紀元1世紀の初め。朝鮮半島の北部ではドラマ『朱蒙』の主人公チュモンが建てた高句麗が、『風の国』の主人公ムヒュルの代に入って急速に強大な国に発展していったころ。朝鮮半島の南部ではまだ小さな部族がバラバラに存在し、互いに牽制しあっていた。そんな小部族をまとめ上げ、優秀な鉄器製造技術と海洋貿易で名を馳せる国家、伽耶(カヤ)の初代王になったのがキム・スロだ。
このドラマ『鉄の王キム・スロ』は王になると予言されたキム・スロが、数々の試練を乗り越えて王に成長していく姿を描いていく。伽耶の中心は日本に向いた海に面していて、古代の日本とのつながりも深かったと考えられている。遺跡からは日本人が居住していたと思われる痕跡も発見されており、もしかするとキム・スロ自身も日本人と関係があったかもしれない。だが、実際の伽耶の歴史はまだわかっていない面が多い。このドラマはそれを逆手にとって、スロの人間的成長を軸に、激しい権力闘争あり、出生の秘密あり、哀切なロマンスありの想像力あふれたエンタメ作品に作りあげた。
制作費200億ウォンをつぎ込み、かつて伽耶が存在していた地域である金海市、馬山市がロケ地提供など全面的に支援する。おかげで活気みなぎる鍛冶場の様子や、近隣諸国だけでなくインドや西域との壮大な海上貿易の様子が臨場感たっぷりに再現された。
主人公キム・スロはドラマ『王の女』で王を演じたことがある韓流スター、チソンが演じる。チソンは役作りのために武術と馬術、剣術の特訓を行い、演技面では初期の明るくやんちゃな青年から次第に王になるカリスマを身につけていく過程を演じ分けてみせている。スロの母でありながら敵という難しい役にドラマ『花よりも美しく』のベテラン演技派女優ペ・ジョンオクを、正面からの敵役に映画『友へチング』でチャン・ドンゴンとダブル主演したカリスマ俳優ユ・オソンを投入した。ペ・ジョンオクはドラマ『胸震わせて』で、ユ・オソンはドラマ『太陽をのみ込め』でチソンと共演したことがある。その他コ・ジュウォン、ソ・ジヘ、カン・ビョル、イ・ピルモなど伸び盛りの俳優たちを重要な役に抜擢布陣した。ドラマ『王と私』で王を演じたコ・ジュウォンは、スロと王座を争うライバルとして登場する。インドから来てスロを助け王妃になるソ・ジヘは、ドラマ『シンドン』でも他国から来て王妃になる役を演じたことがある。スロと大悲恋を演じるカン・ビョルは新人女優だが、このドラマを通じてニュースターに躍り出た。出演するドラマがすべて高視聴率のイ・ピルモは時代劇初出演。味方なのか敵なのかわからない屈折した役を演じ切ってみせる。地域社会の後押しと新旧名優たちの熱演が期待できる大作ドラマ『鉄の王キム・スロ』。このドラマを通じて、古代日本にも影響を与えたと思われる伽耶の歴史に夢を馳せてみよう。
No | あらすじ |
第1話 | 【後漢に攻められた北方民族の族長キム・ユン、血統を守ろうと臨月の妃を逃亡させ…】 後漢に攻められた北方民族の族長キム・ユンは負けを悟り、血統を守るために臨月を迎えた妃チョンギョン妃を逃亡させる。後漢の将軍ユ・チョンに追われた彼女は船に身を隠し、そこで子供を産む。しかし、船は難破して子供を見失ってしまった。子供が死んだと思ったチョンギョンは身投げするが狗耶国の祭司長イビガに救われ、彼から求婚されてとまどう。一方、浜に流れ着いた子供はまだ生きていて、鍛冶職人に拾われていた。 |
第2話 | 【殉葬の風習で少女奴隷のヨイが殺されそうになり、スロはヨイを連れて逃げだす】 イビガの妻になったチョンギョンはやがて子を産む。彼女はその子をイジンアシと名付け、クヤ国の王に育てる決意をする。13年後。イジンアシと鍛冶長チョバンの息子になっていたスロは成長し、ともに鍛冶場で技術を磨きライバル意識を燃やしていた。部族長のひとりシングィガンの父が死に葬式が行われる。殉葬の風習で、少女奴隷のヨイが殺されることになった。おかしいと感じ、黙って見ていられなくなったスロはヨイを連れて逃げだす。 |
第3話 | 【スロはヨイを連れて、神殿がある神聖な場所であるソドに隠れるが...】 スロはヨイを連れてソドに隠れる。そこは神殿がある神聖な場所で罪人も捕まえることができないところだった。やがて、ヨイを捕えたいテガンとスロを助けたいチョバンも2人がソドに隠れていると知る。テガンはヨイを捕えに兵士を引き連れてソドに入ろうとするが、神官のナチャルリョが行く手を阻んで2人の引き渡しを拒否する。すると、テガンはヨイの兄を人質にして、ヨイに出てくるよう呼び掛けるのだった。 |
第4話 | 【チョバンは捕えられたスロを助けるためにテガンに許しを請うが...】 チョバンは捕えられたスロを助けるためにテガンに許しを請う。すると、テガンは代わりに製鉄炉の図面を貸すよう要求してきた。それは技術を取られることであり、チョバンを信頼しているイビガを裏切ることでもあった。チョバンは悩んだ末に図面をテガンに渡し、スロは解放される。シングィガンが製鉄炉を手に入れたら狗耶国の勢力図は変わることになる。製鉄炉作りを任されたタレは喜び勇んで作業に入る。 |
第5話 | 【チョバンは、スロはチョンギョンの子だとイビガに告白してしまう】 自責の念が強くなってきたチョバンは、スロはチョンギョンの子だとイビガに告白してしまう。迷うイビガだったが、チョンギョンがイジンアシを鍛える姿を見て、今はまだ伝えるときではないとチョバンに話す。一方、テガンは鍛冶場を造るという噂を飛ばしてイビガたちに圧力をかけてくる。しかし、タレはまだ製鉄炉を造れないでいた。困ったタレは最高の鍛冶職人と謳われるイルソの話を聞き、彼を探しに百済(ペクチェ)に旅立つ。 |
第6話 | 【イジンアシが何者かに襲われ、それをアヒョが救おうとするが…】 何者かに襲われたチョバンはスロに真実を話し、実の母を探せと言い残して息絶えてしまった。チョバンがいなくなったため鍛冶場はマヒするが、スロの説得でイルソが鍛冶長を引き継ぎ危機から救う。負けを認めたタレは漢に旅立ち、テガンも時を待とうと考える。強くならなければと思ったスロはトゥクソンから武芸を習い始めた。5年後。イジンアシが何者かに襲われ、それをアヒョが救おうとするが、2人とも危機に立たされる。 |
第7話 | 【イジンアシは命を救ってくれたアヒョに惹かれ、一方、スロは喧嘩に明け暮れていた】 イジンアシは命を救ってくれたアヒョに惹かれ、アヒョはチョンギョンにも取り入って鍛冶場に出入りできるようになった。時が近づいたと思ったチョンギョンはイジンアシを王候補としてみなに認めさせようとし始める。それに危機を感じたシングィガン(テガン)は鉄鉱石の供給をストップさせ、チョンギョンに圧力をかける。一方、スロは喧嘩に明け暮れる日々を送っていた。そんな中、さび止めの黄漆が盗まれる事件が起き、スロが疑われる。 |
第8話 | 【チョンギョンとジャンサンはイジンアシとファンオクを政略結婚させようと考える】 ホ・ジャンサンの商団がやってきて鉄鉱石を供給したためチョンギョンは危機を脱した。チョンギョンとジャンサンはイジンアシとファンオクを政略結婚させようと考える。ジャンサンの商団が襲われ、それをスロが救った。そのときからファンオクはスロに惹かれ始める。しかし、スロが好きなのはアヒョであり2人の仲は近づいていく。黄漆がスロのアジトで見つかり、スロはイジンアシに捕まってチョンギョンから厳しい追及を受ける。 |
第9話 | 【イジンアシはスロとアヒョの仲を知り、激しく嫉妬する】 スロとアヒョの愛が深まる一方、母からの命令でファンオクに求愛したイジンアシは拒絶されてしまう。イジンアシはさらにスロとアヒョの仲を知り、激しく嫉妬する。タレはヘレを拉致して神託のお告げの主は誰か聞くが、ヘレは口を割らない。養母?⇒(もしくはチョバンの妻)からチョバンの形見の槌を渡されたスロは荒れた生活から抜け出す決意を固める。鍛冶技術の競合大会が行われることになった。イジンアシの優勝が予想される中、スロも刀剣⇒本編では「剣」作りに渾身の力を傾ける。 |
第10話 | 【競合大会でスロが優勝し、作った刀は天に捧げられた】 競合大会でスロが優勝し、作った刀⇒本編では「剣」は天に捧げられた。スロの祝賀会が開かれる一方、負けたイジンアシは荒れ、チョンギョンとスロの葛藤は深まる。やがてスロは何者かに襲われ、アヒョに助けられる。犯人はチョンギョンだとスロは考えるが、実はシングィガンだった。ヘレがお告げの主はスロだとタレに白状し、シングィガンもそれを知ったのだ。シングィガンは兵士を引き連れてソドに押し入り、神託を明らかにするようイビガに迫る。 |
第11話 | 【イビガはスロを王に推戴する決心を固めたが、シングィガンはそれを阻止しようと…】 イビガはスロを王に推戴する決心を固め、それを明らかにするため天神祭を開くとの告知を行う。それに感づいたシングィガンは阻止するために兵を起こす。チョンギョンとイジンアシは対抗して戦うが敗れ、イビガとともに捕まってしまった。狗耶国はシングィガンの支配下に置かれ、イビガ側のホ・ジャンサン父娘も危機に襲われるが、スロが助けて国外に逃がしてやる。一方、アヒョはアロからスロを消すよう指示され衝撃を受けていた。 |
第12話 | 【スロはタレの計略にかかり、奴隷としてヌク島の貿易商人ソンドに売られてしまう】 スロはチョンギョンとイジンアシを助けて脱出させる。脱出した2人は逃避行を続け山村のチャンソ村にたどり着く。2人と別れたスロはタレを訪ねるが、その計略にかかり奴隷としてヌク島の貿易商人ソンドに売られてしまった。シングィガンは鍛冶場も手に入れ、その管理をヨム・サチに任せる。しかし、鍛冶長のイルソが仕事をしないので鍛冶場はうまく回らない。一方、スロは奴隷として虐げられる中で仲間たちと脱出を図っていた。 |
第13話 | 【脱出罪で過酷な刑罰を受けていたスロは、ホ・ジャンサン父娘に救われる】 脱出罪で過酷な刑罰を受けていたスロは、ソンドの客人として来ていたホ・ジャンサン父娘に救われる。傷ついたスロを懸命に看病するファンオク。そこへスロを探してヌク島までやって来たアヒョが現れ、ファンオクとの間で微妙な空気が流れる。そのころ、チョンギョンはチャンソ谷で鉄鉱石を発見し、そこで鉄を作ろうと考えていた。スロの能力を認めたソンドは自分の部下になるよう求めるが、スロは逆にある提案をする。 |
第14話 | 【ファンオクはスロの心にアヒョがいることを知りながら想いを告白する】 ファンオクはスロの心にアヒョがいることを知りながら想いを告白し、運命を信じると伝える。チョンギョンとイジンアシはクヤ国に侵入し、イルソをチャンソ谷に連れ帰る。そのときイジンアシはイルソを拉致しようと襲ってきた集団にアヒョがいるのを知って驚く。イルソがいなくなったためサボクが鍛冶長になるが、鉄の質は落ちるばかりだ。そのころ、養母が心配なスロはホ・ジャンサン父娘、トゥクソンとともにクヤ国に潜入していた。 |
第15話 | 【スロはファンオクの助けで船造りに成功し、約束通りソンドの奴隷たちは解放された】 スロはシングィガンに捕えられたホ・ジャンサンを救おうとするが、無謀だと思ったトゥクソンに気絶させられる。ヌク島に戻ったスロはファンオクの助けで船造りに成功し、約束通りソンドの奴隷たちは解放された。チャンソ谷で製鉄炉が完成してチョンギョンたちは喜びに湧く。一方、クヤ国では部族長たちのシングィガンへの不満が高まり、タレはチョンギョンに乗り換える決心を固め、部族長たちと反乱を企てようとしていた。 |
第16話 | 【チョンギョンはナチュルリョにイジンアシを王にする準備を指示する】 シングィガンはスロの養母を無理やり妻にしてしまった。兵力を整えたイジンアシはクヤ国に進軍し、負けを悟ったシングィガンはシングィ村に撤退する。クヤ国はチョンギョンの支配下になり、チョンギョンはナチュルリョにイジンアシを王にする準備を指示する。タレは鍛冶場の管理を任せられ、スロも戻ってきたが養母はシングィガンに連れ去られていた。そして、シングィ村に養母を探しに行ったスロをシングィガンは父として迎える。 |
第17話 | 【ファンオクがクヤ国にやってきて交易を任されることになり、アヒョは不安になる】 スロはタレに復讐する機会を得るが、アジンウィソンを悲しませたくないとして彼を見逃してやる。ファンオクがクヤ国にやってきてチョンギョンから交易を任されることになり、彼女がスロに近づくのではとアヒョは不安になる。シングィガンはスロを息子だとチョンギョンに紹介し、シングィ村に鍛冶場を作ってそこをスロに任せると圧力をかける。危機感を募らせるチョンギョンに、タレはスロを殺すべきだと勧めるのだった。 |
第18話 | 【スロはタレの刺客たちに襲われるが、スロが我が子だと知ったチョンギョンが救い出す】 罠と知りつつアヒョを助けに行ったスロはタレが放った刺客たちに襲われ、死に物狂いで戦うが多勢に無勢でついに倒れてしまう。だが、とどめをさされようとした瞬間、スロが我が子だと知ったチョンギョンが駆けつけて救い出す。深い傷を負って生死の境をさまようスロ。スロが息を吹き返すと立場が危うくなるタレはアロに救いを求め、アロは医者をスロの治療に送る。アロの指示を受けた医者は毒を秘薬といつわって処方するのだった。 |
第19話 | 【スロは人々のために努力することとシングィガンと戦うことを誓い、ファンオクやソンドに支援を求める】 息を吹き返したスロはチョンギョンから実母であると聞かされるが、今までのチョンギョンの仕打ちを思うとすぐには受け入れられなかった。スロは人々のために努力することとシングィガンと戦うことを誓い、ファンオクやソンドに支援を求める。一方、母の心がスロに移ったと思ったイジンアシは荒れ出し、スロを憎むのだった。そんな中、スロ殺しを謀ったとしてアロとアヒョが捕まり、それを知ったスロはアヒョを救いに向かう。 |
第20話 | 【密偵だと知られてしまいサロ国に戻ったアヒョは、もう一度スロに会いたくて再びクヤ国に潜入する】 アヒョがサロ国の密偵だと知ってスロは強いショックを受けるが、彼女との愛は本物だったと信じたがっていた。イジンアシは密偵を逃がした罪でスロを処刑すべきだと主張し、チョンギョンは苦悩の末それを認めるが・・・。一方、サロ国に戻ったアヒョはスロに正体を知られたことを悲しみつつ、もう一度スロに会いたくて再びクヤ国に潜入する。また自分のためにスロが脅迫されていると知った養母はシングィガンを殺そうとする。 |
第21話 | 【タレはスロを倒すためにアロとアヒョをシングィガンの元に連れて行き同盟を結ばせ、さらに…】 スロは自決した養母の仇を取りにシングィガンを殺しに行こうとするが、ソンドに止められる。ファンオクとソンドの援助でスロは新たな製鉄炉を完成させ、それをみんなのために使うと宣言した。チョンギョンはスロを王にする決心を固めるが、スロはそれを断る。タレはスロを倒すためにアロとアヒョをシングィガンの元に連れて行き同盟を結ばせるのに成功する。さらに彼は王になる夢を断たれて荒れるイジンアシに近づいていく。 |
第22話 | 【日増しに勢力を高めていくスロを警戒するサロ国王は、スロと娘のアヒョを政略結婚させようと…】 タレは人質にしたイジンアシの代わりに製鉄炉とイルソを寄こすようチョンギョンに要求してきた。スロはイジンアシを救出するが、それを助けたトゥクソンは重傷を負い、それと同時に記憶を取り戻す。自分の役目を思い出したトゥクソンはチョンギョンを殺しに向かうが・・・。一方、日増しに勢力を高めていくスロを警戒するサロ国王はスロと娘のアヒョを政略結婚させることにし、アヒョは使臣とともにスロのもとにやってくる。 |
第23話 | 【天君団を率いてチャンソ村にやって来たイジンアシは武器を生産し、新たな国を造ろうとしていた】 天君団を率いてチャンソ村にやって来たイジンアシはそこで武器を生産し、勢力を拡大して新たな国を造ろうとしていた。サロ国軍を率いたタレはシングィガンと同床異夢ながら連合する。そして、スロとチョンギョンがいるクヤ国に向かう前に、背後の心配をなくし製鉄炉も得るためにチャンソ村を攻めることにする。チャンソ谷の守りは固かった。しかし、同時に退路もないことを知ったタレは兵糧攻めにしてイジンアシを追いつめて行く。 |
第24話 | 【アヒョはスロ暗殺のためチャンソ村に決死隊とともに潜入する】 スロはイジンアシを救うために食糧を持ってチャンソ村にやってきたが、イジンアシは素直にスロを信じようとしない。そのころアヒョもサロ国の女性軍を率いてやってきた。互いに不信感を抱きながらも合流するアヒョとタレとシングィガン。イジンアシに不満を抱いたチャンソ村の住民を捕えたアヒョは彼らに村の門を開けさせるが、それはスロの罠だった。手痛い被害を受けたアヒョはスロ暗殺のためチャンソ村に決死隊とともに潜入する。 |
第25話 | 【ファンオクは人質のアヒョを返す代わりに、チャンソ村のサロ軍に撤退するよう交渉する】 仲裁を買って出たファンオクはスロたちの人質になったアヒョを返す代わりに、チャンソ村を取り囲んだサロ軍が撤退するよう交渉する。スロはさらにシングィガンがシングィ村を手放す条件もつけ加える。タレはその条件ものんで交渉は成立した。戦争が避けられたと喜んだチョンギョンはスロを早く王にしようとし、イジンアシもスロを認めて和解の握手を交わす。しかし、村まで失って怒り狂うシングィガンがアヒョをさらってしまった。 |
第26話 | 【スロのアヒョ殺しの疑いは晴れたが、サロ国王はアヒョを守れなかったとしてスロを投獄する】 シングィガンが白状したためスロのアヒョ殺しの疑いは晴れた。しかし、サロ国王はアヒョを守れなかったとしてスロを投獄する。アヒョへの思いからその罪を素直に認めるスロ。そんなスロの前にアヒョそっくりの女が現れる。それはアヒョの姉のアニだった。次第にスロが気に入り始めたサロ国王はサロ国に仕えるよう要求し、アニとの政略結婚を匂わす。一方、チョンギョンとファンオクはスロを救うために危険を顧みずサロ国に向かっていた。 |
第27話 | 【ヨンビはスロ暗殺は自分が勝手に企てたことでイジンアシは知らないと告白して自決する】 ヨンビはスロ暗殺は自分が勝手に企てたことでイジンアシは知らないと告白して自決する。しかし、自責の念にかられたイジンアシはチャンソ村で農民になると言って去っていった。スロを王へとの気運が高まってくるが、なかなかその気になれないスロ。だが、ファンオクの理路整然とした説得に次第に心が動き始める。そんな中、楽浪の太守の息子が使節としてやってきたが、ファンオクに手出ししようとしたことからスロは彼を殴ってしまう。 |
第28話 | 【スロを守ろうとしたチョンギョンは矢を浴び…、スロとイジンアシに謝りながら波乱の生涯を閉じる】 シングィガンはご神体を壊し、駆けつけたチョンギョンを人質にしてスロを待つ。母を助けに来たスロは罠を承知で近づくが、スロを守ろうとしたチョンギョンが矢を浴びてしまった。スロとイジンアシに謝りながら波乱の生涯を閉じるチョンギョン。葬式が終わると人々はスロに王になるよう勧める。クヤ国の人々はもちろん、イジンアシもタレもサロ国王ももはやスロが王になるのを反対する者はいなかった。シングィガンとスロ自身以外には…。 |
第29話 | 【スロは弁韓小国に製鉄技術を伝授し、繁栄を分かち合うことで彼らの支持を得ていく】 クヤ国の繁栄の陰で貧困に苦しむ弁韓小国の首長たちが戦いも辞さないとクヤ国に乗りこんできた。だが、スロは彼らを迎え入れ、製鉄技術を伝授し、繁栄を分かち合うことで彼らの支持を得ていく。そして、スロはついに王になると宣言した。それも単にクヤ国ではなく、連盟王国伽耶の王にと。そんなスロに部族長たちは唯一残された障害シングィガンを排除するよう求める。だが、スロはシングィガンを殺すことにためらいを見せるのだった。 |
第30話 | 【スロは、部族長たちから部族長最長老アドガンの娘ソファとの婚姻を迫られるが…】 部族長たちは部族長最長老アドガンの娘ソファとの婚姻をスロに迫ってきた。断ると部族長たちとの間に亀裂が入って、クヤ国はまた混乱してしまう。そう心配したファンオクはスロに部族長たちの申し入れを受けるよう勧める。しかし、王妃はファンオクとしか考えられないスロは申し入れを断り、部族長たちとの間に険悪な空気が流れだす。一方、サロ国王からアニとの結婚を許されなかったタレは、アニと駆け落ちを敢行していた。 |
第31話 | 【婚礼の準備のため天竺に戻っていったファンオクを心配し、海を見つめるスロだが…】 スロの王妃に決まったファンオクは婚礼の準備のため天竺に戻っていった。しかし、ファンオクは期日を過ぎても戻って来ず、暴風で何隻もの船が沈んだとの知らせが入る。ファンオクを心配して海を見つめるだけの日々を送るスロ。すると、部族長たちはソファを王妃にするよう再び迫り、人々はスロの王の資質に疑いを持ち始める。一方、それを知ったタレはサロ国王を説得し、反対する臣下を始末してクヤ国を攻める準備を推し進めるのだった。 |
第32話 | 【スロはファンオクとの婚礼と即位式を行い、ついに伽耶の王となる!】 ついに再会を果たしたスロとファンオク。二人は形式ばらずに伽耶の人々みんなとともに楽しむ宴を開き、婚礼と即位式を行う。そこには丹精を込めて作り上げた宝剣を捧げるイジンアシの姿もあった。式のあと、改めて王座への怖れを語るスロと、全力で手伝うと言うファンオク。二人はすぐに王と王妃の仕事を着実にこなし始める。ますます繁栄していく伽耶に危機感を高めるサロ国。その大将軍になったタレは伽耶攻撃の準備を進めていた。 |