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03/15(Sat) 10:48
大王世宗〔テワンセジョン〕

BS日テレ - 韓国ドラマ「大王世宗」韓国ドラマ「大王世宗」オフィシャルサイト太宗世宗

◆当時の時代背景
世宗(セジョン)の父・太宗(テジョン)は朝鮮王朝の開祖となった李成桂(イ・ソンゲ)の五男として1367年に誕生。王になる前の名は李芳遠(イ・バンウォン)という。李芳遠は父・李成桂を助けて政敵を排除し、高麗王朝最後の王・恭譲王を追放するのに大きな役割を果たす。その後、李芳遠を含む8人の兄弟は血で血を争う凄まじい王位継承者争いを繰り広げた。激しい政治闘争の末、李芳遠が第三代王の座に就いたのは1400年。1392年の朝鮮王朝成立からわずか8年のことだった。つまり世宗が誕生した時は、まだ国としての基礎が固まっていなかった頃ということになる。高麗王朝の残党もまだ高麗の再起を窺って暗躍しており、その活動の様子は本作の序盤にも描かれている。太宗は即位後、17年10ヶ月にわたる在位期間に強いリーダーシップを発揮。王権を強固なものとし、様々な制度を導入して国の基礎を形作った。王位を世宗に譲った後も上王として影響力を持ち、世宗をバックアップした。当時、外からは対馬を本拠地とする倭寇や北方の女真族がたびたび来襲していたが、大国である隣国の明との関係は円満で、儒教政治が発展し民族文化が花開いた安定した世宗の世は、朝鮮史上最も平和で穏やかな時代だったと言われている。

◆世宗とは・・・
1397年5月6日〜1450年5月18日
李氏朝鮮の第4代国王(在位:1418年 - 1450年)
ハングル(訓民正音)の制定を行ったことで知られ、朝鮮王朝時代の歴代君主中もっとも優れた君主とされる。儒教の理想とする王道政治を展開。天体観測器、日時計、水時計なども製作させた。しかし一方で女真族への侵略戦争や強制同化策をとるなど、強硬策も行った。

◆ハングルとは・・・
韓国語を表記するための表音文字。15世紀半ばまで表記する固有の文字を持たず、万葉仮名のように漢字を借りた表記法により断片的・暗示的に示されていた。1446年、多くの民衆たちが文字を学んだり使ったりできない事実を残念に思い、世宗によって「訓民正音」(「民を訓(おし)える正しい音」の意)が公布された。音韻を分析し、文字を人工的につくりだした、世界の文字史上画期的なものである。世宗はハングルの創製を積極的に推し進めたが、その事業は保守派から猛烈な反発を受けた。当時の支配者層である両班における公的な書記手段は漢文で、ハングルは当初「諺文(オンモン)」という卑称でよばれた。ハングルが正規の書記手段として受け入れられたのは、それから数百年後の開化期になってから。民族意識の高揚とともにハングルが広く用いられるようになった。制定当時は子音字17、母音字11で合計28字であったが、現在は子音字14、母音字10の計24字である。韓国では世宗の訓民正音公布を記念し、10月9日を「ハングルの日」とし、祭日に定めている。

Noあらすじ
第1話
汝、王材を守れるか
明国使者との世子(譲寧大君)の婿入りに関する会談を目前に厳戒態勢の王宮のなかで、従事官の首つり死体が発見された。死体を検分すると毒殺と判明。身体に「汝、王材を守れるか」との文字が記されていた。知申事のファン・ヒは直ちに世子の安否を確認させる。やがて世子は無事だが忠寧大君(後の世宗)が行方不明と判明。ファン・ヒは戒厳令の発布を願い出るが、太宗は明との交渉を前には国益優先とこれを認めず、世子や王后は反発する。
第2話
建国の刀
忠寧大君は、高麗復興勢力でありながら、今はオク・ファンと名乗る商団の首長に助け出された。館に戻るように促された忠寧だが、「このことは秘密に」と言い、町へ向かう。そこで忠寧は明の使者が滞在する太平館が、王朝に不満を持つ逆賊に襲われた事件に遭遇。騒ぎに巻き込まれ牢獄に入れられてしまうのだった。一方、世子の明行きを阻止したい太宗は、事件を盾に強硬論を繰り返す使者に自らの刀を渡し、明との友好を誓う。
第3話
申聞鼓の波紋
商人たちの不遇と不満を知った忠寧大君は、申聞鼓を打ち鳴らして王へ直訴。訴えが聞き入れられたと一度は喜ぶが、その後商人たちが王を愚弄したと厳罰に処されたと知り、命令を無視して王の元へ。すると王は、「乱世の王は掟を示すもの」と、忠寧を一喝。罰として忠寧の側近が拷問にかけられ、死亡する。忠寧は現実が受け止められず苦しむ。師であるイ・スに厳しく叱責された忠寧は、墓前で自分のふがいなさを詫びるのだった。
第4話
太宗の譲位
王を批判した忠寧大君の行動を重く見た臣下たちは、忠寧の追放を上訴。これに対して太宗は世子(譲寧大君)への譲位を宣言し、忠寧の流刑を免れようとする。一方、刷巻色提調パク・ウンらは、忠寧の訴えをきっかけに、議政府高官と一部商人との癒着を確信。王后の弟、ミン兄弟の関与を疑う。建国の功労者でありながら、王から軽んじられているミン兄弟は、王の譲位を推進するため、忠寧の文字を真似た怪文書を作り、忠寧を陥れようとする。
第5話
王后の涙
怪文書事件に関して、王は世子(譲寧大君)に処分を任せた。世子は「王室を愚弄するものは死罪にするべき」と刀を抜く。忠寧大君が死を覚悟した直後、その刀は叔父ミン・ムグに向けられた。すでにイ・スによって真実は世子に伝わっていたのだ。「すべては世子のためだった」と言うミン兄弟だったが、実姉の王后の願いも空しく、流刑が決まる。護送を見送る世子にミン・ムグは「我々でなく忠寧大君を選んだことを後悔するだろう」と言い残す。
第6話
康寧浦襲撃事件
ミン・ムグ、ムジル兄弟が賜死してから数年後、忠寧大君はイ・スのもとで学問を学ぶ日々が続いていた。あるとき、都から50里ほどに位置する康寧浦の港が倭寇に襲撃される。王は、王后の弟ミン・ムヒュルが率いる精鋭部隊を投入。血気盛んな世子は、単身現場に乗り込んでいく。世子の登場に戸惑うミン・ムヒュルだが、ともに戦い倭寇を撃退する。世子は都を救ったと、民の歓迎を受けながら、意気揚々と宮殿に帰還するが…。
第7話
世子と王子の違い
戦勝に沸く都では祝い酒が振る舞われる。その様子に呆れていたユン・フェの一言が気になった忠寧大君は、康寧浦(カンニョンポ)へ。すると世子の戦績を保つために、被害を最小限に見せかけようと民の財産がすべて役人の手で盗まれていたことが判明する。苦しむ民の姿に怒りを覚えた忠寧だが、かつて部下を死なせたことが甦り、酒に逃げてしまう。イ・スに諫められ、夫人から子ができたと報告された忠寧は、世子のもとへ向かう。
第8話
チェ・ヘサン拉致事件
火薬の知識に長け、国一番の武器製造技術を持つチェ・ヘサンが大砲訓練の日に姿を消した。忠寧大君は軍事情報を欲する間者に拉致されたのではないかと探索を進言するが、世子に「証拠が必要だ」と言われてしまう。一方、チェ・ヘサンが拉致された情報を掴んだ高麗復興勢力のオク・ファンは、ヘサンを即刻見つけ出して高麗のために利用しようと考えていた。そこへ、人相書きを持った忠寧が手助けを求めてやってくる。
第9話
世子の政策
朝鮮を強国にしたい世子は、軍事力強化のために火薬武器を開発する「火筒軍」を作りたいと提案する。一方、太宗は入国管理の徹底を求めて、パク・ウンが提言する号牌(ホペ)法の施行を早急にするように命じる。議政府が無視された恰好になったハ・リュンは苛立ちを隠せず、火筒軍発足も国政参加も時期尚早と言われた世子はふてくされる。その頃忠寧大君は、持ち出し禁止本を特別に借りだし、倭国についての資料作りに没頭する。
第10話
号牌(ホペ)法施行
上王の側室との密会が王・太宗に見つかりそうになった世子だが、世子妃の機転で難を逃れた。一方、太宗は号牌(ホペ)法の施行を発令。身分によって衣服の色も区別するとしたために民から不満が上がり、ファン・ヒも悪法だと反対する。そこへ、明の勅使が突然国境を越えてきたとの連絡が入る。真意を図るために開かれた宴の場で、勅使ファン・オムは慇懃無礼な態度で倭国征伐のための軍馬を要請する。その様子に腹を立てた世子は立ち上がり…。
第11話
世子の座り込み
明の勅使ファン・オムは、軍馬1万騎と兵士10万人を用意しなければ、朝鮮は明の敵国と見なすと警告。これに反発した世子は「世子の地位を捨てる」と演説。成均館(ソンギュングァン)の儒生たちとともに太平館前で座り込みの抗議を始める。明との衝突は絶対に避けたい太宗は世子を幽閉するが、勅使は世子を人質として差し出すように要求する。この騒動を利用した高麗復興勢力らの働きもあり、座り込みは日に日に人数を増していく。
第12話
民心を捉えた太宗
太平館前の座り込みは500人を超えた。行政の麻痺も懸念される中、ファン・ヒらは必死に明の真意と対処策を探っていた。事態を重く見た王・太宗は自ら太平館へ。座り込みをしている民に「未熟な王のため世話をかける」と詫びるのだった。そんな王の姿に、頑なだった儒生らも態度を軟化させる。一方、忠寧大君は明の本音を探るべく、太平館に間者を送り込もうと計画。その頃、高麗復興勢力は各地に散っている仲間に決起を促していく。
第13話
成均館(ソンギュングァン)弾圧
世子を守るため儒学生たちが再び決起。説得に応じない儒生を弾圧したファン・ヒは、武力での制圧を繰り返す朝鮮のやり方を嘆く。孝寧大君を後押しする上王・正宗は、重臣会議の場で民を守るためには人質もやむなしと提議。一方、王后は世子を守るために明の勅使暗殺を計画する。その頃忠寧大君は、密使を捕らえるなど、影ながら問題解決の糸口を探そうと奔走していた。
第14話
暗殺阻止
女官がファン・オムの食事に毒薬を仕込んだところをユン・フェが気づいて阻止。朝鮮王室が明の勅使を殺したことを利用したかった高麗復興勢力は地団駄を踏み、武力発起を急ぐ。暗殺阻止が忠寧大君の仕業と知った王后は「権力を欲するつもりか」と怒鳴り込む。落ち込む忠寧に夫人は「信念を信じる」と励ますのだった。一方、重臣たちは世子の人質問題に紛糾。チョ・マルセンらは世子として忠寧が適任と考えるようになる。
第15話
勅使ファンの秘密
ハン・ヨンノの裏切りで、高麗復興勢力の太平館襲撃は即座に鎮圧された。ワン・アンは「イ・バンウォン(太宗)こそ逆賊の王」と言って自害する。一方、ファン・オムが漢人でないことを突き止めた忠寧大君は騒動の最中にファンを館から連れ出し、実妹と再会させる。翌日交渉再開に応じた勅使ファンは、「世子を人質には出せない」という朝鮮側の要求を了承するのだった。王は交渉成立の陰の立て役者ユン・フェを復職させる。
第16話
王材は誰か
明との交渉が無事に終わった。勅使ファンが「優秀な王子がいる」と発言。ほどなく勅使の心を動かしたのは忠寧大君だと判明し、重臣たちは後継者問題に発展するのではないかと色めき立つ。「戦う機会を奪った」と怒りをぶつける世子に対し、忠寧は「現実を見なければ、望みが幻想で終わる」と言い返す。面白くない世子は叔父ミン・ムヒュルの館で上王の愛妾と密会する。一方、王は重臣たちの不穏な動きを止めるため、ある決断をする。
第17話
先祖への謝罪
王・太宗は宗廟(チョンミョ)で祭祀をするため王族を招集。王が世子を改めるのではないかとの憶測が飛び、家臣たちは対策を練る。ところが世子が王の命に従い、掟を破り国に混乱を招いたことを正式に先祖に謝罪したため、王はイ・ジェを世子だと改めて宣言する。屈辱を味わった世子は、必ず王に勝ってみせると誓い、忠寧大君に対しても強硬的な態度をあらわにする。
第18話
上王の怒り
世子と上王の愛妾の楚宮粧が抱き合っているところを上王が目撃した。「人の道に外れる世子は王にできない」と憤る上王は王に報告しようとするが、忠寧大君が今回だけは見逃してほしいと頼み込む。上王は必死で兄(世子)を庇う忠寧に「お前が全ての罪をかぶるなら不問にする」と言い、忠寧はその提案を受け入れる。一方の孝寧大君は、怒りを鎮めるためにも王に真実を告げるべきだと進言する。翌日、上王は王のもとを訪れ…。
第19話
世子醜聞の波紋
上王は楚宮粧の殺害を、オク・ファンの商団に命じた。ところが、寸前のところで忠寧大君が楚宮粧を保護。忠寧は暗殺まで請け負う商団に不信を抱く。オク・ファンは配下の内官チョン・イルチを使って、吏曹判書(内務長官)パク・ウンに世子の醜聞を密告。領議政(宰相)ハ・リュンら世子派を一掃できると考えたパク・ウンは忠寧に楚宮粧を引き渡すように言う。一方、北伐志向の世子の策によって、民が苦しむ現実を見た儒生らは、国の体質に絶望し…。
第20話
真の大儀とは
何者かに拉致されたファン・ヒは、「汝、王材を守れるか」の怪文書など一連の騒動がすべて高麗復興勢力の仕業と知り愕然とする。オク・ファンは、「我らは常にお前のことをみている」と文を残してファン・ヒを解放。ファン・ヒは間者の目を気にしながら王と国を守る策を考える。一方、楚宮粧を引き渡すように忠寧大君を説得に行った元敬王后は、忠寧が王材へと成長していることに不安を募らせ、王に遠地へ送るように願い出る…。
第21話
世子に生まれた自覚
世子は儒生や役人さらに弟たちが皆、忠寧大君とともに奴婢の身分回復事業にいそしむ姿を見て敗北感を感じるようになる。王からも世子の地位が安泰でないと知らされた世子は、自分を一喝したファン・ヒの前でひざまずき教えを請う。ファン・ヒは、政策を論じる前に現実を見るべきだと、世子が力を注ぐ講武(公開軍事訓練)の準備で苦しむ民の姿を視察させる。一方、王は権力を強めるハ・リュンを警戒。密かにハ・リュンの調査を命じる。
第22話
高麗復興勢力の罠
高麗復興勢力が、世子の醜聞を描いた風刺絵を街中にばらまいた。醜聞を認めれば世子の廃位は免れず、王家の威信も崩壊するため、王は解決策に悩むように。一方、朝廷は民を鎮めるためにも審問しかあり得ないという風潮になっていく。すべてを諦め、せめて真実を語ることが男らしさだと言う世子に、師ファン・ヒは「耐えて戦うものこそ真の男だ」と諭す。世子も楚宮粧の命も守りたい忠寧大君は、敢えて審問を開くべきだと王に進言する。
第23話
老臣ハ・リュンの覚悟
忠寧大君は楚宮粧に偽証を求めることで、世子と楚宮粧の命を守ろうとする。鞠庁(クッチョン)(罪人を取り調べる臨時の官庁)に現れた楚宮粧は、上王の愛妾であることを隠して世子に近づいたと証言。王は世子に謹慎を命じ、事件を終わらせる。この茶番劇に憤る下級役人も多いなか、忠寧は沈黙を守り抜く。一方、ハ・リュンの不正を掴んだ王は、これまでの功績を考えて勇退を勧告。ところがハ・リュンは、王を育てた師匠として、最後の進言をする。
第24話
忠寧大君暗殺計画
帰宅途中の忠寧大君の前に「自分を買ってほしい」と立ちはだかる少女イソンが現れた。興味を持った忠寧は、女官を育てるセギ婆のもとにその少女を連れていき、仕事を与える。一方、王は議政府を有名無実化して王権を強化。ユン・フェは「世子には王の器がない、自分は忠寧とともに朝鮮をよりよい国にしたい」と訴え、忠寧を困らせる。その頃、高麗復興勢力は忠寧の暗殺を計画。ミン家に疑惑の目を向けるように細工し、時を狙う。
第25話
「賊」という刻印
夫人の出産に立ち会うために帰路を急ぐ忠寧大君が撃たれた。銃筒で放たれた矢尻が胸に刺さったまま運ばれてきた夫を見た夫人は、すぐさま矢を抜く。なんと夫人が作った防具が命を救っていたのだ。事を荒立てたくない忠寧だったが、義父シム・オンが王に報告。忠寧には大がかりな警護がつくようになる。忠寧を襲った武器と同じものが自宅にあったことからミン兄弟が捕縛され、世子の関与が疑われる。忠寧は必死に真犯人を捜すが…。
第26話
ワン氏迫害
忠寧大君は武器を作ったチャン・ヨンシルを見つけ出す。怒りを募らせた忠寧は腕を切り落とそうとするが、軍部のチェ・ヘサンは朝鮮の未来のためにもヨンシルの技術力が必要だと訴える。ほどなく首謀者がオク・ファンということが明らかに。ファン・ヒが捕縛に向かうが、取り逃がす。世子は、ワン氏である高麗王家が、名前を変えて潜んでいたことに気づき、すべてのオク氏とチョン氏を捕縛するように命じる。
第27話
革命軍との交渉
都は高麗復興勢力の一掃作戦に荒れ始める。忠寧大君は、密かに捕らえていたチョン・イルチを使ってオク・ファンと接触するが、逆に捕らわれてしまう。忠寧の行方を追っていた世子に発見されて忠寧は助かるが、オクらを取り逃がす。王は忠寧に逆徒の処刑を命じる。背けば忠寧の命も危ないため、ユン・フェは処刑すべきと言うが、イ・スは反対する。ファン・ヒは手柄を挙げて喜んでいる世子に、「王の信頼を得ているつもりか」とたしなめる。
第28話
王子を辞める
忠寧大君は処刑を拒否。その様子を見ていた高麗勢力のムビが攻撃を開始し、チョン行首の救出を図るが、チョンは自ら命を絶つ。王に「なぜ逆徒を斬らないか」と聞かれた忠寧は、「武力で民を制圧するしかない国なら、王子の座を降りる」と発言。王の怒りを買い、北三道行きを命じられる。オク・ファンは革命軍を解散させようとするが、同志たちの志に打たれ、最期の決戦を決断する。チョン・イルチは秘密裏にジャチを訪ね、忠寧宛ての文を渡す。
第29話
高麗王室の遺言
高麗革命軍は王宮に作られていた秘密の通路を使って侵入し、官軍と激しい戦闘を繰り広げる。チョン・イルチらが王の執務室を目前にしたとき、忠寧大君がその前に立ちはだかった。「この国の罪を謝罪する」という忠寧に手が出せないイルチ。そこへムビが現れ、忠寧を斬ろうとした瞬間、イルチが忠寧を庇い絶命する。敗北を確信したオク・ファンは単身王宮に出向き、王と対峙。「自分がお前の最期の敵となることを祈る」と言い、自害する。
第30話
北三道の現状
忠寧大君が北三道の鏡城に送られてから2年。反乱軍鎮圧後、王は軍務と外交を除く政務を世子に代行させていた。北伐を望む世子は、軍資金確保のために土地制度の改正を提案。一方で鏡城を前線基地にするべく、軍部のイ・チョンを送って様子を探らせる。この地を守るチェ・ユンドク将軍は女真族と密貿易などをしているが、民の信頼も厚い男だった。が、イ・チョンはチェ将軍の行動が理解できず、無能な男だと都に報告する。
第31話
世子の正統性
王の側室、孝嬪がかつて息子の敬寧君を暗殺しようとしたのが元敬王后だったという事実を突き止めた。さらに世子が逮捕されていた王后の弟、ミン兄弟を独断で釈放したことも問題となり、重臣たちは重罪だと色めき立つ。王后は廃位を覚悟するが、王から世子の正統性を守るためにも国母の責任を果たせと止められる。一方、鏡城では、着々と前線基地化を進めるイ・チョンが都から大砲を運び入れたことから、逆に女真族との間に緊張が走る。
第32話
外戚ミン家の終焉
ミン兄弟は、暗殺疑惑に加えて下三道の私有地が明るみとなり謀反を問われる。潔白を証明するために自害せよとの世子の命を拒否したミン兄弟は賜死と決まる。元敬王后は流刑される弟に「姉を許すな」と詫びるのだった。人が信じられなくなった世子は、臣下は服従か背くかしかないと言い放ち、ファン・ヒを困らせる。一方、軍器製作のために鏡城(キョンソン)にやってきたチェ・ヘサンやチャン・ヨンシルらは、無関心に生きる忠寧大君を心配するが…。
第33話
女真族の攻撃
チェ将軍を罷免して実権を握ったイ・チョンが女真族を挑発。怒った女真族に村が襲われ民が殺された。惨劇を見た忠寧大君は、無関心を装っていた2年間を激しく後悔する。イ・チョンは大義名分ができたと世子に報告。重臣らは急変した北方情勢をいぶかるが、世子派は北伐を主張する。王は、真相究明のために調査官を派遣することを決め、領議政(宰相)ユ・ジョンヒョンが任務につく。慌てた世子は、騒ぎを起こして既成事実を作ろうとする。
第34話
国母の重圧
世子の密命を受けた兵士をユン・フェらが捕らえた。ユ・ジョンヒョンらは世子に罪を問うべきだと言うが、忠寧大君は過ちを認める機会を与えてほしいと頼む。部下からののろしが上がらずに軍を派遣できない世子は焦りを募らせ、なんとか中央軍を派遣する方法を見つけ出そうとする。一方、世子妃が夫の不倫を知り、自殺を図ろうとした。元敬王后に諫められた世子は、妾のオリを王宮に入れると言って出て行く。直後、王后が危篤となり…。
第35話
忠臣たちの決断
世子は、王が王后と湯治に出た隙に中央軍を従えて鏡城に向かう。世子に忠誠を誓いながらも、王を欺く行為に恐れをなした兵判(国防長官)イ・スクボンはファン・ヒに真実を告白。ファン・ヒは急いで世子の元へ向かい非難するが、同時に「それでも世子を諦めきれない」と、同行する道を選ぶ。一方、世子の妾オリから北伐作戦を聞かされたシム・オンは、悩んだ末に世子の北伐を王に報告。怒った王は王宮に戻り、イ・スクボンら加担者を捕縛する。
第36話
逆徒か賢者か
鏡城に現れた世子を出迎えた忠寧大君は、軍の撤収を要求。さもなくば世子の地位を奪うと言われた世子は、部下に「逆徒を斬れ」と命じるが、忠寧は「世子こそが朝鮮の逆徒」だと応酬する。兵士が武器を放棄したため、世子は敗北を認めて都へ戻る。一連の世子の行動に、役人たちが一斉に反発。世子の罪を問う上訴が届くが、世子を守りたい王は無視。ついに閣議で領議政(宰相)ユ・ジョンヒョンが「長子ではなく賢者を選ぶべきだ」と発言し…。
第37話
父王の願い
王から、世子になる覚悟を問われた忠寧大君は、「努力します」と発言。重臣たちは世子交代かと色めき立つ。ところが、王はなかなか決定を下さない。一方、世子を守ろうとするファン・ヒは、王の怒りを買って罷免され、上王・定宗は孝寧大君を世子に推そうとする。自暴自棄になり、愚行を続ける世子に不満が続出。それでも王は「お前が賢者になってほしい。お前を諦めきれない」と告げる。そんなとき、誠寧大君が病に倒れ…。
第38話
世子の本音
世子がオリを宮廷へ連れてきた。諫める王に対し、自分の行動は王と変わらないと一歩も引かない世子。ついに王は、世子を世継ぎとすることを諦める。上王・定宗は、かつて王家の正統性を否定した忠寧大君を問題視し、聴聞会を開くことを提案。信念を曲げない忠寧は、世子の資格を問われる。いつの間にか、世子の地位が孝寧大君に移ろうとしていた時、世子は孝寧と会い、「お前に譲るために、父上を苦しめたわけではない」と告げる。
第39話
新世子の試練
忠寧大君は世子となった。ところが、日照り続きの都では「第三王子が世子になったから、天が怒った」と囁かれるようになる。パク・ウンは民を鎮めるための祈雨祭を提案。失敗が許されない新世子は、雨を降らせる方法を見つけようと、不眠不休で書物をあさり倒れてしまう。「天からも民からも逃げる自分に資格などない」と、ようやく地位の重みを悟り、涙を流す世子。王は、資格がなければ今から身に付ければいいのだと諭す。
第40話
新王誕生
王・太宗が譲位を宣言した。臣下たちは一斉に譲位の撤回を求めるが、太宗は譲らない。新王・世宗が30歳になるまで、軍事権は自分が持つとして譲位を認めさせる。さらに太宗は、チョ・マルセンを世宗の知申事(秘書室長)に指名。ユン・フェらは世宗を操り人形にするつもりかと憤るが、すべては太宗の思い通りに進んでいく。太宗は世宗の即位式が終わるやいなや、対馬に対する大規模討伐を計画。世宗に特別税対策を指示する。
第41話
集賢殿の役割
世宗は、自らが試験を行って集めた精鋭たち集賢殿(チピョンジョン)(王立アカデミー)の役人たちに、対馬の情報収拾を指令する。集賢殿の長パク・ウンは、軍務は上王・太宗の業務だと反対するが、世宗は外交政策のためだと言い、情報部員の養成も開始する。一方、太宗は対馬から使者を呼び出し、宣戦布告。世宗には明の冊封に専念せよと言うのだった。折しも現れた明の使者は、急な譲位に激怒、明との関係が微妙になる。
第42話
カン・サンインの忠義
上王・太宗の宣戦布告を知った世宗は、ユン・フェを対馬に潜入させようとする。その頃、東莱(トンネ)では倭館にいた間者から対馬側に軍事機密が漏れていることが発覚。カン・サンインは太宗に報告しようとするが、ユン・フェに倭人が皆殺しにされると忠告され、軍務にもかかわらず世宗に報告。逆徒として捕らわれる。太宗になぜ裏切ったのかと問われたカン・サンインは「上王の家臣ではなく朝鮮の忠臣になりたい」と答え…。
第43話
王の敵を一掃せよ
上王・太宗は、王・世宗の敵となりえる人物の一掃を開始。明に特使として向かわせたシム・オンを逆徒の黒幕に仕立てた太宗は、シム・オンの捕縛許可を世宗に迫る。「断れば、逆徒にされる数が増えるだけ」という臣下の言葉に、世宗は苦渋の決断を下す。昭憲(ソホン)王后が密かに派遣した女官のイソンがシム・オンの元へ。事態を知ったチェ・マルリらは明へ亡命すべきだと主張するが、シム・オンは太宗の粛清は自分で終わらせると、帰国を決意する。
第44話
上王との取引
シム・オンの娘、昭憲(ソホン)王后の廃位を求める臣下の声は日増しに大きくなる。苦悩の日々が続く世宗に対し、中軍の長チェ・ユンドクらは、世宗のためなら自分の配下を動かすと申し出る。世宗は、「祖父を倒した父が今は理解できる。自分はどこに刀を向けるべきか」と直接上王・太宗に問いかける。そして、粛清はシム・オンで終わりにする約束を取り付けるのだった。一方、昭憲王后は父を守るために自ら廃位を決意するが、世宗は国母であることを望み…。
第45話
対馬討伐の宣言
太宗は、軍部へ倭館の焼き討ちを命じた。ところがチェ・ユンドクら幹部は罪なき民は討てないと拒否する。太宗は、腹心のチョ・マルセンを兵判(ピョンパン)(国防長官)に任命し、軍部の動きを把握しようとする。一方、王命で対馬に潜入したユン・フェは、対馬が九州と手を結ぼうとしていることを察知。外交で解決しようと使者に会うが、交渉はあえなく決裂。もはや戦しか道がなくなる。覚悟を決めた世宗は、太宗に「勝ちたい」と言い、対馬討伐を宣言する。
第46話
故郷のために
1419年6月。朝鮮の対馬討伐が始まろうとしていた。対馬側は、戦勝祈願祭を利用して、世宗の暗殺を計画。ところが、朝鮮に帰化したピョン・ドジョンの子マンゴが、事前にこの計画を朝鮮側に流したため、朝鮮軍が待ち伏せ、計画は失敗する。一方、九州は対馬と朝鮮を天秤にかけようとしていた。明の使臣ファン・オムは対馬に拉致されている自国の学者ヨ・ジン救出のためにも朝鮮を支援しようとするが、ヘ・スに反対され…。
第47話
捕虜救出作戦
朝鮮軍は尾崎浦(豆知浦)を占拠。対馬側は巌原に退却し、九州の援軍を求めることにする。にらみ合いが続くなか、イ・チョン率いる精鋭部隊は、対馬島主の城に忍び込み、捕虜の救出作戦を開始する。ところが肝心の明の学者ヨ・ジンの姿が見えない。すると、チャン・ヨンシルが別の牢を発見。扉を爆破しヨ・ジンを無事救出する。一方都では、世宗が九州の使者を呼び出して朝鮮の覚悟を伝え、さらに明の使臣とも、ひと勝負挑むことに…。
第48話
政敵を圧迫する術
九州の援助が得られなくなった対馬は劣勢となり、次々と側近が捕虜となる。太宗や一部の重臣は征服を求めるが、世宗と集賢殿(チピョンジョン)の役人たちは、これに反対。軍を対馬に駐屯させた場合の損害を徹底的に割り出し、財源確保のためにも、撤収すべきだと周囲を納得させる。世宗が支配ではなく和睦を望んでいると知った宗貞盛は降伏を選択する。武力ではなく政治力で政敵を圧迫した世宗に対し、臣下の一部は怖れを抱くようになる。
第49話
天の怒り
世宗2年。集中豪雨で各地に水害が発生した。チョ・マルセンら重臣は、天災は天の怒り、国王に徳があれば天は民を苦しめないと世宗を責める。そんなとき、孝寧(ヒョリョン)大君が禁止されている仏教を布教していることが問題となる。集賢殿(チピョンジョン)を寵愛する王に不満を持つ重臣たちは、王への対抗策として孝寧を利用しようとする。世宗が日食の日に儀式を開くことが告知された。ところが、予測された時間に日食が始まらず…。
第50話
孝寧大君は敵か
日食の予測が外れ、世宗はますます追いつめられた。ユ・ジョンヒョンらは集賢殿を重用した密室政治の責任を取るべきと、集賢殿の閉鎖を求める。一方、チョ・マルセンは民の救済を続ける孝寧(ヒョリョン)大君に民心が動いていると太宗に報告。太宗が世宗に孝寧を斬り捨てるように命じたため、元敬(ウォンギョン)王后は孝寧を守ろうと、ある行動にでる。世宗と集賢殿を守りたいパク・ウンは、チョ・マルセンの不正の有無を徹底的に調べるように部下に命じる。
第51話
パク・ウンの罷免
領議政(ヨンイジョン)(宰相)ユ・ジョンヒョンは、重臣らの総意として寺の閉鎖と孝寧大君の幽閉、パク・ウンの罷免を求めるようになる。一方、なぜ日食の予測が外れたのかを調べていたチャン・ヨンシルは、明と朝鮮では天文図が違うことに気づく。集賢殿を守るために、パク・ウンの罷免を受け入れる世宗。パク・ウンは太宗の刀ではなく、世宗の臣下として辞めることができることを感謝し、朝廷を去る。そんなとき、元敬(ウォンギョン)王后が疫病で倒れてしまい…。
第52話
元敬王后死す
母である元敬(ウォンギョン)王后の命を救いたい世宗は、自ら仁王寺(インワンサ)に連れていってしまう。国法である崇儒抑仏(スンユオクプル)(儒教を尊び、仏教を抑える)に背く世宗の行為に重臣らは再び激怒する。世宗は、元敬の回復を祈祷したいという民と接し、仏教を排除する姿勢そのものを疑うようになる。一方、世宗の王としての資質を疑うチョ・マルセンは太宗に国王への復帰を諫言。太宗は寺で静養中の元敬のもとを訪れ、「今こそ共に政治を行おう」と言うが…。
第53話
朝鮮の空は民のもの
明と朝鮮では天文図が違うという報告を受けた世宗は、朝鮮独自の暦法作りを秘密裏に開始する。これを知ったチョ・マルセンは、明を敵にする気かと世宗側をけん制する。そこで世宗は、チャン・ヨンシルらを火薬製造技術を学ぶための明への特使に任命して事なきを得る。太宗は、力を持ちすぎたマルセンを警戒。敬寧(キョンニョン)君にマルセンを討つ大義名分を探すように命じる。一方ユン・フェもマルセンに対抗できる人材を登用すべきだと世宗に進言し…。
第54話
太宗の敗北
チョ・マルセンはファン・ヒを訪ね、一緒に譲寧大君を王にしようと持ちかける。マルセンの動きを知った上王・太宗は激怒し、マルセンを謀反人として捕らえるように命じる。ところが軍部がこれを拒否。太宗は軍権をマルセンに奪われてしまう。この事件をきっかけに、重臣らが「上王を使って刀を振り回す王(世宗)に忠誠は誓えない」と登庁を拒否。朝廷の機能が麻痺する。太宗はファン・ヒに、世宗にも機会を与えてほしいと復職を頼むが…。
第55話
刀ではない力
議政府(ウィジョンブ)(最高行政機関)の役人として戻ってきたファン・ヒは、登庁を拒否する役人を次々と職場に復帰させていく。譲寧大君はチョ・マルセンが自分を担ぎ出そうとしていることを逆に利用してマルセンをけん制。マルセンは世宗に重臣らの復帰と引き替えに、ある条件を出す。譲寧は太宗のもとを訪れ、償うためにもそばにいたいと涙する。太宗は世宗を呼び、天文台を作る場所を示唆。「父としてお前を誇りに思う」と告げ、この世を去るのだった。
第56話
ファン・ヒの不祥事
明へ派遣されたチャン・ヨンシルとチェ・ヘサンは、ヘ・スの監視をかいくぐり明の暦や天体儀について研究する。太宗の国葬が終わった朝鮮では、ファン・ヒの審問会の準備が進んでいた。資料を集めていたチョン・インジは、チョ・マルセンが密かに紛れ込ませていたファン・ヒの不祥事が書かれた文書を発見する。ファン・ヒの必要性を重視するチェ・マルリは、文書を黙認しようと提案。インジは黙認か審問かで悩むが…。
第57話
真の役人
ファン・ヒが人妻を拉致して陵辱したという上疏文が公開された。当人が一切弁明をしないため、重臣たちは声を荒げて非難する。ところがチェ・マルリが事件の当事者パク・ホの妻を登場させ、事件の真相が明らかとなる。ファン・ヒの登用に反対のチョ・マルセンは、あくまで拒否権の発動を主張するが、ホ・ジョらがそれに反対。ファン・ヒは無事に復職を果たす。一方、明ではチャン・ヨンシルが天体観測器のある欽天監に侵入しようとしていた。
第58話
ヨンシルの帰国
チャン・ヨンシルが朝鮮に戻ってきた。世宗は朝鮮独自の暦を作るべく、天文都監などの担当部署を設置。ヨンシルを天体観測器製作の実質的な責任者として任命しようとするが、技術者も官吏も奴婢の言うことは聞けぬと、作業がなかなか進まない。怒った世宗は、ヨンシルに官位を与えると宣言。重臣たちは身分制度を壊す行為は、国の根幹を揺るがす問題だと猛反発する。世宗は自ら官服をヨンシルに届け、「決して負けるな」と伝える。
第59話
身分制度の崩壊
重臣らは、チャン・ヨンシルに官位を与えた王命の撤回を求めて一斉に連座(座り込み)を始めた。これに世宗は断食で対抗する。世子や子供たちは奴婢のヨンシルの登用には熱心な世宗が、祖母の復権には頑ななことに憤りを感じる。チョ・マルセンは廃位をほのめかすようになり、ヨンシルは世宗のためにも官服の返上を決意する。ところが世宗は雨の中、座り続けるヨンシルの前に立ち、自ら傘を持ってヨンシルの身体を守ろうとする。
第60話
500年後への能力
500年後の朝鮮のためにも必要な人材だと、必死でヨンシルを守る世宗を見た側近らは、態度を入れ替えていく。世宗に感銘したキム・ムンは、チョ・マルセンの不正をファン・ヒに密告し、事態の打開を図る。一方、世宗と出かける約束をしていたジョンソ王女は、外でひと晩中待ち続けた結果、病に倒れてしまう。マルセンの収賄を知った世宗は不問にするが、ファン・ヒはマルセンに「明に国家機密を漏らせば逆徒として捕らえる」と警告する。
第61話
娘の願い
チャン・ヨンシルは、簡儀台の造成に力を注ぐ。ヨンシルの登用を受け入れたチョ・マルセンを、チェ・マルリは支持するようになるが、マルセンの本意を知っているキム・ムンはマルセンを警戒、ついにマルセンの本意をマルリたちに告白する。世宗の娘ジョンソの病状が悪化(病名は、再生不良性貧血)、病床で祖母(シム・オンの妻)の身分を回復してほしいと頼むジョンソだが、世宗は王として、娘の願いを聞き入れることができなかった。ジョンソは死亡する。一方、北京では明では、皇帝が死亡する(1424年)。
第62話
報復か正義か
ジョンソの葬儀が悲しみのなか葬儀が行われる。チョ・マルセンの陰での動きを知った集賢殿の研究者たちは、故シム・オンの名誉回復を求めて上訴文を出す。領議政、ファン・ヒは訴えを拒絶するよう進言するが、世宗は上訴を受け入れようと決心する。しかし、同時に、シム・オンを反逆者にした者たちを罰しなければならなくなる現実に苦悩する。その苦悩を知った昭憲王后は、「父の復権は望まない」との文書を出す。それでも上訴を続けようとするチェ・マルリたちを、領議政が自らの辞職と連座制によって身分を剥奪されたシム・オンの妻の復権を約束して説得する。
第63話
悲しき再会
国境を超え朝鮮にやってくる女真族たちが増え始め、世宗は彼らを朝鮮の民として受け入れることを表明する。だが他族の血を入れたくないチョ・マルセンたちは不満を募らせる。明では皇帝が崩御し、ダヨンは殉死を命じられる。使者として明に入ったヨンシルは何とか彼女を助け出そうとするが、その願いは叶わなかった。一方、女真族の受け入れに不満が高まる都では、放火による火災が次々に発生する。
第64話
放火事件発生
世宗が公務のため地方に行っている間に、都では放火と思われる同時多発火災が発生。王妃沈氏を中心に重臣たちは人命救済を最優先に対処したが、都に住む民の間には「北方民」の仕業との声が上がり、彼らは直接北方民に復讐する。チョ・マルセンは民心を落ち着かせるためには北方民たちを即刻逮捕し、処刑するよう主張し、女真族の帰化策を推進してきた世宗を責める。
第65話
泣き虫タミ
真夜中、王宮に侵入したのは、王子時代の世宗が共に過ごした少女ダミだった。両親を女真族に殺された彼女は、包容政策を進める世宗に、特別な陳情書を渡す。放火犯の濡れ衣を着せられ命の危機に立たされた北三道の民は、世宗に直訴するため王宮へ押しかける。殺気立つ彼らに世宗はひざまずき、苦しい暮らしに気づけなかったことを詫びる。世宗の誠意は彼らの心を動かし、一触即発の危機は回避された。
第66話
マルセンの反乱
タミの仲間オ・マクチが手渡した放火犯の似顔絵によって、奴隷売買をする商団の男たちが捕まった。チョ・マルセンに多額の賄賂が渡っている証拠を掴んだ義禁府(特別裁判所)は、ついにマルセンの捕縛命令を発動する。世宗は、マルセンを秘密裏に捕らえ、挙兵命令の中止を求める。集賢殿の役人はもちろんマルセン自身も処刑を求めたが、世宗は財産を没収したうえで、流刑処分にする。 処分に納得がいかないチェ・マルリは辞表を提出し・・・。
第67話
揺れる国境問題
1429年(世宗11年)。世子の2度目の婚姻の儀が行われた。世宗は女真族のイ・マンジュ、トン・メンガらと会談し「国境を騒がすな」と釘を刺す。重臣たちは、明を刺激する北方政策には懐疑的で、予算削減のためにも国境を南下させるべきだと考える。イ・スは自分の後任として王の側近となったキム・ジョンソに「王の政策を疑う前に前向きにとらえてほしい」と頼む。そんなとき、タミらが住む慶源(キョンウォン)を女真族が襲撃。世宗は強硬姿勢を強めていく。
第68話
高麗時代の国境
1430年(世宗12年)。明のワン・ジンは、皇帝の謁見を断られた世子に、国境の南下を求める。世子は北三道(プクサムド)に行き、兵を引き上げるように命じてしまう。明を説得するためにも、世宗の領土拡大路線の正当性を探すチョン・インジは、 高麗時代に建てられた北方9城の文献を発見する。古地図にある石碑が実際にあれば、朝鮮の領土と認めるとした皇帝の返書を受け取っていると知った世宗は、イ・スに石碑の発見を命じる。
第69話
朝鮮の夢
イ・スは苦労の末に石碑を発見。カン・フィらに女真族から石碑を守るように告げると、単身都を目指す。一方、都ではユン・フェすら、世宗の強硬路線に反対姿勢を強めていく。それでも世宗は、明から身を守る軍事力と領土がほしいと言い続けるのだった。石碑の在処を追求する東廠に毒を盛られたイ・スは瀕死の状態で都に戻り、「広照寺(クァンジョサ)に朝鮮の夢を埋めてきた」と言うと息を引き取った。世宗は広照寺でイ・スが埋めた石碑の写しを見つけ・・・。
第70話
女真族の奇襲
1432年(世宗14年)。世宗は秘密裏に新しい武器の開発を進めていたが、火薬など原材料の不足が深刻化していた。一方、明から火薬と技術者を確保した女真族は、ついに大砲の製造に成功。偵察隊の知らせを聞いた世宗は警戒感を強めていく。そんなときタミらが開拓を進める閭延(ヨヨン)の官庁が女真族の奇襲に遭い、応戦していたタミが命を落としてしまう。悲しみを抱き都に戻ったキム・ジョンソはタミが初めて書いた手紙を世宗に渡す。
第71話
北方征伐の前夜
世宗15年。世宗は北方征伐の準備を進めていく。職務に復帰したチョ・マルセンは女真族の有力者トン・メンガをけん制し、女真族の同盟に揺さぶりをかける。一方、世子は父王・世宗の政策が理解できず、北方征伐に反対を唱えるようになる。そんなとき、世宗の体調が悪化。温泉治療に出かけるため、政務はすべて世子が担当することになる。知らせを聞いた女真族は、今こそ攻め込む機会と考える。ところが、これは世宗側の作戦で・・・。
第72話
漢陽の緯度
王命を受けたチェ・マルリは明に赴き、防御のための北方征伐として、皇帝の了解を求める。東廠の長ワン・ジンは、北伐に反対していたマルリが国策に従って熱弁をふるう姿に関心を抱く。世宗から直接激励された1万5千の兵士たちは7部隊に分かれて女真族を攻撃。見事な作戦勝ちを収め、以後、領土を北へと拡大していく。翌世宗16年、ついに簡儀台(天文儀器)が完成。臣下たちは明との関係を案じるようになる。
第73話
国家機密を守れ
健康状態が悪化した明の皇帝は、皇太子の後見に翰林学士ファン・チャンを指名した。東廠の長ワン・ジンによる暗殺計画を事前に知った世宗は、来朝したファン学士を保護する。親明派の学士チョン・チャンソンらは新武器の情報を明に渡そうとチェ・マルリを引きこもうとする。一方、世宗は国家機密を守るため、晋陽、安平両大君に新武器に関する情報を暗記させたのちに書物を破棄。ところがマルリが密かに書物を入手して・・・。
第74話
志を立てた場所
軍事機密の流出は、チェ・マルリの国に対する忠心により免れた。が、マルリは世子の師匠の座を降ろされる。世子は、申聞鼓を鳴らして父王・世宗に直訴。大国との友好を築き、徳のある国を立てることこそ朝鮮が選ぶ道なのだと訴える。世子から昔のように民の現状を見るべきだと言われた世宗は、政治を志した町に再び立つことを決意する。一方、昭憲王后から世子妃に心を開くべきだと諭された世子だが、妃が女官と戯れている現場に遭遇し・・・。
第75話
新たなる決意
お忍びで町に出た世宗は、血だらけの服を着た下男と出会った。男は家の若旦那がその父親を殺すところを見たというのだが、証拠も証人も揃っているからと、殺人犯として捕まる。世宗は、儒学生を装って役所に再捜査を訴えるが聞き入れられない。そこで晋陽大君は、「死者に語らせよう」と検死を提案。毒殺の痕跡が発見され、男の無実が証明された。世宗は男が文字を読めずに騙されたことを知り、文字の必要性を考えるようになる。
第76話
政治とは
世宗17年。キム・ジョンソは六鎮の設置に成功。その最中、蒙古から密使がやってくる。一方、世宗が独自の文字作りを開始しようとしていることに気づいたファン・ヒは臣下の反発を憂慮し、世宗と対面。世宗の決意を知ったファン・ヒは「政治とは弱者を保護するためのもの。王と同じ夢に挑戦したい」と、文字作りの協力を申し出る。さっそくファン・ヒは、世宗が文字作りに集中できるよう、世子の代理聴政を提案する。
第77話
世子の四輔星
世子の代理聴政人事が進められるなか、世子妃が世宗に自らの不貞を告白。廃妃を求める。世宗は、王室を守るためには自分を廃位すべきだと言い出す世子に、「ひとりで苦しませてすまなかった。ふがいない父だ」と詫びる。一方、チェ・マルリのもとに、世子妃と戯れた女官が保護を求めてやってくる。世宗が文字を作ろうとしていることに気づいたマルリは、世子と対面。醜聞を葬り去ることと引き替えに、代理聴政の辞退を求めるが・・・。
第78話
最初の試練
世子から代理聴政を辞退する意志がないことを告げられたチェ・マルリは、ホ・ジョに世子妃の醜聞と、世宗の文字作り疑惑を告発する。朝廷は紛糾し、マルリに先導された儒生たちが代理聴政撤回を求める連座を開始する。世子はチョ・マルセンを呼び、チェ・マルリを抑える手だてを請う。世子妃が廃妃を求め、チョ・マルセンが王の病を明かしたため、重臣らは代理聴政を認める。そんななか、世子は自ら儒生と対面し、ある勝負に挑む。
第79話
王の涙を測る器
世宗23年。朝鮮が独自の暦を作っているという情報が、ワン・ジンによって明の皇帝に知らされる。怒った英宗は、技術を盗んだチャン・ヨンシルの捕縛を命じる。一方、世子は水害から民を救うための測雨器を発明する。ちょうど世子の側室クォン氏が男の子を出産。2つの慶事に喜ぶ王室だったが、クォン氏が急死してしまう。雨の降りしきるなか、独り涙に暮れる息子を見ながら、世宗は「測雨器は王の涙を測る器かもしれない」と胸を痛める。
第80話
平和か破壊か
査察のための明の勅使が都に迫っていると知った世宗は、簡儀台の解体と新武器を開発する部署の閉鎖を命じる。イ・スンジら若い学士は「査察を拒否して自尊感を守る道を探すべきだ」と激しく抵抗する。チェ・マルリはこの事態を利用して、文字創製の証拠を見つけようと躍起になる。世宗は作りかけの天文台を見せて暦は諦めると言うが、勅使ワン・ジンはチャン・ヨンシルを明に引き渡す以外に、両国に平和はないと脅す。
第81話
王の盾
世宗は文字創製の研究所を密かに津寛寺(チングァンサ)に移すが、シン・スクチュらは、チャン・ヨンシルを守れないのなら研究は続けられないと反発する。一方、チョン・インジは宮廷内で文字創製の証拠を発見。チェ・マルリは切り札を得たと喜ぶ。世宗は密かにヨンシルを国外へ脱出させようとするが、チョ・マルセンが阻止。旧友を守りたいと言う世宗にヨンシルは「国の重荷になりたくない」と訴える。世宗はヨンシルの引き渡しを決意し・・・。
第82話
ヨンシルの心
チャン・ヨンシルが明に引き渡される日、世宗の輿が壊れるという事件が起こる。王への腹いせで輿を壊したと発言したヨンシルは、不敬の罪に問われ百叩きの刑が執行される。知らせを聞いたチェ・ヘサンは刑場に乗り込み「自分を殺せ」と絶叫する。一方、天文観測機の隠し場所に学士イ・スンジを呼び出したチョン・インジは、自分が開発した技術、それを必要とする民を守ろうとしたヨンシルの心を忘れるなと、スンジに研究の続行を勧める。
第83話
思いがけない再会
世宗24年。チェ・ヘサンは、チャン・ヨンシルを捨てた世宗を恨み、津寛寺(チングァンサ)に来ては悪態をつく日々が続いていた。チェ・マルリは、文字創製の証拠を掴もうと世宗を監視、また反対派を集めて勢力基盤を作っていく。新武器の技術を欲する明がヘサンを狙っていると知った世宗はヘサンを拉致。隠れ家に潜むヨンシルと再会させる。時を同じくして世宗の視力が急速に悪化。失明の危機にあると知った世宗は焦りを募らせるようになる。
第84話
儒教国のタブー
失明の恐怖を感じながら、研究が進まないことを焦る世宗は、人体の構造を理解したいと解剖を願うようになる。これを聞いた晋陽大君は、儒教の国がすることではないと猛反対。一切の協力を拒否する。世宗の動きを知ったチェ・マルリは、人体解剖する現場を押さえて、世宗を玉座から降ろそうと考える。一方、チェ・ヘサンは瀕死の状態のプンゲから、チャン・ヨンシルがヘ・スに殺されると聞き、急いでヨンシルのもとへ向かう。
第85話
訓民正音の誕生
チェ・ヘサンの遺言により、世宗は人体解剖を決意。知らせを聞いたチェ・マルリは学士とともに津寛寺(チングァンサ)に向かう。警護兵とのにらみ合いが続く中、世子が現れマルリの出入りを認める。ところがマルリは証拠を見つけることができず、その場を後にする。晋陽大君とチェ・マルリの接触を知った昭憲王后は、父王・世宗と話し合うよう世子に頼む。やがて世宗は、口の動きを記号化した朝鮮の文字「訓民正音」を発明。民に広げるべく普及を命じるが・・・。
第86話(最終話)
偉大なる文字
文字創製を知った明の軍が国境に集結。チェ・マルリ率いる集賢殿も反対の立場を明確にする。論争を挑んだ世宗はマルリが民を侮辱する発言をしたと激怒する。軍事的制裁もいとわないという明だが、朝鮮は新兵器で対抗すると一歩も引かない。業を煮やしたワン・ジンは新王を擁立させるべく、マルリを動かす。マルリは辞表と上疏を提出し、集賢殿を去る。マルリの謀計に悩む晋陽大君を世宗が呼び出す一方、ワン・ジンは世宗の暗殺を指示し・・・。