No | あらすじ |
第1話 お前は誰だ | 河東(ハドン)平沙里(ピョンサ)の裕福な名家チェ家には子供は幼い一人娘のソヒだけで、跡取りがいなかった。ある日、チェ家に突然グチョンと名乗る男が現れ、下男になりたいと申し出る。グチョンを見たソヒの祖母ユン氏は、内心驚愕するも、それを承諾する。そんな中、役人達が東学党の一味を探しにやってきて、グチョンが疑われる。しかし日頃、冷たい性格のソヒの父チスが、妻の実家から来た下男だとかばうのだった…。 |
第2話 心の中の地獄 | 山寺に参拝に行く途中、山賊に襲われたソヒ母娘達とグチョン。ソヒと下女を先に逃したグチョンとソヒの母は山中で一晩過ごす羽目になる。何事もなく家に戻るが、二人の仲は村で噂の種になってしまう。惹かれあう二人を見て、ユン氏は人知れず二人を村から逃がすように仕向ける。消えた二人に激怒するチスはあの男の正体を知っているのでしょうと、ユン氏につめ寄るが…。 |
第3話 母上を返して | 戻らぬ母を慕って、ソヒは皆に当たり散らす。辛抱強くなだめるギルサンは、ほうびに仮面劇を見に行かせてもらう。同行した農夫ヨンは、昔の恋人ウォルソンの元へと向かい、巫女の娘という理由で結婚しなかったのは間違いだったと二人で嘆く。一方、チェ家の下女クィニョはチェ・チスの子どもを産むべく画策を始める。クィニョの野心を知った没落両班のイ・ピョンサンはクィニョに良からぬ知恵を与え、共犯を持ちかける。 |
第4話 毒蛇 | チスはグチョンが、ユン氏が生んだ隠し子、キム・ファンであると確信する中、妻とファンが智異(チリ)山に隠れているのを知る。ソウルから金の無心に来た又従兄のジュングに最新式の猟銃を求めさせ、ファンへの殺意を燃やす。幼いソヒから見下され、チスからも蔑まれ、身分社会の理不尽さに怒りを隠せない下女クィニョは、妊娠しチスの子だと訴えればいいと、両班ピョンサンの仲介で農夫チルソンと交わる。 |
第5話 嫉妬にかられて | ファンを仕留めるため、チスはカン猟師を山から呼びよせ、猟銃の使い方を練習し始める。それを知ったユン氏は過去の罪の深さに苦悩する。ソヒは、父の友人の息子イ・サンヒョンと初めて出会う。大人達は二人を将来、結婚させたいと言うが、わがままに育った二人は互いに反発する。一方、農夫ヨンの妻カンチョンは、夫を奪った女は許さないと、ウォルソンの家に押しかけ口汚く罵る。暴力と屈辱を受けたウォルソンは、ヨンとの愛に絶望し、姿を消してしまう。 |
第6話 人間狩り | 純朴なカン猟師に惚れられ無理やり迫られたクィニョは、妊娠さえすれば誰の子でも構わないと体を許す。一方、山奥でひっそりと暮らすソヒの母は、娘に対する思いで胸が張り裂けそうになりながらも、ファンと心を通わせ合う。苦しい生活の中で、二人は人を愛する喜びを初めて知るのだが、憎しみに満ちたチスは、ファンと自分の関係を知りながらも、追跡の手をゆるめない。 |
第7話 血の絆 | ついにファンを見つけるチス。ファンは手負いの傷を負いながらもソヒの母を背負い逃げる。追い続けるチス達にイノシシが襲いかかり、かばった下男が大けがをする。やむなくチスは家に戻り、ファンへの複雑な気持ちを整理しようとする。クィニョの妊娠も確実になり、チェ家の財産を乗っ取るには、いよいよチスが邪魔になる。クィニョはピョンサンに、今度はあんたの番だと、チスの殺害を促す…。 |
第8話 真夜中の火事 | 大晦日の晩。ピョンサンはついに計画を実行に移す。離れで一人寝ていたチスは、たやすく首を絞められ絶命する。直後に村の狂女が火をつけ離れは全焼する。これで、あの女が殺したことになるとクィニョ達はほくそ笑む。めでたい正月が悲しみの葬式になり、ユン氏は衝撃のあまり声も出ず、幼いソヒの喪服姿は人々の同情を誘う。大げさに泣きわめくクィニョに、まるで亭主が死んだみたいだと、人々は不思議がりだす。 |
第9話 クィニョの野心 | ユン氏は農夫ヨンから、チスの死体から出た麻縄を渡される。そしてチスが他殺であることを疑い始めたユン氏の前で、クィニョがお腹の子の父親がチスであると告白する。クィニョの犯行を確信したユン氏は、暴れるクィニョを縛り上げ、ソヒの父チスが父親であり得ない事実を突き付る。クィニョは自分の野心が打ち砕かれたのを知り、すべてを暴露するのだった…。 |
第10話 欲望の果てに | 強気のクィニョは、チェ家の財産は農民から奪い取った。私の欲が罪なのかと、ユン氏をののしる。農夫チルソン、没落両班のピョンサンも捕まり、役人の取り調べが始まる。心正しいピョンサンの妻は、絶望と罪を息子達に残さないために、首をつって自殺する。大騒ぎの平沙里に、事の一部始終を秘かに傍観していたソヒの遠縁又従兄のチョ・ジュングが現れる。欲望むき出しのジュングに幼いソヒも敵意をみせるが…。 |
第11話 罪の代償 | 当主がいなくなったチェ家で、将来ソヒに多くの試練が待ち受けるだろうと案じた祖母ユン氏は、家門を守っていくには笑っても泣いてもいけないとソヒを戒める。チスを殺した両班キム・ピョンサン、共犯にされた農夫チルソンは、それぞれ恨みを抱きながら処刑される。残された家族たちも村を追い出され、過酷な運命が始まる。一方、クィニョは出産まで刑が延期されることになる。どんなに罵られても、会いに行き続けるカン猟師に、クィニョは少しずつ心を開き始める。そして、生まれた子は俺の子として育てるというカン猟師に息子を託し、クィニョも刑場の露となる。 |
第12話 愛と情欲 | ユン氏は13歳になったソヒに見合った婚約者を探し始める。しかし、面子を重んじる両班社会ではソヒの母の問題が大きな障害となる。そのような事情を知らないソヒの母は、山中でファンと心を通わせ合うが、窮乏生活の中、病が悪化していく。チェ家では財産を狙う亡父の又従兄チョ・ジュングが居座り、下女サムウォルをてごめにする。また、恋人ウォルソンが去った後も農夫ヨン夫婦の仲は冷え切ったままだ。そんなところへ処刑されたチルソンの妻だったイムの母が村に戻って来る。 |
第13話 息吹く命 | 凶作が危ぶまれ、ユン氏はソヒを連れて土地を見て回ることに。ユン氏はお前が持つのは土地ではなくそこに息吹く命なのだと、ソヒに地主としての心構えを教える。ソヒが消えた母を愛憎半ばで思い出している頃、母はソヒの名を呼びながらファンの腕の中で息絶える。村ではヨンの子を宿したイムの母と本妻カンチョンの間で激しい争いが絶えず、ヨンは人生に嫌気がさす。一方、サムウォルとの不始末でチェ家を追い出されたジュングは、今度は家が破産したと妻と息子ビョンスを引き連れて押しかけてくる。その妻、ホン氏は両班とは思えない下品で傲慢な女だった…。 |
第14話 はやり病 | チェ家で主人面をして下女たちからも毛嫌いされるホン氏は、ある日、サムウォルと夫との関係を知り、怒りに燃えてサムウォルにひどい折檻をする。その頃、河東一帯に、はやり病が発生し、田畑を見て回った金執事が発病する。ユン氏は万一の時にはこれを使いなさい、とソヒに何か重要なものを授ける。村でもヨンの妻、ムン医員を初め次々と犠牲者が増え、人々は恐れおののくが、ジュングだけは一人ほくそ笑む。俺は予防法を知っているから心配するな、ついに俺たちに財産が入ってくるぞと、妻と有頂天になるのだった。 |
第15話 祖母の死 | 村中に病人と死体があふれ、チェ家の人々も次々とたおれる。とうとうユン氏にも症状が現れてしまう。ユン氏は死ぬ間際に、最後までソヒを守れるのはギルサンだけだ、と頼んで永眠する。慟哭するソヒ、そしてギルサンまでも死線をさ迷うが、辛うじて回復する。ユン氏が亡くなり、欲望をむき出しにするジュング夫婦。そこへ何年ぶりに、ソヒの父チスの友人である両班イ・ドンジンが現れる。強い味方が現れたと、喜んだのもつかの間、村に現れた日本軍を見てドンジンは、チェ家はお前たちの手で守るのだという言葉を残して足早に去っていく。 |
第16話 深まる対立 | ホン氏の目に余る行為に、ソヒは一歩も譲らず、渡り合う。悔しがる妻に、俺には考えがあるからもう少し時を待てとなだめるジュング。一方、ソヒの母を失い、放浪を続けるファンは、密かに実母であるユン氏の墓参りに来る。愛する二人の女性を亡くしたファンは人生の目的を失う。天涯孤独の身となったソヒの財産を奪うべく、ジュングはソヒの味方を潰す作戦にでる。凶作の時に与える施米を、チェ家を敬う農民達には与えず、締めつけようというのだ。村が二分されたことに憤ったヨンはソヒに直訴し、皆が米をもらえる様に一計を案じるが…。 |
第17話 土地の権利書 | ソヒに忠誠を尽くす下男スドンを殺してしまうジュング。ソヒの抗議にも、スドンが土地の権利書を盗もうとしたからだとうそぶく。村でもジュング派とソヒ派の間で溝が深まっていくが、ジュングとソヒの力関係が徐々に逆転していく。数少ないソヒの味方、ヨンは戻ってきたウォルソンとよりを戻す。市の立つ日にウォルソンに会いに出かけたヨンは、日本人と親しげに話すジュングを見て、不信感を抱く。それはチェ家の土地の権利書をジュング名義にする画策だったのだ。それを知ったソヒは、早く成人して土地を取り戻すと固く決意するのだった。
|
第18話 孤立するソヒ | 妊娠したサムウォルは、ジュングに見捨てられ、恨みの言葉を残して首を吊る。利用できる者は利用し、邪魔者は情け容赦なく排除するジュング。己の欲望を満たすことにしか関心のないジュングの下で、村人たちの生活はますます苦しくなり、人々の心までも荒廃していく。そんな中、ジュング夫婦は自分たちの地位を確保するために、ビョンスとソヒの結婚を提案するが、ソヒは断固として拒絶する。寺に来たソヒを、遠くから見つめるファンは罪の意識にとらわれ、ソヒを陰から守る決心をする。 |
第19話 命をかけた争い | 時が流れ、美しい乙女に成長したソヒだが、常に頭にあるのは先祖の土地を取り戻すことだった。日本が朝鮮国王を退位させたことを知ったヨン達は、義兵資金を調達すべく、チェ家の蔵を襲う計画を立てる。ソヒはジュング夫婦を殺して権利書を取り戻すために、許可を与える。蔵の財物は奪うが、下男サムスの裏切りでジュング夫婦を探し出せなかったヨンやギルサン達は山に身を隠す。いち早く、日本人憲兵を呼んだサムスを、ジュングは義兵の一味だと捕まえさせてしまう。そしてソヒも事件に係わっていると、告発するのだった。 |
第20話 逃避行、追手を逃れて | 部屋に土足で上がりこんだ憲兵隊長に、日本語で堂々と対応するソヒ。豊かな知識と気品の高さに憲兵隊長は、己の非礼を認める。ジュングは不利になりそうな気配にソヒの逮捕は諦めるが、無実の村人を捕まえさせる。手ごわいソヒを黙らせるには、ビョンスと結婚させるしかないと、ジュング夫婦は、実力行使にでる。伝え聞いたギルサン達は、ソヒを救出して皆で遠い北の間島(カンド)まで逃げる手はずを整える。ヨンの恋人ウォルソンやドンジンの息子イ・サンヒョンらの助けを借りて実行に移すが、ソヒの身代わりとなったボンスンは、追ってきたジュングに捕まってしまい…。 |
第21話 新たな出発 | チョ・ジュングに犯されたボンスンは、ギルサンを諦め、妓生(キーセン)の道を選ぶ。ソヒと共に河東を脱出した一行は冬の満州で馬賊に襲われるが、仲間の男が見逃してくれる。実はソヒを父の敵と狙うキム・ゴボクの成長した姿だった。名前もキム・ドゥスと変え、アヘン売買、日本人の密偵と何でもする悪党になっていた。間島(カンド)の龍井(ヨンジョン)に落ち着いたソヒは、奪われた土地を取り戻すには金が必要だと、手段を選ばぬ商売人になっていく。 |
第22話 憎しみの連鎖 | 反日活動のために来たのではないと、父の友人イ・ドンジンの軍資金要請も断り、ソヒは金儲けに励む。ソヒに対する復讐を人生の目的とするドゥスは、日本の手先としてソヒの邪魔を始める。しかし、豆の買占め、土地の転売など、ことごとくソヒに負ける。ドゥスは日本領事の前で、母親の問題でソヒに恥をかかせようとするが、ソヒから殺人犯の父親の話をにおわされて、反対に窮地に立つ。憎しみで怒り狂うドゥスは馬賊達に恐ろしい指示を出す。 |
第23話 行き場を失う人々 | 燃え盛る家から、ギルサンは命がけでソヒを助け出す。ギルサンの抗議も無視して、ソヒは焼け出された人々を追い出し、新しい街づくりを目指す。そんなソヒを巡ってギルサンとイ・サンヒョンは男として対立し始める。その頃、平沙里(ピョンサリ)では、ジュングが不法に国有地を日本人に転売し、農民たちの生活は益々、苦しくなる。一方、会寧(フェニョン)に材木を買いに来たギルサンは、龍井(ヨンジョン)から追い出された寡婦オギネを助ける。 |
第24話 ギルサンの苦悩 | ソヒとギルサンに関する噂が人々の口にのぼり始める。サンヒョンに惹かれる心を断つために、義兄妹になることを提案するソヒ。しかし、身分不相応のギルサンと結婚すると宣言するソヒに、サンヒョンは逆上して龍井(ヨンジョン)を離れていく。それを聞いたギルサンは、オギネと結婚する決心をする。何一つ自分で決められない下僕の立場に屈辱を感じたのだ。そんな時、ギルサンが怪我をしたという知らせが届き、下女も連れず慌てて駆けつけて行くソヒ…。 |
第25話 ソヒの涙 | 待ち受けていたドゥスの魔手を辛うじて逃れたソヒは、ギルサンと会寧(フェニョン)に向い、独りでオギネに会いに行く。貧乏でも自尊心の強い彼女に、ソヒも一目置く。何でも思い通りにしようとするソヒに、私も同じ人間だとギルサンは感情を爆発させる。思いがけないギルサンの反撃に、女と別れろと泣き叫ぶソヒ。しかし、ギルサンは龍井(ヨンジョン)に戻ったら、ソヒと別れる決心をして、共に馬車に乗る。後を追う馬車には、毒蛇のようなドゥスがいた。 |
第26話 心の通わない結婚 | 転覆された馬車からソヒを助けたギルサンは、立ち去ろうとするが、ドゥスを見つけ、思い留まる。心はサンヒョンにあっても、復讐の道具でも、生涯離れないとソヒに誓う。ソヒの大けがを聞いて戻ったサンヒョンは二人の結婚を聞き、髷を切り両班のプライドを捨てる。複雑な思いのギルサンと、ソヒは正式の夫婦となる。一方、国内外で反日義兵運動が続くが、日本の勢力は日増しに強まっていき、ついに1910年8月、朝鮮は日本に国を奪われてしまう。 |
第27話 帰るべき故郷 | ボンスンとヘグァン僧は、ソヒに会いにやってくる。久しぶりにウォルソンやヨン達に再会して喜び合うが、帰る故郷など無いと悲しむボンスン。一方、ヘグァン僧とギルサンはドンジンに会い、軍資金を渡す。独立運動家を匿うよう頼まれたギルサンは、ソヒに反対され自分の非力を痛感する。ソヒは儲けた金で土地を買い戻し、故郷に帰るのだと、ボンスンに本音を言う。しかし、下男扱いされる朝鮮は私の帰る故郷ではないと、ギルサンは言い切るのだった。 |
第28話 復讐の始まり | ボンスンとヘグァン僧はそれぞれの役割を秘めて、朝鮮に戻る。ボンスンはサンヒョンにソヒへの協力を依頼する。ヘグァン僧は智異山で、軍資金を提供するキム・ファンと会う。国のために命をかける人々が居る一方で、ソヒの目的は、先祖の土地だ。ジュングが土地を担保に金を借りているのを知り、コン老人を送りこむ。ジュングの息子ビョンスが住むソヒの家は荒れ放題で、村の様子も一変している。困窮したジュングはソヒの策略に乗ってしまう。 |
第29話 息子の出産 | ギルサンが病気のオギネを助けている間に、ソヒは息子を出産する。ソヒは、怒りと同時にギルサンの心が遠くにあると感じる。ギルサンは息子を得た喜びよりも、自分の立場に悩む。コン老人が土地の権利書をジュングから手に入れて来たのを見て、喜ぶソヒ。ギルサンはコン老人から預かった軍資金を持ってハルビンに行くが、そこにはドゥスの姿も。しかし、ドゥスは、以前から付きまとっていたシム・クムニョから脚を撃たれてしまう。一方、ジュングは、今度は米相場に手を出し始める。 |
第30話 執念 | 二人の子の母となったソヒは、かなりの土地を取り戻し、晋州(チンジュ)に家を買い求める。米相場にも失敗したジュングに、金を貸したのは自分だとコン老人に伝えさせる。その頃、ファンは龍井(ヨンジョン)に来て、ギルサンに身分社会の理不尽さ、親への思いを吐露し、慟哭する。ソヒを不幸にしたと恨んでいたギルサンも、ファンと自分の心情を重ね合わせる。二人はロシアに行くが、ドゥスにより、目の前で多くの独立運動家が一網打尽にされる。 |
第31話 故郷への道 | 警察部長になったドゥスの目の前で、心を寄せるシム・クムニョが自殺し果てる。一方、ウォルソンはヨンに抱かれて幸薄い人生を閉じる。ヨンはウォルソンの金を息子ホンではなく、独立運動を助けるようコン老人に頼む。ソヒは、寺でギルサンからファンの生い立ちを聞いて驚愕する。ファンはドゥスに撃たれるが、ギルサンと二人で逃げおおせる。ソヒは独立運動に身を投じたギルサンを置いて、土地を完全に取り戻すべく龍井(ヨンジョン)を後にする。 |
第32話 最後の闘い | 晋州(チンジュ)に落ち着いたソヒは、有能な男チャン・ヨンハクを雇って、ジュングを次々と追いつめる。間島(カンド)では、ギルサンを捕えるためにドゥスは巡査部長の職もなげうって密偵となる。そんなドゥスに軍資金を奪われたギルサン達は、ソヒに金を依頼する。日本人の警察署長と親しくなったソヒは、表向きは断るが、泥棒に盗られたという形で提供する。その金を届ける危険な役に白羽の矢が立ったのは、ドゥスの弟キム・ハンボクだった。 |
第33話 復讐を遂げて | ジュングは、ソヒに最後の土地と屋敷を買ってくれと頼みに来る。ソヒは良心か金かの選択を迫るが、ジュングは金を持っていく。しかし、ヨンハクが来て泥棒だと騒ぎたて、大金が飛び散る。ジュングの手元にはいくらも残らない。復讐をとげたはずなのに、ソヒの心には虚しさが残るばかりだ。軍資金を無事、運んだハンボクに、ギルサンは生きた屍になるな、自身を生きろ、と叱咤する。ハンボクは、ドゥスと再会するが、生き方の違いを痛感する。 |
第34話 遠い春 | ヨンは脳卒中で倒れ、ソヒの援助で暮らすようになる。ソヒは、独立運動の軍資金、警察署長からは学校設立、と敵対する両方から資金を要請される。悩みが絶えないソヒに、監視の目が日ごと厳しくなる。記者になったイ・サンヒョンは己の無力さに嫌気がさし、ボンスンの家に身を寄せる。イム訳官の娘ミョンヒからも慕われるが、ソヒへの思いを断ち切れずにいる。間島(カンド)での独立運動は日ごと難しくなり、ギルサン達は新たな打開策を朝鮮に求める。 |
第35話 殺人者の息子 | ギルサンが来るという情報を得たドゥスが、ソヒの前に現れてギルサンを殺すと脅迫する。智異(チリ)山に戻ったのはファンで、変貌した東学党の残党たちと戦うはめになる。少し健康をとりもどしたヨンは、チェ参判宅の留守居となる。正月を迎えるためにようやく、平沙里(ピョンサリ)に戻ったソヒは感慨無量だ。村では人々が祭りを楽しんでいた。その場に、ファン達を追ってきた警官達が現れる。その先頭には、ドゥスがおり、動いた村人が撃ち殺されるのを見てハンボクは凍りつく…。 |
第36話 愛と罪 | 追われたファンはソヒに助けを求める。匿った祠堂までドゥスは踏み込み、ソヒを脅迫する。辛うじて助けたファンから母との関係は罪ではなく、愛だと言われ、当惑するソヒ。ホンを初め若者たちが拘束されたと聞き、ソヒは警察署長を脅して解放させる。怒り狂うドゥスは、必ずギルサンを捕まえると宣言する。龍井(ヨンジョン)の日本領事館を爆発させようとして失敗したギルサンは、ドゥスの手下になったイムの密告で警察に追跡され、山に逃げ込む。 |
第37話 命をかける男達 | ギルサンは重大な任務を持って、朝鮮に渡る。チョ・ヨンハ伯爵に、上海臨時政府参加を要請するためだったが、すげなく断られる。サンヒョンはギルサンの国のために戦う姿に圧倒され、自己嫌悪に陥る。そしてサンヒョンの子を妊娠したと告げられないボンスンを残して、家を出る決心をする。ドゥスはギルサンとファンの両方をつけ狙い、二人がソウルで落ち合っているところを襲撃する。傷を負ったギルサンを助けるべく、ファンは一人で追手を迎え撃つ。 |
第38話 恨(ハン)の深さ | ギルサンを逃がしたファンはドゥスに逮捕され、酷い拷問を受ける。サンヒョンに助けを求めたギルサンは、ヨンハの弟で新聞社の社長チョ・チャンハに匿われる。ギルサンは無事ソウルを脱出し、智異(チリ)山で仲間たちと落ち合う。ファンを助けるために警察署を襲うという計画を聞いたソヒは愕然とする。ギルサンと家族を救う唯一の方法は、助けるべき人間がこの世から居なくなることだ。ソヒは恐ろしい考えを胸に、ファンとの面会を警察署長に求めに行く。 |
第39話 生きる目的 | ソヒは自死したファンを、実母であるユン氏の墓の隣に埋めさせる。チェ家の悲劇に関連した人々が全て亡くなり、虚無感に囚われるソヒ。ドゥスはギルサンが智異(チリ)山に隠れていると確信し、捜索隊を出す。ギルサンを助けるべく、ヨンは後妻であるイムの母の葬式を利用して、ドゥス達を平沙(ピョンサリ)におびき出す。その間に、ハンボクがギルサンを無事に脱出させる。ソヒは警察署長に会い、ドゥスの失態を追求し、ソヒとドゥスの確執は、益々激しくなる。 |
第40話 息子達の試練 | 龍井(ヨンジョン)に戻ったドゥスは、ギルサンを捕まえるべく策略を練る。自ら日本領事館を襲撃し、それを口実に独立運動家だけでなく、朝鮮人全てを抹殺しようとするのだ。日本軍が勢力を拡大する中、ギルサン達はハルビンまで逃げる。長男ファングクは賢い少年に育つが、ギルサンの身分の事で友達と大喧嘩をする。ソヒはギルサンが故郷に帰らない理由を痛切に理解する。一方、サンヒョンの娘を産んだボンスンは、苦しさからアヘン中毒者になり果てる。 |
第41話 もどらない青春 | ソヒの影のように生きてきたボンスンは、平沙里(ピョンサリ)に戻ってはきたが、ソヒの思いやりを素直に受け入れず、アヘン中毒から抜けられない。そんな中、ギルサンがソウルに来るという情報を得たソヒは、ギルサンが居る旅館の前に長男ファングクと立つ。そっと窓から見詰めるギルサン。家族が一緒に暮らせるのはいつの日か…。 |
第42話 ボンスンの自殺 | ボンスンが入水自殺をした事を知らずに、サンヒョンが訪ねてくる。ソヒからボンスンの娘ヤンヒョンを養女にすると聞かされる。自己嫌悪に陥り、ハルビンに行く決心をするサンヒョン。時が流れて1929年になる。独立運動は思想的対立が激しくなり、内部分裂の末に、イ・ドンジンはカン猟師の息子ドゥメに撃たれて死ぬ。失意のギルサンとサンヒョン。そしてキム・ドゥスの執念の追跡に、とうとうギルサンも逮捕されてしまい、ソヒも窮地に陥る。 |
第43話 守るべきもの | 公判が開かれ、懲役2年の判決を受けたギルサンは、ソヒに離婚を促がす。自分が一番守るべきは家族だったと、朝鮮に戻ったことを後悔するソヒ。ギルサンを口実に、近藤署長は土地の献納を要求する。年老いたヨンも死に、ソヒが孤独を深める中、反日学生運動がおこる。ソヒの戒めも聞かず、次男ユングクは積極的に活動する。ドゥスの弟ハンボクや白丁グァンスの息子などの若者達は、先が見えない状況の中で、それぞれの道を探すべく苦悩する。 |
第44話 母の悲しみ | ソウルに家出したユングクは金も服も盗られて、現実の悲惨さを知る。サンヒョンの手紙をもらったミョンヒは、ヤンヒョンを養女にすべく、ユングクを連れてソヒに会いに行くが、断られる。チョ・ヨンハ伯爵の異常な嫉妬に悩まされ続けるミョンヒは、人生に意味を見いだせない。ソヒが手を尽くし、ギルサンは早期に釈放される。また独立運動をすれば、家族が壊れると心配するソヒは、ギルサンの安全な居場所を画策する。相変わらずつけ狙うドゥス…。 |
第45話 祖国のために | ミョンヒは海で自殺を試みるが、ジュングの息子ビョンスに助けられる。一方、ギルサン達は独立運動の起死回生のため、仮臨時政府の名の下に、親日派の家に強盗に入る計画を立てる。家族を危険にさらすと、必死で反対するソヒだが、警察署爆破を含め、実行に移される。ソヒの家もグァンスが金を取りに来る。縛られて、被害者のふりをするソヒ。ギルサンは平沙里(ピョンサリ)にいてアリバイがある。ドゥスは尻尾をつかもうと躍起になる。 |
第46話 信念 | 実行犯のグァンスを逃がすために、囮となったハンボクを捕まえるドゥス。結果、逆に立場が危うくなり、巡査部長の職を追われてしまう。恨みを抱いてソヒを殺そうとするが、失敗する。ギルサンは絵の才能のあるファングクを美大に行かせる。将来、日本が負けた時に、息子が日本の協力者として責任を問われない職業をと、考えたのだ。一方、ミョンヒの教え子ユ・インシルは日本人の緒方の子を妊娠し、チョ・チャンハに育ての親を探してもらう。 |
第47話 憐憫 | 身動きの取れないギルサンは、家族と共に表向き平穏な生活を送る。1943年となり、新京で亡くなったグァンスの遺灰を持って、息子ヨングァンは平沙里(ピョンサリ)にやってくる。美しく成長したヤンヒョンと出会い、二人は密かに心惹かれあうが、ユングクもヤンヒョンを女性として意識し始めていた。一方、朝鮮の若者たちを軍隊に送るべく、近藤署長が再赴任してくる。夫や子ども達を守るために、ソヒは新たな計画を実行する。 |
第48話 自由へのあこがれ | 戸籍をイ家に入れ直されたヤンヒョンは、衝撃を受け、ヨングァンに益々近づく。ヤンヒョンを守るためにユングクとの結婚を進めるというソヒに、自分の欲望のために子ども達を縛るなと憤るギルサン。療養のためと偽って山寺に引き込んだギルサンを追ってきて、近藤署長は脅迫する。満州でもドゥスがまた現れ、ホンにつきまとい、逮捕させる。独立運動も先が見えなくなる中、朝鮮国内外の人々の生活は益々悲劇的になっていく。 |
第49話 陸地の魚 | ユングクとの結婚話を知ったヤンヒョンはヨングァンを愛していることに気づき、ユングクに兄としてしか愛せないと告げる。一方、息子ビョンスをも苦しめ続けたジュングは、最後まで生に執着しながらついに死ぬ。ソヒはギルサンを国外に逃亡させようとするが、逮捕されてしまう。 |
第50話 親子 | ユンシルは緒方に、息子をチャンハが育てていることを告白する。緒方は怒りをこらえ、チャンハに成人するまで育てることを頼む。ドゥスは共産軍として活動するドゥメを、親の出自を匂わしてソヒへの復讐に利用しようとする。家族の危機に解決策を見いだせず、苦悩するソヒ。ユングクは近藤署長に、ヤンヒョンの代わりに自分が志願するから、ギルサンも釈放するよう交渉する。 |
第51話 愛と憎しみと | ヤンヒョンをヨングァンがいるハルビンに送って、入隊するユングク。ハルビンでヨングァンに拒絶されたヤンヒョンは、飲んだくれた父サンヒョンに会い失望する。ユングクは共産軍の攻撃に乗じて逃げ、ドゥメの配下に入る。しかし、ドゥスに母親がソヒの父を殺したという冤罪で処刑されたと、嘘を吹き込まれたドゥメはユングクを殺そうとする。何とか逃げおおせるユングク。 |
第52話 土地は命 | サンヒョンの父親としての愛情を確認したヤンヒョンは、ヨングァンを諦めソウルに戻る。ドゥスは復讐のために、ドゥメと平沙里(ピョンサリ)にやってくる。ハンボクの説得も聞き入れず、追跡をあきらめないドゥスは、とうとう山に隠れ住んでいる人々に殴り殺されてしまう。ギルサンは無常感を、観音像を描くことで浄化する。そして、ついに解放の日が…。 |