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03/15(Sat) 11:22
王と妃

BS日テレ「王と妃」Wikipedia王と妃世祖(セジョ)昭恵王后(ソヘワンフ)[仁粹大妃(インステビ)]

【王国の中心に君臨し政治を動かした仁粹(インス)大妃の物語】
天下獲りに魅せられた人々の命がけの戦いと生き様を生々しく描く大型史劇。朝鮮王朝を揺るがした「癸酉靖難」事件、燕山君が起こした粛清事件「甲子士禍」まで、激震が続く朝鮮王朝の50年を綴る。クーデターで権力を掌握! 甥である端宗を廃位させ、力で国をまとめた7代・世祖。幼い王と王族を守ろうと奔走していた男が、なぜ玉座を狙うようになったのか、また、9代・成宗の母として、後宮に君臨したインス大妃はどのように歴史の表舞台に出ていったのか。なぜ、燕山君はインス大妃と対立するようになったのか。その裏には、自らの野望を主君に託し、命がけの攻防に身を投じた臣下たちの姿があった!暴君か名君か、功臣か奸臣か、歴代の王とその参謀たちの果てしない戦いの行方とは!

朝鮮王朝はその始まりから深刻な王位継承問題を抱えていた。いつの時代にも王位継承に関わる紛争はつきものだが朝鮮王朝の王位継承問題は特に複雑だった。第1次王子の乱をなだめすかす方便で世子の位に封ぜられた2代定宗, そして2度にわたる王子の乱を主導し実力で王位を勝ち取った3代太宗, 太宗の意思で実兄讓寧大君の代わりに即位した4代世宗。
朝鮮建国以来60数年の間、問題なく王位継承がなされたことは1度もなかった。朝鮮第5代王文宗。世宗の嫡流である文宗は嫡流継承の原則により即位した最初の王だった。だが文宗は病弱で治世は長続きしないようだったため世宗は晩年、世子(文宗)に譲位する。国政を担えないほど自分の病気が悪化したこともその理由の1つだったが最大の理由は世子に政務を任せることで自分が死んだ時起きるであろう混乱を予め防ぐためだった。一方、キム・ジョンソ, ファン・ボイン,チョン・ブンなど重臣たちに世子の助けになってくれるようお願いする。そして首陽と安平は文宗の助けになることを誓う。
世宗の病気はさらに悪化し、世宗は病の床に伏せながらで自分の体を心配するよりも文宗の体を心配する。そんな心配は孫である端宗の心配につながった。そこで世宗は自分が1番信頼する集賢殿の学者を呼び孫の今後を託す。この時期に首陽と安平は世宗の健康回復を祈願する仏事に専念し、国事は世子と議政府大臣たちにより成し遂げられた。世宗は病の床に伏せながら首陽を度々呼び兄弟の友愛を強調し特に首陽の役割が重要であると言う。世宗が首陽にそのようなことを言ったのは首陽は文武両道で18名の息子の中で特に優れていたからだ。首陽は集賢殿の学者たちとともに本を作ったり心身鍛錬することだけに力を注ぎ、生活が乱れたり政務に関与しなかった。
世宗は自分が死んだら権力のある家臣たちが勢力を得ることを知っていて、そんな家臣たちから文宗を守ってくれる者は首陽しかいないと判断した。つまり, 世宗は王権を確実にするのに首陽の役割が必要であることを知っていてそれを首陽に強調しようとしたのだ。また世宗は世子(文宗)に自分が死んだあと臣下たちが兄弟を陥れ仲たがいするだろうから注意しろという意味深長な遺言を残す。そして世宗は1450年2月54歳の生涯をとじる。

  1. 人物相関図
(1〜30話/全186話)
1452年、5代・文宗(ムンジョン)が亡くなると、まだ12歳だった息子・端宗(タンジョン)が即位した。すると議政府(ウィジョンブ)(朝廷)中心の政治を目指す右議政(ウイジョン)キム・ジョンソら重臣たちと、王族の権威を守ろうとする文宗の弟・首陽大君(スヤンテグン)らは反目するようになる。
一方、後宮では4代・世宗(セジョン)の側室で端宗の祖母に当たる恵嬪(ヘビン)ヤン氏と、端宗の継母ホン貴人(キイン)が対立。端宗を利用して力を得ようと内官(ネグァン)たちを巻き込んで奔走するようになる。
誰も信じられないと嘆く端宗は、叔父の首陽大君に頼ろうとするが、首陽大君を警戒するキム・ジョンソが、端宗と首陽を引き離し、首陽の影響力を奪っていくのだった。
一方、朝廷が力を持ちすぎることを懸念する集賢殿(チッピョンジョン)の学者や若手の官吏たちは、それぞれに誰を支持するべきか悩むようになる。
策士イ・ヒョルロは首陽の弟、安平大君(アンピョンテグン)を王にしようと、徐々に朝廷内に安平勢力を増やし、ヒョルロの友人ハン・ミョンフェは首陽に器を感じ、密かに首陽の参謀となるのだった。
それまでは、一途に端宗の無事を願っていた首陽大君だったが、やがて野心が芽生えるように。すると首陽の長男・桃源君(トウォングン)の妻ハン氏(のちの仁粋大妃(インステビ))は、父ハン・ファクに、首陽の後見を願い出る。
やがて首陽は、ハン・ファクの後押しを得て、使臣として明(ミン)に赴き、明との関係を強固にして帰国する。
そこへ、弟の安平大君が、自分の命を狙っているとの知らせが入った。ハン・ミョンフェは、いまこそ機会だと、首陽にある名簿を手渡すが……。

Noあらすじ
第1話
瀕死の王
朝鮮第5代王、文宗(ムンジョン)は危篤の床にあった。文宗の父、世宗は病弱な文宗への譲位を憂慮したが、長男継承の原則を守って文宗に譲位した。だが世宗が心配した通り、文宗は即位からわずか2年でこの世を去ろうとしていた。残されるのは幼い世子一人。守ってくれるはずの王妃はすでに亡く、宮殿ではこの機に乗じて王室の実権を握ろうとする勢力が早くもうごめき始めていた。
第2話
顧命をめぐって
にわかに騒がしくなった宮殿には王族、官僚、さらには学者らがそれぞれの思惑を秘めて見舞いに集まってくる。だが王を守る内官は門を硬く閉ざして彼らを中に入れようしない。その間にも王の容態は悪化し、ついには余談を許さない状態に陥ってしまう。門の外では集まった人々が謁見を求めて王を呼び続けるが、王は世子が来るのを待ち望みつつ、とうとう力尽きてしまう。
第3話
王族と議政府の対立
世子の即位に当たり、徹底的に王族を排除しようとする右議政(ウイジョン)キム・ジョンソと、この機会に王権政治を取り戻そうとする王族が激しく対立する。文宗は生前、まだ幼い世子の行く末を案じ、権力の分散を図ったが、それが対立の構図をさらに複雑にしていた。幼い世子は敵味方の区別もつかず、父が生前自分に語った、誰も信じるなという言葉を噛みしめて涙するほかなかった。
第4話
端宗即位
王宮の権力を掌握しようとするキム・ジョンソはすべての権力を議政府に集中させ、王族の宮殿への出入りを禁ずる即位文を作成し、世子に即位を促すが、内容に反発した世子はこれを認めようとしない。王族も一斉に反発するが、首陽大君だけはキム・ジョンソに従い、即位すべきだと主張する。世子は首陽大君をそばに置くという条件をつけて、ようやく即位に同意する。
第5話
孤独な玉座
私邸に引きこもる首陽大君に対し、キム・ジョンソは飛ぶ鳥を落す勢いで権力を掌握していく。王族は危機感を強め、一向に動き出そうとしない首陽大君に代わって安平大君を担ぎ出そうと彼の家を訪れる。安平大君は王族らの誘いを固辞しながらも不穏な笑いを浮かべるのだった。一方、文宗の側近だったオム・ジャチ内官と世宗の側室恵嬪は幼い王に取り入ろうと画策する。
第6話
安平大君の台頭
王宮の実権を掌握した右議政キム・ジョンソに恵嬪ヤン氏はオム・ジャチともども擦り寄っていく。一方まったく動こうとしない首陽大君に王族は失望の色を濃くする。そのなかで策士イ・ヒョルロは安平大君を焚きつけ、即位文に記された王族の官職斡旋禁止を撤回させる。手柄を立てた安平大君は王族らの信頼を得たことで、権力への欲望が頭をもたげ始めるのだが。
第7話
内命婦の主
集賢殿の学者クォン・ラムは首陽に今は耐えるべき時と、さらに慎重になるよう助言する。嫁のハン氏は一計を案じ、義父の配下たちを援助しようと考える。イ・ヒョルロは平安大君のために、才人ハン・ミョンフェを味方につけようと彼のもとを訪ねていく。その頃、恵嬪ヤン氏が内命婦の実権を握るために騒動を起こす。これを収拾するため、首陽大君が宮殿に呼ばれる。
第8話
才女ハン氏
首陽が家族とともに久しぶりに宮殿にやってくる。端宗は喜び、そばにいて欲しいと懇願するが、首陽は孤独な王を心配そうに見つめるしかなかった。恵嬪ヤン氏は内命婦の権力を掌握した形となり、文宗の側室ホン貴人の立場は微妙になる。その頃、キム・ジョンソを快く思わない勢力が領議政を担ぎ出そうと画策を始めていた。それを知ったキム・ジョンソは首陽大君を訪ねる。
第9話
和解
首陽大君は自らキム・ジョンソを部屋に招き入れ、手を組むことを誓う。首陽は手始めに王族らとともに先王の墓所を探しに出かけ、イ・ヒョルロが風水で墓所を決める。だが首陽はイ・ヒョルロの態度に疑念を抱く。野望を持つイ・ヒョルロはハン・ミョンフェと安平大君を引き合わせるのだが。一方、恵嬪ヤン氏のホン貴人への仕打ちを見かねた端宗は彼女を救おうとする。
第10話
イ・ヒョルロの思惑
首陽大君とキム・ジョンソの和解は宮殿に平穏をもたらした。だがその裏では安平大君が着々と勢力を伸ばしつつあった。その急先鋒イ・ヒョルロは風水の知識で周囲を翻弄していた。首陽はイ・ヒョルロへの警戒を強めるが、平安は首陽に反発し、イ・ヒョルロを擁護する。墓所を見回っていた首陽はイ・ヒョルロを見つけると、衆人環視のなかで情け容赦なく痛めつける。
第11話
混迷する王宮
首陽がイ・ヒョルロを痛めつけた事件は宮殿中を混乱に陥れる。朝廷ではミン・シンが首陽を罰するべきだと息巻くが、首陽と手を組んだばかりの右議政キム・ジョンソは首陽の真意を測りかね、様子を見る立場を取る。首陽を支持する学者クォン・ラムも、思慮深いはずの首陽の行動に戸惑うが、ハン・ミョンフェは彼の心中をいち早く見抜いていた。
第12話
首陽の存在感
クォン・ラムは首陽の思惑を見抜いたハン・ミョンフェの眼力に舌を巻き、二人を引き合わせることにする。こうして朝鮮史に名を残す大参謀ハン・ミョンフェと首陽がついに手を組むことになる。首陽は王、端宗を訪ね、今回の事件について謝罪した上で、自分の正当性を主張する。恵嬪ヤン氏は首陽の態度に反発するが、宮殿ではむしろ首陽の存在感が大きくなっていく。
第13話
明への使者
宮殿では首陽を罰すべきとの声が影を潜め、事態は首陽に有利に傾きつつあった。だがそれは安平大君らを警戒させることをも意味していた。都は混沌としていたが、そんな折、首陽は端宗即位を認める、明の皇帝の勅書を受けるために、明への使者役を志願する。明行きが成功を収めれば、首陽は一気に内外の信頼を得ることになる。イ・ヒョルロは安平にも使者志願を勧めるが…。
第14話
塗替えられる勢力図
首陽が明の使者に志願したことは端宗に大きな衝撃を与える。端宗は宮殿でただひとり信頼する首陽の明行きを認めようとしない。そこに右議政キム・ジョンソの辞職願が届く。キム・ジョンソは辞職願返上の条件として、首陽の明行きを許可するよう端宗に願い出、端宗も仕方なくこれを受け入れる。一方、安平を訪ねた首陽は自分の留守に王位を狙わぬよう安平に釘を刺す。
第15話
首陽の狙い
首陽の明行きが決まり、周囲はにわかに騒がしくなる。クォン・ラムは首陽のいない都を憂慮するが、首陽の考えはちがった。宮殿の内外に溢れる不穏な勢力は、首陽不在で一気に表面化し、けん制し合って分裂、弱体化する…。首陽はそう読んでいた。それこそが首陽の明行きの狙いだった。他方、内命婦では恵嬪ヤン氏と淑嬪に昇格したホン氏にも不穏な空気が流れ…。
第16話
首陽、明へ発つ
明行きの準備に追われる首陽だが、彼が副使として指名したミン・シンは仮病を使ってこれを拒否する。首陽に副使として指名されるのを恐れる官僚を見て、人々は首陽を冥土の使者と噂した。首陽はミン・シンを軍権を持つ兵曹判書から解任させ、自分が不在の間に事が起きないように万全の備えをして明へと旅発つ。するとイ・ヒョルロは待ち構えたように安平を急かすのだが。
第17話
勢いを増す安平
首陽が明に向けて旅発つと宮殿内は急変する。恵嬪ヤン氏と淑嬪ホン氏は端宗を巡って互いをけん制するが、端宗はどちらを信じたら良いかわからず、ただ怯える毎日を送っていた。安平も足繁く宮殿に出入りし、端宗や義政府に干渉するようになる。安平の勢いが増していくのを見て、ハン・ミョンフェはこのままでは安平がことを起こすのは時間の問題だと考えるが…。
第18話
進む陰謀
勢力を拡大する安平は義政府の多くの官僚を取りまとめ、新たに建てた別宅、武渓精舎に招待する。だがその場所は朝鮮建国の際、当時の名僧無学大師が宮殿建立に最適だと太祖に進言した場所だった。安平は知らん振りをしていたが、これが後に災いを呼ぶ。一方、端宗に発疹が出たと聞いた恵嬪ヤン氏は毒を盛られたと決めつけ、水刺間の人間をすべて交代させる。
第19話
動き出す運命
着々と自分の周りを固める安平だが、右議政キム・ジョンソだけは味方につけられない。イ・ヒョルロは面倒なことになる前にキム・ジョンソを始末するよう進言するが、安平は決断がつかずにいる。ハン・ミョンフェは安平が事を起こせるかどうかは、安平に何人もの人間を殺す度胸があるかどうかにかかっていると見る。イ・ヒョルロは優柔不断な安平に痺れを切らすが…。
第20話
安平の決断
安平を訪ねた譲寧大君は、自分や首陽を殺す覚悟ならやれと安平を一喝する。これに怒った安平はついに天敵を始末する覚悟を決め、イ・ヒョルロを呼ぶ。首陽の留守宅では安平宅に送り込んだ間者から、いち早く安平の不穏な動きを察知し、首陽が出発前に決めていた対策を実行に移すため、首陽の妻が宮殿に恵嬪ヤン氏と端宗を訪ねる。その頃首陽はすでに帰途にあった。
第21話
キム・ジョンソの思惑
首陽が鴨緑江に近づく頃、宮殿では安平がさらに勢力を拡大し、着々と事を起こす準備を進めていた。大殿を守るべき禁軍まで掌握した安平に、周囲の人々も、首陽は鴨緑江を越えることはできないだろうとささやきあった。だがハン・ミョンフェはあくまでも首陽に仕えることを心に決めていた。そんな時、キム・ジョンソは端宗を訪ね、首陽、安平、どちらも信じるなと諭す。
第22話
人事を巡って
事実上、宮殿を掌握した安平。だがイ・ヒョルロはキム・ジョンソと首陽がいる限り、権力を独占することはできないとして二人の殺害を安平に促す。その頃キム・ジョンソは安平の動きを封じるため、新たな人事案を端宗に提出する。端宗はキム・ジョンソの意向どおりに人事を決定するが、心は揺れていた。この人事を巡り、宮殿は上を下への大騒ぎとなるのだが…。
第23話
怖気づく安平大君
首陽はあと一歩で鴨緑江というところまで来ていた。安平の出迎えを強く希望した首陽だが、安平は動こうとしない。安平の煮え切らない態度に焦燥感を強める彼の支持勢力は次第に分裂の様相を呈し始める。一方新人事で面目を発揮したキム・ジョンソは王族への警戒をさらに強めようとしていた。ようやく重い腰を上げ、首陽の出迎えに向かった安平は途中の道で落馬してしまう。
第24話
首陽の帰国
わざと落馬してまで迎えを拒んだ安平に首陽は怒りつつも、自分をそれほど恐れているのかと失笑する。平壌で安平に相対した首陽は、手を携えて幼い王を守ろうと安平を促す。安平も首陽が先手を打たないならと首陽に協力することを約束する。水面下ではハン・ミョンフェが安平とキム・ジョンソの勢力を探っていた。そこに首陽の一行が人々の歓迎を受けながらついに帰国する。
第25話
深まる対立
帰国早々、首陽は端宗にファンボ・インとキム・ジョンソを罷免するよう詰め寄る。表向きは雨で先王の墓が崩れたことに対する処分だった。家で謹慎中のキム・ジョンソのもとにはイ・ヒョルロが訪れていた。ヒョルロは首陽排除でキム・ジョンソと安平は利害が一致すると強調する。他方、首陽を補佐するハン・ミョンフェはキム・ジョンソの排除を首陽に進言する。
第26話
端宗、寧陽尉に移り住む
端宗はキム・ジョンソの勧めで、姉のいる寧陽尉に移り住むことになる。独断でこのことを決めたキム・ジョンソには非難が集中するが、イ・ヒョルロはキム・ジョンソが安平についた証拠だと喜ぶ。キム・ジョンソから直接報告を受けた首陽は激怒するが、忠臣キム・ジョンソを排除するための確かな名分が見つけられずにいた。安平を訪ねたイ・ヒョルロは決行を促すのだが…。
第27話
覚悟を決める両陣営
イ・ヒョルロから吉日を知らされ、ついに覚悟を決めた安平は端宗に首陽が謀反を企てていると告発する。さらにキム・ジョンソのもとを訪れ、力を貸すよう要請する。間者によって決行日と計画の全貌を知ったハン・ミョンフェは先手を打って挙兵するよう首陽に進言。一方端宗の寧陽尉行きで安平やキム・ジョンソから無視された恵嬪は息子を首陽のもとに送り安平の謀反計画を密告する。
第28話
命乞い
先王の命日に寧陽尉から宮殿に戻った端宗はそこで待っていた首陽と会う。しばし会話を交わした後、キム・ジョンソを呼んだ端宗は首陽が命乞いをしたと告げ、安平の腹心イ・ヒョルロを罷免して地方に送るよう指示する。首陽が命乞いをしたという噂は翌朝には宮殿中に広まり、人々は首陽を笑いものにするが、ハン・ミョンフェはその様子を笑みを浮かべて見守っていた。
第29話
殺生簿
宮殿に出向いた首陽は出会う人毎に命乞いをして回った。憐れなその姿に皆彼を避けようとする。そんな時安平のもとに、首陽が先に事を起こそうとしているという情報が入る。だが首陽の態度に安心しきっていた安平はそれを信じようとしない。イ・ヒョルロはそんな安平を気遣いながら地方に旅発つ。着々と計画を進めるハン・ミョンフェはついに殺生簿を首陽のもとに届ける。
第30話
決行前夜
首陽はハン・ミョンフェの生殺簿に安平の名を見て衝撃を受ける。だがハン・ミョンフェは逆臣、奸臣は排除すべきと徹底的な粛清を考えていた。首陽の挙兵を知ったクォン・ラムはキム・ジョンソのもとに向かい、彼の意向を確かめようとする。こうしてついに挙兵の日を迎えた首陽陣営。キム・ジョンソは端宗に首陽と安平が謀反を起こしたらどうするつもりかと詰め寄るのだが。
第31話
決行の日
謀反の話を聞かされた端宗はキム・ジュンソにその証拠を示せと詰め寄るが、キム・ジョンソはただ自分を信じろと言い、事が起きたらいずれであろうとも斬るという言葉を残して去る。端宗は誰を信じればいいのか逡巡する。決行当日、首陽のもとにはわずかな人数しか集まらなかったが、心はすでに決まっていた。家僕一人をともない、首陽はキム・ジョンソの家を目指す。
第32話
癸酉靖難(ケユジョンナン)
キム・ジョンソと息子スンギュを襲撃した後、首陽は端宗のもとへ向かう。安平大君とキム・ジョンソが謀反を企てたと報告する首陽に、端宗は反逆者を討てと王命を下す。その間にハン・ミョンフェは安平と官僚たちの襲撃を部下に指示する。寝込みを襲われた安平は突然の事態にあわててイ・ヒョルロを探すが、彼の姿はどこにもない。こうして癸酉靖難(ケユジョンナン)が幕を開けた。
第33話
反対派粛清
首陽側はファンボ・イン、ミン・シンら安平側の官僚たちを次々に殺害する。だが安平大君の命だけは奪えず、江華に流すことを決める。こうして端宗元年10月10日夜半から始まった癸酉靖難(ケユジョンナン)は翌朝ほぼ収束に向かった。だがハン・ミョンフェは殺生簿に名を挙げた人物すべてを排除するまでは終わらないと主張。一方譲寧大君は端宗に今後について詰め寄るが。
第34話
権力掌握
譲寧は国と民を守るため、譲位しろと端宗に迫る。それを知った首陽は動揺するが、ハン・ミョンフェら家臣たちはそのために首陽についたのだった。端宗は首陽を領議政に任命して自分の補佐をさせることにする。これにより首陽は宮殿の権力を一手に掌握した。その頃、議政府では安平を処罰すべきだとの声が上がっていた。だが端宗と首陽にはその決心がつけられない。
第35話
安平の死
安平を処刑せよとの声は日ごとに大きくなり、ついには譲寧が立ち上がり、端宗に安平処刑の王命を強要する。首陽は弟を殺すことに最後まで反対したが、ついに王命は下され、安平は毒薬を賜る。この後、反対派たちは徹底的に粛清された。さらに今回の事態の功臣録を作成する過程でも数々の問題が生じるが、ハン・ミョンフェはすべて予想していたかのように動じない。
第36話
新たな対立
この機会に不穏なものをさらに一掃しようとするハン・ミョンフェに、首陽はことを急ぎ過ぎるなと諌める。そんな時、新たな対立の火種となる事件が起こる。端宗を負ぶって大殿に連れて行こうとした首陽を恵嬪が激しくなじり、首陽は恥をかかされる形となってしまったのだ。譲寧やハン・ミョンフェはこれを重く見て恵嬪を処罰しようとするが、恵嬪は強気の態度を崩さない。
第37話
広がる波紋
恵嬪の事件は大きな波紋を呼ぶことになる。この一件で宮殿内には目に見えない派閥が出来てしまう。さらに首陽に対して発した端宗の一言が、事を大きくしてしまう。ハン・ミョンフェは譲寧とともに、一気に首陽を王位につけようと画策するが、首陽は首を立てに振ろうとしない。その頃キム・ジョンソの腹心だったイ・ジンオクがキム・ジョンソの死を知って動き出す。
第38話
イ・ジンオクの乱
イ・ジンオクはキム・ジョンソの側室チンニョとともにキム・ジョンソの仇を討つために反乱を起こす。その対策として端宗は首陽にすべての兵士の指揮監督権を与えてイ・ジンオク征伐に送り出す。この反乱は首陽が力量を存分に発揮する機会となった。その頃首陽の息子、桃源君の妻ハン氏はハン・ミョンフェに近づき、暗に首陽即位に力を貸すよう仄めかしていた。
第39話
反乱鎮圧
首陽はイ・ジンオクと彼に同調する反逆者の一掃に乗り出す。同時に息子の嫁ハン氏の父、ハン・ファクを右議政に任命する。イ・ジンオクは初めのうちこそ気勢が荒かったが、頼みとしていた女真族の援軍が得られず、あえなく敗退する。反乱鎮圧の功績により、端宗はさらに首陽への信頼を深めていく。首陽は端宗に王妃を迎えて王室の基盤を固めようと考えるのだが。
第40話
反目と疑心
反乱を鎮圧し宮殿に平穏が訪れると、首陽は君主に忠誠を誓う儀式、会盟儀(フェメンイ)と端宗の婚礼の準備に着手した。ハン・ミョンフェはこの二つの儀式とも、首陽を王座から遠ざけるものになると考え、首陽の真意を測りかねていた。首陽は彼に反発する王族らを訪ね、端宗への忠誠を改めて表明する。だが会盟儀(フェメンイ)に集まった臣下の間では功労に対する反目と疑心が始まっていた。
第41話
首陽とハン・ミョンフェの対立
端宗の妃選びが本格化するが、世間では端宗に嫁いでもすぐに寡婦になると噂され、名家では年頃の娘を送りたがらない。その一方、妃選びで優位に立ちたい恵嬪は錦城大君と手を組もうとしていた。その頃ハン・ミョンフェの仲間たちが逆賊から金品を奪ったことがわかり首陽は激怒していた。だが首陽の嫁ハン氏はハン・ミョンフェを懐柔しようと若い娘を差し向ける。
第42話
妃選び
首陽の夫人ユン氏は夫に代わって妃選びに乗り出し、一人の娘を選び出す。だがすぐにでも首陽を王座に就かせたいハン氏はそれを阻止しようと考える。ハン・ミョンフェはハン氏に送られた娘ヒャンイに夢中になっていたが、首陽との溝は深まるばかりだった。恵嬪と錦城大君は妃選びで手を組み、首陽を倒すために独自の候補を選び出す。こうして宮殿には妃候補たちが集まる。
第43話
最終候補
宮殿に妃候補たちが集まるが、なかなか絞りきることができない。そのなかで内命婦ではユン氏が推薦するソン氏など三名を最終候補と決める。だがそのなかには恵嬪と錦城大君が推す候補はいなかった。最終決定を残すだけになった妃選びだが、ここに来て、またもや先王の喪が明けていないことが問題視される。その頃、ハン氏はハン・ミョンフェの家に仲間を集めていた。
第44話
妃決定
宮殿が妃選びに集中している頃、ハン氏はハン・ミョンフェとともに首陽を王座に上らせるための画策をしていた。そのために待ち望んでいた妊娠さえ明らかにせずにいた。学者たちは先王の喪が明ける前の婚礼にいまだ難色を示していたが、話は着々と進んでいった。こうして妃はソン氏に決定、最終選考に残ったあとの二人も同時に側室として輿入れさせることになる。
第45話
端宗の婚礼
首陽は時代が変わればやり方も変わると、喪にこだわる連中を黙らせる。ハン・ミョンフェと首陽の仲はさらに溝が深まり、親友のクォン・ラムさえ手を焼く始末だった。婚礼の決まったソン氏のもとには納采の品が次々に運び込まれる。ソン氏の父ソン・ヒョンスは娘の行く末を案じ、涙を見せるのだった。こうして婚礼の日がやってくる。ソン氏は二名の側室とともに宮殿へ…。
第46話
才知ある王妃
一夜明け、首陽が大殿に向かうと、端宗と王妃は喪服で出迎える。先王に挨拶するためという王妃の堂々とした態度に、首陽は感歎し、それに従う。婚礼が終わると首陽は新たな人事を発表する。だがハン・ミョンフェは相変らず冷遇されたままだった。ユン氏に妊娠を告げたハン氏は姉である桂陽君夫人のもとで出産の準備に入る。だが、子どもの将来を思うその表情は暗かった。
第47話
王座を巡る新たな陰謀の種
ハン・ミョンフェは首陽こそ王座に就くべきだと主張する。今やらなければ、いずれ端宗に殺されるというのがハン・ミョンフェの考えだった。その頃、錦城は首陽を倒す計略を練っていた。宮殿ではソン・ヒョンスが娘を訪ねていた。毅然とした王妃の姿に父ソン・ヒョンスは不安の涙を流す。ハン氏はハン・ミョンフェと会い、今後のことについて新たな策を練るのだった。
第48話
王妃の画策
ハン氏の明晰さに驚くハン・ミョンフェ。彼はハン氏の言葉に力を得、今後に希望を見出す。だが首陽の夫人ユン氏はそんなハン氏の行き過ぎた行動を憂慮していた。王妃は端宗と首陽の対立は避けられないと考え、端宗に力をつけさせようと躍起になっていた。王妃を迎えたことで平穏に戻ると思われた宮殿内の勢力争いは水面下で進み続け、誰もが疑心暗鬼になっていた。
第49話
恵嬪と錦城大君
ハン・ミョンフェの仲間たちの不満は日ごとに増して行き、再決起も辞さない勢いとなっていた。一方恵嬪を宮殿から追い出せという官僚の直訴に対し、首陽は内命婦に任せよと命じる。内命婦を取りまとめる王妃は恵嬪を使って首陽から力を奪い、端宗を守ろうと考えていた。恵嬪と錦城は王妃を迎えたら官職を退くという首陽の約束を持ち出して、首陽を追い詰めるが…。
第50話
追い詰められた首陽
恵嬪の息子、永豊君は錦城大君とともに、首陽を罷免しろと端宗に詰め寄る。これを知らされた首陽は自宅に籠もってしまう。端宗は首陽に宮殿に戻るよう促すが、首陽はこれに答えず、謹慎生活を続けていた。ハン・ミョンフェからこのことを知らされたハン氏は急ぎ本家に戻る。王妃はこの機に乗じて首陽から実権を奪い、端宗に親政をさせるつもりでいるのだが。
第51話
辞職上書
首陽を排除しようと考える王妃は端宗を促して、恵嬪、淑嬪への朝夕の挨拶を敢行する。長引く首陽の謹慎で宮殿内には不安と不信感が高まっていた。王族や官僚たちの間にも新たな勢力争いが始まり、首陽は遠からず辞職するとの噂が公然と流されていた。その渦中で自分を信頼しない端宗に失望した首陽はついに辞職上書を書き上げ、都承旨シン・スクチュに託すのだった。
第52話
混乱する王宮の行方は
辞職上書を受け取った端宗は首陽に会いに行こうとするが、王妃や恵嬪に止められる。宮殿内では首陽排除の雰囲気が漂い始め、恵嬪、錦城大君もこの機会を逃してはならないと端宗に迫る。端宗は首陽を助ける道がないと涙を流すのだが…。水面下で宮殿の動向を探るハン氏も、首陽の今の状況には為すすべがなかった。その中で、突然登庁すると言い出した首陽の姿は…?
第53話
席藁待罪(ソッコテジェ)
首陽は髪を解き、みずから宮殿に向かう。だが宮殿の門は恵嬪の腹心オム内官の差し金で閉ざされたままだった。首陽の登庁を聞き動揺する端宗に恵嬪は首陽を辞職させるよう強要。さらに錦城と永豊は端宗に首陽を殺せと詰め寄る。そこにやって来た譲寧大君は端宗に首陽を取るか恵嬪を取るかと詰問し、さらに端宗を追い詰める。その頃ハン・ミョンフェは不敵な笑みを浮かべ…。
第54話
恵嬪、浄業院へ送られる
ついに端宗は辞職上書を首陽に返し、同時に恵嬪は宮殿を追い出され、浄業院に送られることになる。首陽はこの一件で宮殿での力を圧倒的なものとした。だが涙を流して手を取り合う端宗と首陽の姿を王妃は冷たく見つめていた。端宗は王座の重みに耐えかね、首陽への譲位を口にする。譲寧大君からも王座に就くよう勧められた首陽は、固辞しつつも激しく動揺していた。
第55話
譲位の王命
ハン氏は陣痛が始まり、難産の末にようやく男児を出産する。王妃は巷で王の孫が生まれたと噂されていることが無念でならなかった。だが端宗はこの噂で心を決め、同副承旨となったハン・ミョンフェを呼んで首陽へ譲位するとの王命を下す。端宗の決意を知った首陽は急ぎ登庁するが、端宗の気持ちは変わらなかった。首陽は自分が死ねば済むのかと端宗に詰め寄るが…。
第56話
信頼を取り戻す二人
端宗は自身が無力なため王宮が安定しないと考えていた。だが孝寧大君は首陽への不信感が今のような事態を引き起こしたのだと端宗を諭す。首陽の心を知った端宗はみずから首陽の家に出向き、二人は固く抱き合うのだった。王妃は二人が信頼を取り戻したことに、さらなる不安を感じていた。一方浄業院に送られた恵嬪はオム内官からこの話を聞かされ激怒するのだが…。
第57話
首陽の本意
首陽のもとを訪れたクォン・ラムは首陽の本心を確かめようとする。クォン・ラムは首陽と運命をともにする覚悟だった。端宗は浄業院で恵嬪が喀血したと聞き、胸を痛めていた。その頃ハン・ミョンフェとクォン・ラムは夜を徹して語り合っていた。二人はどうすれば首陽を無事に王位に上げられるか思案していた。一方錦城、永豊はいまだ首陽への恨みを捨ててはいなかった。
第58話
功臣ホン・ユンソンの処遇を巡って
癸酉靖難(ケユジョンナン)の功臣ホン・ユンソンがオム内官に暴行を働き、宮殿はまたも混乱する。王妃はこの事実に怒りをあらわにするが、端宗は事を荒立てるなと諌める。同じ頃、嬢寧の家には王族や官僚たちが集まっていた。譲寧はこの席で端宗の譲位について言及する。錦城と永豊は譲寧らの動きに緊張感を高めていた。首陽は王妃の顧命を得るため奏聞使を明に送ると言い出す。
第59話
ホン・ユンソンの報告書
首陽から宮殿の腐敗を正せとの命を受けたホン・ユンソンは意気揚々とこの仕事に取り掛かる。彼が提出した事細かな報告書に、身に覚えのある官僚たちは気が気ではなかった。だが首陽の目的は別のところにあった。巫女を使って首陽を呪詛していた恵嬪がまずその対象となった。これを機に首陽は恵嬪と錦城の不穏な動きを徹底的に封じることを考えていたのだった。
第60話
粛清、再び?
粛報告書に基づいた粛清が始まろうとしていた。大司憲は端宗に向かい、錦城、恵嬪らを謀反を企てた罪で極刑に処すようにと進言する。端宗は安平に続いて身内を殺さねばならないことに衝撃を受け、宮殿の門を閉ざしてしまう。官僚らは端宗に錦城、恵嬪の処刑を求めて座り込む。これを知った錦城は宮殿に赴いて、座り込む官僚たちに端宗の前で自害して見せると言い放つ。
第61話
深まる溝
端宗はまたもや宮殿で兄弟が争い、血の雨が降ることに胸を痛めていた。それを回避するために、なんとしても錦城と恵嬪を守ろうとするのだが…。王妃は親政を執るまでの辛抱だと慰めるが、毎晩のように悪夢にうなされる端宗が不憫でならなかった。王妃の父、府院君は首陽を訪ね、娘を殺さぬようにと頼むのだが、首陽の顔色に娘の行く末を読み取りため息を漏らすしかなかった。
第62話
浄業院の一夜
端宗は浄業院に送られた恵嬪に会いに行く。首陽は王みずからが罪人を訪ねることに激怒し、側で仕えるチョン内官を厳しく罰する。端宗はそのまま浄業院に泊まろうとするが、首陽はそれを許さず迎えを送る。一方王妃の顧命を得るため明を訪問した奏聞使の一行が戻って来ていた。首陽の妻ユン氏は王妃を訪ねて祝辞を述べるが、王妃は端宗の立場を考え気持ちが晴れなかった。
第63話
首陽への疑心
義兄、寧陽尉が謀反を企てたという上書に端宗は激怒する。首陽は真相を確かめると端宗に約束するが、浄業院や錦城の屋敷を兵士に包囲させ、むしろ端宗を追い詰める。官僚たちも錦城、恵嬪の断罪を求めて座り込む。端宗は先王、文宗の殯宮だった思政殿に官僚たちを集め、厳しい口調で彼らを詰っていた。だがその頃、寧陽尉の屋敷にはホン・ユンソンらが乗り込んでいた…。
第64話
決意
世宗の寵愛を受けた恵嬪が謀反を起こすはずがないと声を荒げる端宗。夜を徹して議論が続けられたが結論は出ず、ついに首陽が宮殿に呼ばれる。一方譲寧大君は端宗を廃位させるべきだと集まった王族らに迫っていた。互いの顔色を伺っていた官僚らは王位を守るために決断すべきと端宗に詰め寄るが、端宗はついに錦城、恵嬪を助けるためにみずから進んで首陽に譲位すると告げる。
第65話
譲位
宮殿の周りは多くの兵士が取り囲み、不穏な空気に包まれていた。だがすでに端宗は気持ちの整理をつけており、譲位はあっさりと決まってしまう。しかし譲位することで助けられると思っていた錦城、恵嬪の二人は死罪こそ免れたものの、結局流刑に処されることとなる。こうしてついに首陽のもとに王印が届けられる。首陽の屋敷では皆が千歳を叫ぶが、妻ユン氏の胸中は複雑だった。
第66話
即位
即位式の準備が始まり、宮殿は祝賀の雰囲気に包まれる。端宗と王妃はそれぞれひっそりと無念を噛みしめていた。譲寧は端宗を廃位させるつもりで事を進めていたが、首陽は複雑な思いだった。その頃首陽の屋敷には官僚の夫人たちが続々とお祝いに駆けつけていたが、妻ユン氏は素直に喜べずにいた。一方、端宗は王位に就いた首陽に寧陽尉と恵嬪の命乞いをするのだった。
第67話
ユン氏の胸中
夜更け頃、端宗は王妃の前で涙を流していた。内官、女官たちは首陽のもとに行き、宮殿は静まり返っていた。首陽の屋敷では祝賀の宴が続いていた。ハン・ミョンフェはこの気に乗じて錦城、恵嬪、さらに寧陽尉も排除すべきだと首陽に進言する。宮殿にはいまだに首陽を認めようとしない勢力が息づいていた。ユン氏も夫の即位に納得が行かず、宮殿には住まないと言い出すが…。
第68話
景福宮
首陽の即位で端宗は上王となったが、廃位すべきとの声は小さくなかった。上王はその声を回避するため、急ぎ宮殿を明け渡し、昌徳宮に移る。入れ替わりに首陽は王妃ユン氏、世子、世子妃ハン氏と景福宮に入る。即位後9日目のことだった。意気揚々とした世子妃ハン氏に比べ、王妃ユン氏の心は依然晴れなかった。一方昌徳宮に移った上王は大妃と仲睦まじく過ごしていた。
第69話
改革の始まり
昌徳宮には側に仕える者がほとんどいないと知った王妃は心を痛め、首陽に上王冊立を訴える。首陽は景福宮に移ってまもなく大規模な人事異動を行うが、独断で行ったために不満が噴出した。これは首陽の改革の第一歩だった。だが首陽即位を快く思わない学者たちの反発が水面下で膨らんでいた。わだかまりを残したままの王妃に配慮し、首陽は上王を冊立することにする。
第70話
上王冊立
首陽は上王に拝礼するために昌徳宮に向かうが、上王は自分のほうが拝礼に向かうべきと受け入れない。首陽はそんな上王のために宴を開いて冊立を祝う。だが上王が首陽の拝礼を受けなかった事実は、首陽が王位を奪ったと考える人々に強い印象を残すことになる。首陽は王妃、世子、世子妃の冊立を続けて行い、さらなる人事を発表。王としての改革がひとまず完成したのだが…。
第71話
六曹直啓制の波紋
独断的に議政府署事制から六曹直啓制への改革を進める世祖(首陽)。クォン・ラムは先行きを案じるが、ハン・ミョンフェは成り行きを見守る姿勢を崩さない。世祖は官僚らの抵抗に実力行使で臨み、宮殿は混乱状態に陥ってしまう。その頃、上王のもとには恵嬪からの手紙が届いていた。その文面は上王の復位を促す内容だった。この書簡に思わず涙を流す上王だったが…。
第72話
佐翼功臣
強い王室を標榜する世祖(首陽)は六曹直啓制の採択を強行する。この後、世祖は即位に貢献した臣下らに佐翼功臣の称号を与え、同時に大々的な人事異動を行った。この人事では元々世祖に不信感を持っていた集賢殿の学者たちがことさらに優遇された。一方頻繁に書簡のやり取りをする上王と恵嬪に大妃の父、ソン・ヒョンスは不安を隠せなかった。その頃功臣に選ばれなかったホン・ユンソンは…。
第73話
謝恩使の出立
明に送る謝恩使としてクォン・ラムとシン・スクチュが選ばれる。スクチュのもとには学者仲間のソン・サンムンが挨拶に訪れていた。ハン・ミョンフェはそのソン・サンムンら学者たちが結束して謀反を起こすのではないかと憂慮していた。世祖(首陽)は謝恩使を送り出すとさまざまな制度改革に着手するが、錦城、恵嬪を流刑に処したことがいまだにわだかまりとなっていた。
第74話
恵嬪処刑
錦城と寧陽尉を赦免しようと考える世祖。ところがそこに恵嬪が錦城に送った密書が届けられ、宮殿は一瞬にして緊張状態に入る。世祖は恵嬪の処刑に躊躇するが、譲寧は厳罰を主張して譲らない。ついに世祖も恵嬪処刑の王命を下す。この件を暴いたホン・ユンソンは功労が認められ、佐翼功臣三等を授けられる。一方ソン・サンムンら学者たちもあわただしく動き始めていた。
第75話
謀反の兆し
クォン・ラムとシン・スクチュが明から戻ってくるが、宮殿にはただならぬ空気が漂っていた。ソン・サンムンら学者一派、そしてソン・ヒョンスら外戚一派がそれぞれ怪しい動きを見せ始めていたのである。ハン・ミョンフェはいち早くそれに気付くが、世祖に進言できずにいた。その中、明の使臣を歓迎する宴が昌徳宮で開かれることになる。学者一派はこれを好機と捉え…。
第76話
宴席の世祖
世祖2年6月1日、明の使臣のための歓迎宴が開かれる。ソン・サンムンらはここで世祖と世子を亡き者にしようとしていた。彼らから計画を聞いた上王は叔父である世祖を殺すことに激しく動揺するが、すでに止められないところまで来てしまっていた。その頃ハン・ミョンフェは世祖に知られる前に謀反をつぶそうと一人で躍起になっていた。そして宴は予定通りに始まる…。
第77話
死六臣「端宗復位事件」
右賛成チョン・チャンソンの密告により、ソン・サンムンらの謀反計画を知らされた世祖は上王もこのことを知っていたと聞かされ、衝撃を受ける。ソン・サンムンは計画が明るみになった後もまったく悪びれる様子はなく、自分にとって王は端宗一人だけだと言い放つ。こうして死六臣による「端宗復位事件」は未遂に終わる。世祖は彼らに上王の命令かと訪ねるのだったが…。
第78話
謀反の首謀者
死六臣らは一様に端宗への強い忠誠心を示し、どれほど激しい拷問にも決して信念を曲げることなく耐え続けた。上王がこの謀反に本当に関わっていたのかどうかが気がかりでならない世祖だが、事実を知ることを恐れてもいた。譲寧やハン・ミョンフェ、世子妃ハン氏は上王がいる限り、謀反はなくならないと考えていた。だが世祖はこれ以上、上王を追及しないことを決める。
第79話
死六臣処刑
世祖を訪ねた譲寧は逆臣らの処罰と上王廃位を訴えるが、世祖は聞こうとしない。その頃ハン・ミョンフェはこの事件を密告した右賛成チョン・チャンソンを訪ね、身の潔白を証明したければ、王妃の父、ソン・ヒョンスを陥れるようにと進言する。だが世祖は上王への配慮からソン・ヒョンスには尋問せず、謹慎を命じる。この後、死六臣らは八つ裂きの刑に処せられる。
第80話
世祖の不安
粛清が終わると、世祖は集賢殿を廃止する。これまで学者を信頼し重用してきた世祖にとって、彼らの行為は裏切りとしか思えなかったのだ。次に世祖はハン・ミョンフェを呼び都承旨を命じる。影で支え続けたハン・ミョンフェだったが、ようやく世祖の側で仕えることとなった。「端宗復位事件」は未遂に終わったが、上王への監視は強まり、昌徳宮に幽閉されたも同然だった。
第81話
孤独な上王
世祖はこれ以上謀反が起こらぬようハン・ミョンフェに監視を命じる。今回の事件で世祖のハン・ミョンフェへの信頼はゆるぎないものとなった。一方、上王は昌徳宮に幽閉されたまま、寂しい日々を送っていた。王妃と世子はそんな上王を切なく思うが、世子妃とハン・ミョンフェは上王の廃位を推進すべきと考えていた。そんな時、世子妃の父、ハン・ファクの死が伝えられる。
第82話
噴出する上王廃位論
ハン・ファクに続いて左議政イ・サチョルが死に、領議政チョン・インジまでもが高齢を理由に辞職を願い出る。ハン・ミョンフェはチョン・インジに上王を廃位させて世祖の恩に報いるべきだと主張するが、チョン・インジの心は穏やかではない。だが上王廃位の声は宮殿内で徐々に高まって行く。世祖はここに来て突然序列を無視し、功臣を重用する異例の人事を行うのだが…。
第83話
さらなる謀反?
官僚たちは上王廃位を求めて座り込む。譲寧大君も強く上王廃位を求めるが、その弟、孝寧大君は逆に廃位させるべきではないと語気を強める。世祖は上王と共に祭祀を執り行うが、上王は亡き父、文宗の位牌を前に思わず涙を見せてしまう。それは世祖にとっては裏切りの涙だった。そんな折、大妃の父、府院君と側室クォン淑儀の父クォン・ワンが謀反を企てたと引き立てられる。
第84話
上王廃位
府院君とクォン・ワンを告発したのは王妃の弟ユン・サユンだった。王妃はそれを知って、弟の裏切り行為に強い衝撃を受ける。一方上王は義父が捕まったとの知らせに、自ら世祖のもとに赴いて府院君を殺さぬよう哀願する。だが府院君はこの日が来ることをすでに知っていたかのように覚悟を決めていた。世祖はついに上王を廃位、魯山君に降格させるという王命を下す。
第85話
悲しみの昌徳宮
翌日、魯山君と夫人は昌徳宮を出て行くこととなった。王妃は二人が不憫でならなかったがどうすることもできず、ただ涙を流すしかなかった。魯山君は夫人と離ればなれになるのが何よりも辛かったが、共に暮らすことは許されず、夫人は浄業院に送られてしまう。この騒ぎに、流刑地の錦城大君が不穏な動きを見せ始める。その頃、世子は病状が悪化、意識を失ってしまう。
第86話
ハン・ミョンフェの改革
世子妃が第2王子を出産する。その頃城下では、魯山君を憐れに思った民衆が、世祖を呪う札を貼るという騒ぎが起きていた。譲寧は府院君と魯山君を殺すよう促すが、世祖は府院君を官奴にするに留める。錦城大君は着々と人を集め、事を起こす準備を進めていた。吏曹判書となったハン・ミョンフェは世祖の命を受け、新たな人事に着手していたが、元老たちの反発は強かった。
第87話
世子危篤
世子の病は深刻な状態に陥っていた。世子妃ハン氏は付きっ切りで看病していたが、すでに世子に意識はなく、最後も近いと思われた。世祖は多くの血を流してようやく手に入れた王位を継承させる者がいなくなることに、強い危機感を抱いていた。世子危篤の噂が駆け巡ると、宮殿は俄かに騒がしくなった。その頃、錦城の企てていた謀反は使用人の密告によって世祖の耳に入っていた。
第88話
世子逝去
錦城が謀反を企てたと知った世祖は、錦城が住んでいた順興府を反逆の村と呼び、役人を皆殺しにした上、平民をも多数殺害した。王族が錦城を処刑すべきと声をあげる中、世子が逝去する。世子を奪われた世祖は復讐の鬼と化し、魯山君を殺すと口にする。世子妃は世子の息子を必ず王位に就けてみせると固く誓い、その日まで決して涙を見せまいと自分自身に言い聞かせるのだった。
第89話
魯山君処刑
錦城とソン・ヒョンスに処刑の王命が下る。だが魯山君処刑の命は下らなかった。官僚たちが訝る中、世祖は夜半にそっとホン・ユンソンを呼び、魯山君殺害の王命を下す。こうして魯山君は17年の短い生涯を閉じることとなる。世子妃ハン氏は世子の逝去により、実家に戻る。腕には生まれたばかりの第2王子が抱かれていた。ハン氏は胸の中で必ず宮殿に戻ると再度誓うのだった。
第90話
九年の月日が流れ…
魯山君(端宗)の死から9年が過ぎた。世祖は原因不明の皮膚病に悩まされていた。シン・スクチュは領儀政となって4年が過ぎ、クォン・ラムはハン・ミョンフェの限りない野望を憂慮しながら逝った。すでに嬢寧大君も桂陽君もこの世を去り、世祖のそばには誰も味方がいない状態だった。実家に戻った粋嬪ハン氏のもとでは長男、月山君が婚礼の日を迎えようとしていた…。
第91話
粋嬪ハン氏の決意
世祖はハン・ミョンフェに引退を迫っていた。功臣たちを閑職に追いやった世祖だが、ハン・ミョンフェの強い権力欲には不安を抱いていた。一方粋嬪ハン氏は王妃を訪ね、宮殿にまた戻ってくる日を夢見るのだった。そのためにハン・ミョンフェの娘と次男者山君との縁談をまとめようとしていた。そんな時、辺境から帰京したヤン・ジョンはいきなり世祖に退位を進言する。
第92話
譲位宣言の波紋
世祖は世子へ譲位すると言い出し、周囲を慌てさせる。世祖は愚直なヤン・ジョンが暴言を吐いた裏にはハン・ミョンフェの存在があると推測する。官僚たちも譲位派と存続派に分かれ、火花を散らしていた。粋嬪ハン氏はこの事態を冷ややかに見つめながら、息子が王位に就く道はまだ残されていると信じていた。ハン・ミョンフェとシン・スクチュは譲位を取り消すよう世祖に訴えるが…。
第93話
孫の将来
粋嬪ハン氏が二人の息子を連れて宮殿にやって来る。者山君は初めての宮殿にはしゃいでいた。ハン氏は世祖の前で、息子たちの将来を案じて涙を見せるのだった。野望の実現を急ぐハン氏はハン・ミョンフェを領議政にするよう世祖にねだる。譲位を思い留まった世祖は混乱の始末をつけるためにヤン・ジョンの処刑を命じ、ハン・ミョンフェに世子の行く末を頼むのだった。
第94話
世祖倒れる
月山君の婚礼が執り行われた。粋嬪ハン氏は亡き夫の位牌の前で、息子を王位に就かせて見せると誓うのだった。王妃は世祖が世子の将来をハン・ミョンフェに託したのを知り、強く反発する。東宮で息子の思い出にふけっていた世祖は突然胸苦しさを覚え、その場に倒れこむ。これを知った臣下たちはそれぞれの思惑を抱いて対処に乗り出す。王妃もまた世祖亡き後のことを考えて…。
第95話
野望の実現
粋嬪ハン氏は夫の死で宮殿を出たときの無念を噛みしめていた。世祖がここで死ねばどうなるかと考えると居ても立ってもいられず、者山君を連れて宮殿を訪れる。利発で情の深い者山君の看病で世祖は落ち着きを取り戻しつつあった。ハン氏は王妃に会い、今は使われていない東宮を所望する。次に世祖に会ったハン氏はついにハン・ミョンフェを領議政にするという王命を取り付ける。
第96話
権力の座
ハン・ミョンフェがついに領議政となり、家では盛大な祝いの宴が催される。そこに粋嬪ハン氏が訪れ、半ば強制的に者山君とミョンフェの娘の縁談を決めてしまう。世祖はハン氏の頼みでハン・ミョンフェを領議政にしたものの、すでに反撃の手を考えていた。王妃は世子を前に、ハン・ミョンフェを始めとする功臣たちを決して信じてはならないと諭すのだった。
第97話
老いた王
ハン氏は将来のために息子たちを厳しくしつけていた。特に世子と親しくしないように気を使っていた。その頃弓の射会が開かれ、ホン・ユンソンと世祖は弓の命中で賭けをする。ところがその途中で世祖は目が霞み、倒れてしまう。老いを自覚した世祖は者山君とハン・ミョンフェの娘の結婚を許可する。だがその裏ではミョンフェを領議政の座から引きずり下ろす方法を考えていた。
第98話
領議政辞任
世祖が重用する若手の亀城君はユ・ジャグァンを宮殿に連れて来る。庶子だが頭脳明晰なユは世子を守りハン・ミョンフェから権力を奪う方法を進言して世祖を感嘆させる。だがハン・ミョンフェは辞任を迫られる前に自ら領議政の座を退くと宣言、粋嬪ハン氏を驚かせる。ハン氏はその影にこれまで侮ってきた王妃の姿を見るのだった。一方、世祖はそんなハン氏を不憫に思い…。
第99話
粋嬪ハン氏と王妃の対立
世祖は粋嬪ハン氏を宮殿に呼ぶが、王妃はハン氏に会おうともしない。王妃が冷たくすることで、世祖はさらにハン氏が不憫になるのだった。だが亀城君はハン・ミョンフェとハン氏の結託が禍根になると考えていた。一方民心の荒れる咸吉道にシン・スクチュの息子シン・ミョンが観察使として赴任するが、それが朝鮮王朝最大の反乱イ・シエの乱を引き起こすこととなる。
第100話
イ・シエの乱
イ・シエが世祖に送った書状には反乱の首謀者としてハン・ミョンフェ、シン・スクチュの名が明記されていた。二人は王命により、投獄されることになる。捕縛に向かったのは二人の盟友、ホン・ユンソンだった。このことはすぐに粋嬪ハン氏に知らされる。病床のミョンフェは投獄を免れるも、厳しい監視下に置かれる。ハン氏は一計を案じ、宮殿を訪れ、世祖に会うが…。
第101話
功臣の投獄
最も信頼していた功臣の裏切りに衝撃を受ける世祖。粋嬪ハン氏は二人が処刑されたら自分の子どもたちも危ないと世祖に訴える。だが世祖はホン・ヨンソンを右議政に据え、ハン・ミョンフェを投獄される。事態はイ・シエの思惑通りになっていた。シン・スクチュの息子ミョンも反乱討伐に向かった軍隊に殺される。亀城君らはこの機に乗じて一気に功臣らを排除しようとするが…。
第102話
勢力を強める反乱軍
王妃は世子海陽大君の側室昭訓ハン氏を世子妃にしようとしていたが、それは粋嬪ハン氏の息子者山君が王になる道を永遠に塞ぐことだった。さらにハン・ミョンフェ(とシン・スクチュの謀反疑惑は者山君の命さえ危うくした。その頃イ・シエの反乱軍は勢力を強め咸吉道全域に達していた。世祖は自ら戦地に赴くと宣言して朝廷を驚かせるが、その背後にはユ・ジャグァンの存在があった。
第103話
放免
世祖は官僚や王族を一人ずつ呼び、世子の前で忠誠を誓わせた後、反乱軍鎮圧に向かう。世祖の親征で討伐軍は優勢に戦を進める。それを確認した世祖はシン・スクチュとハン・ミョンフェを放免する。世祖は放免した二人を前に譲位を口にするのだった。その様子をユ・ジャグァンが影から見守っていた。ハン・ミョンフェの家では粋嬪ハン氏が彼の帰りを待ちわびていた。
第104話
イ・シエの乱鎮圧
ハン・ミョンフェに失望した粋嬪ハン氏はたとえ一人でも闘おうと決意を新たにする。その頃亀城君がイ・シエを捕らえたという知らせが入る。世祖は亀城君の功績に歓喜する。イ・シエの自白によりハン・ミョンフェ、シン・スクチュの無罪も証明される。一方ユ・ジャグァンはハン・ミョンフェを訪ね、自身の野心を語るのだった。粋嬪ハン氏は一計を案じ、病気のふりをするが…。
第105話
病床の粋嬪ハン氏
粋嬪ハン氏が倒れたという知らせに世祖はうろたえる。だが王妃は仮病と見抜き、彼女が大妃への野望を抱いていると告げてしまう。これに激怒した世祖は粋嬪ハン氏のもとに向かう。が、粋嬪ハン氏は一足先に毒を飲んで危篤状態に陥っていた。世祖は嫁を疑ったことに後悔し、者山君を世孫にしようとするが…。その頃ユ・ジャグァンは野心のために粋嬪ハン氏に近づこうとしていた。
第106話
世子の病
世祖は者山君を世孫にすると言い出すが、周囲の反対は大きかった。だが病床の粋嬪ハン氏とした約束を簡単に違えることもできず、思案していた。粋嬪ハン氏を見舞った王妃は彼女と子どもたちに同情の念を抱くようになっていた。そんな時、世子の足に発疹ができていることを知った世祖は衝撃を受ける。世祖は国政を世子に代行させ、これにともなって破格の人事を行うのだが…。
第107話
譲位の決意
世祖が譲位すると言い出すが、官僚たちの反対は強かった。ユ・ジャグァンは朝廷を一新させ、まだ28歳の亀城君を領議政にするべきだと進言する。ところが亀城君とともにイ・シエの乱を鎮圧したナム・イは自分が礼遇されているとユ・ジャグァンに不満をぶつけ、さらに世祖にまで直訴してしまう。世祖は再度人事を行い、世子のために朝廷の骨組みを堅固なものにしようとする。
第108話
世祖倒れる
世祖が倒れる。病の床で世祖は亀城君を領議政に任命し、政務を世子に任せると言い出す。それを知った粋嬪ハン氏は宮殿に赴くが、世祖は会おうとしない。世祖はそのまま孝寧大君の屋敷に居を移す。粋嬪ハン氏は世祖のいない宮殿で、なんとしても者山君を世孫とするという確約を取り付けようと画策していた。一方、一気に若返った朝廷に元老たちはうろたえるばかりだった。
第109話
ハン・ミョンフェの進言
世祖はハン・ミョンフェら老いた功臣たちを集めて自分の墓の相談をする。だがハン・ミョンフェは墓の話には耳を貸さず、世子を自分たちに任せるように進言する。世祖はハン・ミョンフェに感動し彼の家で酒を酌み交わす。世祖がハン・ミョンフェの家にいると知らされた粋嬪ハン氏はお呼びがかかるのをじっと待っていた。ハン・ミョンフェも者山君を世孫へと願い出る。
第110話
譲位
ハン・ミョンフェの家で容態が悪化した世祖は急ぎ宮殿に戻る。そして謀反を起こした逆臣の親族たちをすべて赦免するよう命じた後、世子へ譲位する。世子が即位すると、次に世子の側室昭訓ハン氏が王妃に冊立された。これにより、粋嬪ハン氏の大妃への夢は打ち砕かれた。粋嬪ハン氏は夫の位牌の前で悲しみを吐露するが、それでもなお夢を諦めきれずにいるのだった…。
第111話
世祖崩御
悪夢に悩まされていた世祖が危篤状態に陥る。ようやく粋嬪ハン氏が呼ばれるが、到着前に世祖はこの世を去ってしまう。数々の功績を残した名君世祖だが、甥の王位を奪ったという罪の意識から逃れることはできなかった。ユ・ジャグァンとナム・イはこの機に功臣たちを始末しようと、世祖の死を翌朝まで公表すべきでないと言い出すが、亀城君が迷っている間に皆が知るところとなる。
第112話
大妃の決断
大妃が功臣に国葬都監を任せると言い出し、国王睿宗も譲歩する。だが石室を作らぬべきという新進勢力と、作るべきという功臣たちが対立していた。ハン・ミョンフェは大妃の決定に従えと進言するが、睿宗は粋嬪ハン氏の意見を聞くことにする。粋嬪ハン氏が宮殿に向かった頃、ユ・ジャグァンはハン・ミョンフェの屋敷を訪ね、ナム・イを陥れる計画を語るのだった。
第113話
ユ・ジャグァンの計略
宮殿にやってきた粋嬪ハン氏は大妃の前で号泣してみせる。大妃はこれまでのことは水に流して自分を助けるようにと優しくことばをかけるのだった。そんな二人を温かく見守る睿宗が足を引きずっているのを粋嬪ハン氏は見逃さなかった。ハン・ミョンフェの紹介で粋嬪ハン氏を訪ねたユ・ジャグァンは彼女の野望と自分自身の復讐心のため、ある計略を口にするのだが…。
第114話
権力の行方
ユ・ジャグァンの計略によって官僚たちは収賄の疑惑をかけられ、解明のための調査が始まる。この決定は睿宗に代わり大妃によって出されたが、その側には粋嬪ハン氏がぴったりと寄り添っていた。粋嬪ハン氏は字の読めない大妃のために調査結果を代読し、疑惑をかけられた官僚の処遇にまで口を挟む。一方ユ・ジャグァンはナム・イの屋敷を訪れ、決起をけしかけるが…。
第115話
ナム・イの乱
ユ・ジャグァンの言葉に勇気付けられたナム・イは謀反を決意する。それを確かめたユはその足でナム・イを告発する。謀反勃発の知らせに大きな衝撃を受けた大妃はその場に倒れこんでしまう。睿宗もこの事態に動揺を隠せなかった。ユはハン・ミョンフェに預けていたナム・イの詩を示して、謀反の証拠とする。病床の大妃は駆けつけた粋嬪ハン氏をよりいっそう頼りにするのだった。
第116話
粋嬪ハン氏の勢い
ナム・イが捕らえられ、尋問が始まる。シン・スクチュはハン・ミョンフェがユ・ジャグァンとともにナム・イを陥れたことに怒る。ナム・イは盟友クォン・ラムの娘婿だった。亀城君は奸臣らの陰謀だと睿宗に訴えるが、どうにもならなかった。大妃の信頼を得、亀城君ら新興勢力を退けた粋嬪ハン氏には今や怖いものは何もなかった。そしてハン・ミョンフェが領議政に返り咲く。
第117話
睿宗倒れる
睿宗の病はひどくなる一方だった。粋嬪ハン氏がその噂を確かめに昌徳宮に出向くと、そこにはユ・ジャグァンがいた。ユは睿宗の病状を粋嬪ハン氏に隠そうとしていた。ユは謹慎中の亀城君を訪ね、睿宗が長くないことを伝える。王族の亀城君は王位への欲望を秘めていた。そんな中、大妃に睿宗が倒れたとの知らせが入る。病状が悪化した睿宗は、ついに気を失ってしまい…。
第118話
世子の座を巡って
睿宗が倒れたと聞き、粋嬪ハン氏は宮殿に急ぐ。家を出る前、彼女は二人の息子に今後の覚悟を語って聞かせる。この時睿宗はまだ世子を冊立していなかった。睿宗の嫡男斉安大君は当時5歳。即位には幼すぎたがユ・ジャグァンは粋嬪ハン氏の気勢をそぐために斉安大君を世子にすべきだと大妃に訴える。その策略を知った粋嬪ハン氏も大妃を訪ねて斉安大君を世子にするよう進言する。
第119話
睿宗崩御
睿宗の足はすでに壊死状態となっていた。それを知った大妃は次期王のことを真剣に考え始める。斉安大君はまだ幼く、周囲は敵ばかりで見守る人間がいなかった。それに比べ者山君の周囲は粋嬪ハン氏ら味方で溢れていた。大妃は粋嬪ハン氏の企みに気付きながらも、者山君即位を思わず口にする。その中で睿宗の容態が急変。ハン・ミョンフェはすぐに者山君を参殿させる。
第120話
成宗即位
睿宗の死でハン・ミョンフェは者山君を喪主にせよと大妃に詰め寄る。シン・スクチュの後押しもあり、大妃はついに者山君を喪主にし、その日のうちに即位させる。ところが粋嬪ハン氏はあれほど望んだ大妃の座を得ることができなかった。そんな粋嬪ハン氏の処遇を巡って宮殿には早くも波風が立つ。それを待っていたかのようにユ・ジャグァンは亀城君の屋敷を訪れるが…。
第121話
摂政を巡る争い
粋嬪ハン氏は自分が大妃になれなかったのはハン・ミョンフェの差し金だと激怒し、ミョンフェを孤立させようと考える。ユ・ジャグァンは亀城君と大王大妃に手を組ませ、摂政をさせようと計っていた。まだ13歳の成宗を巡り、誰が摂政になるかは宮殿の重大な関心事だった。朝廷では激しい議論が続いたが結論は出なかった。粋嬪ハン氏は大王大妃に会うため宮殿へと向かう。
第122話
母子の絆
成宗は母親粋嬪ハン氏を宮殿に住まわせると主張する。大王大妃も了承し、粋嬪ハン氏を大妃にすべきかと考える。ハン・ミョンフェは粋嬪ハン氏の飽くことなき欲望が宮殿に災いを招くと予言するが、大王大妃は文盲の自分に代わり、粋嬪ハン氏を摂政に指名する。粋嬪ハン氏はハン・ミョンフェと水面下で工作し、大妃の座と引き換えに大王大妃に摂政を譲ることで合意する。
第123話
垂簾聴政
大王大妃の垂簾聴政が始まる。だが大王大妃のすぐ側には屏風の影に隠れた粋嬪ハン氏の姿があった。これを知った官僚たちは反発の声をあげる。だが大王大妃から大妃の座を約束された粋嬪ハン氏は今や権力を掌握したも同然だった。成宗が聖君になれば誰も自分を批判しないとハン氏は考えていた。その頃ハン・ミョンフェの屋敷には宮殿に呼ばれない成宗の王妃の寂しい姿があった。
第124話
粋嬪ハン氏とハン・ミョンフェの対立
ハン・ミョンフェがいつまでも自分を大妃にさせないため、粋嬪ハン氏は王妃を選び直すと言い出す。一方、母の願いを叶えたい成宗はなんとか大妃の座を与えようと功臣たちに働きかけていた。朝廷では粋嬪ハン氏を大妃とするか否かで激しい議論が繰り広げられるが決着はつかない。その頃、ユ・ジャグァンはハン・ミョンフェに命じられ、亀城君を陥れようとしていた。
第125話
亀城君の謀反
亀城君が謀反を企てたという知らせが大王大妃に伝えられる。大王大妃は粋嬪ハン氏の陰謀ではないかと疑い、ハン・ミョンフェに亀城君を助けるよう内密に要請する。だがハン・ミョンフェは大王大妃の要請に反して事を公けにしてしまう。粋嬪ハン氏はこの機に乗じて大王大妃と官僚の一人を言いくるめ、一気に大妃の座を入手しようと図る。しかし朝廷の抵抗は思った以上に強かった…。
第126話
仁粋王妃誕生
ハン・ミョンフェはなんとしても粋嬪ハン氏が大妃になるのを阻もうとしていた。だが粋嬪ハン氏も大妃の座を手に入れるためには手段を選ばない勢いだった。大王大妃は二人を和解させようと試みるのだが…。朝廷は激しい論争の末、粋嬪ハン氏を大妃ではなく、仁粋王妃とする決定を下す。これで大妃問題が片付いたと見た大王大妃は成宗の王妃ハン氏を宮殿に呼ぶが…。
第127話
摂政の座
大妃になれずにいらつく仁粋王妃は、ハン・ミョンフェの娘である王妃ハン氏に八つ当たりする。ヒャンイは二人の仲を修復させるために仁粋王妃に会うが、彼女は冷笑するだけだった。その頃大王大妃のもとには亀城君を処刑せよとの上書が次々に届けられていた。処刑をためらう大王大妃は仁粋王妃の助言を受け入れ亀城君を流刑にする。大王大妃は自分の無力さに摂政を退くと言い出す。
第128話
王妃冊立
ハン・ミョンフェは仁粋王妃に摂政させないよう、大王大妃に直訴する。二人の対立は今や宮殿中の関心事だった。仁粋王妃は次の手として宮殿を出て行くと言い出す。大王大妃は仁粋王妃が宮殿を出た隙に王妃を冊立させようとするが、逆に成宗と王妃はこれに激しく反発する。ついにハン・ミョンフェが折れ、政治に関わらないことを条件に仁粋王妃を大妃にすると明言するが…。
第129話
悲願の座へ
病の床に就いていた王妃ハン氏がこの世を去る。ハン・ミョンフェは辞職を願い出るが、事実上の摂政をしている仁粋王妃は許さない。その中で朝廷はついに仁粋王妃を大妃にすることを決定する。ようやく仁粋の願いがかなった瞬間だった。こうして時は流れ、成宗は19歳になっていた。だが仁粋大妃をけん制する朝廷の勢力はいまだに大王大妃に摂政を続けさせていた。
第130話
親政を巡る対立
朝廷では成宗に親政を促す者と躊躇する者がいた。だがいまだに政治の中枢を握っているのはハン・ミョンフェら老臣たちだった。ハン・ミョンフェは仁粋大妃が政治に関わるのを恐れ、成宗の親政に反対していた。その成宗には王妃の死後、正室がいなかった。成宗は側室の一人、淑儀ユン氏を寵愛していたが、大王大妃、仁粋大妃とも彼女を王妃にすることには難色を示していた。
第131話
成宗の親政
ある晩、大王大妃の摂政を批判する匿名の中傷文が宮殿に張られる。それを知った大王大妃は、怒りに任せて摂政を辞めると宣言する。朝廷では成宗に席藁待罪をさせようとするが、仁粋大妃は先回りして自分が席藁待罪をする。こうしてついに大王大妃は摂政を退き、成宗は即位後7年にしてようやく親政をすることとなった。仁粋大妃は次に成宗の王妃選びに着手するのだが…。
第132話
成宗の反発
成宗は王妃選びに躊躇するが、仁粋大妃だけでなく大王大妃からも勧められ、逆らえずにいた。一方ハン・ミョンフェと仁粋大妃の間はもはや修復不能の状態に達していた。仁粋大妃は成宗にハン・ミョンフェを解任するよう迫り、さらに自分の従兄ハン・チヒョンを大司憲にするよう人事案を提出する。成宗は仁粋大妃の行き過ぎた政治への干渉に反発を感じるのだが…。
第133話
仁粋大妃の台頭
なんとしてもハン・ミョンフェを排除し、従兄を大司憲にしようとする仁粋大妃。だが成宗は仁粋大妃が人事に介入することを阻止しようと考えていた。一方王妃選びも大詰めに入っていた。仁粋大妃は貴人チョン氏を推していたが、成宗の寵愛を受けている淑儀ユン氏は懐妊したことで事を有利に運ぼうとしていた。その頃ハン・チヒョンがハン・ミョンフェを訪ね、仁粋大妃との和解を勧めるが…。
第134話
粛清
仁粋大妃の野心は止まらず、大王大妃の外戚ユン・ゲギョムを大司憲に任命させ、みずから作った不正役人の名簿に合わせて粛清を強行させる。標的は言うまでもなくハン・ミョンフェだったが、王室の財政難も合わせて解決しようというのが仁粋大妃の考えだった。朝廷は仁粋大妃の顔色を伺い、ハン・ミョンフェを弾劾する上書を次々に提出する。成宗はいまだにためらっていたが…。
第135話
ハン・ミョンフェ失脚
仁粋大妃の激しい怒りに、成宗もついに折れるしかなかった。仁粋大妃は思い通りの結果に満足の笑みをもらしていた。無力さに打ちひしがれた成宗は淑儀ユン氏のもとを訪れる。ユン氏の懐妊によって王妃選びは振り出しに戻ったが、仁粋大妃には彼女を王妃にするつもりはなかった。一方仁粋大妃に追い詰められたハン・ミョンフェはついに成宗の前に辞職上書を置く。
第136話
母からの独立
ユン氏の懐妊は成宗を喜ばせたが、他の側室たちの妬みは激しかった。成宗は仁粋大妃から独立して親政を行うために、若い学者たちを集める。だが誰よりも大きな権力を持つ仁粋大妃を退けるのは容易ではなかった。成宗の内官キム・チョソンは徐々に改革するよう助言する。仁粋大妃に対抗する勢力はユ・ジャグァンら仁粋大妃側の人間をまず排除しようと動き始めるが…。
第137話
権力を独占する仁粋大妃
ハン・ミョンフェが参殿し仁粋大妃に土地を差し出して謝罪する。成宗は仁粋大妃から独立しようとするが、結局は母離れができずにいた。その仁粋大妃は強大な権力を守るためにユ・ジャグァンを犠牲にする。そんな時、お腹の目立ってきたユン氏が腹痛を訴える。懐妊を嫉妬され、呪いの藁人形を床下に置かれたと主張するユン氏。これを聞いた仁粋大妃は激怒し、犯人を捜すが…。
第138話
呪いの藁人形
藁人形騒動に怒った仁粋大妃は必ず犯人を見つけ出すと宣言し、多くの女官たちを容赦なく拷問する。だが結局犯人を見つけることは出来なかった。ユン氏は宮殿を騒がせた責任を取るために粗末な着物に着替えるのだった。同じ頃、朝廷ではそれぞれの勢力争いが王妃選びにも影響を及ぼしていた。ユン氏の母も娘を王妃にするために亡き夫の知人イム・サホンを訪ねるが…。
第139話
王妃決定
王妃選びは大王大妃の推す名門のユン氏と仁粋大妃の推す懐妊したユン氏の対決となった。イム・サホンはユン氏が王妃になった将来を考え、母親の頼みを聞き入れることにする。仁粋大妃は官僚たちが王妃選びに口を出すことが気に障り、ついに懐妊したユン氏が出産する前に王妃の座に就かせると決める。こうして淑儀ユン氏が王妃となる。だがその日から仁粋大妃との対立が芽生え…。
第140話
仁粋大妃と王妃の対立
王妃の座に就くやいなや、宮殿の改革に乗り出す王妃が仁粋大妃は気に入らない。宮殿の内外では仁粋大妃が自分と同じような嫁を娶ったと評判になっていた。その頃ハン・ミョンフェの屋敷には左賛成ノ・サシンが訪ねていた。気の強い王妃によって仁粋大妃の権力が崩れたら、ハン・ミョンフェも復職できるとノ・サシンは考えていた。女同士の対立で宮殿には不安感が広がっていく。
第141話
女同士の戦い
仁粋大妃は息子成宗を聖君にするためにはどんなことでもする覚悟だった。だが執務中の成宗のもとには王妃が寄り添っていた。寂しさを感じながらも仁粋大妃は、貧しい王妃の実家に米や織物を贈る。勢力拡大を狙う王妃はハン・ミョンフェの夫人を呼び、協力を要請していた。一方朝廷では仁粋大妃が始めた不正官僚の摘発が続いていたが、王妃はこれにも干渉するようになり…。
第142話
王子誕生
王妃の最有力候補だったチョン貴人が懐妊した。そうとは知らずチョン貴人を叩いてしまった王妃。仁粋大妃は王妃を選び間違えたと不快感を露にする。その夜王妃の陣痛が始まり、難産の末王子を出産する。これが後の燕山君である。宮殿は慶事に沸いていた。貧しかった王妃の実家には次々にお祝いの品が届けられていた。朝廷ではこれを機に仁粋大妃の権力を崩そうとするが…。
第143話
仁粋大妃の反撃
王子誕生に手放しで喜ぶ成宗と王妃。一人ぼっちにされた仁粋大妃は寵愛する臣下の不正を見逃すよう成宗に迫る。だがこれは仁粋大妃の権力を崩そうとする朝廷への宣戦布告でもあった。朝廷では成宗がいつまでも仁粋大妃の言いなりになっていることにいらついていた。成宗自身、情けなく思うのだがどうしようもなかった。一方ユ・ジャグァンとイム・サホンは王妃の実家を訪ね…。
第144話
日ごと増す王妃の力
王子を産んだことで王妃は日ごとに傲慢になっていった。重臣の夫人を呼んでは貢物を受け取り、それを内官や女官らの心を得るために下賜した。王妃のこうした行為には仁粋大妃だけでなく、成宗ですら手を焼いていた。朝廷では仁粋大妃と王妃を巡る派閥争いがさらに激しくなっていく。その中で仁粋大妃は王妃を押さえつけるために、育児に専念するようにと王妃に命じる。
第145話
仁粋大妃、宮殿を出る
仁粋大妃の命令に激高した王妃は席を立ってしまう。さらにその足で大王大妃のもとに向かい、姑への恨みを訴えるが、逆に叱られるだけだった。王妃の反発に機嫌を損ねた仁粋大妃は実家に戻ってしまう。そこに訪ねて来たのは因縁深いハン・ミョンフェだった。仁粋大妃はハン・ミョンフェに向かい、ついに王妃を廃すると口にする。成宗は母を迎えに行くと言うのだが…。
第146話
母と子の駆け引き
仁粋大妃は成宗が迎えに来るのを今や遅しと待ち構えていた。だが日ごろから母親の言うなりだとの噂を耳にしている成宗は、今度ばかりは腰を上げずにいた。成宗の兄、月山大君は母、仁粋大妃に成宗を大人として認めるよう意見するが、逆に激しく叱咤されてしまう。仁粋大妃は一歩譲って宮殿に戻るが、成宗は出迎えもせず、仁粋大妃の寂しさは募るばかりだった。
第147話
改革を始める成宗
成宗は朝廷の改革に着手する。ついに母親から独り立ちした姿だった。だが官僚たちのなかにはこれを賞賛する新進勢力と、不満を持つ元老勢力たちがいた。王妃も成宗の仕事に口を出し、宮殿は混乱の様相を呈していた。仁粋大妃の周囲は今や訪れる者もなくひっそりとしていた。そんな仁粋大妃のもとにやって来たハン・ミョンフェは廃妃について言及するのだが…。
第148話
権力を握るのは…?
ハン・ミョンフェは新進勢力たちが企む仁粋大妃への弾劾上書をつぶそうと動き出す。仁粋大妃の退陣がさらに大きな権力争いのもとになるというハン・ミョンフェの言葉は説得力があった。ハン・ミョンフェはこの一件で第一線に返り咲く。だがこの話を聞いた王妃は激怒し、成宗に恨み言を繰り返す。その中でチョン貴人が男児を産む。喜ぶ成宗だったが王妃は嫉妬の炎を燃やしていた。
第149話
親蚕礼の波紋
親蚕礼という王室行事が華やかに執り行われる。王妃は晴れの日に得意満面だった。その頃、仁粋大妃は部屋のなかで一人寂しく外から聞こえる楽の音に聞き入っていたが、突然胸を掻きむしって苦しみ出した。床に就いた仁粋大妃を見舞った成宗は弱々しく横たわる母に涙するばかりだった。一方王妃は親蚕礼に出席しなかったチョン貴人に席藁待罪を命じるのだが…。
第150話
激しさを増す王妃
出産したばかりのチョン貴人に王妃が席藁待罪を命じたという話は一気に宮殿中を駆け巡る。だが内命婦の長である王妃には誰も逆らうことができない。仁粋大妃は激怒するが大王大妃は見て見ぬふりをしていた。一方王子は体が弱く、たびたび引きつけを起こしていた。仁粋大妃は王妃の気勢をそぐため王子を療養に出させるが、王妃はこれをチョン貴人の陰謀と邪推する。
第151話
引き裂かれた母子
王妃は悔しさのあまりチョン貴人の食事に砒素を入れようとする。その夜成宗は淑儀ユン氏と仲睦まじく過ごしていたが、王妃はその部屋の前にやってきて自身の悔しさを大声で吐露する。王妃の行動に仁粋大妃は胸を痛めるが、ユ・ジャグァンはそれを利用して力を得ようとしていた。この頃宮殿では盛んに宴が開かれていた。その中心は仁粋大妃には何か魂胆がありそうだったが…。
第152話
投書事件
王妃のチョン貴人への憎しみは日ごとに強くなり、投書によって陥れようとする。これを知った仁粋大妃は成宗に事の真相を明らかにするよう命じる。だが息子に会いたいと涙を流す王妃を責めることはできず、優しく慰めるしかなかった。ところが王妃の持ち物の中に呪いの本と砒素の袋を見つけた成宗は激しく動揺する。怒りの収まらない仁粋大妃はついに妃を廃すると口にする。
第153話
追い詰められた王妃
投書から始まった騒動は王妃が呪いの本と砒素を持っていたということで、さらに大きな問題となっていく。この件を重く見た仁粋大妃は王妃を廃する論議を始める。朝廷では早くも仁粋大妃か王妃か、どちらにつくのが有利かとまことしやかに囁かれていた。その頃ハン・ミョンフェはまず真相を究明すべきだと成宗に進言していた。だがこれは王妃をさらに追い詰めることとなる。
第154話
王妃、嬪に降格
仁粋大妃は王子まで廃嫡すると宣言する。王妃を廃したら後に王子から報復されるのではないかと恐れる朝廷をけん制するためだった。成宗は迷うが、仁粋大妃の気持ちは決まっていた。その時、仁粋大妃の従兄ハン・チヒョンが王妃を嬪に降格させるという妙案をひねり出す。チヒョンはまずハン・ミョンフェを訪ね、協力を要請する。成宗もこの案に同意し、王妃は嬪に降格される。
第155話
王妃降格の波紋
嬪に降格された王妃は寿康宮に居を移す。成宗は王妃のいた場所に残された装飾品を手に取って涙する。ところが寿康宮に移った王妃は懐妊していた。チョン貴人は懐妊が真実なら流産させようと企むのだが…。成宗のもとには学者らが王妃降格に抗議するため集まっていた。孝寧大君にも王妃復位を促された成宗は廃妃の王命を取り下げようとするが、そこに仁粋大妃が現れて…。
第156話
孤立する仁粋大妃
仁粋大妃は復位の話に激怒する。聖君になるためには情を捨てろと詰め寄る母親に成宗は涙するだけだった。内官キム・チョソンはそんな成宗のために王妃のいる寿康宮を訪ね、大殿に残されていた装飾品を渡す。大王大妃や朝廷も王妃の復位を望んでいたが、仁粋大妃だけは復位を認めようとしなかった。その頃、臣下らは重臣も含めて大殿の前で王妃復位を叫び続けていた。
第157話
王妃復位
仁粋大妃はついに王妃の復位に同意する。だが王妃を今までどおり寿康宮に住まわせるという条件つきでの同意だった。王妃はこの処遇に涙を見せるが、今や宮殿一の絶大な権力を持つ仁粋大妃に逆らうことはできなかった。こうして寿康宮に幽閉状態となった王妃は臨月を向かえ、難産の末に二人目の王子を出産する。慶事に沸く宮殿では王妃を大殿に戻すべきとの声が高まるが…。
第158話
深まるばかりの溝
仁粋大妃の従兄ハン・チヒョンが閑居の身のユ・ジャグァンを訪ねる。ユ・ジャグァンは仁粋大妃と王妃の対立を利用して返り咲こうと画策する。その頃、仁粋大妃は孫の顔を見に寿康宮を訪れていた。ところが食事が出てくると、怒って席を立ってしまう。仁粋大妃は王妃が砒素を隠し持っていたことをいまだに許しておらず、食事を共にするなど持っての他と声を荒げるが…。
第159話
王妃勢力、排除される
仁粋大妃はユ・ジャグァンを使って王妃側の人間のあいだにもめ事を起こさせ、辞職させてしまう。王妃を大殿に移すと宣言した成宗の先回りをしたのである。こうして王妃は宮殿で孤立無援の状態になる。ハン・ミョンフェはこの騒動を、これから起こる嵐の前哨戦と見ていたが…。成宗はようやく王妃を迎えにやってくる。だが王妃は素直に喜べず、成宗の顔に傷をつけてしまう。
第160話
王妃追放
王妃をなだめようとしていた成宗だったが、顔を傷つけられたことで逆上し、大殿に戻ってしまう。それを知った仁粋大妃はすぐに重臣らを登庁させ、その夜のうちに王妃を宮殿から追い出すと宣言する。仁粋大妃の怒りは凄まじく、すべてをみずからが取り仕切り、ついに王妃は追放される。一夜明けると、仁粋大妃はすぐに新しい王妃を冊立すると言い出し、大王大妃をあきれさせる。
第161話
廃妃ユン氏
仁粋大妃の野望は止まらない。今度は廃妃を亡き者にすると言い出すのだった。しかも自分から成宗に進言するのではなく、重臣たちが処刑を口にするよう仕向けるつもりだった。王妃が宮殿を出て3ヶ月が過ぎた。宮殿では新しい王妃選びが始まっていた。息子を産んだチョン貴人は当然自分が選ばれると思っていたが、意に反して名門出身のユン淑儀が次の王妃に決定する。
第162話
宮殿に戻った世継ぎ
仁粋大妃は廃妃ユン氏の暮らしぶりを探らせる。だが見に行った内官はチョン貴人の差し金で仁粋大妃に都合の良い作り話をする。しばらく後、世継ぎの王子がそっと宮殿に戻される。幼い頃に宮殿を出た王子は何も覚えていないはずだが、王妃が実の母でないことは敏感に感じ取っていた。廃妃ユン氏がどうしても許せない仁粋大妃は再度実家を探らせ、ついに殺せと命令する。
第163話
廃妃ユン氏自決
成宗はついに廃妃ユン氏を自決させるという王命を下す。朝廷の誰一人として、これに反対する者はいなかった。またも仁粋大妃の考えていたとおりに事が運ばれた瞬間だった。こうして廃妃ユン氏に毒薬が届けられる。いつか王になった世継ぎが必ず恨みを晴らしてくれると信じ、ユン氏は息を引き取る。同じ頃、宮殿では多感な世継ぎが何かを感じたように涙を流していた。
第164話
病床の成宗
廃妃ユン氏死亡の知らせに宮殿は静まり返る。だが仁粋大妃だけは追い討ちをかけるように、廃妃のことを口にしてはならぬと厳しく命令する。ユン氏の棺の上には大切にしていた装飾品が置かれていた。…12年が過ぎた。世子はりっぱに成長していたが、成宗は病の床についていた。宮殿では大妃に嫌われている世子が果たして王位を継承できるのか、さまざまな憶測が飛び交っていた。
第165話
次期王位は…
成宗の病は深刻な状態に陥っていた。世子は大妃に嫌われている自分が王位に就けるはずはないと自暴自棄になっていた。実の母については何も知らされていない世子だったが、噂の断片から少しずつ真実が明らかになりつつあった。チョン貴人とオム貴人は自分たちの保身のために、大妃に気に入られている晋城大君を王位に就けるべきだと王妃に進言するのだが…。
第166話
大妃の思惑は…?
成宗は自分の寿命を悟り、大妃に世子のことを頼むのだった。その頃廃妃ユン氏の母シン氏は行方不明になっていた。イム・サホンはそのシン氏を探し出して世話をしていた。その中で成宗の容態が急変する。大妃は成宗の病床で自分も成宗の後を追うと言って涙を見せる。大妃は成宗の死後、廃妃のことが暴かれるのではと恐れていた。成宗は大妃に逆らうなと世子に厳命するが…。
第167話
成宗崩御
朝廷では次期王座を巡って憶測が流れていた。大妃は次期王は自分が決めると言って譲らない。成宗は廃妃との約束を果たすため顧命を残そうとするが、大妃がそれを阻んでしまう。まもなく世子一人に看取られて成宗はこの世を去る。その頃大妃は世祖の位牌の前で、決して世子を王位に就かせないと固く誓っていた。朝廷は王位を空けては置けないと世子即位を大妃に促すが…。
第168話
燕山君即位
大妃は死者の霊魂を供養する仏教儀式の水陸斎を行うよう世子に命じるが、朝廷では成宗が仏教を退けていたことを理由に反対する。だが世子は母思いだった成宗の性格を思い、水陸斎を強行しようとしていた。その堂々とした姿は君主の風格を備えていた。成宗が死んで五日が過ぎたが以前として王座は空いたままだった。周囲からの催促についに大妃は世子を即位させると宣言する。
第169話
廃妃調査
即位した途端、燕山君は廃妃ユン氏について調べ直すと宣言する。恐れていた現実に朝廷には緊張が走る。仁粋大王大妃は幼い晋城大君を以前にも増して寵愛し、そんな大王大妃に燕山君の憎しみは募るばかりだった。その頃、廃妃ユン氏の母シン氏は廃妃の墓の前で涙を流しながら、燕山君の即位を報告していた。燕山君の廃妃調査は段々確信に近づき、宮殿には重苦しい空気が流れる。
第170話
明かされる真実
燕山君はイム・サホンを呼び、母について尋ねる。イムは燕山君の真意を計りかね、困惑するばかりだった。その夜、燕山君はイム・サホンの私邸まで出向き、母の無念を晴らすと告げる。大王大妃に廃妃の法事を行うことを認めるよう迫る燕山君に、大王大妃は罪人の子だと蔑みの言葉を投げるのだった。少しずつ明らかになる真実を前に、燕山君は新たな決意をするのだが…。
第171話
無念を晴らすために…
燕山君の義父シン・スンソンが領議政となる。大王大妃は燕山君のお目付け役としてシン・スンソンを選んだのだった。燕山君は母の廃妃の理由を知るため、承政院の日誌を読み、号泣する。当時、王妃を廃することに反対したただ一人の官僚イム・サホンは燕山君の無念と同時に自身の野心を実現させようと図っていた。その頃燕山君は内官キム・チョソンに母の墓の様子を見に行かせる。
第172話
和解
母の墓を移すと宣言した燕山君。大王大妃の怒りは強く、二人は激しく対立する。朝廷もこの問題を巡って混乱してしまう。大王大妃の従兄ハン・チヒョンと領議政シン・スンソンは問題解決に立ち上がるが、一方でイム・サホンとユ・ジャグァンも自分たちの手でこの問題を解決しようとしていた。こうしてようやく一応の和解にこぎつけた後、大王大妃は廃妃の墓の移転に同意する。
第173話
さらに掘り起こされる過去
燕山君は斉安大君とともに女遊びに興じていた。このため宮殿では斉安大君を危険視する意見も上がって来ていた。一方、実録庁が設置され「成宗実録」の編さんが始まった宮殿で新たな問題が起こっていた。世祖が徳宗の側室たちを辱めたと実録の草稿に書かれているというのだった。大王大妃はこの話に激怒し、世祖を貶(おとし)めようとする輩の陰謀だと声を荒げるのだが…。
第174話
成宗実録の波紋
世祖の醜聞は大きな問題を引き起こすことになる。史官キム・イルソンはこれを実録に載せると言い張っていた。官僚たちはキム・イルソンの草稿を削除させようとするが、学者らは激しく反発する。ユ・ジャグァンとイム・サホンはこれを好機と捉え、キム・イルソンの主張を謀反だと決め付けた。大王大妃は穏便に済ませようとするが、燕山君はいたずらに事を大きくしてしまう。
第175話
戌午士禍
キム・イルソンを捕らえて尋問した燕山君は、学者らを皆殺しにしてでも事の真相を究明すると宣言するのだった。世祖の醜聞を実録に載せるのは言語道断だと思っていた大王大妃は一旦様子を見ることにする。謀反を進言したユ・ジャグァンは燕山君の信頼を得て、次々に学者らを捕らえていく。戌午士禍と呼ばれるこの事件で、燕山君の権力は強まっていくのだが…。
第176話
チャン・ノクスの誘惑
大王大妃は自分が生きている間は廃妃の話をするなと燕山君に厳命し、実録の件もこれで終わりにするよう命じる。だが燕山君は実録に関わった官僚を罷免するなど新たな人事を発表し、同時に学者らの多くを極刑に処してしまう。この頃巷では燕山君の子供の面倒を見ている月山大君夫人と燕山君の間を邪推する噂が流れていたが、当の燕山君は妓生チャン・ノクスに夢中になっていた。
第177話
燕山君の執念
チャン・ノクスが淑媛の位を賜り、宮殿に入った。妓生を側室にするという前代未聞の出来事に周囲は眉をひそめるが、燕山君はお構いなしだった。大王大妃は自分の嫌がることばかりする孫に手を焼くが、これも燕山君にとっては母を復位させるための行動に他ならなかった。さらに燕山君は口をつぐんでやり過ごそうとする官僚たちの態度に怒り、晋城大君を夜半に呼び出して…。
第178話
罪人の子という烙印
燕山君には常軌を逸したとしか思えない奇行が目立つようになる。大王大妃から罪人の子と言われたことが彼の心を蝕んでいた。廃妃が復位すれば罪人の子という烙印も消えると考えた燕山君は大王大妃を追い詰めて行くが、大王大妃は頑として聞き入れなかった。宮殿ではいつ燕山君から責めを受けるかと誰もが怖れていた。その頃イム・サホンはチャン・ノクスと廃妃の母を対面させ…。
第179話
廃妃の真実
大王大妃の従兄ハン・チヒョンは燕山君に涙ながらに和解を進めた後、昏睡してそのままこの世を去ってしまう。これで燕山君と大王大妃を取り持つ人間がいなくなってしまった。廃妃の母を訪ねたチャン・ノクスはそこで驚くべき真相を聞かされる。イム・サホンはチャン・ノクスを使って燕山君に嵐を起こさせようとしていた。こうして燕山君はついに廃妃の母を宮殿に呼ぶ。
第180話
吹き荒れる嵐
廃妃の母と燕山君は涙の対面をする。廃妃の母から血のついた着物を見せられた燕山君は怒り狂い、大王大妃殿に向かうのだった。そんな燕山君を迎えた大王大妃は気丈にも、王妃を廃した時、息子も廃すべきだったと言い放つ。衝撃を受けた燕山君は母の無念を晴らすため、母を陥れたとされるチョン貴人とオム貴人の二人を激しく追及した上、その息子たちに殴り殺させる。
第181話
甲子士禍
貴人たちを殺した燕山君は周囲が止めるのも聞かず、廃妃に関わったすべての人々を追及すると言い出す。さらに、大王大妃こそ廃妃を殺した張本人だと言ってのける。官僚たちは怖気づいてついにその夜のうちに廃妃を王妃として追尊すると決める。だが燕山君の怒りは収まらない。こうして甲子士禍が始まった。燕山君はいまや復讐の鬼と化し、宮殿は血に染まっていく。
第182話
根競べ
大王大妃は廃妃の真相を燕山君の義兄シン・スグンに語って聞かせていた。廃妃し、自決させることに同意した官僚たちに重荷を負わせるためだった。大王大妃はその重荷によって成宗代は泰平だったと語る。そんな大王大妃に燕山君は一言詫びれば済むと詰め寄る。だがその一言だけは決して口にできない大王大妃だった。痺れを切らした燕山君は夜半に大王大妃のもとへと向かう。
第183話
仁粋大王大妃崩御
大王大妃殿で狼藉を働く燕山君。だが大王大妃は決して怯まず、さらに燕山君を怒らせる。宮殿はもはや無法地帯と化していた。燕山君は大王大妃が生きている間に廃妃の追尊の儀式を執り行うと宣言する。だが奇しくも儀式の前日に大王大妃はこの世を去ってしまう。儀式で大王大妃に惨めな思いをさせ、復讐を成し遂げるつもりでいた燕山君の計画はついに果たせなかった。
第184話
続く圧政
謝罪のことばなく逝った大王大妃に対し、燕山君は不快感をあらわにするのだった。葬儀の格を下げ、人々が悲しみの涙を流すことすら禁じてしまう。こうして朝鮮王朝4代に渡り、権勢を誇った仁粋の時代が終わった。だが葬儀のあとも燕山君は国政に戻ろうとせず、不平をもらす官僚らに口を慎むという意味の札、慎言牌を首に掛けさせ、官帽に忠誠の文字を刻ませる。
第185話
加速する乱行
大王大妃の死後、燕山君の行動は改まるどころか、さらに無謀を極めていく。その裏にはいまや燕山君から絶対的信頼を得たイム・サホンの姿があった。すべてを手に入れながら満たされず、自分自身を持て余す燕山君に周囲もなす術がなかった。内官キム・チョソンは決死の覚悟で苦言を呈するが、燕山君は聞き入れるどころかむしろ激怒し、老いた内官に向けて矢を放つ。
第186話
燕山君の最期
幼い頃からかわいがってくれたキム・チョソンを殺してしまったことを悔やむ燕山君。だがすでに踏み外した道を戻すことはできなかった。水面下ではユ・ジャグァンや月山大君夫人の弟パク・ウォンジュンらが謀反を企んでいた。こうしてついに中宗反正が起こる。燕山君は喬桐県に送られ、寂しい最期を迎える。新たに即位したのは燕山君の腹違いの弟、晋城大君だった。