフ)を新王に擁立しようと画策。一方、誤解を解いて和解したイ・ウィバンとイ・ゴは、高麗を導く強力な君主として大寧侯(テリョンフ)を新王にと考えていたが、チョン・ジュンブの動きを知って激怒する。ウィバンはジュンブと一緒に太后の意向を確かめに行く。果たして太后が口にした名前は…。その頃、ウィバンの命令を受けたウィミンは、ムビの身柄を確保に動き出す。 |
第7話 一触即発 | 賊に蹂躙されそうになったムビを、間一髪でウィミンが助け、二人は弥勒寺へ。大寧侯を推すつもりだった太后が新王にと名前を挙げたのは、翼陽侯の方だった。太后の承諾も得たジュンブは、ソン大将軍に翼陽侯の屋敷を警護させるが、この決定に不満を抱いたウィバンは、先手を打ってイ・ゴに翼陽侯邸を包囲させ、屋敷前は一触即発の緊張が走る。朝廷に報告したジュンブは、すぐさま即位式の準備に入ろうとするが、ウィバンが抵抗し、ジュンブは「王印なしでの即位式は行わない」と約束す。その裏でウィバンは大寧侯を連れて来るように命令し、ジュンブが息子に大寧侯の暗殺を命じる。一方、ムビの子供たちは末子のフィ以外は全員が捕らわれてしまい、太孫が殺され激怒する太后は、ムビの息子たちを処刑させるなど11人の幼い孫たちに酷い刑を言い渡す。オランに助けられたフィと母ムビが再会、そのままウィバンの来るのを弥勒寺に隠れて待っていたが、兵士たちに見つかって連行される。その時、ムビのもとに向かっていたウィバンとウィミンに助けられる。 |
第8話 大寧侯か翼陽侯か | ソン・ユイン大将軍とイ・ゴ両軍の間で戦闘が始まるが、イ・ゴは翼陽侯を人質にとる。しかし、肝心の流刑地の大寧侯は、何者かに連れ去られた後だった。一方、ウィバンは、我が子を王位につけようと色香で迫るムビを自宅に匿う。ところがムビは大胆にも秘密の通路を使って王宮に侵入。なおも大寧侯を推すウィバンをあざ笑い、大寧侯が王位に就けば武臣たちは処罰されるという。そしてひとまず翼陽侯を推戴し、しかる後に我が子フィを王位につけてくれるか、さもなくばただちにジュンブを討つかの二択を迫る。兄のイ・ジュにからも同様の話しを聞いていたウィバンは、ムビの言葉に揺れ動く。そんな中、ジュンブは中央軍である六衛の軍を動員して、ウィバンを討とうとするが、すでにウィバンが、六衛の将軍は以下の全中郎将を味方につけていたため、奇襲はあっけなく失敗に終わる。 |
第9話 あらたな朝廷 | ジュンブの裏切りに怒ったウィバンは、ジュンブの部屋に乗り込みご自慢の鉄棍で机をたたき壊す。しかしここでひるんでは…と、ジュンブは冷静に「大寧侯が王位に就けばかえって国に混乱をきたす」と訴え、ウィバンはついに王印を渡して翼陽侯の擁立に同意する。表向きはジュンブの説得に同意した形だが、もちろんムビのことが頭にある。さっそくムビと二人向き合い報告。「この後何をすればいいのか武人の自分にはわからない」というウィバンの手を優しく握り、「今は翼陽候を擁立し、様子をうかがえばいい。その後は任せて…」と指示する。こうして翼陽侯が19代王・明宗に即位し、ジュンブが参知政事(執政、今でいう内閣総理大臣職)に就任するなど、武人たちが朝廷の重職を占めるようになる。一方、衛尉卿となったイ・ゴは、チェ・ウォンをつかって、ムビを探させる。そんなムビは、ウィバンをすっかり虜にし、なんと驚きの行動に出る。果たしてその行動とは、大寧侯擁立の遺志を翻したウィバンが、ムビと密通しているとの疑いを強めるイ・ゴは、その部下のウィミンを捕えようとする。 |
第10話 重房会議 | ムビはフィをウィバンに託し、新王即位の祝いを持参して太后の元へ。毅宗の酒池肉林の日々をムビのせいだと息巻く太后に、「子供たちを殺した太后を決して許さない」と反撃。ムビの一件でウィバンとイ・ゴが仲たがいをしたことを歓迎していたジュンブも、ムビのこの暴挙には困惑を隠せない。そんなジュンブをウィバンが訪ね、門下侍中の地位を餌にムビの助命を承諾させる。武臣の政権運営に伴い、各軍の大将軍による武臣の最高合議機関・重房会議が、すなわち国家の意思決定の場となった。重房を取り仕切るジュンブは、その場で決まった廃王・毅宗とムビの流刑を、重房の総意として太后に承認させる。一方、王の面前や議場で声を荒げ、粗暴な振る舞いの目立つイ・ゴに不快感を示す大将軍ハン・スンは、ウィバンとイ・ゴの和解の宴席を設け、その場で二人を暗殺しようと企む。 |
第11話 一等功臣 | 暗殺計画を見抜いていたイ・ウィバンの反撃で、ハン・スンの計画は失敗に終わる。ムビはそんなウィバンに、「フィの呂不韋になって欲しい。イ・ゴの思い上がりが頂点に立った時、上将軍チョン・ジュンブと組んでイ・ゴを排除してほしい」と頼む。悩むウィバンだが…。ウィバンは、イ・ゴに入れ知恵し、イ・ゴは民心を掴むために、毅宗とつるんでいた悪徳文臣らを事件の黒幕に仕立て上げて粛清する。こうしたイ・ゴの暴徒に対して文臣らの反発が集まる中、ジョンブはイ・ゴの不満を抑え、イ・ゴとウィバンを競わせるために、一等功臣である壁上功臣の位を与え、イ・ゴが慢心したときに始末することを提案する。もちろん自分も一等功臣であるとアピールするのを忘れない。また、明宗即位に貢献した武人たちの位も1段ずつ上げる。こうして、武人たちによる時代が始まる。一方、ウィバンはどうしてもトゥ・ギョンスを部下に欲しいと、腹心のイ・ウィミンにギョンスを味方に引き入れるように命じる。 |
第12話 卑屈外交 | 高麗の宗主国にあたる金から毅宗の金から毅宗の誕生日を祝う使者がやってくるが、毅宗の廃位を知って引き返す事件が起こり、朝廷は金との外交摩擦を避けるため、毅宗は廃位ではなく病気による譲位であると言い繕う。こうした卑屈な外交に憤慨したイ・ゴは、かねてから私兵を養成していた僧侶スヘとヒョンソのもとを訪ねる。折しも、民心収拾のため、寺院の不正に対する徹底調査が始まると、スヘは「十八子為王」なる古い予言を持ち出し、イ・ゴに新たな王朝を開くようそそのかす。ウィバンからギョンスを味方に引き入れろと指示されたウィミンは、力比べをして互いを認め合う仲になる。一方、僧侶たちにそそのかされたイ・ゴはすっかりその気になり、ウィバンを呼び出し「易姓革命」を口にする。 |
第13話 易姓革命 | イ・ゴはウィバンに、新しい王朝を開く易姓革命を持ちかけるが、ウィバンは今の時点で革命を起こせば、金の国に攻め入れられ民心を失う結果になると、たしなめる。その頃僧侶ヒョンソが市中に奇妙な唄を流行らせる。果たしてその唄とは? 一方、高麗の政変を知っていた金から、命がけで明宗の即位を承認する勅書の約束を取り付けてユ・ウンギュが帰国。そんなウンギュに、右諫議大夫キム・ボダンは、金の兵力を借りて武臣政変を鎮圧すべきと言う。その頃、ウィバンの前では「易姓革命」をあきらめたというイ・ゴだが、ウィバンはこれを疑いオランにイ・ゴの動向を偵察させる。イ・ゴの動きを怪しんでいるのは、ウィバンだけではなかった。ギュンもまた彼の行動を怪しみ、父ジュンブに報告する。そんな中、未だに都に来ない父を説得に故郷へ出向いたイ・ゴは、帰路、一人の女に道を塞がれる。果たしてその女とは? 開国寺の私兵養成現場でオランが僧侶スヘに見つかってしまう。 |
第14話 謀反の動き | ウィバンの命令を受けて開国寺に向かったウィミンだが、罠にはまって1000人いた精鋭軍は全滅。ただ一人ウィミンだけが生き残るが、多勢に無勢、とうとう矢を放たれてしまう。間一髪のところ、トゥ・ギョンスンの援軍でかろうじて生還。重房会議ではこの事件が取りざたされ、謀反の兆候があったと主張するウィバンと、あくまでもしらをきり通すイ・ゴとが再び衝突。すぐに、捜査が開始されるが、僧侶兵たちは跡形もなく消え去っていた。戦いはこれだけではなかった。夫の昇進をかけてイ・ゴに直談判したウィミンの妻は、今度は上司ウィバンの家に直談判に現れる。その頃、キム・ボダンは武人同士の不和に乗じて毅宗の復位を計画し、流刑中の毅宗のもとに部下を派遣する。 |
第15話 十八子為王 | イ・ゴの父は、息子がウィバンといずれ敵対するのではないかと、心配していた。息子の過ちを許すよう懇願されたウィバンはイ・ゴと和解し、軍部に不和が生じているという文臣の指摘も、猛然と否定する。その頃流刑地では、キム・ボダンの命を受けた部下が王衣を持って毅宗に、復位の動きがあることを知らせる。さらに、ムビが席を外したすきに、ムビがウィバンと通じていると忠告。毅宗はあり得ないと一笑に付すが…。そんなギュンは、義兄となった老将ソン・ユインと市中で、李氏が王になると言う意味を込めた「十八子為王」の童謡を聞く。ジュンブはこれをイ・ウィバンかイ・ゴの仕業と睨み、またその息子のチョン・ギュンは、イ・ゴの家に怪しげな僧侶が出入りしていることと、ウィバンの家にムビの息子らしき子がいることなどを突き止める。この童謡については、市中でギュンが心惹かれた謎の美女から太后にも報告される。 |
第16話 幻の勅書 | 金から待望の使臣が到着するが、使臣が持ってきたのは明宗の即位を承認する勅書ではなく、毅宗に譲位の理由を尋ねる書状であった。ジュンブは、金も戦争を望んでいるわけではないとして、戦争を主張するイ・ゴに警戒を強めるが、ご機嫌取りのために明宗が準備した宴会にも、使臣は仮病を使って欠席する。いきり立つイ・ゴは戦争を口にし、その裏で使臣の暗殺を計画する。そんな中、ウィバンの命令でムビを迎えに行ったウィミンだが、そこにはすでに僧侶スヘが「衆生の為の殺生」のためと、刺客を送り込んでいた。 |
第17話 刺客 | 金の使者は頑として懐柔に応じず、廃王に会せるよう要求。その頃僧侶スヘが送り込んだ刺客は、ちょうど来合わせたウィミンに殺される。しかし、スヘが放った火のため、毅宗とムビの暮らす家は火の海。ところが、ムビの予知夢で二人は、火を放たれる前に逃げており一命を取り留めていた。イ・ゴは各軍の中郎将を呼んで金との戦争を主張するが、ウィバンは重房で決議するべきことだと怒鳴り込む。そんな中、金の使臣の宿所に刺客が忍びこむ。ところがその刺客は口がきけず自白を強要することが出来ない。刺客を牽龍軍に入れたのがチェ・ウォンと知ったウィバンは、イ・ゴの家にいたチェ・ウォンを追及するが、感の鈍いウォンもさすがにこれがイ・ゴの仕業と気づくが、ウィバンとゴの2人の友との板挟みに弱り果てる。一方、金の使臣は、毅宗は転地療養中という高麗側の主張に、ようやく納得する。その頃、胸騒ぎがしたムビは、刺客たちが来る前に毅宗を連れて逃げ出していた。しかしウィミンと会ったムビは、毅宗を残したまま巨済島を後にする。 |
第18話 密通 | 弥勒寺で再会したウィバンとムビは、互いの愛情を確かめ合うが、ムビの姿を目撃して二人の密通を確信した僧侶スヘは、それをイ・ゴに伝える。完全にムビの虜になったウィバンだが、ジュンブの息子ギュンも太后の妹イム氏にゾッコン。それを知ったジュンブは息子の不甲斐なさに激怒するが、ギュンは、王族からの信頼を得て貴族になることを提案するが…。イ・ゴからムビの所在を聞かされたチェ・ウォンは、ムビを捕えようと弥勒寺に踏み込むが、ムビは発見できなかった。果たしてムビはどこに?イ・ゴに騙されたと思ったチェ・ウォンは、イ・ゴにウィバンと和解するよう忠告する。一方、ジュンブは、ウィバンにイ・ゴ排除に向けて協力を求める。 |
第19話 使臣襲撃 | お飾りの王の立場を嘆く明宗に対して、側近のチェ宦官は宦官を重用するように進言し、一方の朝廷では、太子の冊封に先立って、王子ワン・スクの加冠式が準備される。さっそく恭睿太后は、スクに王となる心得を語って教えるが、その一方で妹イム氏とギュンとの政略結婚には反対。太后の本命は…。その頃ジュンブが各軍の将軍らを動員して、イ・ゴの動向に目を光らせる中、帰国する金の使臣一行が、僧侶スヘとヒョンソの忠義軍による襲撃を受ける。しかし、使臣の護衛にあたっていたウィミンとトゥ・ギョンスンは、敵軍の待ち伏せを察知して、罠を張っていた。夫のウィミンが命がけの任務を遂行している頃、妻チェ氏は、ウィバンの妻とのつながりを利用して、不正蓄財に明け暮れていた。 |
第20話 竜馬(りゅうめ)のたてがみ | チェ・ウォンはウィバンに、かつての若い頃に三人で盟友を誓い合ったときの証である“竜目のたてがみ”を見せながら、イ・ゴが謀反を起こしても命は奪うなと訴える。しかし、もしイ・ゴが使臣を手にかけてしまったらそうもいかない。ウィバンもまた友情と国の間で悩む。しかし、渦中のイ・ゴは、ムビとの一件でウィバンに対する信頼は全くなくなっており、“竜目のたてがみ”も燃やし、ウィバンの誅殺を決心する。その頃、金の使臣の襲撃に失敗した忠義軍は全滅し、スヘとヒョンソは手傷を負って敗走する。敗戦を知ったイ・ゴは憤慨するが、キム校尉と父親に諭されて心が揺れ動く。一方のチェ・ウォンは、ウィバンのもとに怒鳴り込み、イ・ゴは自分が守ると宣言する。 |
第21話 加冠式の日の反乱 | 忠義軍が全滅してしまい自らの敗北を潔く認めたイ・ゴは、イ・ウィバンに命を預け「さっさと斬れ」と催促するが、ウィバンは友を許し、劇的な和解を果たす。そして遅れてやって来たチェ・ウォンと三人で酒を酌み交わす。王子ワン・スクの加冠式の日取りが決まり、ウィバンは儀式を取り仕切る宣花使として、和解の証拠にイ・ゴを推戴する。しかしチョン・ジュンブや朝廷は不安を感じる。何しろ当日は王族・重臣・高僧も集まるので、万が一イ・ゴがもう一度蜂起すれば、現勢力を一網打尽にできるのだ。その頃ムビは、5軒続きの新居に引っ越し、イ・ゴを抹殺すべきとウィバンに助言する。一方イ・ゴは、一命を取り留めた開国寺の僧侶スヘに再会し、また市場でムビの姿を見かけたというヒョンソの証言に、再び忠義軍を結集して、加冠式の席で挙兵することを決意する。 |
第22話 分かち合えぬ権力 | 挙兵したイ・ゴとイ・ウィミンとの因縁の対決を制したのはウィミン。皮肉なことに、イ・ゴがやっとウィミンを認めたのは、最期の時だった。ウィバンが、もう一度情けを掛けるが、イ・ゴはこれを拒絶し、「友の足かせになりたくない」と、自らの手で命を絶つ。自分の手で盟友を死に追いやったことを嘆くウィバンは、ムビの家で酒に溺れる毎日を送る。そんなウィバンにムビは「天下人になるためには冷酷さが足りない!」と一喝。一方、イ・ゴの死を受けて、邪魔者が一人消えたと安堵するチョン・ジョンブは、さらにチェ・ウォンをけしかけてウィバンを排除しようと企む。ソン・ユインからムビが都にいると聞かされたチェ・ウォンは、巡検軍を引き連れて、ムビの屋敷に踏み込む。 |
第23話 拉致されたムビ | ウォンはムビを捕えてウィバンとの密通を追及するが、ムビは、自分を都に呼んだのは死んだイ・ゴで、ウォンを反乱軍に誘い入れるための策略だったと、嘘の自白をする。ムビの失踪を知ったウィバンは、朝廷刷新と富国強兵をめざして明宗のまえで忠誠を誓うという大切な約束も忘れて、ムビの行方を捜しまわる。その頃、ウィバンが大切な儀式をすっぽかしたことに腹を立てた王、明宗は、チェ宦官だけが頼りと、武臣だけでなく文臣にも不信感を募らせ、宦官を重用しようと決心する。そして宦官を重職につけるため名簿をチェ宦官に渡す。一方、ウィバンは自宅の離れにフィを匿っていることを知っていたギュンがムビを連れ去ったと思い、ジュンブ宅に鉄棍をもって踏み込むが、ジュンブからムビを捕えたのがウォンだと知らされ巡検軍に乗り込む。しかし、牢獄からムビの姿は消え、そこに残されたのは、血痕と装飾品だけだった。 |
第24話 血の雨、再び | 山中に陣取ったウォンは、チョン・ギュンを追及するが、ギュンはうまく言い逃れ、ウィバンとムビの密通を示唆する。ウィバンとウォンの軍が衝突したと分かり、周囲は大騒ぎする中、ウォンがムビを殺害しようとするが、ギュンがこれを阻止。ギュンの言葉に翻弄されたウォンは、ジュンブの元を密かに訪れて、ウィバンとの和解を仲介してくれるよう求める。驚くジュンブだが、ここで仲介役を断れば、今度は自分の命が危うくなるので、これを引き受けウィバンに和解を持ちかける。ウィバンはこの和解を承諾するが、ウォンはその席でウィバンを始末しようと画策する。一方のウィバンは、ムン・グッキョムに諭され、ムビとの情愛でイ・ゴを殺したのかと自責する。 |
第25話 さらば友よ | ウィバンがムビを都に呼びよせたと言う噂が朝廷で立ち、グッキョムは釈明に奔走する。ムビ探しのために、王室への忠誠の儀式をすっぽかしたウィバンを明宗は激しく叱責し、また王宮を守るべきウォンがいないことでも王の怒りは激しく、早急にウォンを王宮に戻さねばと考える。そんな中、ウィバンは、ジュンブの仲介を受けて、罠であることあることも厭わず、単身でチェウォンとの和解の席に向かう。ウォンに対する信義を見せるウィバンは、ムビとの密通のことでも素直に白状し、ウォンの前に命を差し出すが、そこへウィバンの護衛と称して、ソン・ユインの軍勢が奇襲をかける。裏切られたと誤解したウォンは、奮闘の末、弓矢に倒れる。 |
第26話 新たな権力闘争 | ムビとの情愛のために二人の友を死に至らしめたと傷心の衛尉卿イ・ウィバン。しかしイ・ウィバンの威勢はますます強まる。恭睿(コンイェ)太后も、イ・ウィバンとの繋がりを確固たるものにするため、妹のイム氏を嫁がせようとする。重房(チュンバン)会議では、ウィバン派の新進将軍と、ジュンブ派の老将軍たちとの間で、権力闘争が激化する。一方、明宗はウィバンを信じられず、王権を強化するあまり、宦官の重用をする。これを憂慮するムン・グッキョムは、宦官が大殿を警備しているのを見て、明宗に「宦官重用の撤回」を申し出るが、聞き入れてもらえない。そこでこれを「毅宗治世時の宦官政治の復活だ」と、イ・ウィバンに訴え、武力を正義のために使ってくれるよう懇願する。そんな中、ジュンブはチョ宦官を抱き込み、ウィバンの妻チョ氏の”契(ケ)”を取り締まるべきかどうか相談に来た御史台事の背中を後押しする。こうしてチョ氏とウィミンの妻チェ氏が御史台に連行される。これを聞きつけたウィバンは、チョ・ウォンジョン将軍たちが絡んでいると早合点し、怒りの鉄拳をくらわす。 |
第27話 収賄事件 | 武臣の妻たちが賄賂授受の容疑で捕らえられる。ウィバンは配下の武臣たちに怒りをぶつけるが、当の武臣たちは事情が分からない。イ・ジュニは、朝廷を刷新するために今問題が起きては困ると、朝廷に知られる前に米を返却させる事で決着をつけようとするが、1500石の米の勘定があわない。ウィミンの妻で金の亡者のチェ氏がこれに関係したと拷問されるが決して口を割らない。見かねたウィバンの妻チョ氏が責任をかぶったことで事件は一段落するが、この機会に軍部の力を抑えたい明宗(ミョンジョン)は事件を朝廷で議論させ、武臣の排除に躍起になるキム・ボダンも同調する。ウィバンは責任を負って辞職しようとするが、軍部全体に火の粉が降りかかることを憂慮したジュンブが、ウィバンの辞職に反対する。太后もまた、これを利用してウィバンに王室への永遠の忠誠を誓わせようと、ウィバンの罪を不問に付すよう明宗に助言する。そんな中、ジュンブは息子のギュンから太后が、妹のイム氏とウィバンを結婚させようとしていることを聞き、自分を排除してウィバンと手を組もうとしていることに憤慨する。 |
第28話 人事掌握 | 明宗(ミョンジョン)はウィバンの辞職を却下し、夫人たちの収賄事件も不問に付す。太后の狙い通りウィバンの忠誠心は高まる。次は妹のイム氏とウィバンの結婚。さっそく二人を引き合わせようとするが、イム氏は「悪女ムビと情を交わしたウィバンと結婚するくらいなら、出家する」と言い出す。一方、ウィバンに同調する勢力が朝廷で力を強めていくことに、ギュンは危機感を募らせるが、ジュンブはウィバンから託された新人材の名簿を使った作戦で、ウィバンの力をそごうとする。ウィバンが「新人材にジュンブの縁者も入れてください」と言うが、ジュンブはそれをしないでそのまま明宗に提出する。ウィバン派に固められていることに反発するキム・ボダンが反対勢力を集結させ、その後ろ盾となっている兄のイ・ジュニとムン・グッキョムを弾劾したのだ。そんな中、イ・ウィミンは、「徐羅伐(ソラボル)の黄龍」とつぶやく謎の男とすれ違う。 |
第29話 色褪せる大義 | 死んだものだと思っていたムビがウィバンの前に現れ、ウィバン「呂不韋になる約束を忘れて、陛下に忠誠を誓ったのか!」と手厳しく面罵する。キム・ボダンはイ・ジュニとムン・グッキョムの専横人事を弾劾し、イ・ウィバンの排除を明宗(ミョンジョン)に訴えるものの、その対応に困り果てる。これに対しジュンブは軍を動員して、キム・ボダン一派の保護を図るが、すべてが弟ウィバンを嵌めるための罠だと気付いたイ・ジュニは牽龍(キョルリョン)軍を使って彼らを力ずくで追い払う。悩んだ明宗は太后に相談し、「両者を罰して王威を高めよ」とのアドバイスを受け、キム・ボダンらと共にイ・ジュニとムン・グッキョムも左遷するという、両成敗で決着をつける。その頃、イ・ウィミンの家に謎の男が立ち寄り、毅宗(ウィジョン)のもとにはキム・ボダンの部下が訪れる。 |
第30話 玉蓮(オンニョン)寺の約束 | ジュンブを許せないウィバンは、弥勒寺にいるムビの元へ向かい、すでに自分は朝廷と軍部を掌握しており、陛下の信頼もあるのになぜ呂不韋にならなければならないのか?と質問する。これに対してムビはウィバンの痛いところを突く。ウィバン一派の威勢はますます強まり、イ・ジュニはジュンブ一派を排除しようとするが、ウィバンは名分がないと言い消極的。とうとうジュンブ派に先手を打たれ、ギュンは土下座をしてウィバンに「永遠の忠誠」を誓い、ジュンブの方は太后にウィバンとの和解を取り持ってほしいと頼む。一方、ウィミンは、ウィバンから政治に足を踏み入れず、真の武人として生きて欲しいと言われる。その言葉をかみしめながら家に戻ると、トゥドゥウルと名乗る男から、玉蓮(オンニョン)寺の約束として八十斤の大斧が届いている。そんな中、太后の妹イム氏はチョン・ギュンと涙の別れを果たし、都を離れる。 |
第31話 廃王の挙兵 | 1173年8月、キム・ボダンが反乱を起こし、毅宗(ウィジョン)が巨済県(コジェヒョン)を脱出する。流刑されて3年後のこと。日照りが3年も続き人肉を食べる者が現れるほど民は困窮し現勢力を恨むものや、長く在位した先代王を慕う民と、武臣への反感の強い豪族らの歓迎を受け、毅宗は東京(慶州=キョンジュ)に入る。毅宗を傷つければ逆賊になると、乱の討伐に及び腰な老将軍らを尻目に、チョ・ウォンジョンがキム・ボダン討伐の先鋒となる。一方、相変わらずウィバンからの声がかからないパク・チュニはイ・ウィミンに愚痴る。自らが廃位するしかなかった我が子の反乱と言うことで、さすがの王太后もショックを受け、寝込んでしまう。そんな折、ギュンの愛しいイム氏が王都に戻ってきて、ギュンと密会する。チェ宦官らは反乱に加勢して武臣を追放した後、キム・ボダンも始末しようと画策するが、街中に檄文が張られたことで、イ・ジュニは朝廷に内通者がいると睨む。 |
第32話 収賄事件 | チョン・ジュンブはイ・ウィバンに、毅宗を殺害するしか手立てはなさそうだと相談するが、実行するのは難しいと悩む。チョ・ウォンジョンがキム・ボダンの軍勢に苦戦する一方、毅宗を処刑すべきだと考えた恭睿(コンイェ)太后も、ウィバンに対して、娘を太子妃として迎える代わりに、毅宗の暗殺を要請する。ウィバンはウィミンに毅宗の暗殺を指示。ウィミンは、いよいよウィバンが自分を見捨てるのかと悩む。その帰り道、ウィミンを待ち伏せしていたトゥドゥウルは、「鶏林(ケリム)の王に挨拶する」と言って土下座する。 |
第33話 殺害か護衛か | 毅宗の暗殺を命じられたら、イ・ウィバンは反逆者の汚名をそそぐために易姓革命を起こすだろうと、恭睿太后に脅しをかけるムビ。果たしてどんな要求を突き付けたのか。そんな中、暗殺指令に悩むイ・ウィミンは、黄龍になりたければ徐羅伐(ソラボル)に行けと言うトゥドゥウルの言葉を受けて、慶州(キョンジュ)(徐羅伐(ソラボル))に向かい、かつて自分に仕えていたブルと再会を果たす。一方、ウィバンは、ウィミンを慶州(キョンジュ)に派遣したことを報告するが、明宗(ミョンジョン)は毅宗(ウィジョン)の護衛のためかと問いただす。ジュンブは、毅宗殺害を言っておきながら、この機をチャンスとばかりに、王の言葉通りにするのが臣下の道とウィバンに告げる。 |
第34話 徐羅伐(ソラボル)の記憶 | チョ・ウォンジョンがキム・ボダンを捕らえて凱旋し、明宗は乱の鎮圧に軍功を挙げた将軍たちに宴会を催す。一方、ウィバンは、毅宗の処遇について態度を二転三転させるジュンブを問いただす。そんな中、若い頃、兄と共に見せしめとして捕らえられ、父の懇願によってただひとり放免されたという、徐羅伐での苦い思い出を回想するウィミン。一方、現地の豪族たちはウィミンを恐れ投降。これを受けて、ウィミンは毅宗のいる官舎に火を放ち襲撃、徐羅伐を陥落する。毅宗は、豪族たちの裏切りを知り睨みつけるが、ウィミンは馬を下りて…。 |
第35話 黄龍の野心 | 馬から下りたウィミンは、なんと毅宗を護衛に来たというが、毅宗は、武臣たちの意のままの弟(明宗)がそんな命令を出すはずがないと見ぬく。一方、キム・ボダンと内通した宦官が拷問され、再び朝廷が荒れたらと不安の声が上がる。イ・ウィバンは、自分に一言の相談もなしに事を進めるチョン・ジュンブや重房の将軍らと反目を深める。そんな折明宗はウィバンに毅宗保護の意思を改めて伝え、王太后やウィミンの妻からも話があり、混乱する。そんなウィバンの元にムビが現れ、重房に屈服するなと叱咤する。一方、毅宗から慶州を拠点に挙兵しようと誘われたウィミン。夢の中でトゥドゥウルから、己の野心をごまかすなと言われたウィミンが、毅宗と二人きりで対面する。 |
第36話 廃王殺害 | イ・ウィミンは東屋(あずまや)で別れの酒を交わし、斧鉞(ふえつ)の舞を披露。涙を流し舞を称賛する毅宗をウィバンもまた涙ながらに暗殺する。駆けつけたブルが穀宗の遺体をかまどに入れて川へ投げ込む。同じ頃、キム・ボダンや内通を疑われたチェ宦官らも斬首される。ウィミンが毅宗を殺害したとの知らせに、明宗は暗殺の黒幕を明かそうと朝廷を開く。重房ではウィミンの処刑とウィバンの辞職が決議され、太后にも面会をしてもらえず、悩むウィバンに対してムビは、武力に頼るようそそのかす。一方、帰京途中のウィミンは、ジュンブが派遣したソン・ユインらの軍勢と衝突する。 |
第37話 包囲 | ウィバンは、キム・ボダンの残党が反逆を企てていると言う名目で王宮を掌握し、王族や文臣たちを大挙して捕らえる。ウィバンは強引に大殿へ押しかけ、明宗に反逆者を捕縛していると報告し、重房会議を招集するが、ジュンブはこれを無視して王宮を六衛の軍勢に包囲させ、ムン・グッキョムはウィバンの暴挙を止めようと座り込みを開始する。ジュンブの魂胆を知ったジュンブは激突を覚悟し、ジュンブもまた戦う決心をする。その頃、ウィミンは、自分を反逆者と見なす重房決議にウィバンも同意したとソン将軍から聞かされ、パク・チョニを都に向かわせる。そんな中でもウィミンの忠心を信じるウィバンだったが、またもやムビが現れ、とんでもないアドバイスをする。果たしてそのアドバイスとは?そしてまたもやウィバンの身にピンチ(?)が…。太后に強引に要請され離宮へ向かったウィバンを、驚くべき人物が待ち受けていた。 |
第38話 一夜の契り | 離宮に呼ばれたイ・ウィバンを待っていたのはギュンの想い人イム氏だった。出ていくなら自害すると脅すイム氏に、仕方なくイ・ウィバンは部屋で一夜を明かすことになる。恭睿太后は明宗(ミョンジョン)にウィバンの毅宗(ウィジョン)殺害命令を不問に付すよう命じ、ウィバンはジュンブと父子の契りを結んで和解を果たす。一方、ウィミンは、ウィバンを疑う自分の心に罪悪感を感じるものの、ウィバンがジュンブと和解し、自分の処刑を命じたと知ってショックを受ける。それでも自分でウィバンに確認するため都に進撃するが、盟友トゥ・ギョンスンが立ちふさがる。その頃、本戦とは別に女の戦いも…。なんとイム氏がウィバン邸に向かい、驚くべき告白をする。 |
第39話 癸巳の乱 | 盟友トゥ・ギョンスンから廃王殺害の罪を責められたウィミンは、言い訳することなく静かに目を閉じる。しかしギョンスンは別のモノを射殺し、友情が終わったことを告げて去っていく。ウィミンは悲しい表情で都へ向かう。ジュンブは、今回の事件の処理をウィバンに一任するよう明宗(ミョンジョン)に進言する。ウィバンは、反逆に内通した文臣らを大挙殺害し、またユン・インチョムらを呼び出して事件を防げなかった責任を問い詰める。そんな中、ウィミンの前にウィバンが送ったチョ・ウォンジョンの軍勢が立ちふさがる。ウィミンは、かつて牽龍(キョルリョン)軍に入った頃、ウィバンに目をかけられた時のことを思い出しながら、密かにウィバンのもとへと向かう。ところがそんな中、ウィバン邸では大変なことが起きていた。ウィバンと関係を持ったと告白したイム氏が、戻ってきたウィバンに「ここで一緒に住む」と言いだす。そんなウィバン邸に思いつけたウィミンが訪ねる。 |
第40話 真意 | 自分との信義を破るのかというウィミンに対して、なぜ自分を信じないのか、ウィミンを救うために憎っくきジュンブと父子の契りをしたのにと一喝するウィバン。ウィバンは重房会議を招集し、毅宗は我々が廃位させた王であり、ウィミンは反乱の首謀者を処刑したのだと主張する。他を圧倒する大演説でウィミンの罪を不問にし、それどころか龍虎軍の大将軍に昇格させる。しかし、太后との取引で息子のフィを王室に入れることに成功したムビは、ウィミンを殺すべきと警告。文臣のほとんどが朝廷を後にして、ウィバンが軍の人事を掌握するなど、武臣たちの気勢は頂点に達し、騒がしい宴会に明宗は安眠をも妨げられる。そんな中、イ・ウィバンの娘が太子妃に推薦される。イム氏のことで憂鬱になっていたウィバンの妻チョ氏も、これには大喜びで家族そろって太后殿へ向かう。 |
第41話 僧侶の暴動 | イ・ウィミンの前に西京留守のチョ・ウィチョンが現れ、毅宗を殺害した反逆者として討とうとし、ふたりは王宮内で衝突!そんな中、酒に溺れる毎日を送るチョン・ギュンを見かねたソン将軍は、イ・ウィバンがギュンの愛するイム氏を手籠めにしたという噂を吹き込む。一方ウィバンは、反乱を初期の段階で鎮圧する方策として、武臣を地方官として派遣することを明宗に提案し、その俸禄に充てるため寺院の財産を接収する。帰法寺で官吏が僧侶に襲われ、その弾みで死去したのをきっかけに、イ・ウィバンは軍を率いて僧侶たちに弾圧を加える。これに怒った僧侶たちは、武装して都に迫る。 |
第42話 太子妃 | ウィバンは武装した僧侶たちの暴動を鎮圧し、王室の保護下にあった寺院は激しい略奪に遭う。しかしこれが私利私欲のためではなく、国庫を潤すためだけに、明宗も地方の豪族たちも面と向かっては文句を言えない。そんな中堂々をウィバンに非難をしたのはトゥ・ギョンスン。時の執権者ウィバンに「権力をむさぼる一介の武臣にすぎない!」との言葉を浴びせる。そして兄のジュニもまた泥酔してウィバンを侮辱するが…。一方、ウィバンの娘ダルレは太子妃となって王室に嫁ぎ、ウィバンは太子の義父の座を手に入れる。その祝いの席をギュンは抜け出し、あろうことか離れのイム氏と密会する。そんな中、チョ・ウィチョンが北界の民を集結させて、西京で挙兵する。 |
第43話 チョ・ウィチョンの乱 | チョ・ウィチョンの挙兵に対してウィバンは、重房会議に参加するために名目上の武臣となっているだけの文臣ユン・インチョムを先鋒に立て、なんとチョン・ジュンブの息子ギュンを副将として西京に送る。すでに執権者として力を持つウィバンに、重房は何も意見が出来ない。そんな中、ウィバンをたしなめるのはムビ!「兄弟や妻以外は誰も信じるな」「ウィミンを殺害しない限り汚名はそそげない」と言い、「側近選びを間違うと先代王と同じ憂き目を見ることになる」と、的確かつ厳しくアドバイスをするが、ギュンと密会しているとも知らず、イム氏夫人にすっかりメロメロにされている。おまけに仏心を出したばかりに、先日暴動を起こした僧侶の残党チョンチャムに奇襲される。そしてギュンは、密かにこのチョンチャムを腹心に引き入れて出陣する。しかし、岊嶺(チョルリョン)を越える途中で伏兵に遭い、敵の矢を受けてしまう。 |
第44話 怒号 | 鎮圧軍の敗退に、ウィバンは重房に内通者がいるとして、西京出身の武臣や兵士を皆殺しにする。独断的なウィバンに対してジュンブは激怒し、無惨な殺戮にパク・チョニも非難の声を漏らす。ウィバンは、ウィミンとギョンスンを、チョ・ウィチョンの挙兵に唯一同調しない延州に派遣する。そんな中恭睿(コンイェ)太后は、空いている王妃の座にジュンブの一族を据えようと考える。せっかく娘を太子妃に送り込んだのに、宿敵であるジュンブに王の義父となられては大変!ジュンブは、自らの一族の娘を王宮に送り込もうと地元全州から美女を集める。そしてウィバンは王の心を捉えるテクニックの伝授をムビに依頼するが、ムビはイム氏が別の男と密通していることをバラし、彼女を追いだせば手伝うと爆弾宣言をする。 |
第45話 嫉妬 | ムビからイム氏の不義を知らされるものの、すでにイム氏にかどわかされているウィバンはこれを信じず、相手の男を聞きだそうともしない。そんなウィバンにムビが警告の言葉を吐く。一方、司令官の座を賭けて戦うウィミンとギョンスンは、パク・チョニの仲裁で延州に先に到着した方が司令官になることに。ウィミンは、途中で苦戦を強いられながらも、延州で交戦中の反乱軍の背後に迫る。一方、ウィバンは他からもイム氏の密通の噂を聞きつけ、彼女に探りを入れる。そしてイム氏の背中に名前が彫られていることにも気づき問いただすが、イム氏の涙にほだされる。そんなある日、恭睿(コンイェ)太后のもとをジュンブとギュンが訪れていたところへ、ウィバンとイム氏がやって来て鉢合わせする。しかも傍にいた仁宗の第4妃の宣平王后キム氏がとんでもない話を持ち出す。ウィバンをぎょっとさせたその話とは? |
第46話 延州(ヨンジュ)入城 | 宣平(ソンピョン)王后の失言から、イム氏とチョン・ギュンの関係が知られてしまうが、イ・ウィバンは追及。しかし、周囲のフォローで話はうやむやに。かつて少し面識があっただけで、最近は会っていないと言いつくろう二人。ギュンとイム氏が密会していることを知ったジュンブは、家門のために危険な恋を捨て、良家の子女と結婚するようにきつく命令。危機感を覚えたチョン・ギュンは、イム氏の寝所に忍び込み、イ・ウィバンの暗殺を依頼する。一方、イ・ウィミンは西京(ソギョン)反乱軍を蹴散らして延州城に入り、トゥ・ギョンスンは徳州(トクチュ)に留まって民に兵糧米を分け与える。イ・ウィミンは安北(アンブク)府に進撃するが、その途中で敵軍の奇襲を受ける。 |
第47話 王妃の座 | イム氏とギュンに騙されていたと知った、ウィバンは激怒し復讐を決意。そんなウィバンにムビは「誰も信じるなと言ったはず」と指摘。さらに「ウィバンが二人に制裁を加えれば王室と軍部を巻き込むことになるから、まずは反乱の鎮圧が先!」と的確な忠告をする。ギュンと密会から戻ってくるイム氏を待ち構えたウィバンは、戻ってきたイム氏に、思いがけないことを言う。果たしてその言葉とは?イ・ウィミンはキム・ジョンシムの軍勢に襲撃されたところを、トゥ・ギョンスンの援軍に助けられ、勝ちに急いだ自分を反省し、戦いにおける大義の必要性を痛感する。一方、イ・ウィバンは、街で妻を襲った暴徒を捕らえるため軍を動員するが、トゥドゥウルは民の迫害を止めるよう忠告する。そんな中、チョン・ジュンブは、王妃選定に関する回答を恭睿(コンイェ)太后に求めるが、心変わりした恭睿(コンイェ)太后がイ・ウィバンの一族の娘を王宮に入れたと知って、調査を開始する。 |
第48話 出陣 | イム氏の嘘の証拠を掴んだウィバンは、イム氏の寝所にギュンを呼び出し、密通を問いただす。そして、噂を払しょくするためにイム氏と正式に婚礼を挙げると宣言。その時、チョ・ウィチョンの軍勢が都に向けて進撃してくるという報告を受け、2人を残してウィバンは出ていく。残されたイム氏は、事の成り行きに泣き出し、ギュンは生き残るためにもウィバンを暗殺するよう説得する。一方、重房(チュンバン)決議では、進撃を止められなかった責任をウィバンに追及し、ウィバンは鎮圧できなければ処罰を受けると誓って出陣する。さっそくウィバンは、チョ・ウィチョンと一騎打ちし、完勝!ウィチョンに深手を負わす。西京(ソギョン)まで追撃してきたウィバンに対し、ウィチョンの息子チョ・ギョンは直接対決を申し出る。 |
第49話 敗退 | 若武者ギョンの前に不覚にも落馬したイ・ウィバンだったが、さすがにすぐに体制を立て直しギョンは気絶させられる。ギョンの気概が気に入ったウィバンは彼を追い返すが、その後も執拗に対決を求めるギョンをついに斬首する。ところが息子の死にチョ・ウィチョンと西京(ソギョン)軍は奮い立ち、ウィバンの軍勢は大敗を喫してしまう。重房(チュンバン)での責任追及に、ウィバンは軍権をチョン・ジュンブに引き渡す一方、兵糧米調達の名目で略奪を行い、抵抗した民を惨殺する。キョン・ジンの息子で牽龍行首(キョルリョンヘンス)を務めるキョン・デスンは、その惨状を嘆く。ムビは、敗戦し面目丸つぶれのウィバンに、またもやとんでもないアドバイスをする。一方、イム氏も寝入ったウィバンを…。 |
第50話 大義を再び | ウィバンの屋敷に賊が侵入したと思ったのは、牽龍行首(キョルリョンヘンス)を務めるキョン・デスンだった。デスンは、ウィバンが専横で国を危うくしていると批判。そんなキョン・デスンの動きを知ったチョン・ギュンは、ウィバン排除のため手を結ぼうとするが、キョン・デスンはその提案を、大義でなく私怨によるものと一蹴する。そんな中、ウィバンは、大義を再び叶えるために、ムビの頼み通り、今の王を廃してムビの息子を王位に就けようと決意する。そして自分の暗殺を思いとどまったイム氏の元に出向き、ギュンとの裏切りを許す。感激したイム氏はウィバンの胸にすがり始めて心からのなみだを流す。ところが、僧兵の訓練場を視察中、ギュンに刺されてしまう。 |
第51話 虎の最期 | 深手を負って逃亡するウィバンは、ムビが様子を見に行かせたオランに助けられ松岳山の洞穴に身を隠すが、オランはチョ・ウォンジョンのもとに向かう途中で捕らえられてしまう。一方、ムビは恭睿(コンイェ)太后のもとを訪れ、ウォンジョンにウィバンの捜索を命じるよう依頼するが、ウォンジョンは、ジュンブに呼び出されて宴会に興じていた。頼みのウォンジョンは、「ウィバンが辞職した後の軍部を任せる」と言う甘言にジュンブに懐柔されていた。さらにイ・グァンジョンまでがジュンブに懐柔されてしまった。大勢の兵に囲まれながらも最後まで激闘するウィバンだが、ついに力尽きて倒れてしまう。 |
第52話 野ざらしの遺体 | ジュンブは、あくまでもウィバンを襲ったのは訓練場の僧兵だと、明宗にウィバンの死を報告する。ウィバンの遺体を荷車に載せて帰還するギュンの前をウォンジョンが阻むが、反逆者になるか軍部の長の座に就くかと問われ、退却する。ムビはギュンに、ウィバンを殺せばウィミンが黙っていないと警告し、ウィバンの遺体と引き換えにウィバンの謀反の証拠を渡して、都を後にする。一方、イム氏は、自分たちの仲を許してくれた恩人のウィバンを殺害したギュンに深く失望する。結局ウィバンの最期はムビが葬る。厳重に包囲されているウィバン邸に押し入ってウィミンは、命令通りに自分が帰京しておれば…と悔しがり、重房会議に乗り込む。 |
第53話 謀反の証拠 | ウィミンが重房(チュンバン)に現れて斧鉞(ふえつ)を振るう。ジュンブは「個人的な復讐のために軍律に違反したのかッ!」と延州に戻るように命じる。ウィミンが、ウィバンを裏切りジュンブ側に寝返った人々なじると、ギュンはウィバンがムビと共に王の暗殺を企てていたと主張。証拠の毒入りの酒を見せられたウィミンは延州(ヨンジュ)に帰還するが、その途中でチョ・ウォンジョンの兵に襲われる。一方、ギュンは、デスンの同志のホ・スンを自分の部下に誘い込み、ウィバンの残党処理を依頼する。そんな中、もう一度ギュンとやり直そうとしたイム氏は、権力掌握に躍起になるギュンから冷たい言葉を浴びせられ、首を吊る。 |
第54話 迫害された一族 | ジュンブは廃王の国葬を通じてウィバンを反逆者に仕立て上げ、太子妃を追放しようとする。一方、デスンは、ウィバン排斥のために作った自身の秘密組織を解散させるが、それに納得できないスンと一騎打ちになり、勝ったスンが秘密組織の新たな首長となる。そんな中、ジュンブが朝廷の長である門下(ムナ)侍中(シジュン)に就任し、チョ・ウォンジョンが軍部の長となる。イ・リンは都を離れ、イ・ジュニは身を隠し、太子妃は恭睿(コンイェ)太后の目の前で、ギュンに追放されそうになるが…。 |
第55話 太子妃追放 | 太子妃を王宮から追放しようとしたギュンを、親衛軍でない兵を夜中に動かした事で、反逆とみなして捕縛する事もできのだぞと、デスンが制止。なんとかピンチを潜り抜けた太子妃だったが、ジュンブ親子との対立を避けたい父キョン・ジンの仕組んだ狂言で任務を離れていた隙に、ギュンの部下となったスンによって、太子妃はとうとう王宮を追放されてしまう。ジュンブは私情に流される明宗(ミョンジョン)をたしなめる一方、恭睿(コンイェ)太后は明宗(ミョンジョン)を奸臣に振り回される気弱な王と非難するが、すっかり強気になってきた明宗は、逆切れ!そんな中、軍部ではウォンジョンが、ウィミンの暗殺を密かに計画する。 |
第56話 解毒の秘法 | ウィミンは、毒入りの酒を飲まされ吐血しながらも、兵をなぎ倒して逃亡する。毒に倒れたウィミンのもとに、トゥドゥウルがプヨンという女性を連れて現れ、プヨンはウィミンの命を救う。一方、ジュンブの前に現れたイ・ジュニは、ウィミンが死んだものだと勘違いし、武人たちの横暴を忠告して自害する。太子妃の廃位に消極的な明宗(ミョンジョン)に対し、ジュンブは軍部出身の官僚を動員して大殿の前で座り込みをして圧力を加える。デスンはそんなジュンブの専横に憤り、ジュンブとともに動く父の姿に苦悩する。そしてとうとう明宗は、太子妃の廃位を認めてしまう。 |
第57話 忠犬 | 明宗は先代の廃王・穀宗の国喪を認め、チョン・ジュンブはこれを切り札に、西京留守チョ・ウィチョンの胸中を探ろうとする。一方王大妃から太子妃に生活物資が届くが、チョン・ギュンはイ・ウィバンの財産を全て没収し、さらにイ・ウィミンの屋敷にも火を放ち、イ・ウィバンの妻チョ氏と娘の太子妃は仕方なく都を後にする。チョン・ジュンブは、海州(ヘジュ)出身の娘であるスンジュを養女に迎え、王宮に送り込もうと画策する。一方、横暴を重ねるチョン・ジュンブにへつらう父キョン・ジンに対して、キョン・デスンは反発を強め、父が設けたチョン・ギュンとの和解の席も、物別れに終わってしまう。命の助かったウィミンは、プヨンが運命の女性だと聞き、そのわけを尋ねるが、どうも今一つプヨンの話が分からない。そんな中、ウィミンは奇襲を受け… |
第58話 国葬 | ウィミンを襲撃したのは、西京軍だった。捕らえられたプヨンを助けるため、チョ・ウィチョンのもとに連行されたイ・ウィミン。一度は勅書に応じて投降を決めたチョ・ウィチョンだが、使者の逃亡に激怒して、イ・ウィミンと手を結んで大義を示そうとするが…。一方、キョン・ジンは土地の権利書をチョン・ジュンブに捧げて息子の非礼を詫びるが、キョン・デスンはチョン・ギュンの蛮行を非難して牽龍行首(キョルリョンヘンス)の座を辞職する。そして1175年5月、廃王・毅宗の国葬が簡素に行われる。どこにも行き場の無いウィミンは、プヨンから暗殺計画が朝廷の指図では無い事を指摘され、延州に戻る事を勧められる。そして公州では…。 |
第59話 マンイ・マンソイの乱 | 1176年、公州(コンジュ)鳴鶴所(ミョンハクソ)でマンイとマンソイ兄弟が反乱を起こし、公州の官庁を占領する。朝廷出仕の足がかりにするため、討伐軍の先鋒を志願するチョン・ギュンだが、それをチョン・ジュンブに阻まれ反発する。民を助ける政治を目指しながらその暮らしを何も知らないと考えたデスンは、ホ・スンを同志として信じていると言い残して都を離れ、民を知る旅に出る。そして討伐軍の暴挙を目の当たりにし、兵士に襲われそうになっている少女モルを助ける。一方、トゥドゥウルはそんな民乱が黄龍を昇天させる黒雲になると言い、イ・ウィミンはプヨンと夫婦の契りを結ぶのだが…。 |
第60話 致仕と几杖 | 夫イ・ウィミンを追って西京(ソギョン)までやって来たチェ氏は、そこでプヨンと対面する。その頃、70歳で官職を引退する慣例である話“致仕”を恭睿太后から聞かされ、興奮して倒れたチョン・ジュンブ。朝廷ではその後任をめぐって議論が紛糾するが、ムン・グッキョムは民乱の収拾が先決と主張し、反乱軍に懐柔策を提示して和解を求める。一方、病から回復したチョン・ジュンブは、王から杖を下賜されれば引退しなくても良いという漢の孔公の例“几杖”をチョ宦官の入れ知恵により知り、明宗から几杖を賜り、致仕を免れる。ところが父が目障りなギュンは…。 |
第61話 父子の反目 | ギュンは、父ジュンブに入れ知恵をしたチョ宦官を捕えて服を剥ぎ取り鞭打ちに。それを止める父に対してギュンは、自分の出世を妨げていると暴言を吐く。ギュンは、老将軍たちに刺客を送ろうと企てるが、それを知ったジュンブは、明宗(ミョンジョン)から賜った杖を折って、息子への思いを伝える。その頃、プヨンとウィミンが契りを交わしたと知った正妻チェ氏は配下の前で大騒ぎし、プヨンへの対抗心を燃やす。一方、明宗がスンジュの寝所を頻繁に訪ねるのを不審に思った恭睿太后は、それがジュンブの差し金と知り、対抗してミョンチュンを入宮させる。そんな中、官軍の兵糧攻めで困窮した民は飢え、ついに人肉を食べる事態まで起きる。民を救うため西京将軍が降伏し、チョ・ウィチョンが自決し、西京の反乱は終結する。 |
第62話 民の声 | 朝廷との和親を決めるマンイに対して、礼山(イェサン)で民衆を率いるソン・チョンは、朝廷との和解は一時的に過ぎないと予測し、徹底抗戦を主張する。一方チョン・ギュンは、人肉を食べるほど飢えに苦しむ北界の民を利用し、ウィミンの首に懸賞金をかけて殺そうとする。そんな事を知らないウィミンは、北界で飢える民に兵糧を分け与え、プヨンは鍼治療で民を救う。礼山で民衆と共にいたキョン・デスンは、密偵と疑われて処刑されそうになるが、老人に助けられる。そんな中、マンイとマンソイ兄弟が降伏し、民の命を救ってくれるよう訴える。しかし、チョン・ジュンブは、彼らを都に引き留めている間、討伐軍を送って礼山の民を皆殺しにしてしまう。その暴虐ぶりにキョン・デスンは、怒りに震える。 |
第63話 女の戦い | キョン・デスンは、モルのなきがらを抱きかかえながら罪なき民を殺戮した王室と朝廷への怒りに震える。北界で残党討伐を命じられたウィミンは、西京の民に兵糧米を施していたが、その兵糧米も底をつき、この窮状に無関心な朝廷を嘆く。民心を鎮めるためにマンイを赦免した明宗は、穀物まで与えるという破格の待遇で故郷に返すが、ジュンブは明宗の御意を無視。討伐軍が鳴鶴所(ミョンハクソ)を襲撃し、マンイの母や民を皆殺しにしたと聞いて、再び立ち上がる。その頃、スンジュは、ミョンチュンに暴力を振るっていたところを恭睿太后に見とがめられ、危うく王宮から追放されそうになるが、懐妊が発覚して許される。雲州を通り抜けようとしたウィミンは雲州軍に包囲され…。 |
第64話 王と臣下 | イ・ウィミンは雲州で懸賞金目当ての民に襲撃され絶体絶命。自分の首に賞金がかかっていることに驚愕するウィミン。都に救援を求めるウィミンだが、依頼はギュンに握りつぶされ、単身で延州に向かったパク・チョニはウィミンの前で戦死する。一方、民乱の再発を叱責する明宗に反発し、チョン・ジュンブが武臣らと一斉に辞職したことにより、朝廷と軍部は機能不全に陥ってしまう。業を煮やした明宗は、ジュンブに再出仕を懇願して討伐軍を指揮させ、民のために戦ったマンイ・マンソイの乱は鎮圧され、キョン・デスンとトゥドゥルが見守る中、斬首される。 |
第65話 復職 | パク・チョニの戦死に憤慨したイ・ウィミンは、雲州(ウンジュ)の兵や民を皆殺し!もはや制御不能となったウィミンを諫めるためプヨンが身投げしたと聞かされ、ウィミンは号泣、ようやく目を覚ます。時は流れて1178年。賄賂と売官まみれの朝廷、明宗(ミョンジョン)は側室たちと宴会に興じており、そんな王を見て太子が諫言。怒った明宗が投げた杯で太子は額から血が…。ホ・スンは気弱な王を倒して太子を擁立しようと考える。キョン・ジンは死去し、キョン・デスンは龍虎(ヨンホ)軍将軍として復職する。キョン・デスンはホ・スンと再会して握手を交わすが、私怨を晴らすための挙兵はしないと釘を刺す。 |
第66話 奪われた土地 | チョン・ギュンはキョン・デスンに、清州(チョンジュ)の土地の半分を渡すというキョン・ジンの念書を示す。事審官(サシムグァン)として清州(チョンジュ)に赴いたキョン・デスンは、そこで清州の民 オチョク兄妹から襲われる。デスンは、兄妹からは、亡き父キョン・ジンが生存中清州の民から土地を強奪し、さらに「清州の土地を海州一族に渡す」と噂が立ったと聞き、亡き父が不正に奪っていた土地を民に返還する。ところが、その土地を担保にしていたチョン・ギュン一派は力ずくで土地を奪い取る。キョン・デスンは民に、自らの土地は自ら守れと諭す。これを聞いた清州の民たちは、自分の権利を守るために官庁を襲撃する。一方、北界(プッケ)では、酒を断って挙兵の準備をするウィミンのもとに、恭睿(コンイェ)太后の使いが密書を届けに来る。 |
第67話 清州(チョンジュ)の反乱 | 民乱をそそのかしたとしてキョン・デスンを捕らえようとするチョン・ギュンの鞭をしっかと掴み、暴動の責任を否定。激怒したギュンの武力行使にいよいよピンチのキョン・デスンを救ったのは?結局、清州に危害は加えないと約束させられて追い返えされるチョン・ギュン。そんなキョン・デスンに恭睿(コンイェ)太后は興味を持つ。しかし、太后はデスンの誠実さを認めるが、朝廷内で力が無い、頼るべきはやはりイ・ウィミンだと判断する。代理のトゥドゥウルとイ・ウィミンは弥勒寺で密会し、廃王を殺した罪を不問に伏す事を条件に都に進軍し、海州を討つよう命を受ける。一方、チョン・ギュンは左承宣(チャスンソン)として朝廷の一員になり、王女との縁談が持ち上がる。そんな中、イ・ウィミンの前に死んだはずのある人物が姿を現し、イ・ウィミンは驚愕する。一方の恭睿太后は、チョン・ジュンブ一族を倒せば功臣にするとの約束をイ・ウィミンに伝える。 |
第68話 運命の人 | 死んだはずのプヨンは生きていた。明宗(ミョンジョン)の次女、スアン姫に無礼を働くチョン・ギュンを咎めるキョン・デスン。恭睿太后は激怒するが、明宗はチョン・ジュンブに遠慮して厳格な態度に出られない。息子のギュンをスアン姫の夫にすべく、チョン・ジュンブが金と権力で動き出すが、太后と明宗の間ではスアン姫の夫選びで意見が対立。キョン・デスンは、たとえ奸臣を倒しても、民を救えなければ自らも奸臣に成り下がってしまうと、挙兵に慎重な態度をとるが、清州(チョンジュ)が再び兵に襲われたことを知る。一方、イ・ウィミンは、自分が高麗(こうらい)を倒すと予言された安南国の王の末裔であることを、プヨンから知らされる。 |
第69話 偽造された手紙 | チョン・ギュンの命令により、キョン・デスンの首を取りに来たホ・スンだが、キョン・デスンに打ち負かされる。チョン・ギュンはキョン・デスンとの結託を疑い、ホ・スンに毒を飲ませるが、その忠誠心に免じてチョン・ギュンは解毒剤を与えるが…。一方、太子は「海州を切り捨てるべき」と明宗に進言し、妻と生き別れた自分と同じ思いをスアン姫にさせたくないから、結婚相手からギュンをはずすよう重ねて進言する太子の言葉に、明宗は不機嫌になる。チョン・ギュンは、恭睿太后がイ・ウィミンと内通し、朝廷と軍部を倒そうとしている証拠を探る。イ・ウィミンは、恭睿太后の手紙に応じて都に進撃するが、?嶺(チョルリョン)で待ち伏せしていた兵に襲撃される。 |
第70話 太后の謀反 | チョン・ギュンの偽の書状により、官軍に待ち伏せ襲撃されイ・ウィミン軍は全滅。さらに民までもが惨殺されたことに怒り、二度と王室や朝廷に騙されないと決意するイ・ウィミン。イ・ウィミンが謀反を起こしたら首を差し出すと宣言していたトゥ・ギョンスンは、自らイ・ウィミンに会いに行き、そこで事件の真相を知って激怒する。一方、恭睿(コンイェ)太后は自分の手紙が偽造されたことに衝撃を受け、チョン・ジュンブはこれを口実として、恭睿太后に縁談を決意させようとするが、ムン・グッキョムが公然と非難する。そん中、トゥ・ギョンスンはイ・ウィミンから、都に進撃するため挙兵したことを聞き、2人はまたもや一騎打ちをするが…。 |
第71話 賄賂 | チョン・ギュンはイ・ウィミンに送った使いの宮婢を引き出して恭睿(コンイェ)太后に迫り、これで縁談は承諾されたと浮かれるチョン・ジュンブは、明宗(ミョンジョン)に自身の土地を贈与し、なんとそのお返しとして、チョン・ジュンブの求めるままに太后の離宮を譲渡してしまう。もちろん激怒の太后だが…。そんな中、スアン姫はキョン・デスンに、海州(ヘジュ)一族の横暴を阻止してほしいと訴えるが、慎重なキョン・デスンはイ・ウィバンの轍を踏むことを恐れ、これを断る。一方、イ・ウィミンのもとにはチェ・ブとチャソンが現れ、キョン・デスンのもとにも清州(チョンジュ)からオチョクの仲間がやって来る。 |
第72話 婿の座 | チョン・ギュンから反対派の始末を命じられたホ・スンは、キョン・デスンに挙兵を迫る。しかしデスンはこれを拒否。そんな中、スアン姫が王室を思い健気にもチョン・ギュンとの結婚を決断したことで、明宗(ミョンジョン)はようやく王としての威厳を取り戻し、恭睿太后に謝罪して縁談を思いとどまる。一方、スアン姫と結婚して王室の盾となってくれるよう頼まれるが、固辞を続けるキョン・デスン。この動きを知ったチョン・ギュンは、なぜ自分を裏切るのかと、病床の恭睿(コンイェ)太后に迫るが、そこに明宗(ミョンジョン)が現れ、ギュンの不遜態度に憤慨した明宗は密書を破り捨て、ギュンを追い出すが…。 |
第73話 深夜の謁見 | チョン・ジュンブは深夜、全官僚を大殿(テジョン)の前に集めて明宗(ミョンジョン)に謁見を求め、チョン・ギュンとスアン姫の婚姻を認めなければ、王室に対抗せざるを得ないと脅しをかける。その様子を見ていたキョン・デスンは、朝廷の誰もチョン・ジュンブの横暴を止めようとしないと義憤にかられる。その頃、北界(プッケ)ではイ・ウィミンが、腐敗した王室と朝廷を倒すため、挙兵を宣言する。一方、チョン・ギュンは、ホ・スンにキョン・デスンの始末を急がせる。ホ・スンから「挙兵するか、殺されるか?」と迫られたデスンはついに決断する!果たしてその決断とは? |
第74話 立ち上がる時 | ホ・スンに「挙兵するか?それとも殺されるか?」と迫られたキョン・デスンはついにジュンブ父子を倒すことを決意し、ついに手を携えたキョン・デスンとホ・スン。2人はチョン・ジュンブ父子を倒し、さらにイ・ウィミンを斬ると誓いを立てる。ただし、無用な血を流すことはせず、イ・ウィミンが進撃してくる前に決死隊を組んでジュンブ親子とソン・ユインを殺し、その後王命を受けて残党を掃討する作戦を決める。そして政治を文臣の手に戻し、軍部は本来の任務に戻る事を決意。一方、北界(プッケ)で挙兵の準備を進め、皇帝の衣服を着て上機嫌のイ・ウィミンは、挙兵を止めるためにキョン・デスンと内通したトゥドゥウルを問い詰める。そんな中、チョン・ギュンが疑い始めたことから、義挙の実行を急ぐキョン・デスンは、宿直中にソン・ユインと宴を楽しんでいたチョン・ギュンを襲撃する。 |
第75話 義挙 | ついに、チョン・ギュンとキョン・デスンは、一騎打ちを始めるが、どこまでも卑怯なギュンは卑怯な手を使って逃げ延びる。キョン・デスンの軍勢に囲まれてチョン・ギュンはついに無残に命を落とし、間もなくソン・ユインも豚小屋に隠れていたところを見つかって処刑される。王室を守るための義挙だと報告し、明宗(ミョンジョン)からチョン・ジュンブ追討の王命を受けたキョン・デスンは、重房(チュンバン)会議を招集して義挙の大義を説明。王命を受けたとあっては仕方がない。重臣や大将軍らは、しぶしぶデスンを支持するが。ただ一人、トゥ・ギョンスンだけが約束を破り挙兵したデスンに矢を向け、「ウィバンの二の舞にならないことを誓うか!」と確認する。一方、皇帝の衣服に身を包み、まさに出陣しようとするイ・ウィミンだが、そこへキョン・デスンが挙兵し、王宮を掌握したという急報が届く。 |
第76話 権勢の最期 | ついに逃げる途中で気を変えて、王宮に戻ってきたチョン・ジュンブ。朝廷や軍部の一同を集めた尋問の場で、人事を操り王室を脅していた事実が露呈したチョン・ジュンブは、素直に大逆罪を認め、武人らしく自害することを請うが、明宗(ミョンジョン)はそれを許さず斬首刑を言い渡す。だが、キョン・デスンは、慈悲を施さない明宗(ミョンジョン)の姿に疑念を抱き、自分も用済みとして殺されることのないように、権力を手放せなくなってしまうのではと危惧し始め、ウィミンを討ったら都を離れようと考える。海州一派没後、民からのデスンの支持が高まり都は安定し始める。しかし未だ明宗はデスンを信じておらず、恭睿(コンイェ)太后はデスンを要職に就け、スアン姫と結婚させようとするが…。ウィミン偵察から帰ったデスンは、酒席で浮かれる重臣たちを叱責する。 |
第77話 権力者 | キョン・デスンは重房(チュンバン)で宴会を催している軍部に乗り込み、イ・ウィミンの鎮圧軍を送るべきと憤慨する。一介の将軍に怒鳴られた大将軍たちも気分を害する。一方、ホ・スンはキョン・デスンの命令と称して、チョン・ジュンブに従った将軍らを始末する。キョン・デスンはホ・スンに都を離れるよう忠告するが、国を正すという大義を貫くため、聞く耳を持たないホ・スン。すべてがキョン・デスンの指示だと誤解している明宗は、彼の横暴を警戒し、ますますキョン・デスンを嫌う。そんな中、キョン・デスンが逆心を抱いているという檄文が街に貼られる。ついに孤立無援となったキョン・デスンは…。 |
第78話 正しき政治のため | キョン・デスンは、自ら辞職願を出し都を離れることに。そんなデスンをイ・ウィミンの刺客としてブルが襲うが、逆にキョン・デスンに取り押さえられるが、そこにトゥドゥウルが現れる。トゥドゥウルはデスンに、イ・ウィミンが挙兵する名分を奪うため、正しい政治を行って民の窮状を救うよう求める。基盤のない自分に正しい政治ができるのかと悩むキョン・デスンのもとに、恭睿太后からスアン姫との縁談が再び舞い込む。太后からキョン・デスンを呼び戻すべきと言われた明宗だが、復職は認めないものの、縁談については許可をした。一方、イ・ウィミンは、トゥドゥウルの裏切りと、届いたブルの遺髪に嘆き悲しむ。太后から呼び出しを受け、スアン姫との結婚を促されたキョン・デスンが、決心を固めたその時、明宗から呼び出され…。 |
第79話 奸臣一掃 | キョン・デスンを裏切ったことを堂々と開き直ったホ・スンの計略によって、キョン・デスンの王室からの信頼は完全に地に落ちる。そして太后の反対にも耳を貸さず、明宗はスアン姫の縁談は撤回し、ヨニ姫とスアン姫を王族のもとに嫁がせることを決意する。奸臣の一掃を宣言するホ・スンに対して、チョ・ウォンジョンら軍部は排除を試みるが、逆にホ・スンの気勢に阻止され、奸臣の排除に協力させられてしまう羽目に。そんな中、キョン・デスンが逆心を抱いているという檄文が再び出回る。キョン・デスンの親族のソン・ソクは、ホ・スンの仕打ちに怒り立ち上がるべきだと主張する。 |
第80話 百人の壮士 | キョン・デスンのもとに、ジャギョクの集めた全国から壮士たちが集まってくる。今はまだ軍を集めてホ・スンを刺激すべきでないと、彼らを追い返すキョン・デスンだが、帰ろうとせずに居座り続けるゴロツキのトソンを受け入れることに。デスンはスアン姫に呼び出され愛の告白をされるが…。一方、太子府指諭別将となったホ・スンは、明宗に代わって朝廷を掌握するよう太子に勧める。そんな中、明宗は、自分が病床のスンジュを見舞っている最中に、太子が王宮内で宴席を設けて騒いだことについて、不快感を露わにする。 |
第81話 骨肉の争い | 御前会議の最中にホ・スンが現れ、太子と宴席を設けて騒いだ件の処罰を請い、また明宗(ミョンジョン)に太子を慰めるよう願うが、明宗(ミョンジョン)と太子の葛藤を骨肉の争いと表現したことについて、朝廷と軍部ではホ・スンに対する非難の声が高まる。ホ・スンが太子擁立の野望を抱いていると聞かされたキョン・デスンは、ホ・スンに身を引くよう忠告するが…。一方、恭睿(コンイェ)太后は太子にホ・スンを遠ざけるよう忠告するが、拒否した太子に明宗(ミョンジョン)は激怒する。これを聞いたホ・スンは、グァンニプにある命令を下す。果たしてその命令とは…。 |
第82話 都房(トバン) | 明宗(ミョンジョン)は相変わらず宴会三昧で日々を過ごし、太子の謝罪も受け入れずますます対立も深まる。キョン・デスンは、これを利用してホ・スンが反逆を狙っていると聞かされる。しかし天倫に背きたくない太子は、ホ・スンを止めるようにデスンに頼む。 一方、北界(プッケ)では、泥酔するイ・ウィミンの姿に幻滅した兵士たちの脱走が相次ぐ。そんなイ・ウィミンの目を覚まさせるために、チェ・ブは幼い弟を斬る。その地を浴びたウィミンはやっと目をさまし号泣。 そんな中、キョン・デスンの屋敷に壮士たちの詰め所が完成し、キョン・デスンはこれを“都房(トバン)”と命名し、房主にキム校尉を指名する。キョン・デスンは、その完成祝賀宴にホ・スンを呼び、その席でホ・スン斬ろうと決心する。 |
第83話 野望の敗北 | 都房で酒を酌み交わすキョン・デスンとホ・スン。気弱な王を変えなければ朝廷や軍部を倒しても無駄だと言うホ・スンに対して、大逆罪人と断ずるキョン・デスン。二人の対決に敗北したホ・スンは、ついに自決の道を選ぶ。ホ・スンとキム・グァンニプの処断を報告するキョン・デスンに対し、明宗(ミョンジョン)は黒幕を暴くよう命ずる。さらにキョン・デスンは、重房(チュンバン)で朝廷と軍部への不信感を述べ、出仕しないで民の立場から朝廷と軍部を監視すると宣言し、民のための政治をしなければ、容赦しないと脅す。 その頃、目が覚めたイ・ウィミンはチェ・ブの弟の死に、二度と同じ過ちを繰り返さないと誓う。 |
第84話 信望 | キョン・デスンがイ・ウィミン討伐軍の派遣を要請したのに対し、自分たちの不在中にキョン・デスンが都を掌握するのではと警戒する軍部。とは言え、キョン・デスンに対する兵士たちの厚い信望に、軍部もうかつに手出しができない。そんな中、明宗は、ホ・スンが誰を王に擁立しようとしたのかと太子を問い詰め、父子間の不和はますます深まる。さらにチェ・セボらが、デスンは、ウィミンを討った後、今度は自らが政治を独占するつもりだを明宗(ミョンジョン)に進言し、明宗は、キョン・デスンの威勢を抑えるため、イ・ウィミンを朝廷に迎えようとする。そして、ウィミンを討つ王命を求めるデスンに、とんでもないことを言いだす。果たしてその言葉とは? |
第85話 二匹の虎 | 都に戻ってきたイ・ウィミンは、王宮の前でキョン・デスンと一戦を交えるが、トゥ・ギョンスがこれを制止する。王室を倒しに来たイ・ウィミンは、明宗(ミョンジョン)から王室を守るためにキョン・デスンの専横を阻むよう依頼され、武臣出身の文官であるチェ・セボとムン・ジャンピルからも、武臣政変以前の体制に戻そうとするキョン・デスンを、阻むよう頼まれる。キョン・デスンはイ・ウィミンに対する監視を強化するが、その隙を突いてイ・ウィミンは、都の近郊に到着したチェ・ブとチャソンの軍勢と合流する。 一方、太子は、ムシロの上に座って罪の許しを請う“席藁待罪(ソッコテジェ)”で明宗の怒りを解こうとするが、明宗はこれを強く叱責する。もはや溝は埋められないところまで来てしまった父子。このまま骨肉の争いへと続くのか…。 |
第86話 太子廃位 | キョン・デスンの屋敷に単身で乗り込んだイ・ウィミン。対戦するも決着が付かず、酒を酌み交わすが、それでもなおかつ先王の怨みを口にするキョン・デスン。ついにイ・ウィミンは、廃王の殺害は王室の意向だったと告げる。結局二人の意見は平行線で、勝負は持ち越しとなる。一方、明宗(ミョンジョン)は、太子の廃位を決議しない朝廷を責める。自害の準備までしていた太子を見た恭睿太后は、明宗に許すように懇願するが…。イ・ウィミンも、軍部を集めて太子の廃位をたきつける。そんな中、トゥドゥウルは、キョン・デスンを訪ね、イ・ウィミンの反逆機密を教える代わりに、イ・ウィミンの首を確実に斬るよう要請する。 |
第87話 挙兵の夜 | キョン・デスンとイ・ウィミン、どちらに付くべきか悩むチョ・ウォンジョンは、イ・ウィミンを訪ねてその腹の内を探ろうとする。イ・グァンジョンから、国への忠誠さえ一貫していれば、派閥を乗り換えても責められる筋合いはないと説得されるチョ・ウォンジョン。明宗は相変わらず酒宴を開き、もはや打つ手のない太子はすっかりあきらめモード。しかし、太后はあきらめず、今度はウィミンに架け橋を頼むが、これも断られてしまう。 その夜、文臣や武臣の家を襲おうとした刺客や進撃するチェ・ブの軍勢を、都房(トバン)の兵士や六衛の軍が撃退する。挙兵失敗を知ったイ・ウィミンは、北界(プッケ)を目指して逃亡する。 |
第88話 臨津江(イムジンガン)を渡れ | イ・ウィミンを逃がそうとして、「トゥドゥルは北界の道を塞げ」と言ったのだ。追い詰められたイ・ウィミンは、無言の行を破ったブルが現れて窮地を脱し、南の臨津江へと向かった。これに気づいたキョン・デスンは慌てて南方への逃げ道を塞がせていたトゥ・ギョンスンのもとへ。ところが途中で待ち伏せていたトゥ・ギョンスンが見逃してしまったことで、イ・ウィミンは無事に臨津江を渡りきる。トゥドゥウルは、キョン・デスンがイ・ウィミンを斬れば、朝廷と軍部はキョン・デスンに迎合し、民の生活は変わらないと忠告する。一方、明宗は、キョン・デスンがイ・ウィミンをわざと追い出したと誤解する。さらに、「私利私欲を捨てて民のための政治をすべき」、と朝廷や軍部に訴えたデスンに、ムン・グッキョムが、廃太子の阻止を要請したため、デスンは明宗と太子との和解の席を取り持つが…。 |
第89話 届かぬ忠誠 | 明宗と太子の形ばかりの和解が成立し、今こそ朝廷と軍部を刷新すべきと言うキョン・デスンだが、これまでの執権者の言動の不一致に、散々な思いをしてきた明宗(ミョンジョン)は、どうしてもキョン・デスンの忠心を信じることが出来ない。今回のキョン・デスンの介入に対しても、不快感を露わにする。民は王よりもキョン・デスンを信頼するようになり、キョン・デスンは明宗に善政を敷くよう訴えるが、聞く耳を持たない。そんな折、キム・ジャギョクが暴走!民の窮状を目の当たりにしながら、何もできないもどかしさに、都房(トバン)の兵を率いて、民から田畑を奪った奸臣から穀物を奪い取り、それを民に分け与えてしまう。これを聞いた明宗は…。 |
第90話 決意 | 都房の兵が略奪を行い、官吏を殺害したことが、物議を醸す。略奪行為を責めるキョン・デスンに対して、キム・ジャギョクは、「明宗を信じられない。民の期待を裏切るな」と訴えて自害しようとするが、都房の兵がそれを止めに入る。思い詰めてトゥドゥウルのもとを訪ねたキョン・デスンは、為政者たちに民の恐ろしさを教えてやるよう勧められる。翌朝、キョン・デスンは私兵を率いて王宮に乗り込み、明宗が善政を行うのを邪魔する者は始末すると宣言する。 一方、イ・ウィミンは徐羅伐の穀宗殺害現場でチャソンらと再会するが、その後とんでもない現場に遭遇する。果たしてイ・ウィミンが見た光景とは? |
第91話 済民の大義 | 徐羅伐(ソラボル)に着いたイ・ウィミンは、成長した3人の息子と再会し、共に暮らすことになる。しかし、兄弟たちは、プヨンが父をそそのかし挙兵させ、ウィミン一家の前途を台無しにした悪女だと思い込む。次男のイ・ジヨンと三男のイ・ジグァンはプヨンに暴力を振るい、長男のイ・ジスンがそれをたしなめる。一方、キョン・デスンは、民を救うという“済民”を大義に建て、兵らと寝食を共にする都房(トバン)政治を開始し、国の庇護下で横暴に振舞っていた寺院に制裁を加え、強奪分を民に返還する。不正をただすためとはいえ、どんどん強引になるデスンをトゥ・ギョンスンが説得しようとするが…。そんな中、イ・ヨンジンの家財を奪いに行ったヤンピョらが返り討ちに遭う。憤るキョン・デスンだが、都房(トバン)に提供されるソン・ソクの米が賄賂だったと知らされ、衝撃を受ける。 |
第92話 崩れた名分 | ソン・ソクに賄賂を配ったキム・ジャギョクを鞭で打つキョン・デスン。水が清すぎると魚が住めないというトゥドゥウルの言葉に、キム・ジャギョクを許し、略奪をやめて根本的な解決を目指すと宣言するキョン・デスンだが、恭睿(コンイェ)太后は彼に、民を救うという大義は王か反逆者のものだと釘を刺し、都落ちを勧める。一方、弥陀(ミタ)山に到着し、自分の敗戦のために死なせてしまった兵士の家族たちの前で許しを請うイ・ウィミンは、黄龍の大義を叶えるよう説得され、万歳を受ける。そんな勢いをあげていくイ・ウィミンに対して、キョン・デスンは、ますます孤立する。朝廷から孤立し、軍部と敵対し、王室から見放され、唯一の味方であったはずの都房もキム・ジャギョクに傾いていく。 |
第93話 泥水 | 弱気なキョン・デスンに代わって、民を救うという大義を実践するため、官吏から略奪を繰り返すキム・ジャギョク。キョン・デスンはキム・ジャギョクを処刑しようとするが、民が止めに入る。大義を果たすという野心がなければ、これまでの苦労が水の泡になると言うキム・ジャギョクの言葉に悩むキョン・デスンだが、都房(トバン)の兵を詐称して官吏に暴行を加える民を目撃すると、王への忠誠心は捨てられないとして、都房(トバン)の解散を命ずるが、都房のメンバーは憤りを隠さない。それでもデスンの気持ちは変わらず、王宮へ都房の解散報告に行こうとするデスンは…。 |
第94話 吐血 | 王宮に行こうとして突如吐血したキョン・デスン。病身を押して明宗(ミョンジョン)に謁見し、都房(トバン)の解散と都落ちの意向を明らかにしたキョン・デスンだが、明宗は「デスンさえいなくなれば太平の世になる」とご機嫌。明宗に報告を終えたキョン・デスンは、3日以内に都房の兵の解散を命じるが、キム・ジャギョクは、王室を倒して王座に就くべきと、解散を聞き入れない。そんなキム・ジャギョクに逆上したキョン・デスンはとうとう倒れてしまう。キョン・デスンが病床にいる間、キム・ジャギョクは都房(トバン)の兵を率いて悪徳商人から米を略奪するが、それを知った明宗(ミョンジョン)は、都落ちを慰留しなかったことに対して、キョン・デスンが恨みを抱いているのだと思い込むのだった。 |
第95話 毒 | 見舞いに来たトゥドゥウルは煎じ薬に毒が入っていると忠告するが、キョン・デスンは都房(トバン)の兵が相互不信に陥るのを恐れ、事実を隠蔽する。一方、都を去るという約束を守らないことに怒った明宗(ミョンジョン)は、軍部にキョン・デスンの排除を命じるが、キム・ジャギョクの裏工作によって、兵士たちはみな都房(トバン)に従うようになっていた。都房を解散させようとしたキョン・デスンの意に反し、ますます暴走するキム・ジャギョクは重房と強硬に対立を深めてゆく。さすがにそんなキム・ジャギョクに対し、心配の声があがり始める。 一方、イ・ウィミンの元では、相変わらず次男と三男がやりたい放題。 |
第96話 裏切りと忠誠 | 鷹揚(ウンヤン)軍摂郎将のチェ・チュンホンが、キョン・デスンのもとを訪ねてくる。しかしチェ・チュンホンは、朝廷の要職に就き、官僚が優れた人材になる土壌を築くべきと言い、こんなチュホンの考えを、野心家と一蹴するキョン・デスン。デスンの器の大きさを感じ取るチュンホンだが、同時にまっすぐすぎて天下を取れる人材ではないと判断する。一方、キム・ジャギョクは蜂起軍の訓練を続けるが、キョン・デスンを騙す行為に、オチョクは気が重い。そんな中、病状が回復しないことに疑問を抱いたソランは、キム・ジャギョクの腹心のチェ隊正が、デスンのための煎じ薬に毒を入れるのを目撃する。オチョクは兵を引き連れジャギョクを追及するが、その場にデスンが現れ…。 |
第97話 引き裂かれた心 | 証人を突きつけられシラを斬ることもでいないキム・ジャギョクは、民の熱望を裏切ることができず、都房(トバン)の大義を守るために毒を盛ったと白状。続けてとんでもないことを言いだす。キョン・デスンはキム・ジャギョクを追放する。それを知った軍部は、キョン・デスンを倒す絶好の機会と見て、キム・ジャギョクを捕らえ、都房(トバン)が謀反を図ったことを自白させようと、激しい拷問にかける。デスンは毒のせいでホ・スンの幻覚を見て大暴れ、トゥドゥルが毒抜き治療を勧めるも、治療前に王、明宗の密命を受けトゥ・ギョンスンがデスンの命を奪い来るが…。一方、イ・ウィミンのもとにデスンに門前払いを受けたチェ・チュンホンが身を寄せ、別抄都令(ピョルチョドリョン)となる。そんな中、イ・ジヨンとイ・ジグァンは懐妊したプヨンを連れ去ってしまう。 |
第98話 折れた翼 | 都房の兵を引き連れて王宮に入るキョン・デスン。トゥ・ギョンスンが明宗に謁見を申し出るが、明宗は謁見を拒んで宴会に興じ、最後までその忠義を受け入れようとしない。一方、弥陀(ミタ)山の木に自分の名前を刻んで、その根元に短剣を埋め、天下を臨むチェ・チュンホン。そんな中、山中でウィミン次男と三男に暴行されて傷だらけ、下腹部から大量の出血をしているプヨンが発見される。その頃王宮では、なおも王に謁見を申し出ていたデスンが、吐血して倒れてしまう。キョン・デスンは、病床でチョン・ジュンブの夢を見る。翌朝、清々しい心で目覚めたキョン・デスンは、都房の兵たちを呼び集めるが……。 |
第99話 遺訓 | 忠義だけに生きたキョン・デスンが、最後まで報われることもなく死去。葬儀が執り行われ、トゥドゥウルは都房を解散するというキョン・デスンの遺訓を読み上げる。そんな中キョン・デスンの死を喜ぶ明宗はあろうことか祝賀宴を催す。しかしその場に現れた恭睿(コンイェ)太后は、明宗に苦言を呈し、官僚らに声を荒げた末に、倒れてしまう。倒れた太后が重病と知っても明宗は見舞うこともせず、ただ臣下たちの前でメンツをつぶされたことを恨む。一方、チョ・ウォンジョンら軍部は、都房の討伐を推し進め、遺訓どおりに解散するかどうかを会議していた主要メンバーは、ほとんど殺されたり捕縛されてしまう。その頃キョン・デスンの死を知ったチェ・チュンホンは、これ以上ここにいる意味はないと、弥陀山を出ようとする。 |
第100話 悲惨な末路 | キョン・デスンの刺客と疑われたチェ・チュンホンだが、イ・ウィミンの次男ジヨンと三男ジグァンがプヨンに乱暴したという事実をウィミンに暴露し、なんとか都行きを許される。そんな中、チョ・ウォンジョンは、軍部の威光を取り戻すためにキム・ジャギョクを部下にしようと懐柔するが、都房の兵はみな悲惨な最期を遂げ、キム・ジャギョクも廃墟と化した都房で自害する。一方、恭睿太后は落ち込む明宗に、なんと「聖君となるのをあきらめ、虎の背に乗り王室をただ守りぬくのだ!」と、イ・ウィミンの力を借りるしかないと言う。明宗はトゥ・ギョンスンに、ウィミン召還の王命を託すが…。 |
第101話 胸の野心 | 都に戻り王室を保護せよとの王命を、イ・ウィミンに伝えに来たトゥ・ギョンスン。悩むイ・ウィミンに、プヨンは徐羅伐(ソラボル)にとどまっていては天下を取れない。都へ行くべきと勧める。一方、明宗がイ・ウィミンを連れ戻そうとしていると知ったチョ・ウォンジョンは、都房に従っていた中郎将らを味方に引き込み、イ・ウィミンが戻ったら、反逆者として斬首すると明宗を脅迫する。 その頃、高麗一の芸妓と謳われたホンニョナのもとに戻ったチェ・チュンホンだが、ホンニョナはチェ・チュンホンに、イ・ウィミンのもとを去るべきではなかったと言う。そんな中恭睿太后がついに危篤に…。 |
第102話 太后の遺言 | 家僕のマンジョクの密告により、チェ・チュンホンがイ・ウィミンの密偵として捕らえられるが、全てはチェ・チュンホンの策略によるものだった。一方、イ・ウィミンは、長男のジスンとプヨンだけを都に連れて行こうとするが、胎児を無くしてしまったプヨンは、自分にはその資格が消えたと、アランという女人を勧める。結局、チェ・ブとイ・ジスンを連れて都に戻ってきたイ・ウィミンは、城門で六衛の軍と対峙するが、チョ・ウォンジョンと互いに危害を加えないことを約束しあう。王宮でイ・ウィミンを迎えて喜ぶ明宗だが、そんな中、危篤に陥った恭睿太后が、明宗の必死の祈りも虚しく、息を引き取る。 |
第103話 黄龍の女 | 鶏林(ケリム)の牟梁(モリャン)部出身の娘アランがイ・ウィミンのもとに現れ、去ったプヨンの代わりに自分がやって来たと言う。しかしイ・ウィミンはプヨンへの未練が経ちきれない。アランは、プヨンが去ったことに衝撃を受けるイ・ウィミンを慰め、夜を共にする。一方、チェ・チュンホンは、イ・ウィミンの世になると予想しながらも時機を待つ。恭睿太后の逝去から3年の月日が経ち、1186年、明宗は喪服を脱ぐ。チョ・ウォンジョンは息子の官職をめぐって王の面前で声を荒げる。明宗は、先王の実録編纂を通じて、軍部を牽制しようとする。 |
第104話 実録編纂 | チョ・ウォンジョンはイ・ウィミンに挙兵を持ちかけるが、イ・ウィミンは政争に巻き込まれたくないと断る。軍部から実権を取り返そうと実録の編纂に踏み切った明宗は、実録編纂をムン・グッキョムに任せる。ムン・グッキョムは、武臣の非道を厳しく記録しようとするが、軍部の激しい反発と、王室を守るべきイ・ウィミンの失脚を憂慮した明宗は、軍部出身のチェ・セボを実録編纂に参与させる。イ・ウィミンを守った明宗のために、ついにウィミンがチョ・ウォンジョン潰しに動き出す。 一方、アランを追い出そうとするイ・ジヨンだが、アランは一国の太子にもなれる身だと言って、イ・ジヨンを手懐ける。 |
第105話 挙兵前夜 | イ・ウィミンは朝廷を動かしてチョ・ウォンジョンを弾劾し、官職を剥奪させる。納得いかないチョ・ウォンジョンは仲間を集めて挙兵の準備をするが、ソク・リン以外の大将軍は乗り気でない。ホンニョナはチェ・チュンホンとイ・ウィミンに、チョ・ウォンジョンの挙兵が近いことを伝え、それを聞いたイ・ウィミンは挙兵に備え始める。そんな中、チェ・チュンホンの弟チェ・チュンスは、チョ・ウォンジョンのもとを訪ねて、挙兵に協力する旨を伝える。そんなチュンスをウォンジョンが受け入れる。 さて、すっかりウィミンの次男ジヨンを手なずけたアランだが、トゥドゥルはアランを快く思っておらず、アランはウィミンからトゥドゥルを引き離そうと考える。 |
第106話 チョ・ウォンジョンの乱 | チョ・ウォンジョンが挙兵する。殿閣に放火して王宮に侵入するソク・リンの軍勢をトゥ・ギョンスンが守り、大殿に向かうチョ・ウォンジョンの前にイ・ウィミンが立ちはだかる。そんな中、王宮前で待機しているチェ・チュンスのもとに兄のチェ・チュンホンが駆けつけ、挙兵への加担を止めさせる。これに反発するチュンスだったが、結局は敗色濃厚な二人は持ち場を離れて逃亡する。一方、農夫に変装して逃走したウォンジョンは、やがて捕らえられて処刑される。これでついに、イ・ウィミンが権勢を握る!!一方、チェ・チュンスは乱の残党として目を付けられる。 |
第107話 恥辱 | 賄賂を贈って弟の助命を願うチェ・チュンホンだが、イ・ウィミンはそれを拒絶して糾弾する。必死でイ・ウィミンへの忠誠を訴えるその姿に、イ・ウィミンはチェ・チュンホンが天下を取るような器ではなかったと判断する。チェ・チュンホンがイ・ウィミンに頭を下げたと知ったチェ・チュンスは、怒鳴り込んで勝負を申し込み、イ・ウィミンはその気概に免じて許してやる。そんな余裕の対応を取るウィミンをチュンスは改めて甘く見ていたことを痛感する。一方、チェ・チュンホンは、忠犬のふりをしながら時を待つと誓う。 さて、朝廷と軍部を掌握し王室からも信頼を得たウィミンは、チェ・セボらの求めに応じ、息子たちを科挙なしで出仕させる事に合意するそしてウィミンの執権がしばらく続くと睨んだチュンホンはあることを始める。 |
第108話 時を待つ | チェ・チュンホンは同志を集めてイ・ウィミンの首を取ると誓いを立てる。チェ・チュンホンの長男チェ・ウがホンニョナを訪ね、父を本宅に戻すように頼む。年端もいかない幼い子の理路整然とした意見に納得した愛妾ホンニョナは涙ながらに別れを告げる。ホンニョナの忠告で家に帰るチェ・チュンホンだが、妻のソン氏は家長としての責任を持てと非難する。一方、トゥドゥウルから10年あまりは時を待つよう言われるイ・ウィミン。そんな中、アランはトゥドゥウルにイ・ウィミンのもとを去るよう警告するが、トゥドゥウルはその野心に激怒する。するとアランは、兄のジスンだけが仕官することに不満を持つジヨンをうまく言いくるめて、トゥドゥウルの庵に火を付けさせる。 |
第109話 女の野心 | チェ・チュンホンは、マンジョクが連れてきた娘たちの中で、王に仕える女になりたいと豪語する娘に興味を抱く。娘たちを芸妓見習いとして預かったホンニョナは、アジと名乗るその娘が国を滅ぼす妖婦になると見抜く。一方、ムン・グッキョムは軍部出身者に偏った人事刷新案に反対するが、イ・ウィミンは苦労を経験した武臣こそ、国に対する忠誠心が強いと主張する。ところで、イ・ジヨンを手なずけたアランだが、チェ氏にも魔の手を伸ばす。なんと財物大好きのチェ氏に、山のように届く財物を補完する倉庫の鍵を、信じているからと渡したのだ。もちろん、チェ氏が騒動を起こすことを期待してのこと。 一方、気分良く酔ったイ・ウィミンは、ホンニョナの妓房で一夜を過ごす。 |
第110話 木彫りの顔 | 妓房で出くわしたチェ・チュンホンにホンニョナとの関係を問いただすイ・ウィミンだが、借金をしに来たと言い逃れるチェ・チュンホン。そんな中、トゥドゥウルの庵が火事に遭ったと知らされたイ・ウィミンは、焼け跡から見つかった木彫りの人形を見て、トゥドゥウルの言葉を思い出しながら嘆き悲しむ。一方、イ・ジヨンとイ・ジグァンの護衛を任されたチェ・チュンスは、街で暴れる兄弟を叩きのめしたオ・スクピという男に注目する。 |
第111話 文臣の挙兵 | 国を救うため、トゥ・ギョンスンらと手を組んで挙兵を企むムン・グッキョム。これに対してイ・ウィミンは、挙兵に関わった武臣たちを残らず捕らえさせる。チェ・チュンホンは、ホンニョナの知らせで一度は都を離れようとするが、挙兵に加わるよう話を持ちかけてきた文臣のキ・ホンスを捕らえて王宮に戻ってくる。明宗(ミョンジョン)は、ムン・グッキョムを呼んで重房(チュンバン)に逆らわないと約束させ、今回の挙兵を不問に付すようイ・ウィミンに命ずる。 |
第112話 我が子 | 正義感の強い将軍チョン・ジョンゴルを処罰するイ・ウィミンに対して、乱臣と変わらないと非難するイ・ジスン。アランはチェ氏から、イ・ジスンがイ・ウィミンの実子でないことを聞き出す。そんな中、チェ・セボの息子チェ・ビが、女官と密通している現場が目撃される。激怒する明宗(ミョンジョン)だが、イ・ウィミンはチェ・ビの赦免を強引に認めさせてしまう。ムン・グッキョムが死去し、イ・ジヨンとイ・ジグァンも龍虎(ヨンホ)軍校尉(キョウィ)として出仕する。 |
第113話 滅私奉公 | イ・ウィミンの息子たちの出仕を祝う宴席に現れ、醜態をさらすチェ・チュンホン。だが、実はそれは自分に対する疑いの目を避けるための演技だった。臣下たちが宴会に参加するため朝廷や重房(チュンバン)を空ける中で、トゥ・ギョンスンだけは明宗(ミョンジョン)に忠誠を誓い、イ・ウィミンを乱臣と非難する。一方、イ・ジヨンはアランからイ・ジスンが父の実子ではないと聞かされ、トゥドゥウルは黄龍の昇天に長男が逆らうという言い伝えを残して旅立つ。 |
第114話 高笑い | 明宗(ミョンジョン)はイ・ウィミンよりもトゥ・ギョンスンを上位に置き、両者に権力が二分される。イ・ウィミンは、民のことよりも、自分の権威が脅かされることに自分の関心が向いていると気付き、不安を覚える。そんな中、イ・ジヨンは、自分が目を付けた芸妓ファウォノクの情人だというパク・コンスプを襲撃する。イ・ウィミンはイ・ジヨンを鞭打ちにするが、重臣らがイ・ジヨンの罪の赦免を願い出ると、明宗はついにその脅しに屈してしまう。 |
第115話 父子の絆 | 重房(チュンバン)はファウォノクを捕らえて今回の騒動の責任を負わせようとする。イ・ジヨンはファウォノクを脱獄させようとするが、それを阻もうとするイ・ジスンに対して、イ・ジヨンは実の兄ではないと罵る。それを聞きつけてチェ氏を問い詰めるイ・ウィミンだが、もし事実ならイ・ジスンの首を斬るというその気迫に、チェ氏はイ・ウィミンの子で間違いないと答えてしまう。イ・ウィミンは、権勢を握って道を見失い、そして数年の時が経つ。 |
第116話 忘れられた大義 | チェ・チュンホンは成長したアジにチャウンソンという名を与える。一方、数年ぶりに都へ来たチャソンとキム・サミは、イ・ウィミンが黄龍の大義を忘れて挙兵の意志を失っていることに失望し、弥陀(ミタ)山に戻るや、黄龍の命令が下りたと言って挙兵する。そんな中、チャウンソンがホンニョナの引き合わせでイ・ジヨンの妾になり、アランはイ・ウィミンの子を身ごもる。キム・サミは東京(トンギョン)周辺の官庁を掌握し、挙兵の知らせが朝廷に届く。 |
第117話 キム・サミの乱 | イ・ウィミンはチョン・ジョンゴルとイ・ジスンを討伐軍として派遣するが、明宗(ミョンジョン)は反乱軍がイ・ウィミンの兵だという噂に不安を覚える。一方、ホンニョナはイ・ウィミンにチャウンソンを引き合わせるが、イ・ウィミンは傾国の美女だと言ってチャウンソンを拒み、イ・ジヨンは息子の女を奪ったと言ってイ・ウィミンに反抗する。そんな中、討伐軍が反乱軍の奇襲を受け、イ・ジスンが反乱軍の追撃中に殺害されたという知らせが届く。 |
第118話 内通 | イ・ウィミンの前にトゥドゥウルが現れ、大義を忘れて権力に溺れたのかと怒鳴りつける。同じ頃、アランのもとにはプヨンが現れ、黄龍を堕落させているとなじる。一方、援軍が来ないことで、イ・ウィミンがまだ黄龍の大業を忘れていないと悟ったキム・サミは、イ・ジスンを解放する。討伐軍の相次ぐ敗北に、朝廷ではイ・ジスンが敵と内通しているという噂が出回る。そんな中、チョン・ジョンゴルはイ・ジスンの内通現場を押さえる。 |
第119話 王命 | 今こそ挙兵すべき時だと宣言するイ・ウィミンは、黄龍の兵に都への進撃を命ずる。一方、チョン・ジョンゴルはイ・ジスンに内通の事実を問いただし、罪を認めるイ・ジスンの処分を明宗(ミョンジョン)に託す。明宗はトゥ・ギョンスンにイ・ウィミン逮捕の王命を下し、将軍に就任したチェ・チュンホンが兵を率いてイ・ウィミンを捕らえに来る。アランの口添えで逮捕を免れるイ・ウィミンだが、明宗はキ・ホンスら文臣にイ・ウィミンを弾劾させる。 |
第120話 高麗の武人 | 窮地を脱するにはイ・ジスンを殺すべきというアランに対し、イ・ウィミンは激怒して部屋に閉じ込める。一方、チョン・ジョンゴルは、チェ・ブから挙兵に同調するよう脅されて苦悩する。そんな中、チェ・チュンホンの部下たちは都に戻って合流し、イ・ジヨンはアランが産まれてくる子のために自分を利用したと知ってアランを殺害する。チョン・ジョンゴルはイ・ジスンに対して高麗の武人として自負心を貫くよう言い残して毒を飲む。 |
第121話 犯人捜し | 明宗(ミョンジョン)は新たな鎮圧軍の編成を命ずるが、重房(チュンバン)は首長のイ・ウィミンが不在では何も決議できないと態度を一変させる。一方、イ・ウィミンはアランを殺害した犯人捜しを命じる。現場に落ちていた短刀から、ブルはイ・ジヨンを犯人と睨んで自白を勧めるが、息子の代わりに犯人だと名乗り出たチェ氏は、逆上したイ・ウィミンによって追放される。キム・サミは、アランを失った悲しみで挙兵を拒むイ・ウィミンを、黄龍と認めないと言い放つ。 |
第122話 悲しき裏切り | 都に進撃してくるキム・サミの軍勢に対し、イ・ウィミンは討伐軍を出陣させる。そんな中、ホンニョナは、孤立無援となったイ・ウィミンを気遣ううちに、いつしかイ・ウィミンに心を奪われてしまっていた。一方、自ら鶏林(ケリム)の王室を建てると宣言したキム・サミだが、そこへチェ・ブの軍勢が襲撃し、チャソンは自決する。敗走したキム・サミも、イ・ウィミンの前にひざまずき、黄龍の大業とは民を救うことだと言い残して、斬首される。 |
第123話 性急な挙兵 | 乱を鎮圧して帰還するイ・ウィミンは、天罰を与えろと息巻く民を皆殺しにする。イ・ウィミンの横暴に明宗(ミョンジョン)は、トゥ・ギョンスンを壁上功臣として、イ・ウィミンを武装解除させ、敵との内通疑惑を調査させるが、確かな証拠を掴めないまま時が過ぎる。そんな中、大勢がイ・ウィミン討伐に傾くまでは挙兵しないと言う慎重なチェ・チュンホンに対して、しびれを切らしたチェ・チュンスは単独で挙兵を図り、イ・ウィミンの屋敷を奇襲する。 |
第124話 功臣の涙 | 自分に何の罪があるのかと斧を振り上げるイ・ウィミンの気勢に、明宗(ミョンジョン)は内通疑惑の調査の中止を宣言する。一方、ホンニョナは、奇襲の最中に重傷を負ったチェ・ウを助け、縁はこれで最後とチェ・チュンホンに別れを告げる。壁上功臣に封じられ、朝廷の最高位である門下(ムナ)侍中(シジュン)となったイ・ウィミンは、ホンニョナを功臣閣に連れ込み、これまでの苦労に涙を流す。そんな中、イ・ジヨンは、刺客の黒幕がチェ・チュンスだと突き止める。 |
第125話 栄華の陰り | 欲のせいで全てが水の泡になったとイ・ウィミンを叱責し、絶縁を宣言するトゥドゥウル。イ・ウィミンは、栄華のために黄龍の大業を忘れたのかと自責する。一方、刺客の黒幕だと決めつけられたことに対し、自らイ・ウィミンを訪ねて弁解するチェ・チュンホン兄弟の態度に、イ・ウィミンは不問に付す。そんな中、泥酔したイ・ジヨンが明宗(ミョンジョン)の側室を暴行する事件が起こる。明宗はトゥ・ギョンスンに、イ・ウィミンを倒すよう血書を送る。 |
第126話 再起を賭けて | トゥ・ギョンスンは、明宗(ミョンジョン)が普済(ポジェ)寺に訪れる日を狙ってイ・ウィミンを討つ計画を練るが、いざ当日、イ・ウィミンは病気を理由に現れなかった。計画の中断を命ずるトゥ・ギョンスンに対して、チェ・チュンホンは独断でイ・ウィミンの屋敷を襲撃するが、イ・ウィミンは不在であった。その頃、弥陀(ミタ)山を訪れたイ・ウィミンは、廃墟となった軍営に愕然とし、残った兵を集めて再出発を誓う。そこへチェ・チュンホンの軍勢が奇襲してくる。 |
第127話 黄龍の最期 | イ・ウィミンが鶏林(ケリム)の黄龍として昇天できるよう天に祈っているところへ、チェ・チュンホンの軍勢が襲いかかる。ブルとチェ・ブは壮絶な戦死を遂げ、イ・ウィミンもまた、チェ・チュンホンの手によって斬首される。一方、異常事態に気付いたイ・ジスンは、兵を集めて王宮と都を占領する。そんな中、都ではイ・ウィミンの首がさらされる。トゥ・ギョンスンはイ・ウィミンの首を下ろすように命ずるが、ノ・ソクスンはそれを拒絶する。 |
第128話 金剛夜叉の首 | イ・ジスンが明宗(ミョンジョン)を保護して王宮に戻ったと聞いたトゥ・ギョンスンは、チェ・チュンホンと手を結ぶ。一方、父の首がさらされていると知ったイ・ジスンは、トゥ・ギョンスン討伐のため重房(チュンバン)の兵を動員する。密かに明宗に謁見したチェ・チュンホンは、イ・ウィミン殺害が王命だったと表明するよう懇願するが、明宗はもはや武人の忠誠を信じられないと言い放つ。トゥ・ギョンスンは事態の収拾を命ずるが、チェ・チュンホンは納得しない。 |
第129話 一家の末路 | イ・ジヨンの首がイ・ウィミンと共にさらされる。チェ・セボをはじめとする重房(チュンバン)の長は、イ・ジスンを味方に付けてチェ・チュンホンの殺害を決議するが、イ・グァンジョンがそれを密告する。王宮に進撃するイ・ジスンだが、既にチェ・チュンホンは王宮を掌握しており、重房会議を招集して朝廷と重房の和合が宣言される。イ・ジスンとイ・ジグァンはチェ・チュンホンに降伏して処刑され、イ・ウィミンの遺体も荼毘に付されるのだった。 |
第130話 粛清 | ホンニョナのもとを訪れ、よりを戻そうと言うチェ・チュンホン。その頃、チェ・セボら重房(チュンバン)の長は、チェ・チュンホンの部下に粛清され、チェ・チュンスは宦官や女官らを拷問して、イ・ウィミンとの内通を調査する。明宗(ミョンジョン)は、官職を望んで挙兵したわけではないと主張するチェ・チュンホンに対し、わざと将軍のまま昇進させずにおく。この扱いにチェ・チュンスは激怒し、チャウンソンも王に捨てられるくらいなら、王を廃位すべきと言う。 |
第131話 封事十条 | 兵を率いて進撃してくるチェ・チュンスと、それを阻むチェ・チュンホン。対峙する兄弟のところへ母のユ氏が止めにやって来る。チェ・チュンホンは明宗(ミョンジョン)に“封事十条”を献じ、悪徳官吏や悪商人が処罰されて、民は万歳を叫ぶ。一方、ホンニョナはチャウンソンに妓房を託して都を去り、マンジョクはなぜホンニョナを見捨てたのかとチェ・チュンホンに問い詰める。そんな中、明宗はトゥ・ギョンスンにチェ・チュンホンの殺害を命じる。 |
第132話 愚かな王 | 王命を受けたトゥ・ギョンスンは、チェ・チュンホン殺害のための計略を練り、明宗(ミョンジョン)はチェ・チュンホンとチェ・チュンスに功臣の称号を与えて、興王(フンワン)寺の行幸に功臣としてチェ・チュンホンを同行させる。ペク・チョニュから、トゥ・ギョンスンが万全の準備をしていると密告を受けたチェ・チュンホン。行幸の間は何事も起こらず、その帰り道、都に来たところで民が愚かな王は退位しろと投石するが、チェ・チュンホンは明宗を保護する。 |
第133話 雨の中の廃位 | 新王の擁立に賛同するか、正統性のない愚かな王に忠誠を捧げて死ぬかの選択を迫るチェ・チュンホンに、トゥ・ギョンスンは明宗(ミョンジョン)の身の安全を保障させた上で、連行されていく。チェ・チュンスが王宮を掌握し、明宗に廃位を突きつける。チェ・チュンホンと談判した明宗は、挙兵の大義に同意して自ら王宮を去り、太子と太子妃、そして太孫もそれぞれ流刑となる。チェ・チュンホンの推戴によって、平凉公(ピョンニャンゴン)が20代王・神宗(シンジョン)として即位する。 |
第134話 弟の野望 | いつ政治から手を引くつもりかと問い詰めるチョ・チュンに、王権が安定し朝廷が刷新されるまでだと答えるチェ・チュンホン。その頃、流刑先のトゥ・ギョンスンは、明宗(ミョンジョン)に許しを請いながら自決の道を選択した。一方、そんな中、チェ・チュンスは、自分の娘を太子妃の座に就けるため、今の太子妃を強引に連行し、廃位を宣言する。それを知ったチェ・チュンホンは、チェ・チュンスの屋敷に乗り込んで、婚礼品を燃やしてしまう。 |
第135話 兄弟の絆 | 功績を独り占めしていると責めるチェ・チュンスに、土下座をして縁談を思いとどまらせるチェ・チュンホン。これに対してチャウンソンは、チェ・チュンスが思い上がって、挙兵の大義を台無しにするかもしれないと忠告する。そんな中、太子から縁談を予定通り進めるよう言われ、再びその気になったチェ・チュンスは、母やパク・チンジェらの説得にも耳を貸さない。ついにチェ・チュンホンは、神宗(シンジョン)にチェ・チュンス殺害の王命を受ける。 |
第136話 婚礼当日 | チェ・チュンスの娘の輿入れの行列を、チェ・チュンホンの軍勢が阻む。王の密書を見せて婚礼の正当性を訴えるチェ・チュンスだが、密書は偽造であることが判明する。撤退を命じるチェ・チュンホンだが、側近らの主張によって、チェ・チュンスは王宮に進撃する道を選び、王宮前でチェ・チュンホンとチェ・チュンスが剣を交える事態となる。母のユ氏はチェ・チュンスを許すよう懇願するが、チェ・チュンホンは私情を挟めないと言う。 |
第137話 兄と弟 | 都に進撃すると息巻くチェ・チュンスに対して、勝ち目がないことを悟った六衛(ユグィ)の将軍たちは、チェ・チュンホンのもとに投降する。自分を捕らえに来た六衛の将軍たちを返り討ちにしたチェ・チュンスだが、そこへノ・ソクスンらの軍勢が襲いかかり、敗走を余儀なくされる。追い詰められたチェ・チュンスは、ここで生き残っても兄の足かせになるだけと、パク・チンジェに自らの首を斬らせ、チェ・チュンホンは弟の首に嘆き悲しむ。 |
第138話 太子の屈辱 | 密書を偽造したのが太子だと知ったチェ・チュンホンは、太子を問い詰める。初めは容疑を否認する太子だが、宦官のワン・ジュンミョンが捕らえられ、太子は土下座してチェ・チュンホンに謝罪する。王位に就けばこの屈辱を晴らすと誓う太子。一方、太子妃がチェ・チュンホンによって復位される。そんな中、チェ・チュンホンが自分の欲望のために弟を殺害したという貼り紙が街中に貼られ、また、チェ・チュンホンが刺客に襲われる。 |
第139話 奴婢の反乱 | 刺客の正体が奴婢だと知ったチェ・チュンホンは、マンジョクを問いただすが、マンジョクは潔白を主張する。その夜、奴婢たちの砦が襲撃され、負傷したミジョイはマンジョクに助けられて、ホンニョナのもとで手当を受ける。チェ・チュンホンはマンジョクを鞭打ちにして尋問し、チャウンソンは使用人のヨンボクにマンジョクの様子を探らせる。これに対してマンジョクは、スンジョンに協力を申し出て、反乱の先頭に立つ決心をする。 |
第140話 人間らしく | ホンニョナのもとで、マンジョクが刺客たちと一緒にいると聞かされたチェ・チュンホン。チェ・チュンホンはマンジョクに、かつてチョ・ウィチョンの乱で、自分を助ける際にマンジョクが受けた矢の矢尻を見せながら、奴婢の身分から解放して良民にしてやると提案する。だが、マンジョクはそれを拒絶し、人を貴賤で分ける世の中を覆すため、スンジョンやミジョイらと契りを結ぶ。そんな中、ホンニョナは太子に呼ばれて王宮を訪れる。 |
第141話 マンジョクの乱 | チェ・チュンホンに対し、乱臣となるのは避けられない運命と言い放つホンニョナ。また、刑部(ヒョンブ)官憲(クァノン)となったノ・イヌも、権勢を手放さなければ、挙兵の大義もやがて腐敗すると忠告する。一方、マンジョクは奴婢たちを集めて、蜂起の計画を立てる。そんな中、チャウンソンが反乱計画を告発し、スンジョンが捕らえられ、自白させられる。そして蜂起の当日、進撃しようとする奴婢たちは軍部の奇襲を受け、マンジョクは普済(ポジェ)寺に敗走する。 |
第142話 貴賤のない世の中 | マンジョクを救うため、再びチェ・チュンホンに仕えると言うホンニョナ。チェ・チュンホンに面会したマンジョクは、貴賤のない世の中を作るために蜂起したと言って、チェ・チュンホンに別れを告げる。奴婢たちは最後までマンジョクと共に戦うが、捕らえられて処刑され、奴婢は人ではないとして、その遺体は川に投げ捨てられる。一方、朝廷ではマンジョクの反乱に対して、その主人であるチェ・チュンホンを問責する意見が出される。 |
第143話 金剛夜叉の亡霊 | 徐羅伐(ソラボル)一帯でイビとペジャの反乱が起こる。彼らの背後にトゥドゥウルがいると知ったチェ・チュンホンは、パク・チンジェを問いただし、鎮圧軍の先鋒に任命する。新羅の復興を目指すトゥドゥウルは、パク・チンジェに面会を申し出て、挙兵の大義を失った乱臣を斬り、鶏林(ケリム)の大義を果たそうと誘惑する。パク・チンジェは鶏林の民に兵糧米を分け与え、それに憤慨して民を皆殺しにしたイビが、民の密告によって捕らえられてしまう。 |
第144話 迫る嵐 | 栄枯盛衰を見届けるため、再びチェ・チュンホンに仕えると言うホンニョナ。そんな中、神宗(シンジョン)が背腫で危篤になる。動揺の広がる朝廷に、ノ・イヌは太子に譲位することを提案し、チェ・ウの義父であるチョン・スクチョムは、チェ・チュンホンに王座に就くつもりなら協力すると申し出る。一方、ペジャの農民軍の奇襲で敗走した鎮圧軍に代わり、ペク・チョニュの率いる精鋭軍がやって来る。だが、出陣の直前、突然の嵐に見舞われてしまう。 |
第145話 譲位 | 意識を回復し譲位の意向を明らかにした神宗(シンジョン)は、チェ・チュンホンにひざまずいて太子のことを頼む。一方、天候を自在に操るトゥドゥウルの神通力を恐れ、士気の下がった鎮圧軍は、ペジャの軍勢の奇襲を受けて敗退する。しかし、パク・チンジェがトゥドゥウルの首を斬ると、ようやく反乱の鎮圧に成功する。そんな中、神宗の譲位を受けて熙宗(ヒジョン)が即位する。即位式で熙宗は、自分を王座に就けた恩人として、チェ・チュンホンに礼を尽くす。 |
第146話 恩門相国(ウンムンサングク) | チェ・チュンホンは朝廷の最高位である門下(ムナ)侍中(シジュン)に任命され、同時に恩門相国(ウンムンサングク)の称号を与えられる。文人として名高いイ・ギュボはこれを非難し、それを聞きとがめたノ・イヌによって、チェ・チュンホンのもとに紹介される。一方、チェ・チュンホンの屋敷に住み着いた易者のイ・ジシクは、チェ・チュンホンに対して、熙宗(ヒジョン)と相剋(そうこく)の関係であると警告する。そんな中、枢密使(チュミルサ)ウ・スンギョンが熙宗に願い出て、チェ・チュンホンの暗殺を図る。 |
第147話 大義を信ずる者 | 私兵の養成を問いただすチェ・チュンホンに対して、乱臣を処断し挙兵の大義を守るための私兵だと答えるパク・チンジェ。チョン・スクチョムはチェ・チュンホンに、民を救うという大義を盲信する者が、いずれ剣を突きつけてくるだろうと警告する。一方、チャウンソンは、チェ・チュンホンに権勢を握らせるため、自ら身を引く。そんな中、チェ・チュンホンの封侯立府(ポンフイップ)を祝う宴席で、パク・チンジェが公然とチェ・チュンホンを非難する。 |
第148話 軍部の不満 | パク・チンジェの追及にチェ・チュンホンは、大義を果たすためには、人材が育ち国庫が豊かになるまで待つべきと諭し、自分が乱臣になったならば進んで命を差し出すと言って剣を与える。一方、熙宗(ヒジョン)はこれ見よがしにパク・チンジェを重用する。そんな中、不公平な人事に不満を抱いた金吾衛(クモウィ)将軍のイ・グァンシルが、チェ・チュンホンを討とうと企むが、熙宗がその計画をチェ・チュンホンに知らせたため、イ・グァンシルは捕らえられる。 |
第149話 木像の誓い | パク・チンジェに罪があっても許すようチェ・チュンホンに頼む熙宗(ヒジョン)。一方、収奪に苦しむ民の姿を目の当たりにしたパク・チンジェは、夢の中でトゥドゥウルから、乱臣チェ・チュンホンを斬れと言われる。そんな中、監門衛(カンムニ)将軍のキム・チリョは、パク・チンジェが謀反とは無関係だと証言する。帰京したパク・チンジェを歓迎するチェ・チュンホンだが、パク・チンジェはわずかな決死隊を率いて、チェ・チュンホンの屋敷を襲撃する。 |
第150話 救国の剣 | 国を救うため乱臣を処断すると言うパク・チンジェ。幸い手傷を負っただけで済んだチェ・チュンホンは、パク・チンジェの背後に王室がいるのではと睨み、熙宗(ヒジョン)の廃位を画策する。逃亡先で潔く自害しようとするパク・チンジェだが、そこに現れたキム・チリョから王が廃位されそうだと聞かされると、自らチェ・チュンホンのもとに向かい、大義を忘れて乱臣に成り下がったチェ・チュンホンを諫め、挙兵は王室とは無関係であると証言する。 |
第151話 豪邸 | 脚の腱を斬られ流刑となるパク・チンジェは、キム・チリョに対して、蛮族の脅威から国を守るため、チェ・チュンホンの権勢には立ち向かわないよう忠告する。一方、平服姿で王宮に出入りし、国王並みの権勢を誇るチェ・チュンホン。新居で宴会を開くチェ・チュンホンに対して、ノ・イヌは強い非難の声を浴びせる。そんな中、熙宗(ヒジョン)はチェ・ウを重用し始めるが、離間策だと見抜いたチェ・チュンホンは、チェ・ウを都から離れさせる。 |
第152話 毒入りの酒 | ホンニョナから暗殺計画を聞かされたチェ・チュンホンは、王宮を掌握した上で熙宗(ヒジョン)に面会し、これに対して熙宗は立太子をチェ・チュンホンと相談する。熙宗は国政をチェ・チュンホンに一任するが、同時に王室が南宋の毒薬を買い求めているという噂を流させる。一方、過去に虐待された恨みを晴らすため、楊水尺(ヤンスチョク)たちに無意味な工事をさせているチャウンソン。チャウンソンはチェ・ウに対して、弟のチェ・ヒャンに警戒するよう言う。 |
第153話 王の罠 | 熙宗(ヒジョン)は頻繁に宴会を催し、毒を警戒して酒を口にしないチェ・チュンホンを愚弄する。熙宗のチェ・チュンホン暗殺計画は嘘だということが明らかになるが、そんな中、チェ・チュンホンは、宴席で熙宗が倒れたという知らせを受けて、急ぎ王宮に向かう。その場で刺客に囲まれたチェ・チュンホンは、熙宗の面前で大逆罪を認めるが、駆けつけた都房(トバン)の兵に助けられ、無事に逃亡する。そして熙宗は、チェ・チュンホンによって廃位させられる。 |
第154話 確執 | 廃太子となっていた明宗(ミョンジョン)の長男が康宗(カンジョン)として即位する。康宗は国政をチェ・チュンホンに一任し、チェ・チュンホンは教定都監(キョジョンドガム)を設置する。ホンニョナは、王室の権威を失墜させ国を危機に陥れているとしてチェ・チュンホンを非難し、俗世を離れる。一方、チェ・ウとチェ・ヒャンの間で、後継者の座をめぐる確執が表面化し始める。そんな中、チェ・チュンホンの屋敷が放火され、犯人はチェ・ウとチョン・スクチョムだという噂が流れる。 |
第155話 脅威 | 父の誤解を解くため、チェ・ウはチョン・スクチョムの策略によって刺客を捕らえる。一方、骨肉の争いを防ぐため帰京したと言うチャウンソンは、チェ・チュンホンに、チョン・スクチョムを警戒するよう言う。そんな中、康宗(カンジョン)が病死し、高宗(コジョン)が即位する。1216年、契丹(きったん)が国境を越えて侵攻してくる。チェ・チュンホンは邪魔なチョ・チュンやチョン・スクチョムを先鋒として出陣させるが敗退し、都の直前まで契丹軍の進撃を許してしまう。 |
第156話 僧侶の反乱 | 都城の固い防備に疲弊した契丹(きったん)軍は退却するが、なおも続く戦乱に、チェ・チュンホンは僧侶を兵士として徴発し、寺院の財産を奪う。これに反発した僧侶たちが、チェ・チュンホンの暗殺を図るが失敗に終わり、反乱を扇動したとしてチョン・スクチョムが罪に問われてしまう。新たにキム・チリョらが討伐軍として出陣するが、自らの権勢を守るため、精鋭軍である都房(トバン)の兵を出陣させないチェ・チュンホンに、民の不満は高まっていく。 |
第157話 蒙古の影 | チェ・チュンホンに苦言を呈したイ・ギュボが投獄されるが、民心の離反を憂慮したノ・イヌの進言によって放免される。一方、チャウンソンに恨みを持つ楊水尺(ヤンスチョク)が契丹(きったん)軍に協力していると知ったチェ・チュンホンは、チャウンソンを追放する。1219年、蒙古軍と連合軍を結成して契丹軍の討伐に成功し、高麗は蒙古と兄弟国になる。そんな中、戦場から帰ったチェ・ヒャンは、宴席で兄のチェ・ウを公然と非難し、兄弟間での後継者争いが再燃する。 |
第158話 武人たちの時代 | チェ・チュンホンが病床に就き、側近らは後継者争いを憂慮する。チェ・ウが跡を継いだら、現在の軍部は刷新されると言いふらして、味方を集めるチェ・ヒャン。目を覚ましたチェ・チュンホンは、チェ・ウの権力者としての器を確かめて自分の後継者に決め、一方のチェ・ヒャンはチェ・ウを倒そうと挙兵するが、敗北して追放される。そんな中、再び倒れたチェ・チュンホンの前に、大義を胸に抱いた若き日のチェ・チュンホンが現れる。 |