慶の祖父によって導かれた一団は、幾多の苦難を乗り越えて人里離れた谷、快活谷(かいかつこく)に辿り着き、ようやく平和な暮らしを手に入れる。慶の祖父は谷の安全を守るために自分以外の人間が外界と接触することを一切禁じ、10年以上にわたり平穏な日々は続いた。そんな中かつて豪商だった胡痩子(こそうし)が谷を出て、金品を奪われたうえに殺されるという事件が起こった。自由な暮らしを求める小滬は、慶と於期の反対にも関わらず、谷を出る決意を固める…。
No | あらすじ(前:Gyao無料動画、後:akira's ねたばれびゅう) |
第1話 |  紀元前260年の“長平の戦い”において、趙軍は秦軍の4倍の兵を擁しながらも一敗地にまみれた。40万の兵が生き埋めにされ、国は壊滅的打撃を受ける。九死に一生を得て流浪の民となった中に、のちの荊軻となる少年、慶がいた…。 趙の国。戦争ごっこをする慶は、木じゃなくて、芷姜(しきょう)の夫である徐・刀鍛冶の作る鉄の刀が欲しいとねだりだした。こっそり持ち出そうとしたけど、祖父にはバレバレだ。。趙将軍が秦の国のやつらを滅ぼしたら、もう刀は作らないという刀鍛冶。 趙軍40万vs秦軍10万の長平の戦いは苛烈を極めます。そのころ、慶は1人で川を見てて、突然降り出した灰を見て祖父と家に急ぐ。なんと村を焼かれている。大敗した趙の兵士は捕虜に、村人たちは手を取り合って逃げだす。しかし、身重の妻芷姜を思いやって旅立てない鍛冶頭と一緒に残った慶と祖父。食料と水と刀と、母の作ってくれたトンボを持たせ、カメの中に慶を隠しました。 小滬の母は、兵士の隙をついて、人々の玉を盗んでいる。「金がなければ、生きられぬ」という判断は分かるが、殺されてしまった。一人で逃げ回る小滬が、慶のカメをあけたけど、逃げ出した。足首に鈴をつけてて音がするのがすごーく見つかっちゃいそう。しかし、慶の祖父も、そして鍛冶頭も、守るべき人から兵の目をそらそうとして矢に当たりながら逃げだした。残された刀鍛冶の「徐」と刻まれた素晴らしい剣を見て、将軍が「必ず見つけ出せ」と、捕まえた民たちを弓で射ながら脅し始めた。子どもの小滬が狙われたのを見て、私の夫ですと申し出た芷姜。夫は逃げたが行き場所は言えないと近づきながら、短剣で挑みかかるも刀が折れた。芷姜自害。彼女を思って弔いの歌を読む民たちも生き埋めに。野外にさらされた芷姜を見た夫は嘆き悲しみます。そして、短剣を抜き取って自害しようと。慶の祖父が「命がけで守られた命を無駄にするな」と説得。しかし、自分の作った剣が妻を殺した。一生、剣は作らぬと、手首から先を自分で切り落としちゃったよ。激しい。 一方、野外にでて祖父を探す慶。生き埋めにされた民達のなかに鈴の音を。小滬です。まだ生きている!と助け出した。そして、祖父も戻ってきた。 敗戦の将 李牧は責任をとって自決の刀を抜くが、「趙を滅ぼした後に、この地で自決する」と宣言。そして、義理の息子・於期に秦国へ帰れと。人質に取られている秦国の子だが、李牧を父と慕っている。於期の家に伝わる玉を持たせて、お前は趙の人質から自由の身だと、一人旅立たせた。しかし、於期は「奏兵を皆殺しにする」と駆けだした。 そのころ、様子を見て逃げだした慶らの民が奏兵に襲われていた。ちょうど駆けつけた於期とそれを追った趙兵のおかげでなんとか助かった。於期は、慶達と一緒に行くといいだした。玉を見た慶の祖父は、「この子は秦の子か」と戸惑いながらも、病を得た於期を手厚く看病をしてあげます。しかし、慶も気がついちゃったのね。しかし、子供同士だから、一戦勝負してあっさりと「友達だ」と熱い握手を交わした二人。 12年後、彼らは慶の祖父の導きによって。快活谷(かいかつこく)に辿り着き、平和な暮らしを手に入れる。慶の祖父は谷の安全を守るために、自分以外の人間が外界と接触することを一切禁じ、平穏な日々は続いた。 |
第2話 |  少女・小滬と少年・於期に出会い、次第に兄弟のように親しくなった慶。やがて危険なけもの道を歩き、たどり着いた快活谷で暮らすようになる。慶の祖父の厳重な警戒により、ようやく安住の地を手に入れ、10年以上にわたり平穏な日々は続いた…。 於期と慶、は凄い絶壁を登ってる。どこか貴族的な於期と無邪気な慶、そして小滬は仲良し3人組。のどかで楽しい生活を送ってます。 元妓楼の女で料理人ホウさんの着物が気になる小滬。狭い谷の刺激のない生活に厭き厭きしてる。昔みたいに外は苦痛ばかりではないかも?という小滬に、於期が政治情勢からみて戦国時代は終わってないだろうと説明した。 小滬は於期と慶が護衛隊の任務をとしているところにこっそり行ったりして怒られてる。逃げ出すものは殺す法だけど、「知られないうちに帰れ」と説得。でも、於期は焼き野兎持って、慶は衣装を染めるカタバミを持って来てくれる。於期は小滬が好きなのか。小滬がカタバミに喜んでいるのを、ちょっと寂しく見つめている。夜の一人番をしている於期の所に小滬が。帰れと言ったけど、お化けが出たらとか言い出す小滬。甘えられると、怖い顔しながらも付き合ってくれる於期。ロマンのない男だなあ。慶なら分かってくれると拗ねる小滬だけど、於期とラブラブじゃん。慶が戻ってきて見ちゃったよ。でも、快活に声をかけて、想い出話を。 小滬は、「ここは大きな檻。斉国に居ればよかった」と昔話を。しかし、慶たち流民は斉の国に逃げ込んで攻撃されて逃げ出したことがある。多くの民が犠牲になった。小滬も怪我を。その時も、於期はすがる小滬を慶に任せて、負傷した人の治療を手伝った。「わしらは家族だ。一人も欠けることなく生き延びよう」というおじいさんの励ましで、やっと谷にたどり着いたのね。将来について語り合う於期と慶。出て行きたい小滬、先は分からないからと小滬との結婚を躊躇う於期、ここに居たいという慶。お爺さんがやってきて小滬が見つかっちゃった。外に出てくるからってお爺さんは、後を於期に任せた。 小滬は「どっちが私が好き?」だって。曖昧なのは嫌。勝った方に玉をあげると、二人で剣の試合をするように言いだします。勝った方を待っていると家にいる小滬。勝負付かずで両方来ちゃった。於期は「私は女性を一番には出来ない」と、慶は「こいつの方が幸せに出来る」と。小滬は「私のために身を引いた慶の方が、私を幸せに出来る」というけど、慶は「於期が好きなんだろ」と行っちゃった。小滬は「冷たさにひかれるの、でも時々辛くなる」と於期に気持ちをいいました。 慶は一人で夜の番。お爺さんが胡痩子(こそうし)を背負って帰ってきた。豪商だった胡痩子は、谷を出て自由を求めたが、金品を奪われたうえに襲われたのね。ここをがばらされたのでは?と不安になる一同。外はまだ7国の戦乱の世。それをお爺さんから聞くだけの民は、本当に外は戦乱の世なのか?と疑っている。決める権利はそれぞれが持っているが、良く考えよと説得。しかし、外は秦の勢力が盛大で、6国の民は殺戮の犠牲になっている。 |
第3話 |  ある日、質素な暮らしに飽き谷から抜け出した男が、金品を奪われ殺害されるという事件が起きた。慶の祖父は、より一層の警戒を訴えるが外の世界に憧れ自由な暮らしを求める於期は谷を出る決意を固めていた…。 谷の外の情勢:秦王は、趙を温存し油断させて六国を制すべきと進言された。今、趙は散々に痛めつけられている。 後処理で、少しだけ谷を出た於期と慶。小滬は「怖くなかったでしょう?」と谷を出ると言い出した。自分の目で確かめたいから、一緒に行こうと於期を誘う小滬。しかし、於期は「時期ではない」と、慶はここが好きだと残る決断を。小滬は出て行く村人たちと一緒に、一人で出て行く決断を。「決して谷のことは口外しない。ここのことは忘れる」という小滬に、慶が「幸せになれるお守りだと、母がくれたトンボ」を差し出したけど、「子供じゃない。守りたいなら一緒に来て」と。結局、一人で行かせてしまった。 しかし、出て行く村人たちが外に出たとたんに山賊に襲われた。お爺さんの指揮で、慶や於期が戦います。於期は秦人の印の玉を落としちゃったね。それが村人たちに見つかって、秦国人だと責められちゃった。お爺さん、負傷で虫の息だけど、「お前は趙の国を趙人よりも思っている。山賊はすぐにまた来る、於期と慶で守りを固めるのだ」と言い残して逝った。 落ち込む慶に、於期が「爺さんは理想のために死んだ。死は自分で選べるものだから痛ましいんだ。この命を、自分のためにも他人のためにも使いたい。だから、価値あるもの以外とは引きかえない。」と。爺さんは於期の思慮深さを知って谷を任せたけど、於期は秦国人だし、慶に任せたいと。しかし、慶は「お前を信じているし、俺には向いてない」と辞退。村人の達の反発に、於期は手の血を流して誓いを立てた。 ありもしない財宝を追ってくる山賊たちと同様に、谷の住人の外の世界への憧れも、単なる妄想だという慶。於期に見張り台を任された慶。しかし、於期が苦戦していると聞いて駆けつけちゃった。まんまと囮に引っかかったよ〜。非戦闘員しかいない村に山賊たちが襲いかかる。略奪、暴力のかぎりを尽くす山賊たち。さらに、小滬が奪われた。山賊に迫った於期。近づいたら小滬を殺すと言われて、「殺せばいい」と・・・。小滬を矢で怪我させてひざまづかせ、一斉放射を命じる於期だが、慶が「小滬を助けろ」と必死に止める。結局、山賊が慶を連れて行った。これなあ、於期のギリギリの攻防で、怪我はしても小滬助けらる計画だっただろうに、慶のせいで台無しだよね〜。於期が証拠を見殺しにするわけないって信じられなかった慶が残念だ。追いかけようとする慶を「死ぬぞ」と必死に於期が止めた。 ここにいては山賊が・・・と逃げ出す村人がどんどん出る。責任を取って死のうとする慶に「逃げずに戦うのが責任だ」と於期。於期は、慶にとっては爺さんの次の教師なんだね。 於期は慶と二人で山賊のねぐらを襲うことに。皆殺ししろという於期に「山賊と同じことを」を躊躇う慶。その時、小滬は山賊に強姦されているところ。声を聞いて駆けつけようとするも、隠岐が焦るなと止めた。火事を起こして目くらまし!しかし、於期は理性が勝ってる性格だけに誤解されやすそうだな。 主役は慶なので、於期は捨てキャラなんだろうと分かっていても、とてもカッコ良いキャラで、於期に感情移入しちゃうなあ。 |
第4話 |  谷を襲撃し、恐怖に陥れた山賊たちは小滬を連れ去る。山賊たちに夜襲をかけ、事は落ち着きを見せるが、於期は谷の平和が所詮はまやかしだと感じるようになる。そして真に平和な世の中を作ることを夢見て、谷を離れる決意を固める…。 小滬が泣き叫ぶのを殴って気絶させておいて、山賊は襲撃に応答。こういうときも、小滬を助ける役目を慶に渡す於期。彼の幼年期は「秦国人の残虐さを知り、自分の来歴を恨み、そして趙国人になり、義父のようになりたい」という願いに包まれている。戦いたくないのに、戦うしかないのが男なのか・・・。 慶は「この谷の平和は偽りだ。夢だ。平和は戦のための口実か?」と。於期は谷を出て権力を握り、「世界をこの谷のようにするのだ」という大望を語るも、慶は俺はここに残る運命だ。応援するけど・・・だって。 小滬は連れて行って欲しいと。於期が矢を向けた意図も分かってるというけど、於期は「ここが安全だし、女は連れて行けない。一番、君を思っているのは慶だ。私が一番大事なのは私だ。慶はお前のために死ねる。」と慶と残れと進言。でも、慶は「理性で正しく判断し、小滬を思っているのが於期だ。女は好きな男のために身を投げだせるものなんだ」と、於期を説得。それでも、於期は「君への気持はない」と苦しい嘘をついてまで小滬を置いていこうと・・・。嘘だと分かっていても、ついては行けない。 於期は「平和になればいつでも会える」と慶と別れの挨拶を。最後にと小滬に挨拶に行ったけど、ひっそり隠れて泣いている小滬。探しまわっていると、秦兵に襲われている小滬が!助けたけど、次々と兵が。「私は秦国人だから心配ない。囮になる。今後、しっかり生きよ」と、静かに別れを告げて、於期は行ってしまった。 村に残った小滬と慶。慶は小滬や村を守るための剣を打ち始めました。でも、小滬は村を出て行くと・・・。残された慶は「ここは穏やかな土地なのに、なぜ戦乱を選ぶ」と酔い潰れてます。小滬が戻ってきて、「谷か私か選ぶなら、私を選ぶ?変ってしまったココにあなたを一人には出来ない。一緒に斉国に」と誘ってくれた。追われていた於期。矢に刺されたまま、とある村に匿ってもらった。しかし、追手が迫り村に迷惑がかかりそう。そこで、矢を抜いてもらって逃げだそうとしたが、追手が・・・。とっさに隠れるも、村人たちが拷問に会うのを見て名乗り出た。「私は秦国人。将軍の子、於期だ」。しかし、それでも「将軍の子だろうと、秦兵を殺した以上殺人罪だ」と。於期は「兵器を持たぬ平民を殺し、平和な趙を焦土と化した秦。世間は秦の罪を追及する」と言い放ち、都での裁判に引き連れられても、顔を下げません。 しかし、その秦の部隊はたびたび襲われます。部隊長は「於期の父に恩があるから、貴方は逃す」と。部隊長は「我々はずっと戦場くらし。このまま全滅する部下たちが不憫だ。」と。秦国だけが悪いのだと思っていた於期に、「闘いたいわけではないし、秦が戦わなくとも、戦っている国もある」と新たな目を開いてくれた。それで、彼らの部隊を救う方法を提案した於期。それでも、「趙軍とは戦わぬ。」という於期に、「君の大望は秦でしかかなえられない。秦を裏切ることはないだろうから、囮の役を」と部隊長。しかし、策を始める前に襲撃があり、部隊長死亡。王翦(おうせん)将軍のもとに部下たちを率いてくれという願を受けた。 |
第5話 |  於期と共に谷を出たい小滬は、ひとり密かに谷を抜け出してしまう。運悪く秦兵に見つかり、間一髪、慶と於期により再び救われる。代わりに自らおとりとなった於期はそのまま谷から姿を消すのだった…。 本当の将軍になってくれと兵士たちを軍長の左庶長から託された於期。しかし、王翦の戦う相手は李牧。李牧が昔語ったように、戦場では戦い合う運命なのか・・・。左庶長の後任を頼まれた。拒否できない立場の於期。殺戮を止めるためには権力を得ねばと自分を納得させつつも、李牧とは戦いたくない。 3か月に及ぶにらみ合い。王翦の部下たちはいらだち始めた。於期は「ここは趙国。兵営の我らと街に居る趙軍では地の利や兵士の士気で差がある。撤退が吉」と進言。追われたらどうする?という王翦に、「陣にこもられるよりマシ。好機となる」と的確な戦略を。見事に認められた。 次の策として「山を固めては?」と進言しつつ、李牧も同じ策を考えてるかも?という於期。だが、王翦は於期に軍を任せた。そのなかで義父の李牧と再会。「どの軍であろうと正義を忘れるな。正義さえあれば、お前に殺されても本望だ。」と言い残して去った。 李牧を打てなかった於期を王翦は叱責。於期が李牧を打てないことを見越してたのね。恩義があるから李牧を救わなくてはと出て行く於期を、「行ったら死罪だ」と責めつつも、「なんと誠実なのだ」と感心する王翦。 しかし、すでに李牧の逃げ道には兵が配されていて、軍は壊滅状態。李牧の姿を探し回る於期。王翦がやってきて、「この戦いは周到に準備をしていた李牧の勝ちだ。生きているだろう。そして、我が軍はお前のおかげで被害を最小限にできた。手柄をたてたな。お前は将軍の器だ」と於期を受け入れてくれる。小滬と慶は斉の村に落ち着くも、何も知らない慶は店を首になってしまう。さらに近所の人に盗みの濡れ衣を着せられて、警官にボコボコにされる慶。見てられなくて身体検査に応じた小滬だけど、がっくり落ち込んだ。外に慶を連れ出したことを後悔する小滬と、小滬を守れないことに落ち込む慶。 小滬は道場での殴られ役の仕事を得ましたが、結局生傷の絶えない日々。せっかく食料を得て帰ってきたのに、迷惑をかけると小滬は一人で旅立ってしまっていた。 斉の村に戻ってきた商人の賈満貫(カマンカン)と護衛の聶無涯(ショウムガイ)。小滬はこの村の妓となっていた。輿にのった彼女を見かけて駆けだした慶。探し回ってたのね〜。しかし、「私は小滬ではなく、雪芙蓉(セツフヨウ)」だと名乗った。 満貫は芙蓉の評判に興味深々でご指名。その剣舞は見事なもので、思わず護衛の無涯が刀を抜いてしまうほど。しかし、芸だけで体は売らない芙蓉に、満貫は怒ってます。妓楼の女主人が、「あせらずに。芙蓉に旦那の家に行かせるから、裕福ぶりを見せれば心も変わるでしょう」と。 しかし、妓楼の外には慶が居て、小滬を呼び続けている。粘るな〜。「ずっと一緒と約束した」と・・・。人違いだと芙蓉は言うけど、一緒に帰ろうと頑張り続ける慶。近づいては店の護衛にボコボコにされる慶。 |
第6話 |  傷を負った於期は秦軍の捕虜となっていた。だが、その部隊は趙軍の待ち伏せに遭い、全滅寸前まで追い込まれてしまう。致命傷を受けた部隊の指揮官は、捕虜である於期にある頼みごとをするのだった…。 ボコボコにされた慶。「刺客になって金を稼ぎ、それで小滬を買い戻せ」と、天滅という組織の田光に助言された。頼まれて納得のいく相手だけを暗殺するという。 芙蓉は決断を迫られている。金はあるが、出所が不明な賈満貫(カマンカン)に添う勇気はない。しかし、無理やりに捕まった。護衛の無涯に助けを求めるも、見張りを・・という。しかし、どこかから覆面の助けがやってきて、難を逃れた。 また娼館にやってきた慶。小滬は「貴方は分かってない。昔に戻りたくない。私は自分でここに来たの。助ける必要はない」とキッパリ。そして、結局、満貫と結婚。輿入れの日。駆け付けてトンボを渡したのに、小滬は踏みつけて輿に。それでも、無理やり追っかけて暴れる慶。無蓋が刺して追い払った。 慶を助けた田光。「自分で悪人を決めている以上ただの殺人だ。人を殺さなければ悪人ではない。俺が殺すべきだとは思わない」という慶に、「暴力は暴力でしか止められない。お前は逃げているだけだ。世の侠客を見よ」と田光。それでも、慶は田光のもとを去ろうと、しかし、まだ体調不良で倒れちゃった。 満貫はサド野郎。鞭で殴りつけられる小滬。うわあ。見てられない無蓋は、剣の練習に集中して雑念を払おうと。満貫は、秦王が天下を取るのを助ければ、己も安泰だ!とか言って、贅沢三昧。酔った無蓋、思わず小滬と関係を持ってしまう。 無蓋、満貫を狙う男の存在を調査。満貫が、こそこそと人を使って暗躍していることを知ります。しかし、満貫の方も、無蓋と小滬の裏切りを知ります。そうとも知らず、無蓋は残された刀から天滅の田光の所に、「刺客を隠したろう」とねじ込みに。斉王の玉府を持っている無蓋は、捜査権がある。そこで、慶と再会。「今度は必ず撃つ」と言い残した。満貫は父と兄弟を殺して成り上がった悪人だと、慶を説得する田光だが、慶は「私には無理」と天滅の元を去った。 |
第7話 |  財産目当てで結婚した賈満貫の非道な仕打ちに耐える日々を送る小滬。しかし夫の用心棒・聶無涯が自分を好いていることを見抜いていた。ある日、満貫への憎悪が抑えきれなくなった小滬は、無涯に夫の殺害を持ちかける。 芙蓉との仲を疑った部下を折檻する満貫だが、無蓋の進言で怒りを納めた。その美貌と芸で満貫のこころを解す芙蓉だが、満貫の慰みものとなる芙蓉を、無蓋は見ていられない。芙蓉も「私が好きなら満貫を殺して」と無蓋に頼む。 満貫は芙蓉と無蓋の不義をしりつつ、「無蓋を信じている」というフリをしてるのね。密告した男にも褒美を密かに与えて逃がしたのか! 芙蓉は、表向き満貫への反抗を納めた様子を見せる。そして満貫の狩りに同行。虎を捕まえに行くと1人になった満貫に、無蓋が刀を向けた。しかし、これは罠。隠れていた満貫の部下によって捕えられた。小滬は「私が計画した。金がすべてのあなたは男じゃない」と満貫に言い放つ。時間を稼ぐうちに、満貫も部下たちも吐血を。毒を盛ったのか! 無蓋を置いて逃げることもできたのに、危険な賭けに出た小滬。無蓋は小滬を守って生きることを約束します。平和な斉国にとどまりたいという小滬を、「満貫の関係者に追われる。二人だけの桃源郷を探そう」と無蓋が。しかし、小滬は「桃源郷など二度といや。暮らすためにはお金が必要。後始末をして、満貫の金を得よう」と言い出した。無蓋が傍を離れてしまった隙に謀反が起こり、証拠も狙われたから切り捨てたと、満貫の死を嘆き悲しむ芝居をする二人。「裏で手を引くものがいる。メンツもあるから私が調べる。」と無蓋。 疑う部下官家の部屋に、裏帳簿や宝石を隠しておいて、捕らえてしまう無蓋。しかし、芙蓉が庇ってみせて彼の心をつなぎとめる。去るものは忠義のあるもの、去らぬものは金を得たいもの。そうやって人を見極めた上で、官家に罪をなすりつける作戦。しかし、無蓋は慶に罪をかぶせようと提案。ためらう小滬に「本当に私を愛しているのか?」と問い詰める無蓋。利用された?っていう疑いが消えないのね。 慶は、小滬と別れて自分の道を行こうと、斉を旅立っていた。これを無蓋が追いかけ、「助けて。あなたが恋しい。一千両で身請けして欲しい。」という小滬の手紙を。純真ちゃんな慶が助けないわけないわな。相手は極悪人。報酬は一千両。一回限り」という条件で田光の刺客となり、小滬を助け出す決心を。一回限りではダメだと、刺客とはせずに金を貸してくれた田光。 迎えに来た慶。満貫に金を渡しに行ったところで、人殺し!と言われてしまう。「小滬が俺をだました」ショックな慶。無蓋はスパイとして入り込んだ刺客を処理。 |
第8話 |  無涯は狩りの最中に満貫の命を狙うが、以前からふたりの関係を疑って真実を暴く機会をうかがっていた満貫は逆に罠を仕掛けていた。殺害計画が失敗したかに見えた時、満貫の身体が崩れ落ち…。 芙蓉となった小滬に手ひどい裏切りを受けた。小滬を一途に信じてくれる慶だが、小滬が選ぶのは慶の与える安寧ではなく、於期や無蓋の激しさや冷たさ。慶は「どうせ死ぬ」と全て投げやりに。秦武要という逃亡の過程で仲間を殺した男と、牢で一緒になり、ボコボコにされます。裁判の場。慶にストーカーされていたと証言する小滬に、「変わってしまった。君は自分の生き方を手に入れた。俺は邪魔しない。教えてくれ、好きではないと言ったのは本心か?」と慶。小滬は「わからない」としか答えられない。 慶は完全に自暴自棄になり、食事も碌に取らずに、牢で呆然とするばかり。小滬も自責の念に囚われたまま。牢の慶に面会に行きます。心つくしの食事も、もう慶の心には響かない。「赦して」という言葉だけでいいという慶に、「母からお金が必要だと教わった。それが斉に来て身にしみた。幸せを探し求める。欲しいものが手に入ればそれでいいの。自分を粗末にしたら罰が当たる。私は正義よりも自分が一番なの。本当に慶が好きだったけど、過ぎたことは忘れる」と。慶、小滬との別れを実感しながらも、「好きだった」という一言に心が乱れます。 田光が、慶を牢から受け出すことにしました。小滬への情は残っているから憎めないという慶に、「後悔するぞ。世の暗黒を消せば、人の純粋な部分が見えてくる。それに、借金があるだろう?生きて返してほしい。良く考えろ」と説得です。想い出の氷砂糖が届けられ、「(現実の苦さを知ったから)もう甘く感じない」などと言っている慶。この回で、慶は顔立ちからがらっと変わってしまいましたね。於期は李牧と対峙したまま、長い時を過ごしている。於期は「まだ勝っても居ないし、負けても居ない」と祝杯を固辞。李牧を前に全力を尽くしたと言えるのか?とわれて、「大勢の死を見たくない。戦などしたくない。しかし、戦は長引き、平和はやってこない」と訴える於期。秦の都・咸陽での食料調達&秦国を見聞することを命じられました。 王は、於期の上司・王翦将軍を李牧との戦いから外した方が良いのでは?と考えている。が、官達の意見は王翦支持。王翦の願う「於期への配慮」は、文官が謀反を心配するが、王は「人材を捨てるな」という意見。 於期、謁見。王の二つ年上の24歳。秦兵を殺したことで咎められ、法制国家なのだから法に従って処罰せよという官・忠父(チュウフ)を抑え、功績によって罰を帳消しに。さらに、「安寧姫を遣わす」と血縁を結ぶことまで李斯(リシ)に指示。しかし、於期は「心に決めた人がいる」と辞退しました。しかし、忠誠心がないのか?と言われると、固持できず。 |
第9話 |  小滬と無涯は何者かに襲撃されたと一芝居うち、慶を犯人に仕立てようとする。助けを求める小滬のニセの手紙を受け取った慶は、田光の誘いを受け、遂に刺客“荊軻”として生きる道を選び、その殺しの報酬で小滬を救い出そうとする…。 於期は当日になっても「誰とも結婚したくない。調達は済んだので去る」と粘っている。王に楯つくと殺されるぞ!と脅されても屈しない。 一方の慶。「この世に正義なんかない」という思いに囚われている。「悪人を殺したのは良いことだ」と同じ牢の人間に言われた慶。処刑の場に連れ出されたが、田光が身代わりの悪人を処刑して救い出した。慶は、秦舞踊の方が刺客に向いていると言うが、「自制心のあるお前が向いている」と田光。「慶は死んだ。荊軻として生きろ」と名前を貰った。 1人、楚の風月谷を目指す慶。途中、生き倒れの女性・采を助けますが、そのせいで、組織との待ち合わせに遅れてしまいます。相手が来ないのを見た采が助けるというので、「霊山の蓋聶(がいじょう)に会いたい。武芸を習う」と打ち明けた。 彼女の助言もあって、蓋聶の奏でる琴の音にひかれるように、無事に会えた。しかし、「弟子は取らぬ。教えを請うたものは皆死んだ」という。一本とればという条件で、戦いを挑む荊軻。強い!衣を切るところまで行った慶が気に入った蓋聶、弟子入りを認めてくれました。それを、こっそり付けていた采が見ています。 慶は、天滅を裏切って組織のものを殺した「檀家の周源」を殺せという指令を受けた。英城の指定場所にはいなかったが、采と再会。「力になりたくて」という采の紹介で、情報屋から情報を得た。 小滬は、処刑に使われた縄を墓に・・・。まだ慶を思っているのか?と疑う無蓋。ここを出て、剣客として生きるという無蓋だが、小滬はここに根を張って行きたい。商売を引き継いでいこうという小滬に、「金か私か選べ」と無蓋。金なのだと思った無蓋は、遊びに逃げ込むように。 |
第10話 |  刺客集団・天滅を裏切った周源に斬りかかろうとした荊軻は、立ち込める煙を吸い込み意識を失ってしまう。だが、意外なことに荊軻は無傷で目を覚ます。彼の前には、周源からの警告ともとれる手紙が残されていて…。 刺客集団・天滅を裏切った周源(しゅう・げん)に斬りかかろうとした荊軻(けいか)。だが、その場に居た男はすでに死んでいた。立ち込める煙を吸い込み意識を失った荊軻は、馬車の中で目覚めた。そこには、周源からの警告ともとれる手紙が残されていた。情報を渡し、外で待っていたはずの采が居ないことから、彼女に疑いの目を向ける荊軻。 なんと、采も刺客なのか!剣を合わせる二人。荊軻勝利。「殺したくなかった」という荊軻に、「組織から抜けようとして殺された。私が周源。刺客は恋をしてはダメ。運命は変えられぬとも、変えたかった」と言葉を残して采は逝ってしまった。 戻った荊軻は高漸離(こうぜんり)と出会い、「忘れ方を覚えなければ、刺客にはなれぬ」と言われるも、采への罪の意識が消えません。阮七(げんしち)は、銀面の男という刺客の予告で仲間を集めていた。予告時間になって現れたのは覆面の荊軻。斉の鉄を独占し秦に売った、それが秦の軍の武器となったのが罪状。阮七は「俺よりも兵站を独占して秦に売った満貫はどうなのだ!」と主張するが、「俺は組織の命に従うまでのこと・・・」と荊軻。荊軻は、刺客が成功するたびに、自らの腕に傷を刻み、殺した人を忘れないようにしている。そして、小滬のとんぼを眺めるばかりの日々。「感情は要らない。俺は武器だ」と、まったく変わってしまった。 あれから2年。だが無蓋はいまだに酒におぼれる日々。銀面の男に怯える小滬は、無蓋に刺客としての活躍を願うが、心を閉ざしたまま。小滬は「あなたのような男は必要ない」と無蓋を突き放す。 荊軻は、小滬暗殺の指令が出ていることを知り、無蓋に勝つには俺が行かねばというが、田光は「お前には無理だ」と止める。一方、小滬が刺客を雇い、田光を襲って拉致。田光を殺した犯人を捕まえれば褒章を与えると言うお触れが。それで田光の事態を知った荊軻は、小滬の刺客を襲い、助けに・・・。なぜ来たのが!という田光の制止も聞かず、救いだした。殺した刺客の中に、斉の名だたる資格が居て、危機感を高める荊軻。 小滬は「斉を逃げるべき時がきた・・・」というが、無蓋は「おれは用心棒としてしか必要じゃないんだろ?」と拒絶。それでも、刺客としての気概は出てきたし、小滬を守る役目が出来たから、表情が変わってきたかな? 街で無蓋とやりあった銀面の男。三日後のこの時間に、殺しにくると言い残した。小滬が「慶でしょう?生きてて良かった」という小滬に、惑わされそうな荊軻。 一緒に逃げようと言う小滬に、「君の本心は慶にある。戦って死ぬ方がマシだ。三日後までに最高の刺客に戻って見せる」という無蓋。小滬の説得も「金のためだろ」と聞き入れないが、「子供を授かった」という小滬に動揺。魏で将軍をしている従兄弟を頼って逃げることに。 |
第11話 |  記憶を辿った荊軻は、周源の正体は以前命を救った女性、采であることに気づく。心を通わせつつあった采と、刺客と獲物という立場で再会する荊軻。避けられぬ戦いに戸惑う彼の剣は、反射的に采の体を貫いてしまう。 秦の攻撃に備え塹壕を作る魏軍。真っ向勝負を避け後退しながら戦力を殺ぐ。王翦の子・王賁(おうひ)への警戒を高める晃月(こうげつ)や、兵・奏庫。晃月を頼った無蓋と小滬は、彼に快く受け入れられた。さっそく、晃月は戦略を相談。しかし、無蓋は兵士ではなく刺客。小滬の要望もあって、戦争はしたくないという無蓋だが、秦軍の攻略に屈してはならぬと言われ、スパイ調査と機動部隊を受け持つことに。一方、荊軻は無蓋を追って魏の村に忍び込んでいる。兵に追われるが、秦軍の攻撃があり無蓋は前線へ。攻撃してきたのは、於期の軍。10か月もにらみ合ってるが、今度もまた攻撃してこない。 荊軻は、廃城で民の暮らしを。盲目の老人は「家族ももういない。ここで死にたい。若い者が食べて秦国人を倒してくれ」と、なけなしの食料を渡してくれた。 小滬は、廃城はもうダメだという噂を聞いて、将軍府に置いた玉を持って逃げようと。そこに、無蓋を殺しにきた荊軻が。「お金があるから一緒に逃げて静かに暮らそう。私たちだけの快活谷があるはず。無蓋を狙うのは私のせいよね?私を愛しているのでしょう?」と持ちかける小滬。しかし、荊軻は首を振って去るのみ。 小滬は無蓋に会いに前線に。「逃げなくちゃ・・・。死にたくない」と無蓋を説得するも、「敵を破るしか逃げられぬ」という無蓋。小滬は、幼いころ見た秦軍の怖さが身にしみているのね。無蓋が抱きしめて「一生傍に居て守ってやるから」と廃城に連れ帰る。 しかし、そこには荊軻が待ち構えていた。軍が助けてくれたが、「私怨の追手のために魏兵を犠牲にするな。於期を倒すことだけ考えろ」と晃月。それを聞いた小滬、「於期の所に行く!」と言い出した。さらに、子どもがいると言うのも嘘。「あなたは頼れると思ったのに、自分さえ守れない。於期なら助けてくれる」と、駆けだした。無蓋は、軍に迷惑をかけたために牢へ。小滬、ひでーよなあ。でも、「助かることだけが全て。」ってハッキリしてるから、なんか見てて爽快感がある 於期のところへ行こうとする途中、魏軍に見つかりそうになったところを荊軻が助けた。「金が大切か?」と問う荊軻。「金がなかった時を覚えてないか?」という小滬に、「楽しかった」と答えた荊軻。小滬、荊軻が優しい男だと分かっていても、貧しい苦しい暮らしは耐えられない。1人で於期のいる秦軍のもとに。 そのころ、於期は魏軍への攻撃の機だと、王賁を説得中。しかし、王賁は父の命に従いたくないとゴネている。そこに、小滬が会いにきた。旧交を温める二人。於期にとっては、小滬は昔の少女のままの、大事な女性。しかし、「私を好きか?」と問われても、「大事な友人」としか言わぬ於期。これはダメだと思った小滬、「あなたは理想を、私は慶を選んだけど、私を理解しなかった。母の夢である良い暮らしを実現したい」と置き手紙して去った。 荊軻は、牢の無蓋を救い出す。刺客らしく勝負でけりをつけようと言う荊軻だが、無蓋は小滬を失ったことでやる気ゼロ。 |
第12話 |  それから2年の月日が経ち、刺客として名をあげていた荊軻。やがて無涯と小滬を暗殺するように、との指令が下る。それは満貫を殺害し、莫大な財産と利権を手にし、秦と取引していたふたりへの罰だった。雑踏の中、無涯と小滬を見つけた荊軻は…。 秦の軍営から逃れた小滬。絶望し、正気を失っているようで、雨を金と間違ったりしている。 無蓋と荊軻。向かい合います。「生き伸びたら、必ず小滬を殺す」という無蓋に、「彼女はお前を愛している」と慶。この戦闘シーンは、なかなか工夫されてますね〜。面白かった。ま、ありえない!けど、アクションとして面白い。最後は、荊軻に殺されることを望むように、剣を下ろした無蓋。崖下に落ちて行った。 荊軻は生き倒れ、魏の従軍医に助けられた。綺麗な女性で、聖女と呼ばれている。秦兵を殺しに行くと息巻く負傷兵の曹虎とは旧知の仲。苦しむ兵士たちを励まし、治療を施している。「俺は死を運ぶから」と出て行こうとする荊軻に「患者だからダメ。命は簡単には捨てさせない。」と止める。未来に希望を持っているという聖女。 荊軻は無蓋を探しに床を離れた。薬草を探す聖女と出会い、「良く笑って、良く休んで」と助言された。無理して薬草を取ろうとする聖女を手伝う荊軻。雲兮(うんけい)という名前を教えてもらい、その広く暖かく明るい心に慰められます。 負傷兵の曹虎は聖女が好きなんだな。秦が悪いのだと思いこみ、やっつけてやる!という思いで一杯。先に退却せよと指令が下っても、逃げるのは嫌だと粘っている。荊軻は「去らなければ」と聖女と別れました。そこへ、秦の奇襲兵が負傷兵たちのいる本営を突いてきた。撤退しようという聖女だが、曹虎が譲らない。直接対決となったとき、どこからともなく現れた荊軻が、聖女を守ってくれた。戦闘が去ったのち、負傷兵をすぐさま治療し始める聖女。しかし、ドンドン死んでいく。戦場で失われる命の虚しさを感じる聖女と荊軻は、「勝った!」と無邪気な曹虎に、何も言葉を返せない。王賁が攻撃を決めた。戦機ではないと於期が止めるも、耳を貸さない。晃月をある程度は削ったが、於期の計画は台無しに。於期は王賁の父・王翦に連絡をとる。 魏の晃月と、秦の王賁の軍の直接対決の時が迫る。戦略を失敗し、退却する王賁。 一方、無蓋も村人に救われていた。既に去った女性が連れて来たという。小滬の残したと思われる金貨が。追いかける無蓋ですが、傷のせいで休みながらしか進めない。途中に、小滬の鈴が落ちていた。売り飛ばされようとしていた小滬を救い出し、二人で旅を。小滬は、心を失い、無蓋を完全に頼り切っています。 |
第13話 |  取り逃がした無涯の行方をつかむため天滅の連絡係に会った荊軻。魏の廃城を包囲する秦軍の指揮官が、於期であることを知らされる。その頃無涯は、心を病んだ小滬を守っていくことを心に誓い、名医を捜しながら旅を続けていた。 秦軍、退却。王賁は、面目が立たないと、自害しようとする。そこに於期が到着、再反撃に出ます。王翦将軍からの手紙もあり、王賁は反省。於期も「私が来たせいで結果をあせらせた。すまない」と譲り、二人で指揮をとることにします。 晃月将軍は凱旋。曹虎たちは喜ぶが、聖女は負傷者がでたことを悲しむ。捕虜をボコボコにする曹虎を、「殺すな」と止めて手当てしようとする聖女。だが、捕虜はそれを良いことに彼女を人質に取ろうとする。助けた荊軻にも、「殺すな」という聖女。 負傷兵を率いて奇襲隊を撃退した曹虎には、傷の治療後の騎馬隊の隊長が命じられた。彼は「荊軻にも褒美を」というけど、将軍にとって荊軻は敵なのよ〜。旅立とうとする荊軻は捕らわれてしまった。「兵を殺し、無蓋を逃がした罪」を問われてしまう。 しかし、曹虎が「彼がいなければ負けていた」と将軍に願い出た。将軍は「無蓋を引き渡せ」と交換条件をだすが、荊軻は拒否。将軍は無蓋を追う荊軻を利用するつもりで、魏軍に逆らわなければという条件で釈放。 荊軻は仲間の連絡係・天滅の元に。しかし、廃城は陥落するから離れろという伝言を受け取った。聖女を助けるべきではないのか?秦兵の手当までする聖女は「人を救うのに理由なんてない」という。飢えで死にそうで、雨だれで命をつなぐ彼らのために、僅かながらの食料を密かに分け与える彼女。感謝する彼らに「人は皆、善良なの」という聖女。捕虜が「ここは落ちる逃げよ」と聖女に。これが、晃月将軍に伝わり、於期の分断作戦は読まれてしまいます。晃月は、廃城に兵を集め、他国の支援を待つ戦略をたてます。 晃月将軍の知人の旅する音楽家・高。いつか軍を辞めて、音楽を楽しむ毎日に戻りたい晃月将軍。最後の別れの曲を演奏し、燕に旅立った。しかし、廃城包囲に動いていた秦軍に囲まれた。これを荊軻が救う。高も荊軻も廃城に戻ることに。高の楽の音が好きだという荊軻に、高も聖女も「人を殺めても何も変わらない。人生を変えよ。」と進言する。特に、「秦国が強いのは兵の力ではなく、法の力による秩序だ」という高の助言は、法を乱して悪を裁く刺客の荊軻には、違った視点をもたらす。 無蓋と小滬。小滬は彼と持ち出した金だけが頼り。特に、金は片時も手放さない。童女のようになってしまった小滬だけど、どうやらそれは演技?無蓋が食料を買いに出た間に、小滬は襲われたり、旅の間に盗賊に襲われたり・・・。無蓋が助けるも、小滬は無駄に騒いでトラブルを大きくするし、こう目立つんじゃヤバいよなあ。殆どを取られてしまうし、殴られて意識を失ってしまった彼女を救おうと必死な無蓋。 |
第14話 |  無涯の防戦むなしく、金目当ての村人に襲われる小滬。秦の作戦を知った魏の昊月将軍は援軍を待つ。一年にも及ぶ篭城のため、魏の廃城は落城寸前だった。敵陣への決死の潜入を命じられた荊軻たちの任務は三つ。秦軍に捕らわれた魏の女医・雲兮の救出、食糧の強奪、そして敵の指揮官・樊於期の暗殺だった…。 小滬は彼女の所持金に目がくらんだ村人に襲われる。必死に防戦する無涯だったが、小滬は遂に彼らの手に掛かってしまう。その頃、捕虜からの情報で秦軍の作戦を知った魏の昊月将軍は、全軍を廃城に退却させ守りを固め、援軍を待つ作戦に出る。 曹虎は、粗暴だけどだけど豪放磊落な男なんだよなあ。廃城が包囲され、脱出して援軍を求める役を担うことに。 聖女は薬がなくなり途方に暮れています。そんな彼女を慰める高の奏でる筑の音。筑が生きているようだという聖女に、「荊軻の剣も生きている」という高。しかし、剣が人殺しの道具。聖女を雲のように美しかったという荊軻に、「雲は幻のようなもの。美しいが、人を惑わす」という聖女。荊軻は、高の音を聞きながら、自分を取り戻したいと聖女に告げた。愛し合ってるのに、荊軻は「今は誰も愛せない時代だ」と一定の距離を崩さない。包囲された廃城は碌に食べ物もなくなってきた。曹虎が連れてくるであろう援軍を待って半月をしのぐ計画。於期は籠城する兵や民に「秦軍につけば生活を保障する」と揺さぶりをかけています。 高は晃月将軍に、「庶民は逃しては?勇敢で死ぬべきでないものが死ぬ現実を変えるべき」と進言をする。逃がすことで死以外の道ができ、廃城には希望が生まれるという高の考え。 しかし、高は秦の捕虜を見せしめに殺すことで秦を挑発。戦いを回避し、被害を最小限に抑えたい於期は、ひたすらに待つ。 無蓋は、兵士に扮して警戒区域をクリアして魏の営舎に入り込んだ。夜間に一人、二人と兵を殺し、ひそかに荊軻を狙っています。ある夜、無蓋が高の元にいる荊軻に会いにきた。「小滬が死んだ。決着を付けるときがきた」と明日の約束をして去った。 高や聖女との語らいで「敵・味方のどちらかが正しいのではなく、戦いそのものが間違っているのでは?」という疑問を持ち始めた荊軻。一人を殺すことで多くを救えると組織は言ったが、復讐の連鎖ということは理解できる。それでも、どちらか一人しか生き残れない運命だと感じる荊軻。しかし、決闘に挑めば、聖女を捨てることになる。高は、生きて帰れば選択をやり直せるというけれど。 決闘の場。スゲー竜巻が起こり、二人ともがぶっ飛ばされるって凄すぎる。荊軻の勝利。無蓋は死にたかったんだから、結果は見えてるわな。荊軻は「さされそうになって、悩みが消えた。命こそがすべて」と・・・。命が全てだから殺してはならぬという聖女と、命が全てだから闘わねば生きられぬ荊軻。あまりにも違う二人の道。 |
第15話 |  荊軻とともに廃城に滞在していた高漸離。僅かな兵に守られながら燕へと旅立つが、その途中で城を包囲する秦軍との戦闘になり窮地に追い込まれてしまう…。 生きたい!そのために殺すという選択をした荊軻。聖女の雲兮の元に帰り、「遅すぎても一日でも命は価値はある。それが分かった。君が癒してくれた」と告げた。でも、聖女は決闘に出向き、命を粗末にしたことを怒っている。「2度と殺さないと決めた」と言う言葉で雲兮との愛を確認しあった。待っていた高とも盃をかわし、晃月将軍も挨拶をした。雲兮と共に外に出ることに決めたらしい。 曹虎が瀕死の状態で帰ってきた。王は動かず、他国の援軍は秦に阻まれて来ず、王からの書信は「捻挫した王妃のために聖女を帰還させよ」というもの。もう魏はダメだな。雲兮は王に絶望しながらも、ココに残って曹虎を治療すると頑張っている。 しかし、護衛をつけて帰還を促されてしまう。兵士たちも、秦国にでも行った方がマシだと言い出した。「王が間違う」時に、兵は何をすべきか?というのは、苦しい選択だなあ。高は「兵士と苦労を共にし、規範を示すのがトップの役目。現状を見よ」と諭します。命令に背き聖女を据え置き、「最後まで戦うぞ」とk決断。 聖女のために戦場から離脱しない荊軻。高から、戦場に居ても山の中にいる気持ちを得ることは出来ると、荘周の教えを聞いた荊軻。曹虎が悪化。薬草を求めて、秦兵のいる山まで出かけた聖女は、秦兵に囲まれてしまいます。負傷兵たちが助け出そうと計画を。しかし、晃月は廃城の守りが緩むと止める。荊軻は、秦の兵営まで地下道を掘ってくれと願い出た。 一方、聖女は於期と面会中。薬を願う彼女に、「無駄なあがき。魏は秦の国に落ちる」と告げる於期。於期はあくまでも待って被害を抑えて落としたい。こちらも、地下道を掘ることを考えている。聖女を殺すという王賁も止めた。「秦が勝利したのちは、捕虜も秦の民。戦わずして兵を屈する。殺しすぎると、軍が強くても抵抗が強く戦いは終わらない」と説得。 秦王は、なかなか決しない戦いに苛立っています。皆殺せば良いという王に、仲父が「ならぬ」と説明を。彼も、殺しすぎると「投降しても殺されるために、抵抗が強くなる。威嚇することでなく、取りこむことが必要な段階なのだ」という考え。しかし、王は聞き入れない。自分の決断に異を唱えるのが不満なのね。李斯に命じて宰相の力を削ぐ策を練り始めました。彼に廃城へ赴くように助言。 仲父の方も、王が反発していることは感じていて、李斯に「後は任せた。六国掌握の時を見据え、武ではなく仁と法で人心を掌握しろ」と声をかけた。 |
第16話 |  一年にも及ぶ篭城のため、魏の廃城は落城寸前だった。敵陣への決死の潜入を命じられた荊軻たちの任務は三つ。秦軍に捕らわれた魏の女医・雲兮の救出、食糧の強奪、そして敵の指揮官・樊於期の暗殺だった…。 聖女、秦軍で傷の手当をしてもらう。良く効く薬の調合を教えて、負傷兵たちを救ったり、彼女はあくまでも「助ける」ことに拘り、医師を手伝うことになる。於期に「患者は区別しない」と言った聖女だが、秦軍への従軍は拒否。薬も医師もなく待っている魏軍のために尽くしたいと言う。 にらみ合いを続ける中、曹虎は絶命。せめて、聖女が看取ってあげられれば良かったのにね。 荊軻、於期を殺し、彼を盾に食料を持ち帰れと刺客として頼まれた。「庶民を犠牲にしないため・・・」と言われる。友達として殺せぬが、恨みのある秦軍にいる於期が信じられぬ。出来ぬなら、雲兮も救わないという晃月将軍。荊軻、庶民のためと思い刺客になった。潜入した先発隊が秦兵の兵営に火をかけ、戦闘開始。混乱に乗じて雲兮を探す荊軻。 しかし、魏の動きは於期も予定していたこと。秦軍は魏軍の退路を断った。晃月将軍は撤退してくる兵士を見殺しにして、追手の秦軍と一緒に地下道を埋めてしまった。 戦乱で対峙した於期と晃月将軍。そこに慶が・・・。「晃月将軍を話せ、お前を殺す」という慶に、「殺しても何も変わらない。感情的になるな」という於期。一騎打ちになります。慶は於期の首に刀を添えたが、秦軍が後方から攻撃。 二人だけで対話することに。「秦軍だけが俺にチャンスをくれた。戦争を治めるためだ」という於期。於期は「お前は苦労し過ぎたが、前と変わらぬな」と慶に語り、雲兮を黙って返してくれます。魏軍の兵営では、水に毒が仕込まれた。動揺が広がります。何とかしなければ、負傷兵たちがドンドン死んでいく。流れる水でなければ、毒を撒かれて終わりなので、井戸では駄目。地下道を掘っているときに見かけた水脈を利用しようと、荊軻は計画します。水は出たが、食料がすべて尽きた。食料の奪い合いで、民達の喧嘩→殺害が頻繁になる。雲兮は食べられる草などを教えて、少しでも救おうとするが、用をなさない。 民を処刑する晃月将軍に、慶も雲兮も抵抗感を感じ始めます。高は「撤退も一つの手」だというが、晃月は残虐な秦を信じられないと頑固。「於期と友人の荊軻がいるのだから、魏人を殺しはしない」という高の言葉を信じる気持になった晃月。 兵たちの中にも、脱走して故郷に帰ろうと計画するものが・・・。どうせ死ぬのであれば、故郷に帰りたいというのが人情。於期に保釈された捕虜たちの噂もある。 |
第17話 |  幼い頃から兄弟同然に育った於期を手にかけなければならないと知った荊軻。親友の高漸離に苦しい胸の内を明かす。悩んだ末、廃城の人々を救うため、そして義のためにかつての親友に刃を向けることを決意するのだった…。 秦軍に投降する兵士たちを、晃月は止めなかった。秦兵として迎え入れる於期に「復讐の機会を与えるだけだ」と怒りまくり、指揮権を握ろうとする王賁。しかし、下官たちは於期を指示。しかし、王賁は小物っぽいから恨みそうだよな〜。晃月は、於期を信頼する荊軻の声を聞き、民や負傷兵を於期に願って外に出すことを決めます。で、残った少数で戦う覚悟。荊軻が連れて於期と対面して交渉。民達を静かに逃がす於期。しかし、荊軻は兵たちのために残る雲兮のいる魏軍に戻ってしまう。 やっぱり王賁が暴走。馬鹿な将軍め〜。民達を単独で襲ってしまいます。駆け付けた於期だが、もう遅い・・・。王賁を殴りつけたけど、真意は伝わらぬ。軍令違反として王賁を捕らえた。 王翦からの趙掌握の連絡が来た。なんと、李牧将軍が趙国人の内通者に殺されたと聞き、於期はかなりの動揺。味方の裏切りにあったということで絶望。何とか、一晩で気持ちを切り替えた。 しかし、王賁はやってきた李斯によって拘束を解かれ、於期が逆に責められてしまう。「秦だけが自分にチャンスをくれた」と荊軻に語った言葉が虚しく響く。 聖女は、軍にスパイが潜んでいることに気が付きました。で、敵の地下道を焼却して処分。少数の兵を励まして持ちこたえます。無能な王賁は対応を誤ります。怯えた李斯が「兵をひこう」なんて言い出す・・・。於期が兵を無駄死にさせぬためだと、指揮権を取り返しました。 決戦に備える魏軍では、廃城出身の兵が幼馴染とがささやかな結婚式をあげました。決死の覚悟の前の、ささやかな宴。 |
第18話 |  荊軻は、於期に「お前を殺しにきた」とだけ告げ、剣を交える。荊軻と於期、親友同士の命を懸けた一対一の死闘の最中、魏軍の背後には於期が放った秦軍の奇襲部隊が迫っていた…。 王賁の後始末を受け持つ於期。廃城の晃月将軍との戦いが始まります。於期は小さな部隊を交代で送り込み、各方面から小さな戦闘と撤退を繰り返して、魏軍の兵を右往左往させます。夜も騒ぎたて、臨戦態勢のように見せる於期。秦軍の犠牲者は少なく、少しづつ疲弊していく魏軍。兵の中には立つ事も出来ぬものが出てきた。さらに、錯乱して見方を秦兵と間違えるものまで出る。於期の敵は晃月よりも、身内の無理解。王賁は理解しているけど、文官の李斯は信じない。3日待てとだけいう於期に不信感をあらわにする。たぶん、武官の於期には成功してほしくないって気持ちもあるんだろうね。王賁は間違いを認め、於期に「李斯に気を付けるよう」にと進言してきました。 荊軻は晃月将軍に「ここを出て雲兮を守れ」と言われた。晃月にも生きる道があるはずだと訴えたが、晃月は城と共に死ぬ覚悟。 雲兮は、私に何かあったら、兵士たちの手紙を届けてほしいと荊軻にも託す。荊軻のアイデアで、風船みたいな気球みたいなものをを作って、風に乗せて送ることにしました。 束の間の幸せを味わう二人。自分と同じように、穏やかな田舎でゆっくりと医師として働くのが夢だという雲兮。自分と同じように、快活谷のような世界を好む雲兮に母がくれたトンボを贈りました。 趙国・李牧将軍敗れるの報は魏軍に打撃を与えます。燕も危ない。晃月は降伏を決意しました。高にも故郷の燕に帰るようにと告げます。 於期は「目的は城を制圧することで、魏国人を殺すことではない」と逃げる魏兵は殺さないように指示します。荊軻は雲兮に隠れていろと言い残し、晃月将軍を守りに行ってしまいます。 城と落ちる覚悟の兵たちは次々に戦死していく。瀕死の秦兵を思わず助けようとした雲兮もまた、矢にあたってしまいます。荊軻、また大事な女性を守れなかった・・・。雲兮は「トンボがきっとあなたに平安をもたらしてくれる」と言い残して逝った。 廃城・落城。雲兮の遺体を抱いて城から出てきた荊軻。於期は黙って通すように命令。荊軻は雲兮の墓に「二度と刺客にはならぬ」と近い、オカリナみたいな笛を吹いてあげます。 李斯は廃城の文書を燃やすように指示。英知の集まりだから持ち帰ると於期は言うが、儒家の書物は韓非を支持する王の気に召さないと簡単に言う李斯。 さらに、大梁を落とし魏国を政略するまで戦いは終わっていないという於期の主張も、「どの国から制圧するかは王の決めることだ。」と李斯によって止められてしまう。機を逃せば犠牲が大きくなるという主張も「於期の能力を信じている」と愛想でかわす。 李斯は、「韓と趙を攻めれば挟まれた魏は自然と落ちる」と王に進言。仲父は、於期への嫉妬でそのような愚策を取るとはと、魏国を先に攻めるように必死に進言するが「年老いて判断力が鈍ったな。」と引退を促されてしまう。李斯に「何事も国家のために」と言い残して、王には「成長して王らしくなられた・・・」と。次に続くのは何?? |
第19話 |  宰相・呂不韋の権限が増大することを面白く思わない秦王・政は、呂を罷免。やがて呂が政の実の父親であるという噂を家臣たちが囁いていることを知る。政は彼に自殺を強要、呂は政に送られた毒入りの酒をあおり、失意のうちに息絶えた。 韓を攻めよと言われた於期。だれが命運を握るか示すのだという王の意志には逆らえない。 王に「成長された。王らしくなられた。しかし、せっかちなのがあなたの短所。熟慮せよ。統一後を見据えよ」と最後の忠告をして去った仲夫。まだお若いのにという部下たち。王は仲夫の呂不韋の息子と噂されているんだ・・・。これは遠ざけようとするのも分かるかな〜。変な噂は王位の妨げだもんね。呂も厳しくこれは諌めていた。王は李斯に命じて呂を支持するもの達を調べさせている。 隠居した不韋は急速にボケが進んたみたいね。王が呼び戻してくれると信じているのに、もたらされたのは「あなたとの関係の流言が邪魔になっている」という手紙と毒。王のためと飲みほした呂。それをせざるを得ない王の密やかな涙。王は、韓・制圧の報を聞いても、気持ちが晴れぬ。於期、凱旋。王は於期に大庶長の位を与えた。韓王は自害。その他王族は捕縛、大量の捕虜。王は韓国の捕虜の解放は許したが、最後まで抵抗した魏国の捕虜解放は認めない。 しかし、韓国人が毒殺されるという事件が。王の密命だという。於期は「武器も持たぬものを!国が滅ぶぞ!」とショックを。戦わぬものまで、私のせいで命を絶たれた・・・。 その於期に蒙武(もうぶ)将軍という老人が息子の蒙恬(もうてん)を伴って訪ねてきた。蒙嫣(もうえん)なる娘との結婚話を持ってきた。しかし、於期は国を平定するまでは結婚せぬという。 この蒙嫣なかなかの跳ねっかえりらしい。於期の凱旋も町まで出かけて見てたお嬢さんですね。断られたと聞いて、「於期に理由を聞いてくる!」なんて、なかなか気が強いっすね〜。 |
第20話 |  樊於期が韓を破り凱旋する。功績を認められ昇格した於期ではあったが、難民の処遇をめぐって政と対立することとなり、心は晴れなかった。そんな於期の勝利をたたえる宴が盛大に催されることになり…。 水・依依(すい・いい)に会いに行き、囚われの身を助けてほしいと願った丹。燕を滅ぼさねばと子供までが言っているのを聞いて、危機感を高めます。木の木片に手紙を掘りつけ、子どもから取り上げたおもちゃの銃みたいなので、それを隣の依依の部屋に投げ込む。斉国人で刺客軍団を率いるの田光さん。息子が燕国人から「丹を助けてほしい」という手紙を預かってきた。燕との協力は秦に対抗するには願ってもないこと。しかし、仲間は斉に戻ってくるのも困難な状況。荊軻がいれば・・・。 田光が「脱出」の連絡を取ってきた。依依に一緒に行こうという丹だが、依依は「役立てないのでここに残るという。」利用しようとして近づきはしたが、次第に好きになったという丹だが、「それは寂しさからくるもの。愛ではない」という依依。「頭がよく、物事を正確に見ることができる君を連れ帰って、王妃としたい」という丹。しかし、「太子の意志が通ることではない」と依依はハッキリ。李牧将軍の部下だった趙の将軍に嫁いだ依依は、自分のことを語り始めます。 荊軻は田光の元に帰還。「私は神でなく人。何人殺しても世は変えられぬ。刺客は辞める」と言い切り、平凡な生活に戻ろうとする。人助けだといって、丹太子救出を最後の仕事として依頼した。 ぴったりと付いている菅家の財布をスリ、その騒ぎに乗じて管家を巻いた丹。田光と落ち合って、逃亡計画の説明を受けた。 荊軻はまず捕虜としてこき使われる燕国人を秦兵の見張りから救い出して、田光のもとに集めた。また、田光は丹の替え玉を残して時間を稼がねばならぬという。息子の蒙が「私が死んで太子が生き残れるのであれば」と申し出た。 丹は管家を機嫌よく飲ませておいて、先に帰る。集めた人を使って暴動を起こし、その連絡ということで兵士姿で丹太子に面会。姿を交換して脱出した。 蒙嫣は外出したくてたまらない。侍女の海棠と組んでこっそり市場に外出して、民衆の暴動に巻き込まれちゃった。助けてくれた於期に一目ぼれ。 於期は暴徒を許そうとするが、政府は簡単に皆殺しにしてしまう。丹の宿場は火事で、丹らしき全焼死体が発見された。 |
第21話 |  宴の招待客の中には王の一人息子でありながら人質として7年もの間軟禁され、常に監視されている丹がいた。政は彼に韓王の首を見せ、秦の威容を誇る。丹は後日、燕出身の医者に秘密の手紙を託すのだが…。 焼死体は出たが、暴動は太子の近く。おそらく丹が逃げたことで王は激怒。李斯は秘密裏に調査すべきと言うが、王は「死んだと騙されたふりをして、密かに国境を警備させよ」と判断。人質が死んだとあっては大変だけど、犯人を掴まえて(差し出して)釈明すれば、燕は何も言えないだろう。蒙嫣は「助けてもらったから好かれてる!」なんて夢みてるけど、お付きの海棠には「軍人だから助けただけで、気にも止めてないと思いますよ〜」なんて言われてる。それでも、こっそり兵営に行って「本人に聞く!」と蒙嫣。兵士の扮装にばけて兵営に。無邪気で傲慢で楽しく暮らしてて、ホントに幼い少女!って感じの女性ですねえ。 しかし、兵士に化けるなんてばれたら死刑なんだけど、父の威光があるからって、高をくくってる。いや〜バレバレっしょ〜。どこの所属だ!って聞かれて答えられなくて逃げ出したけど、密偵か?って追いかけられて捕まった。そこに於期が登場〜。「私は蒙嫣!」と名乗ったのに、「何もの?」って認知もしてない。「将軍の娘なら規則を知ってるだろう」って怒られてムッとする蒙嫣です。「どう思ってる?」と聞いたけど、(゚听)シラネな於期です。 縛られた!なんて怒ってる蒙嫣だけど、父には厳しく叱られた。「死んだ母様に会えるから、殺せば良いのよ!」って蒙嫣も負けてない。なんつーワガママ娘。 全然めげずに少年姿になって、またまた出かけて国境で捕まっちゃった。で、於期に再会。「歩いてただけで捕まえるなんて、謝るだけでは許さない!」とゴネまくって「ココに置いて!置いてくれなかったら死んでやる!」だと。ホントに、この子は国を滅ぼしそうだなあ。この騒ぎの間に国境を田光が狙ってるしさあ。でも、詩を通しての交流がすこしだけ出来ました。 蒙嫣の父と兄がやってきて怒られちゃったけど、料理をならって助ける!なんてアホなことを。父と兄は警備を見て「丹は死んでない」と気がついたみたいで、迂回の手助けを申し出た。 於期は函谷関の警備を一か所緩めて、そこにおびき寄せる作戦。丹は確かに燕への道を求めて放浪していた。丹死亡の報を受けて喜ぶ丹だが、田光の様子で田猛が身代わりになったと知り激しく動揺した丹。しかし、田猛の決意と願いを知って、必ず秦に打ち勝つと誓いました。慟哭する田光と田猛の亡き魂のために、荊軻は黙って笛を吹く。 荊軻には「丹は大望を託せる人間か?」という疑問がある。於期と同じように「権力を持っているから可能性がある」という田光だが、於期の現状を見るとそんなに簡単じゃないよねえ。 山狩りが始まって函谷関を抜けるしかなくなった。於期との対決を躊躇う荊軻。丹は「於期を殺す必要はない。私は道を外れたことはしない。」というが、「あなたの肩には民の希望が」と言われてしまった。 |
第22話 |  田光の息子・猛の死という大きな犠牲を払いながらも、丹を救出することに成功した荊軻たち。しかし秦国の中から脱出することができず、確実に狭まる包囲網に焦りを覚えていた。そんな中樊於期は逃亡した丹を追跡する任務を負う。 荊軻が於期の前にやってきて出国を願った。また、対峙した於期と荊軻。荊軻には勝手に出ろと言ったが、丹は引き渡せという於期。友人ではない丹をなぜ助ける?と問う於期に、「最後の仕事。快活谷を探す」という荊軻。「夢の場所は燕にあるかもしれない」という荊軻に通行証を渡した於期。でも「丹は情勢を分かっていない」という言葉を残した。 しかし、これは於期が王に厳しく処罰されちゃうぞ。蒙嫣が心配しています。苦手な裁縫で、腰に古傷のある於期のために腰巻を作ってあげた蒙嫣。 「王に報告に行って罰を受けてくる。未来のない私にかけるな」という於期。その真っ直ぐさに「私の心はあなたのものだ」と一生懸命な蒙嫣です。王は楚の征伐を決め、於期を将軍にと考えている。李斯は身内の李信を推薦。 そこに、報告にきた於期。「逃がした。しかし大局に影響はない。燕を倒してみせます」と訴えた。 しかし、於期は投獄された。李斯に恨まれているから、死刑もあるだろうという噂がある。会いに行く!とう蒙嫣を、父は手錠までつけて部屋に閉じ込めた。食事もしない彼女を見て、侍女が危険を冒して於期に会って伝言を聞いてくるという。蒙嫣は「木瓜を届けて」と願った。 木瓜は、以前に語り合った詩の題材となったもの。それでも、蒙嫣に迷惑をかけたくないから「美味しかった」としか言わぬ於期。巻き込みたくないのだという気持ちを感じ取った蒙嫣。思いを伝えたいと、毎日、木瓜を届けることにします。 楚の水没作戦には、蒙嫣の兄、蒙恬が指名された。王は「この非常な作戦で、欠点である情の深さを克服してみせろ」という。 谷を超える荊軻。山賊に襲われたが、荊軻の牢仲間の燕国人の秦舞陽だった。彼は太子に仕えて、一緒に燕国入り。そして、荊軻は「誰もしらぬ所に行きたい」と去って行った。 丹の帰国を喜ぶ燕王。しかし、趙国人の依依に興味を魅かれたみたい。遊女をしてたってことを正直に言ったため、王は怒りをあらわに。 丹は田光を将軍として引き留めた。 |
第23話 |  窮地を脱するため、闇にまぎれて秦の兵営に忍び込んだ荊軻。そこで出国させるよう於期に直談判する。苦楽をともにした親友を助けるために、於期は自分の通行札を手渡すのだった…。 田光は軍の再編と、丹太子の件に対する秦王の動向調査を丹に進言。 丹は、燕が秦に凄く遅れていることで、「秦の民になる方が民のためでは?」と迷いが生じる。依依が「秦王は優秀だが残虐で、何をするにも人が死ぬ。屈してはならぬ」と励まします。 趙が投降し滅び、楚も水攻めで大敗。公子の嘉が燕国の代に居るのだから、組んで反逆すべきという丹。しかし、「今は秦と友好を結ぶべき。丹が人質の間は、燕は幸せだった」という意見が大半を占める。 燕、楚、趙で縁戚関係を結び同盟を田光が進言し、結局は丹は「国を危機に陥れた責」と思って、これを受け入れるしかない。街に出た依依。荒れた民の生活、そして親を失った幼い子に心痛め、その子・米(まい)を連れ帰った。子供をかわいがる女官・春喜だけど、「王の子以外を後宮に入れると、王の血筋が混乱するので、見つかったら死刑だ」と助言です。それでも、子供を追い出す気になれぬ依依。近くに家でも借りられないか?と女官は心配している。 丹はなかなか依依の前に姿を現さない。依依を後宮から出して、楚の姫と結婚せよと言われている丹。「依依がスパイだったらどうするのだ?」とまで言われてしまった。 丹が突然来訪し、依依は慌てます。しかし、丹に「幼い孤児が多く居る。秦には法があり、身寄りのない子を育てる。兵は心おきなく戦え、治安維持にもなり、未来には国を支える人材となる」と進言しました。その短い会話だけで、丹は去ってしまう。 依依は米(まい)に寂しい気持ちを慰められ、彼女に字を教えて暮らす。 丹は兵役制度の改革を訴えるけど、官の反発に会います。秦の良い所は見習わねばというけれど、「秦に染まってしまった」と見られてしまう。 蒙嫣は、於期を心配して弱っている。蒙嫣のために木瓜の差し入れも断る於期に、心は乱れるばかり。 どうしても於期に会いたいと、刀を手にした蒙嫣を見て、海棠が危険を顧みず鍵を盗み出して逃がしてくれた。しかし於期は「今はダメだ。処刑はないから待て」と言い聞かせる。あなたといれば幸せだという蒙嫣に、於期は「秦国人の印」として幼いときから持っていた札を託しました。牢獄での誓い。 楚では、再度の軍立て直しが起きている。楚に回せる将軍がいないため、於期が駆り出されることに。これは、於期を気に入ってる王の気持を察した李斯が譲った形ですな。 於期は、蒙嫣との婚姻を父に願い出た。戦地から帰ったら、二人は結婚ということに。 |
第24話 |  通行札によって逃避行を続けるが、山賊たちに行く手をさえぎられてしまう丹一行。ところが彼らの首領は思いもよらぬ男だった…。一方荊軻の頼みに応えた於期は、秦王の命令に背いて丹を逃がした罪を問われ、投獄されてしまう…。 楚に出陣する於期。李斯、蒙嫣と父も見送りにきている。李斯は楚に追放された官吏で、今は秦に追従している。こんな如何にも怪しい男を使わなきゃならないのが、王の立場も難しいな。李斯は「王家と蒙家、どちらか最高の武将か?」なんて挑発して、王家に見出された於期をめぐる武家同士での衝突で、漁夫の利を狙っているのかあ。蒙嫣の父に「於期と関わるな」なんて言ってます。でも、蒙嫣はお守りを於期に託したり、ホント一途に思ってます。於期の楚攻撃。まずは流民が戦地から逃げるのを待つ。しかし、それは楚兵だった。騙された於期は意気消沈。「情けをかけたのが戦場では間違いなのだ」と思い始めてしまった。 報告を受けた蒙武。「難民を逃がすのも、失策を王にそのまま上奏するのも、あきれた奴だ!」と蒙家は困っている。於期との関係を切るために、蒙嫣を太子の嫁入り候補にすると決めてしまった。これを立ち聞きした蒙嫣は逃げ出してしまいました。父に「お前の家族や使用人の命も危ないのだ」と言われた。 於期は、咸陽への帰還を命令された。正午までに戻る必要があるが、まだ帰らない。於期の攀一族は処刑場に引き連れられている。 李斯の決断が正午より少し早く、処刑直後に帰ってきた於期は、李斯に刀を向けてしまう。於期には「王の命令」だと、そして王には於期の謀反だと言い立てる李斯。於期討伐の命が蒙家に発令。 それでも、「王に直接確かめる」という於期を、下官たちは必死に止める。自分を信頼してくれる彼らを見、秦を捨てる覚悟を決めた。 燕。遺児養育の提案は、費用の問題で「国が傾く」と却下された。丹は依依を訪問し、姿が見えぬことにガッカリします。彼女は町にでて、文字を教えている。 依依は「私が好きなのは太子自身。彼にはすべきことがある。私には位の低いものだからこそできることがある。迷惑をかけぬように、ココを離れる時がきている」と決心を。 燕王の誕生日が近い。避暑宮殿を軍費で建設せよなんて、呑気なことを進言する財政官。燕王も簡単に任せちゃう・・・。 丹の放った密偵は、ほとんどが殺されてしまう、息も絶え絶えに帰ってきた1人が「スパイの存在はばれていた」と言い残して消えた。官が「依依がスパイでは?タイミングよく現れすぎだ。太子が依依と戻って来てから機密が漏えいした」と申し立てる。 この噂を聞きつけた侍女の春喜が、彼女を逃がそうとする。太子は潔白を証明したいのだろうが、私は邪魔な存在。ここを去ると決める。 しかし、丹の妹・芄蘭公主(がんらんこうしゅ)が面会に来て、逃げる必要はないと言ってくれます。聡明で明るく、屈託のない彼女は依依を支持してくれます。しかし、気持ちがすれ違うよりはと、自分の考えを書き記した手紙を託すだけの依依。 |
第25話 |  丹とともに燕に逃れた依依が姿を消した。かつて遊女であった依依を秦の密偵だとする噂が絶えなかったからである。必死に探し回る丹は、城壁の上で悲しみを湛えて舞う依依を発見するが、無実の彼女は弁解もしないまま身を投げてしまう。 依依は密偵の疑いが。自分の居場所はないのだと感じた依依は、すでに自ら命を絶ってしまっていた。丹太子は、自責の念を強め、呆然となってしまう。優秀な妹が「楚と組んで燕も先手を打たねば」と必死に現実に呼び戻します。海棠は、於期を探す蒙嫣を逃がしたと死刑を言い渡される。それでも、蒙嫣を助けてくれと必死に願う彼女。海棠を送り、於期の牢に残された「嫣」の文字を眺めるばかり。蒙家は於期を捕まえねば一族が滅ぶ。蒙嫣の父は「牢に入れたのは文官と武官を和解させるための策。だが、優しすぎる於期を捨てる覚悟を決めたのだろう」と王の意図を理解している。 逃げた於期。食べるものもなく盗む部下に「代金を置いてこい」と言う。それが手掛かりとなって、蒙嫣の父が捕縛に動こうとする。 蒙嫣は考え抜いて、「於期に振り回されない。王妃になる。蒙家を助ける。生きて捕らえれば見せしめになる」と申し出た。 於期に会いに行って「もう離れない」と訴えた彼女。部下の疑いを余所に、於期は完全に信じ切ってしまってます。二人で婚礼の儀式に盃を交わした。毒が入っていて立つ事も出来ない於期。「逃げろ。仲間がお前を殺す」と証拠を握りつぶして蒙嫣に訴える於期。「本当に愛してくれている」と実感した蒙嫣。 彼女に刀を向けた部下に「外に見張りがいる。私が馬車で気を引くから、密かに逃がせ。寝ているだけだ」と命令した。命を賭けて於期を救おうとする蒙嫣です。 |
第26話 |  平穏な暮らしを求める荊軻は、燕の城下に住処を見つけていた。そこで、口のきけない子供・蒜頭(さんとう)と、その母・喜鵲(きじゃく)と出会う。一方、秦から追われる身となった樊於期は、彼を慕う僅かな側近と共に身を潜めていた…。 蒙嫣が於期を逃した。囮となった蒙嫣が追いかけられ、崖に追いつめられたふりをして時間を稼ぐ。馬車ごと崖下に落ちて自害。生死確認で時間を取られるため、さらに時間を稼げる。その隙に、意識を失った於期を部下が筏で逃がした。蒙嫣の父は「私は罰してくれ。しかし、一族の命を・・・」と王に願い出た。「これまでの功を考え、娘まで失ったお前を罰するつもりはない」と静かに告げた王。蒙嫣の父は引退を決めた。 王は、蒙を責めるより活用すべしという意見。そして於期が逃げるなら燕だろうから、丹太子の逃亡を口実に燕を攻撃すると決定。 丹太子。楚から縁組を断られた。秦の攻撃を避けるためにも、丹太子が秦に戻り臣従を示すしかない。「秦に謝る屈辱には耐えられぬ。戦場で死ぬ」という丹だが、民を思うと如何ともしがたく。 意識を取り戻した於期は絶望しながらも、蒙嫣の意思を無駄にしないために生き延びなければならない。 放浪の中で、「天下統一など庶民には何の役にも立たない」という老人に出会う。慶が語っていたように、静かに暮らすことこそが平和への道で、自分の大望は間違っていたと痛感した於期。部下とも離れ、それを慶に告げようと燕に入ります。 しかし、燕で捕縛。「趙国人だ」と名乗るも信じてもらえずに拷問を受ける。そこに田光が現れて、於期を救い出した。そして、「燕でなら目的を達せられる」と。 丹を助けた功もあり、将軍に推薦する丹。反対する官を押し切って、公主の芄蘭が「最高の秦の将軍を得たことを宣伝し、民心を勇気づけ、信頼を勝ち得るのが国を治めるすべだ」と進言して、王は決断した。 しかし、於期は「将軍にはならない。私は間違っていた。戦争は平和のための手段にならず、苦痛になるだけだ」と言って去ろうとする。 |
第27話 |  於期を思い続ける蒙嫣は隠れ家に姿を現す。ふたりだけの結婚式を挙げる於期と蒙嫣。しかし屋外では、嫣の父・蒙武と兄・恬の率いる秦兵が隠れ家を取り巻いていた。絶体絶命の状況下で明らかになる嫣の真意とは…。 戦いは苦しみだけだという於期に「燕国なら平和な世を作れる。趨勢が決まっていても、弱きが強きをくじくこともある。秦国が出来ることならば燕国でも出来る」と訴える丹。 説得されてしまった於期。しかし、「斉国人の田光、秦国人の於期と将軍になられては・・・」と代々の将軍・盛翼(じょうよく)が一対一の勝負を申し出た。ま、於期が勝つよねえ。倒した相手に手を差し伸べて、一緒にやる意思を示した於期。 でも、やっぱり盛将軍は気が収まらない。荊軻が働く店の女主人は、やはりスパイのようで、盛将軍から情報を得て、鳥を使って秦王に情報を流してます。於期と丹が組んだのが、秦王は不安。丹の改革は数年かかる、その前に叩くつもりの王。楚と斉に交渉し、燕を孤立させる予定。しかし、冬は匈奴が南下してくるため、秦も将軍を燕に差し向けるのに不安がある。 於期には女の刺客がさし向けられている。 臨戦態勢の燕に、蒙恬が兵を率いて「於期を引き渡せ」やってきた。官は「今は領土を譲り、時を稼ぐ」といいつのる。於期は「今は分裂してる時ではない、私を引き渡してくれ」と申し出るが、丹は「また頭を下げるのか」と強硬に主張。 丹の妹・芄蘭は、自分や女官たちの宝石類まで差し出して、兵站に生かそうと頑張っている。王にも可愛く甘えて謎かけし、「犬のような秦国人に、どこまで領土をさし出すのか」と主張した。 天然の要害に構え、長期戦の構えをする於期。反対する盛将軍も説得した。しかし、内部が落ち着かない。丹は「於期に迷惑をかけずに田と二人で精鋭を鍛え上げる計画」を立てます。芄蘭が、「私が教えるわ!」なんて出しゃばってまずが、田が「剣の指導者」として荊軻を探し始めた。 しかし、「於期を差し出せば攻撃しない」と秦王が揺さぶりをかけてくる。燕王は「民が耐えられぬ」と於期の引き渡しを決定。しかし、田が「これは策略だ。引き渡すのであれば私は将軍を引く」というし、丹は「燕の気骨を守りたい。私も於期と一緒に行く」と主張。だが、王の決定は変わらない。 荊軻は相変わらずの隠遁生活。しかし、秦王のスパイの女が、彼の腕前を試すようなことをしたために、かなりの使い手だとばれてしまう。 芄蘭は、スパイに模した男の背中に地図が描かれせ、それを発見。私の部屋に地図があると噂を流して、スパイをおびき寄せる作戦を立ててます。地図が盗まれた芄蘭は、刺客を追って荊軻の元にやってきた。「迷っちゃった」なんていう彼女。荊軻じゃなくて、あのスパイの女・百里香という店をやる女性を追って来たんだけど、芄蘭は荊軻に疑いを向けてしまう。 |
第28話 |  燕の盛翼将軍は黒い仮面の男に捕らえられ、秦の密偵として行動するよう壮絶な拷問を受ける。頑強にこれを拒否する翼だったが、思いを寄せる旅館の女将・喜鵲を人質に取られ、遂に城の地図の秘密を漏らしてしまう…。 丹の妹・芄蘭は、地図を狙った賊が荊軻であるとにらみ、しつこく彼にまとわりついていた。 そして、女主人の喜鵲と対決。妙に強い彼女に不信を盛った。 その主人は、盛将軍を酒に酔わして捕縛。黒い仮面の男が、秦の密偵として行動するよう壮絶な拷問を行う。 喜鵲を囚われたと思ったために、従うことに。公主の所で見たという地図を書けと命令されたが、半分しか思い出せないと抵抗。芄蘭は止められてるのに逃げ出して荊軻を追いまわしてる。それで、太子と田光が宿に押しかけて来た。喜鵲は「公主?ああ、あの裕福そうな人。出て行ったわ」とかわした。しかし、息子蒜頭が持ってたトンボで、田光は「荊軻が居た」と気がついたね。 しかし、そのころ、芄蘭は「足くじいいちゃった」なんていって、しっかり荊軻におぶってもらって帰ってきてる。兵を見た荊軻は逃げ出しちゃった。芄蘭は「彼、退屈そうだった」と遊びにかこつけて呼び出した。「好きに生きさせてくれると約束したのに」と荊軻。 しかし、於期がいると言われて出てくる気に・・・。穏やかな場所を探す荊軻と、そう思いながらも戦う於期。 蒙恬に「於期引き渡し」と申し入れられ、「将軍職は解雇した」と言ったけど、信じてもらえなかった。斉と結びついての先制攻撃を丹太子が考えた。しかし、秦王は既に斉と話を付けてあり、戦が始まったとたんに斉撤退・・・。 もう望みはないのでは?とガックリの丹。田光は「秦王を取り除けば、形勢が変わる。戦を望むのは権力者のみ」と言い出した。しかし、失敗したら燕の攻撃は避けられない。秦王は呂不意の息子では?という噂があり、これを秦の貴族に広めて動揺を狙い、さらに王翦と蒙武の二つの武家を争わせて内戦を引き起こす作戦。うーん、これは秦の民にとっては最悪の事態っすね。平和どころじゃないって感じ。 |
第29話 |  丹の妹・芄蘭公主は、地図を狙った賊が荊軻であると思い、しつこく彼にまとわりつく。丹と田光は、無鉄砲な芄蘭の行方を心配し探すうち、喜鵲の旅館で荊軻が肌身離さず持っていたトンボのおもちゃを見付け、彼が旅館の近くに住んでいることを確信する。 荊軻を暗殺者とする計画の丹太子。荊軻を頻繁に訪ねて説得しようとする。「秦王を殺して、次の暴君があなたなら?」と問われた丹太子。既に静かに暮らす荊軻を利用している時点で、「仕方なかった」と言って残虐に走りそうなんだよなあ〜。でも、彼の力仕事を手伝いながらしつこく願う丹太子。 田光までが出てきた。「殺すのは一人で良かった。友人なら俺に出来ない事を引き受けてくれ」と脅して自殺・・。丹太子、王には内緒で動いてます。王が軍費を流用しているのでは?という疑惑も鋭く父親に突っ込んで、なんとか地位を保とうとしてる。 そんな丹の動きは、猛将軍→喜鵲という経路で伝達されている。しかし、喜鵲の懐かしい恋人・筑奏者の漸離が帰ってきたのを知った。漸離は荊軻と始めて出会った時も、「密命たちの拠点近く」だったもんなあ・・・。元から、密命に接点があったってことか。使命のために、漸離を残して立たねばならなかった喜鵲。 訪ねてきた漸離に会おうとしない喜鵲。「この7年忘れようとしたが、想いは強くなった。君は一生の人だ」と語りかけられ、とうとう扉を開いた喜鵲。でも、「幸せにはなれない。帰ってくれ・・・」な喜鵲だが、まとわりつく漸離の子・蒜頭が2人を取り持つ形に。 しかし、喜鵲は行かねば身が危険だ。「待っている」という漸離に「必ず帰ってくる」と言い残した。残された父と息子。初めはギクシャクしたが、音楽のおかげで距離が近くなってきます。 一方、荊軻を芄蘭がこっそり付けてます。ぐっすり眠っているところ、何者かに襲われた。荊軻が救ったけど、手引きした秦舞陽がいない・・・。「帰れ」という荊軻。 |
第30話 |  荊軻の剣術の腕に惚れ込んだ丹。城に招こうと説得を続けるが、剣を捨てるという彼の意志は固かった。その時、荊軻は田光の口から、ある人物が燕に身を寄せているという事を知らされる。それは幼馴染みの樊於期で…。 漸離と丹は再会。 相変わらず荊軻をくっついてまわし、「なぜ短剣のために刀鍛冶の徐師匠を探すの??」と聞きまくる芄蘭。 死んだのでは?だろうってことになっても、「使命だ」という荊軻。隠遁生活を送っているらしいほら穴を発見。そこには、錯乱した徐が。優れた剣匠だったのだが、その記憶もない。芄蘭が薬を煎じてみるけど、効果なし。で、剣を作る手法の話をして、思い出してもらおうと・・・。次はハリ治療!という芄蘭。 で、妻が亡くなった場面を再現して見せる荊軻。(荒療治だな〜)思い出したけど、失踪しちゃったよ〜。 見つけた徐師匠、意識は取り戻したが「もう、人を殺す剣は作らぬ」という徐に、「剣を作った罪を償うために、秦王を殺す剣を作ってくれ」と説得する荊軻。 短剣を作り始めました。しかし、炉に足りぬものがあるという。徐師匠は、炉に身を投げて、自らの体を「強い剣」のために捧げました。秦の攻撃が始まり劣勢に。丹は「立てなおす」と王に粘ってるけど、「情報が漏れている。民のために撤退を」という於期。丹は「荊軻が戻れば活路が開ける。それまで耐えてくれ」と願い出た。「抑えるだけなら、王翦の慎重さを利用できる。小さい軍を沢山ちりばめる。だか、戦略は極秘に」という於期。 喜鵲宅を訪ねた猛将軍。夫・漸離がいて、「なんで夫が?え?蒜頭の父?」ってことに。猛将軍、「喜鵲の真の職業を知っているか?俺は諦めないぞ」といい残す。 荊軻と芄蘭は剣を得て秦に向かうが、見張られている。芄蘭が喜鵲に捕まり、荊軻に「明日 10時・・」という呼び出しが。 |
第31話 |  誘拐された芄蘭公主を救出した荊軻だったが、秦王・政の暗殺計画を喜鵲に知られてしまう。喜鵲こそが燕国内に潜伏していた秦の密偵だったのだ。その事実に気付いた盛翼将軍は、祖国を裏切った罪の意識に苛まれ…。 荊軻の目的を聞き出そうとする喜鵲。ギリギリで荊軻が現れた。短刀を取り上げ、秦王を殺す気か?と尋ねた喜鵲。芄蘭が反応しちゃったよ〜。戦いの合間でとにかく芄蘭は救ったが、喜鵲を口封じに殺さねば!と荊軻が追いかける。 しかし、荊軻は強い!強すぎる!伝書鳩も射殺し、喜鵲と直接対決。。そこには燕の兵を率いた猛将軍が。「殺せ」と刀をさし出した喜鵲だが、猛将軍はその刀で自分を刺した。「裏切った自分が許せない。お前を殺せない・・・」。 喜鵲、勝負よ!と荊軻に戦いを挑む。 そこに、喜鵲の伝書鳩を追ってきた蒜頭と漸離が「やめろ」と止めに入った。「友のために人を殺すのではなく、友のために人を殺すのを止めてくれ」という漸離が、刀を構えてまで訴える。喜鵲にも「ともに生きることだけ考えるのだ」と訴えるが、「私は愛することが許されぬ身だ。愛しただけで十分だ」って、「もう一度会えた」という約束が叶って、喜鵲は諦めちゃってるだろう。 「ここで辞めても私は死ぬ。あなたは巻き添えにならないで」って漸離を庇うように戦いを挑んでしまう。「ごめんなさい」って言葉を残して、「蒜頭を失いたくなくて、言葉が話せぬようにした。ごめんなさい。荊軻を責めないで」って、喜鵲は逝ってしまう。芄蘭は戻ってきた荊軻に「あなたが好き。私を好き?」なんて無邪気だねえ。あんたの不注意で殺し会いになったんだが・・・。荊軻は、「今の時代、愛情を持つのは間違いだ。誰も愛さない」という荊軻。 芄蘭は「公主として使節になる。私も行く」なんて言い出した。しかし、「荊軻にとって暗殺が彼が輝くとき。我々がなすべきことは他にある」と言い聞かせるが、芄蘭は聞きわけない。 秦が攻撃を開始した。急がねばならぬ。丹から王宮の詳細を聞き出した荊軻。計画はこうです。 燕国の使節として、秦に屈し地図を献じるという名目で秦王に拝謁。「土地の説明をしましょう」とそば近くにより、地図から刀を出して襲いかかる。そして、「正当な王ではない。次の王は定遠君だ。」とやった。国は次の王をめぐって争いが起こる。 於期が、「もう打つ手がない。これは敗戦だ。それを受け入れて策を決断せねば」と言ってきた。 |
第32話 |  暗殺計画を伝える手段を失った喜鵲。刺客の掟に従い荊軻と一騎打ちになる。その時、ふたりのもとに駆けつけたのは高漸離だった。秦王暗殺という大業に挑む決意を固めた荊軻と、愛する漸離との自由な暮らしを望む喜鵲は、お互いに剣を向けたまま微動だにしない。だが、遂に…。 荊軻が戻るまで待てないか?と於期に願う丹。荊軻は剣の師匠・蓋聶の同伴が必要だというが、もう待てない。丹が鍛えていた兵たちの中から選ぶことに・・・。そこに、喜鵲との戦いで死んだと思った舞陽が帰ってきた。荊軻は暗殺を決し、於期に別れを告げに行った。於期は、理想と現実の違いに打ちのめされたような気持ちでいる。荊軻は「チャンスは来る」というけど、於期は「本当に世のためか?秦王に天下統一させるのが真の平和を呼ぶことでは?丹が本当に平和を呼ぶか?形勢が変わることは、多くの死を呼ぶことでは?」という於期の疑問は晴れぬ。晴れぬけど、荊軻のためには成功を願うしかない。 色々な状況を考慮して、「王の傍に寄るには、王の気がかりとなっている私の首を差し出すしかない」と言い出した於期。「それは出来ない」という丹太子。決断できぬまま時が過ぎ、王翦が侵攻してきた。玉砕覚悟の反攻を望む丹だが、「それでは民のためにならぬ。投降か、暗殺かしかない」と言い出す。 芄蘭が「一緒に逃げて静かに暮らしたい」と言い出した。もう、逃げるに逃げられない男が二人。於期、自ら決断して荊軻の元へ。最後に酒を酌み交わし、自決・・・。 荊軻は蒜頭を連れて斉へ旅立とうとする漸離と再会します。「なぜ、このようなことを?なぜ喜鵲を殺した。友達を信頼できないか?」と問いかける。「お前も彼女も責めないが、秦王が悪いのでもない。改革で暴力的な手段を使うのは同じだ。私の音楽も役に立たなかった。秦王が死ねば世はさらに混乱する。理性では秦王の統一を、燕国人の感情としては暗殺の成功を願っている。」漸離は喜鵲に贈られた楽器で音楽を始めたんだね。それで、易水の別れという曲を作り、荊軻にささげる。 旅立つ荊軻と一晩を過ごした芄蘭。一緒に死ぬと決めてしまってる。結果を聞いたら、自決する・・・。 暗殺計画の結果は、荊軻一人で挑んで返り討ち。丹太子の生首を差し出しても秦王の怒りは収まらず燕国滅亡・・。 歴史的な結論がこうなだけに、やはり虚しさが残ります。作品全体として、「闘いの虚しさ」を悟った上で、それでも戦う道を選ばさるを得なった荊軻と於期を描いてきたこの作品。残されたのは一つの詩。 |
(参考)