朝廷の重臣の息子キム・スンユと王族の娘イ・セリョン。2人は、親同士が政敵であるとも知らずに恋に落ち、静かに愛を育む。しかし、スンユはセリョンの父が起こしたクーデターで家族を惨殺され復讐の鬼に…。朝廷から追われる身となったスンユと彼の憎き敵の娘になってしまったセリョンの悲しく切ない愛が胸を打つ。
さらにスンユの2人の親友シン・ミョンとチョン・ジョン、セリョンのいとこである敬恵(キョンヘ)王女の行く末も目が離せない。運命に翻弄される5人の若者たちの複雑に絡み合う友情、愛情。彼らの目、心情を通して、波乱の時代をダイナミックに描く。
【癸酉靖難(ケユジョンナン)】
1453年。幼くして即位した朝鮮王朝第6代王、端宗(タンジョン)の叔父である首陽(スヤン)大君(テグン)が、端宗を支えていた重臣たちに謀反の罪をかぶせて一挙に殺害し、政権を掌握したクーデター事件。1455年に端宗は王位を退き、首陽大君が第7代王、世祖(セジョ)として即位した。
No | あらすじ |
第1話 運命の出会い | 1452年。朝鮮王朝第5代王の文宗(ムンジョン)は、王権を狙う弟の首陽(スヤン)大君(テグン)に持病の悪化を悟られぬように隠していた。そんななか、首陽は文宗の側近、キム・ジョンソの息子キム・スンユに娘イ・セリョンの縁談を持ちかける。おてんば娘のセリョンは、いとこの敬恵(キョンヘ)王女と仲良く育つ。セリョンは王女の新講師が縁談相手のスンユだと聞き、王女と入れ替わってどんな人か確かめることにする。 |
第2話 王女の婿選び | 文宗(ムンジョン)は、側近キム・ジョンソの息子スンユを敬恵(キョンヘ)王女の婿に迎えると宣言。するとなぜか反対するはずの首陽(スヤン)が率先して賛成の声を上げる。敬恵王女はセリョンのいいなずけだと思っていたスンユが自分の夫になると知って驚くが…。一方、スンユは暴走する馬に乗ったセリョンを助け、無謀さをたしなめる。セリョンは王女のふりをしたまま憎まれ口を利きながらも、馬に乗りたい理由をスンユに話す。 |
第3話 束(つか)の間の喜び | 盗賊を装った首陽(スヤン)の手先に襲われたスンユとセリョン。スンユは背中に傷を負いながら戦っていたが、ついに弓を構える敵に囲まれてしまう。すると、隠れていたセリョンがスンユをかばうために思わず飛び出し…。敬恵(キョンヘ)王女の目の前で父、文宗(ムンジョン)が突然血を吐く。敬恵王女は父が自分と世継ぎの弟ホンウィを首陽(スヤン)から守るために病状を隠していたと知り、スンユとの婚礼の重要さを悟る。 |
第4話 動き出す策略 | 敬恵(キョンヘ)王女から自分が本当の王女だと明かされ驚くスンユ。敬恵王女は、王女を装っていたセリョンは女官で、もう宮廷にはいないとウソをつき、彼女を忘れるよう警告する。そしてその会話を聞かせていたセリョンに、彼女の父、首陽(スヤン)が王座を狙っているため、スンユが必要なのだと告げる。その言葉にセリョンは…。一方、首陽の手下ハン・ミョンフェは、スンユが宮殿外で「王女」と会っていたという情報を得る。 |
第5話 婚礼の陰で… | セリョンは獄中のスンユに会いにいくが、父、首陽(スヤン)が現れ、正体を明かせぬまま連れ出される。セリョンは父に、スンユが会った女性は王女を装った自分だったことを明かし、彼を救うよう頼む。首陽はなんとかすると答え、代わりに2度とスンユに会わないと約束させる。スンユは女官だと信じているセリョンに罪が及ばぬよう弁明を拒み、このままでは極刑は免れない。父キム・ジョンソは、敵の首陽に息子の命乞いをする。 |
第6話 募る思い | 旅先から戻ったスンユは市場で思いがけずにセリョンと遭遇。セリョンはずっと気にしていたと話しかけるが、スンユはその言葉を遮り、「2度と会わないことを祈る」と告げてその場を去る。王、文宗(ムンジョン)が倒れ、首陽(スヤン)は幼い世継ぎのホンウィを差し置いて朝廷を好き勝手に動かし始める。敬恵(キョンヘ)王女は父や弟の身を案じていたが、婚姻が済んだことを理由に宮廷から早々に追い出される。 |
第7話 友情の亀裂 | スンユは寺でセリョンを見つけると抱きしめ、「忘れられない。自分の心を偽ることはやめる」と告げる。セリョンはうれしさに思わず涙を流すが、すぐに素性を明かすことができない。スンユに名前を聞かれ、つい「ヨリ」だと侍女の名を答えてしまう。幼い端宗(タンジョン)が即位し、キム・ジョンソが側近として王を守っていた。だが、その陰で、首陽(スヤン)一派のキム・ジョンソ暗殺計画は着々と進んでいた。 |
第8話 悲劇の始まり | 首陽(スヤン)らはついにキム・ジョンソ暗殺を決行することに。セリョンは父、首陽がスンユも殺すと母に話しているのを聞いてしまう。父が家を出た後、セリョンはすぐにスンユに危険を知らせに行こうとするが、気づいた母から「どちらかの一家が死なねば終わらぬのだ」ととがめられ、部屋に閉じ込められる。一方、スンユの親友シン・ミョンは、父、シン・スクチュに従って首陽側のクーデターに加担するのか決断を迫られていた。 |
第9話 父の無念 | スンユの目の前に首陽(スヤン)一派の奇襲に遭った家族の惨状が広がる。兄はすで絶命していたが、父キム・ジョンソはまだ息があった。スンユはすぐにそこから父を連れ出そうとするが、父は端宗(タンジョン)に無事を知らせ、首陽に屈せぬよう伝えろと命じる。端宗が滞在している敬恵(キョンヘ)王女の私邸では、シン・ミョン率いる兵士が計画どおりに端宗の親衛隊を襲撃。護衛がいなくなったところへ、首陽が乗り込んでくる。 |
第10話 命を賭けた恋 | 首陽(スヤン)は朝廷を掌握したことを世間に知らしめるため、宮殿から行列をなして帰宅。首陽を討つために待ち構えていたスンユは、家族の中にセリョンの姿を見つけ動揺する。すぐに目的を果たすべく首陽に斬りかかっていくが、護衛していたシン・ミョンに阻まれ捕らえられてしまう。生きていたスンユに驚く首陽。セリョンは取り乱して泣き叫ぶ。 |
第11話 危機一髪 | 獄中のスンユはセリョンを見るなり首を絞める。兵士に制止され手を離すが、セリョンに向かい「この手でお前とお前の父親を殺してやる」と言い放つ。その言葉にセリョンは、「生き抜いて私を殺しに来るのを待っている」と答える。その後スンユは、シン・ミョンに義姉とめいのアガンを捜して逃がしてほしいと頼むが…。セリョンは流刑地に送られるスンユをそっと見送る。だが首陽(スヤン)はスンユを生かしておく気はなかった。 |
第12話 断ち切れぬ思い | たどりついた島でも執念深い敵に追われるチョ・ソクチュたち逃亡囚は、追っ手の狙いがスンユだけだと知ることに。崖の前で敵に追い詰められたチョ・ソクチュは、刀をスンユに向ける。一方、都ではセリョンとシン・ミョンの婚礼の準備が進んでいた。首陽(スヤン)と対立する弟の錦城(クムソン)大君(テグン)は、端宗(タンジョン)の身を案じる敬恵(キョンヘ)王女に首陽を討つ計画を告げる。決行はセリョンの婚礼の日だ。 |
第13話 復讐の序章 | シン・ミョンは振り向いてくれないセリョンへの思いが込み上げ、いきなり彼女を抱きしめる。陰からそれを見ていたスンユの心は揺れる。スンユは悲しみと憎しみを胸に街をさまようが、ふと生きているかもしれない義姉とめいのアガンのことを思い出す。セリョンの婚礼の日が決まる。首陽(スヤン)暗殺の準備が進む一方、敬恵(キョンヘ)王女はセリョンに最後の贈り物を渡す。かつてスンユがセリョンのために贈った指輪だ。 |
第14話 衝撃の再会 | セリョンの婚礼の直前、スンユは花嫁衣装をまとったセリョンを背後から襲い連れ去る。首陽(スヤン)はセリョンが何者かに誘拐されたことに気づき婚礼を延期。シン・ミョンはすぐに部下を集めて犯人の追跡を始める。錦城(クムソン)らによる首陽暗殺計画も中止になるが、計画を事前に察知していた首陽らはこの機会に錦城を捕らえようと考える。妓楼の納屋に閉じ込められていたセリョンは、自分を誘拐した犯人の顔を見て驚く。 |
第15話 苦渋の決断 | スンユをかばったセリョンの背中にシン・ミョンの放った矢が突き刺さる。スンユは目の前で崩れ落ちるセリョンを抱き留め、ぼう然として動けない。シン・ミョンの兵が来る寸前に陰からチョ・ソクチュらが現れ、スンユを連れて逃げる。首陽(スヤン)らは錦城(クムソン)をセリョン誘拐の黒幕に仕立て上げ始末すると決め、チョン・ジョンの排除にも動く。シン・ミョンはまだ親友だと信じているチョン・ジョンを自ら連行することに。 |
第16話 即位の日 | スンユは首陽(スヤン)側の温寧君(オンニョングン)を襲い、亡き父、キム・ジョンソの別名「大虎」の字を血で書き残す。温寧君死亡の報告を受けた首陽らは、「大虎」を名乗る正体不明の敵にいらだつ。端宗(タンジョン)は王座を狙う首陽が無残に人びとの命を奪うのを止めるため、ついに譲位を決意。セリョンは父が王位に就き、自分もじきに王女になると母から知らされる。譲位の知らせはすぐにスンユの耳にも届く。 |
第17話 苦悩する新王女 | セリョンはシン・ミョンに見つかりそうになったスンユの腕をつかみ、死角になる路地に引き込む。スンユはセリョンの顔を見て驚くが、話があるという彼女の言葉には耳を貸さずにその場を去る。その後、妓楼でスンユを待っていたセリョンは、再び義姉とめいがまだ生きていることを伝え、自分の目で確かめるよう告げる。首陽(スヤン)は第7代王、世祖(セジョ)に即位。あとは明国の大使から即位の承認を受けるだけだった。 |
第18話 決起の行方 | セリョンは、スンユが師イ・ゲに世祖(セジョ)を討つ決意を語るのを聞いてしまう。スンユたちはセリョンの姿に気づき驚くが、そこにシン・ミョン来訪の知らせが。敬恵(キョンヘ)王女の部屋に隠れたスンユは、セリョンと2人きりになる。その後、チョン・ジョンはセリョンに話を聞かれたことへの危惧を口にする。「彼女は信用できる」と言うスンユに、親子の情を甘くみては危険だと告げる。そのころ、宮殿に戻ったセリョンは…。 |
第19話 別離 再び | シン・ミョンと対峙(たいじ)したスンユはついに覆面を取り、自らの正体を明かす。驚がくするシン・ミョンに、必ず彼と世祖(セジョ)を殺すと宣戦布告し去る。スンユは捕らえられたチョン・ジョンたちを救うため、その夜の牢獄(ろうごく)襲撃を計画。一旦、妓楼に戻ると、宮廷から抜け出してきたセリョンが待っていた。一方、スンユが生きていると知った世祖(セジョ)は、居場所を白状させるためにチョン・ジョンたちを拷問にかける。 |
第20話 絶縁の果てに | セリョンは父、世祖(セジョ)の目の前で髪を切り、親子の縁を切ると宣言し出て行く。一方、チョン・ジョンとともに流刑地に行く敬恵(キョンヘ)王女は、ひとりで別の流刑地に送られる端宗(タンジョン)に会い、必ず再会できると励ます。チョン・ジョンの旅立ちの日。見送りに来たスンユは、再度、世祖を討つ決意を告げる。セリョンが宮殿を出たと知ったスンユは彼女がいる寺へ。シン・ミョンもまた兵を従え寺に向かっていた。 |
第21話 それぞれの愛 | 世祖(セジョ)はセリョンを宮殿に連れ戻すが、スンユをかばい反抗する娘に激怒。シン・ミョンの使用人になれと命じて追い出す。シン・ミョンは自邸に連れ帰ったセリョンを大切に扱おうとするが、彼女はかたくなに拒絶。ついに怒り、「スンユには二度と会わせない」と言い放つ。一方スンユは、決起に向けて流刑先のチョン・ジョンに会いに行く手はずを整えていた。そんななか、セリョンがシン・ミョンの使用人にされたと耳にする。 |
第22話 哀しき友情 | シン・ミョンは隠れているスンユを出てこさせるため、人質にしたセリョンの首に刀を当てる。チョン・ジョンが止めに入ったすきに、スンユが放った矢がシン・ミョンの肩に突き刺さり、双方の兵が入り乱れて戦うなかスンユはセリョンを連れ去る。一方、チョン・ジョンは謀反の企てがばれて連行され、激怒した世祖(セジョ)は翌日の処刑を命じる。シン・ミョンはチョン・ジョンを救う道があると敬恵(キョンヘ)王女に告げるが…。 |
第23話 王室からの抹消 | セリョンは挙兵のため地方に向かうスンユに迷惑をかけぬよう、都に残ると決める。スンユは別れの前にセリョンに指輪を差し出し、妻になってくれるかと問う。
翌朝、セリョンは原因不明の病を患っている弟スンのいる一家の私邸に戻る。しかし、すぐに世祖(セジョ)がスンユの居場所を問いただしにやって来る。一方スンユは出発前にチョン・ジョンの墓へ。そこには使用人の身分に落とされた敬恵(キョンヘ)王女が来ていた。 |
第24話 永遠の愛 | スンユは危険を冒して山奥にやって来たセリョンを砦(とりで)に連れて帰る。シン・ミョンは激怒し、すぐに兵を集めて山を捜索。しかし、スンユたちの兵に襲撃され、一旦退却することに。翌日、スンユはセリョンを危険な戦場から都へ帰す。一方、世祖(セジョ)はまだスンユを倒せないシン・ミョンに業を煮やし援軍を送り込んだ。ついにスンユ率いる反乱軍とシン・ミョン率いる官軍との壮絶な戦いの幕が切って落とされる。 |