[an error occurred while processing this directive]

本日  昨日
 
 
03/15(Sat) 11:03
大祚榮(テジョヨン)

BS日テレ「大祚榮」BSジャパン「大祚榮」大祚榮 (テレビドラマ)-Wiki渤海

渤海国を建国した英雄テジョヨンの一代記。
時は7世紀後半、唐は高句麗の攻略を進め、高句麗は戦乱の地となった。テジョヨンは、唐の軍隊に囲まれて孤立している父を救うため飛び込んでいくが、契丹族の襲撃を受けてしまう。その危機を救ったのは部族の長の娘チョリンだった。テジョヨンはチョリンと触れ合ううちにお互いに愛を感じ始める。チョリンの幼馴染であるイ・ヘゴはチョリンに恋心を抱くが、チョリンはイ・ヘゴには兄以上の感情を持つことができない。イ・ヘゴは後に、テジョヨンの前に立ちはだかることになる。
テジョヨンは、分裂の危機にある高句麗を救うべく、平壌城に赴くが、監獄に閉じ込められてしまう。王の姪スギョンはテジョヨンを監獄から救い出し、テジョヨンのために尽くすようになる。ついに高句麗は滅亡し、唐の将軍ソ・リンギは、唐に対抗する勢力を攻めはじめる。やがてテジョヨンとソ・リンギは高句麗を巡って激しい戦いを始めるのだった。

Noあらすじ
第1話西暦645年春、高句麗28代ポジャン王の治世。唐の皇帝イ・セミン(李世民=太宗)は100万を越す大軍を率いて、高句麗征服のため大々的な侵攻を開始した。コ・サゲを城主とする高句麗の要塞・遼東城を死守しようと、のちのテ・ジョヨンの父テ・ジュンサンは総司令官として奮闘していた。人民を盾にする卑劣な唐軍に対し、高句麗側は決死の戦いを挑み勝利する。だが、唐軍に食糧保管庫を攻撃され窮地に陥る。兵糧攻めに軍の士気も落ちていた。城が落ちるのは時間の問題と見たテ・ジュンサンは、唐の皇帝を自ら暗殺するために命がけで唐の兵士になりすまし皇帝に接近、暗殺の機会を伺う・・・。
第2話テ・ジュンサンの剣は皇帝イ・セミンを突き刺したかに見えたが、皇帝は衣服の下に鎧を着用していたため命に別状はなかった。皇帝の命を狙う心意気を買われたジュンサンは、皇帝の護衛の長と命をかけて闘うことを命じられる。ジュンサンと護衛の長が皇帝の目の前で死闘を繰り広げる中、ヨドン(遼東)城の城門が突破されたとの知らせが入る。ヨドン城から生き残った者たちはアンシ(安市)城へと逃げのびていた。ジュンサンは捕虜として捕らえられた。しかし見張り役の契丹族のソ・リンギと共に脱獄に成功。唐軍の追手に追い詰められたところで、高句麗軍のプ・ジグァンが助けに来て辛うじて窮地を脱する。皇帝の次の狙いはピョンヤン(平壌)城のアナク(安鶴)宮にいるヨン・ゲソムンだった。皇帝のピョンヤン侵攻を食い止めたいアンシ城城主ヤン・マンチュンは、ジュンサンを使って皇帝に贈り物を届けさせる。それは皇帝を挑発して安市城へ誘い込むための策だった・・・。
第3話高句麗軍プ・ジグァンの親族は唐軍に捕らえられていた。ジグァンに、親族の命を助けたいなら高句麗軍を裏切るようにとの密偵が来る。アンシ(安市)城の南門を高句麗側から開けて唐軍を迎え入れさせるためだ。その企みに気づいたテ・ジュンサンはジグァンに対する監視を強める。契丹族の援軍を装った唐軍が南門を開けよと迫り、ジグァンは門を開ける。この時ジグァンは、自らの命をかけて唐軍の裏をかく戦法に出ていたのだ。そうとは知らぬジュンサンは、裏切り者ジグァンを殺すために兵を向けていた。ジュンサンと対峙したジグァンは、ジュンサンにわざと殺される。ジグァンの死により計画が狂ってしまった唐軍は、城内の高句麗軍に激しく攻められる。逃げ出す唐軍を追い詰める高句麗軍。唐軍のカンハ(江夏)王の命もここまでかと思った時、赤い仮面を着けた謎の男が馬に乗って現れ、カンハ王を救って去っていく。この男はなんと契丹族のソ・リンギだった。この働きでソ・リンギは皇帝より遊撃将軍に任ぜられる。多大な犠牲を出した唐軍だったが、次なる戦法を開始した・・・。
第4話唐軍は、守りの固いアンシ(安市)城を攻略するために土山を築き始める。土山を城郭よりも高くし、上から一気に攻め、兵士が城外に出てきたところを叩くのだ。高句麗側は、土山を築かせないために奇襲を計画。だが唐側についた契丹族のソ・リンギは高句麗の奇襲を予想して逆に待ち伏せする。予想は見事に的中、高句麗の奇襲を防ぎ皇帝イ・セミンに一目置かれることに。しかしカンハ(江夏)王の面目をつぶし、彼から憎まれることになる。アンシ城内では土山対策の軍議が開かれ、土山の地下を掘り空洞を作る策が採用された。唐軍の重みで土山を崩れさせる作戦だ。そのため民の力も借りて地下に空洞が掘られていった。2ヶ月が過ぎ、唐軍は土山を完成させる。攻撃が迫る中、一筋の流星がアンシ城内に落ちていく。唐軍の皇帝、アンシ城城主ともに、その流星の意味するものは吉か、はたまた不吉なものか思案していた。そしてついに唐軍の攻撃が始まった。唐軍の激しい攻撃にさらされ、高句麗軍は苦戦。そして勢いに乗った唐軍が土山に登り始めた。すると、土山が大きく崩れはじめる・・。ちょうどその時、テ・ジュンサンの妻タルギは出産の時を迎えていた・・・。
第5話唐軍が乗った土山は音を立てて崩れ始めた。武器が兵士が馬が、土ぼこりに飲み込まれていく。呆然と見る唐の太宗イ・セミンと側近の武将達。しかし、テ・ジュンサンは友のプ・ジグァン将軍を死へ追いやった自分に悔恨の情を抱き、涙の中にこの光景を見ていた。この頃、ジュンサンの妻タルギは元気な男の子を出産していた。ジュンサンは強大な唐の水軍を全滅させた、高句麗の大莫離支ヨン・ゲソムン大将軍と合流することになり、妻とヤン・マンチュン将軍がジョヨンと名づけたその子に暇乞いを告げに行った。「流星の落ちた日に生まれた子は帝王の運気を持つ」という言い伝えがあり、ジョヨンは唐の太宗から恐れられ、王が存在する高句麗の高官からも逆賊に育つのではと疎まれ始めた・・・。
第6話流星が落ちた日、テ・ジュンサンの家に赤ん坊が生まれたことを知ったヨン・ゲソムンはジュンサンを問い詰めた。帝王の運気を持った赤ん坊は逆賊ゆえに殺すべきというのがヨン・ゲソムンの考えだった。ジュンサンは生まれた子は「娘」だと答え、その追及を逃れた。ヨン・ゲソムン率いる高句麗軍は、ジュンサンがヨン・ゲソムンの三足烏旗を使って誘導して、逃げる唐軍を遼河の下流、果てしない沼地・遼澤に追い込んだ。太祖イ・セミンは契丹出身の将軍ソ・リンギの機転で、逃げ延びて柳城にたどり着いた。しかし、ヨン・ゲソムンは盟友の安市城主ヤン・マンチュンの援軍を受け、柳城を攻めた。命からがら唐の都に逃げ帰ったイ・セミンは4年後、その時負った傷がもとで崩御したのであった。万里の長城が見える高麗城に立ったヨン・ゲソムンはヤン・マンチュンに、流星が落ちた日生まれたテ・ジュンサンの子は男で「その赤ん坊を殺す、王を殺す逆賊は排除する」と言い放った・・・。
第7話平壌城、安鶴宮。高句麗第28代王・ポジャン王の御前、論功行賞の席でヨン・ゲソムン大将軍はヤン・マンチュンを自分の大莫離支に次ぐ地位・莫離支に推挙して、承認された。しかし、武官ヨン・ゲソムンと対立しているケジン、プ・ギウォンら文官大臣たちはこの就任を喜ばなかった。彼らは、テ・ジュンサンの子を取り上げた産婆を脅し、帝王の運気を持つジョヨンを擁するヤン・マンチュン、テ・ジュンサンが謀反を企てたように仕立てた。ヨン・ゲソムンはそれが作り話であることを見抜き、ヤン・マンチュンを遼東に返し、テ・ジュンサン親子と妻タルギを処刑しようとする。ヤン・マンチュン一行は遼東には帰らずテ・ジュンサン一家を助けようと処刑場に向かった。彼らの手によってようやく逃げて、いかだで河を渡ろうとした3人に追っ手から矢が放たれた。矢はテ・ジュンサンの背に突き刺さった。ジュンサンは、矢を折り剣を構え、妻タルギに生き延びろと叫びながら追っ手の前に立ちはだかった・・・。
第8話都城守備隊に囲まれ斬りつけられたジュンサンは、ヨン・ゲソムンの元に運ばれた。妻子は死んだと聞かされたジュンサンは、万里の長城が見える高麗城の守備に就いた。ジュンヨンの妻タルギとその子ジョンヨンが漁師に助けられたことを知ったヨン・ゲソムンは、二人を生かす代わりに「ジョヨンは自分が育てる」と言い、タルギにはジョヨンと二度と会わないことを誓わせた。その後長い年月が過ぎた。唐ではイ・セミンの実子、病弱なイ・チに代わって則天武后が実権を握り始めていた。そして660年7月唐と新羅の連合軍は三国の一国百済を滅ぼした。まもなく唐から高句麗に和睦を伝える使者としてソ・リンギが来た。彼は和睦の印に高句麗の姫と唐の皇太子との結婚を提案した・・・。
第9話ヨン・ゲソムンは、ケドンがテ・ジュンサンの子ジョヨンであるとヤン・マンチュンが気づいたのではないかと思った。ケドンは棒たたきの刑にされ蔵に閉じ込められた。一方、唐の使者として平壌に来ていたソ・リンギは、文官大臣の実力者プ・ギウォンに、婚姻に反対するヨン・ゲソムン暗殺を提案していた。提案を受け入れたプ・ギウォンは都城警備隊郎将サブグに暗殺隊を編成させた。遼東からヤン・マンチュン一行が到着し崇武大宴は始まった。その頃、ケドンが閉じ込められた蔵に二組の客がいた。一組は武器を蔵に隠していた暗殺隊、そしてもう一人唐に嫁ぐ姫の候補でもあるポジャン王の姪スギョンであった。スギョンは女人禁制である崇武大宴に潜り込むために兵士に変装していた・・・。
第10話ヤン・マンチュン将軍に医院に運ばれたケドンは、あらゆる治療を施され回復した。プ・ギウォンたち大臣はケドンがヨン・ゲソムンを襲った刺客の正体を知っているのではないかと恐れたが、彼は何も知らなかった。もう一人彼の回復を待っていた人がいた。彼に命を助けられたポジャン王の姪スギョン姫だった。スギョンは奴婢の身分のケドンに恋心を抱いたようだ。暗殺を促した唐の使者ソ・リンギはヨン・ゲソムンとの駆け引きの末、捲土重来、高句麗征伐を誓って帰国した・・・。
第11話ケドンはヨン・ゲソムン自ら出向いて引き取ったが、タルギは処刑されることになった。引き取られたケドンは、自分を育ててくれ、何くれとなく気を遣ってくれたヨン・ゲムソンを父のように思っていることをヨン・ゲソムンに激白した。タルギ処刑の日が来た。前日夜、ケドンは母を救いに行こうとしてヨン・ゲムソンの側近コム・モジャムにたしなめられた。処刑後、平壌城外に放置されたタルギの骸にすがって泣くケドン。一方、唐は高句麗遠征を決めて陣容を整えていた。大総管イ・ジョク、ソ・ジョンファン、バン・ヒョテと645年当時の将軍がそろったが、その中にソ・リンギの名前はなかった。ソ・リンギは軍規を犯しても高句麗遠征に加わる決心をしていた・・・。
第12話ケドンに槍を向けたヨン・ゲソムンだが、ヤン・マンチュン将軍がかつて言った「天が高句麗のために授けてくれた子」という言葉を思い出し、ケドンを解放することにした。自由になったケドンは父親がいる高麗城を目指した。ケドンを殺したがっているヨン・ゲソムンの息子ナムセンは、ケドンを追いかけるが、ヨン・ゲソムンの配下であるコン・モジャムの助けで逃げ切った。しかし、危機を脱したのもつかの間、野宿しているところを契丹族、部族長の娘チョリンと契丹族最強の武人イ・ヘゴに捕まり、母親にもらった首飾りも奪われ、契丹族の捕虜となってしまった・・・。
第13話契丹族、部族長の娘チョリンを人質にして逃げたケドン。逃亡の途中、チョリンが毒蛇にかまれる。ケドンは噛まれたチョリンの脚に口をあて毒を吸い出した。その毒が全身に回りケドンは意識を失った。とっさに、チョリンはケドンの剣に手をかけるが、自分の為に毒が回ったことに気づき必死に介抱した。夜が明け、チョリンがケドンの顔に触れたとき、泣きながらケドンは寝言を言った。「母上、私はケドンではありません。父上の息子、テ・ジョヨンです」。ケドンが持っていた首飾りが亡くなった母の形見と知ったチョリンは、奪ったそれをケドンに返す・・・。
第14話ケドンの処刑直前、ヤン・マンチュン将軍の使いで撤退を告げに来たコルサビウが到着、処刑が中断された。コルサビウがケドンに気づき、「武闘大会でヨン・ゲソムン大将軍の命を救ったケドンに間違いない」と伝えた。作戦会議に参加したケドンは、テ・ジュンサン将軍に、四方を敵に囲まれた高麗城を抜け出す秘策、万里の長城越えを勘案した。唐のソ・リンギ将軍が営州と引き換えに、契丹族が高句麗と戦うよう仕向けたことをケドンから聞き、テ・ジュンサンはケドンとコルサビウを連れて敵地へと向かった。テ・ジュンサンは、その間に、城のあちこちに兵士のカカシを置き、兵士が沢山いるように見せ、撤退の準備をするよう部下に告げた。契丹族部族長イ・ジュンチュンと会ったテ・ジュンサンは、営州は高句麗の支配下にあるから高句麗に相談されよと言った・・・。
第15話高麗城を陥落した契丹族イヘゴは、逃げるケドンとコルサビウを追った。危機に瀕した2人の前にテ・ジュンサン将軍とその配下が助けに現れ危機を脱した。契丹族では、援軍し高句麗を倒せば営州の土地を与えるという内容の勅書を出したソ・リンギが、契丹族兵士の指揮権を与えられた。やがて、唐軍の全面攻撃が始まった。高句麗軍は唐軍を岩山に誘い込み、唐軍に大打撃を与えた。一方、ケドンとテ・ジュンサン一行は、万里の長城を越え、白済城を目指した。道々ケドンはテ・ジュンサンに、処刑された時のタルギの話をした。白済城についたテ・ジュンサンは、城主に会い、船を用意して欲しいと願った。唐に見つかったら大変なことになるから協力できないと断る城主に、ケドンは「迷惑を掛けない。我々が勝手に船を奪う」と頼むのであった。それを聞いて城主は許可をした・・・。
第16話ケドンは再びテ・ジュンサン将軍の配下に助けられた。白済城のテ・ジュンサンは唐の補給船が故障して修理している情報を得、唐の兵士を殺し、船を奪った。唐と高句麗の戦いは過熱していき、契丹族のイヘゴは、前回高句麗軍が待ち伏せした岩山に、先に唐軍が行って、高句麗軍を待ち伏せするという戦況を逆転させる戦略を考えた。唐軍の全面攻撃が始まる。それに対し、ヨン・ナムセン将軍は、イ・ヘゴの計略にはまり、挟み撃ちに会って高句麗軍は壊滅状態に陥った。百済城では、船を動かせる若者を連れて行くことで、ケドンと百済城主とその孫との間に葛藤があった。しかし、百済の兵士は高句麗と百済のために唐の兵士を殺した・・・。
第17話高句麗の危機を感じたポジャン王の姪スギョンは、国を救う為に唐に嫁ぐと王に申し出るが退けられる。そんな中、ケドンとテ・ジュンサン軍は、百済城で手に入れた唐の補給倉庫の地図を使って倉庫を襲撃を繰り返した。彼らの襲撃に手を焼いた唐の大総管イ・ジョクは、ソ・リンギに蛇水部隊の指揮権と引き換えに彼らの掃討を依頼した。ソ・リンギは、イ・ヘゴとチョリンと数人の契丹族の部隊をおとりに罠を仕掛けた。しかし、思惑通りにはいかず退却の途中、チョリンは林で道に迷い、追っ手のケドンと会う。ケドンに不信感を抱いているチョリン。チョリンの剣がケドンの腕を切り裂く。すると意外なことに、ケドンはチョリンへの熱い想いを語り始めた。2人の間に微妙な空気が流れた。その時、チョリンを探しにイ・ヘゴが現れチョリンを連れ去った・・・。
第18話テ・ジョヨンたちは、唐の大総管イ・ジョクのいる葦島と補給倉庫のある蛇水の間に潜み、両地域を行き来する密書、命令書を奪うため待ち伏せを開始した。唐のソ・リンギ将軍は、蛇水の川に唐の水軍を移動させ水軍と陸軍の合同で平壌を攻撃するという戦略を考えた。葦島の唐の援軍が必要なソ・リンギは、イ・ヘゴに、密書を持たせ葦島へと向かわせた。しかし、待ち伏せしていたテ・ジョヨンがイ・ヘゴを捕える。密書には、具体的な内容がまったく書いてなかった。イ・ヘゴが直接伝えるようになっていたからだ。イ・ヘゴが高句麗軍に捕まったことを聞いたチョリンは、再び伝令を伝えるための軍団から離れてイ・ヘゴを救出に向かった。しかし、チョリンもテ・ジョヨンに捕らえられる。ジョヨンは自分のジョリンに対する想いは真実であると繰り返すが、チョリンは応えない。逆に別れ際に渡された母の形見の首飾りを返された・・・。
第19話ソ・リンギ将軍が率いる唐軍は、テジョヨンが放った合図の火矢で平壌城へ進軍を開始した。一方、ヤン・マンチュン将軍は葦島の唐軍を攻撃。同時に、ヨン・ゲソムン大将軍自ら高句麗軍を率いて進軍を開始した。ソ・リンギは、イ・ヘゴとチョリンから援軍がないことを知らされる。しかし、時すでに遅く、ヨン・ゲソムン大将軍の率いる高句麗軍に大敗し、退却を余儀なくされた。追うヨン・ゲソムン、逃げるソ・リンギ。ソ・リンギがヨン・ゲソムン大将軍へ矢を放つ。矢が刺さり、馬から転げ落ちるヨン・ゲソムン。だが唐軍の惨敗である。高句麗王の前で勝利を報告するヨン・ゲソムン大将軍。王は、テ・ジョヨンの蛇水での唐の補給倉庫攻撃等素晴らしい働きを知った・・・。
第20話ヨン・ゲソムン大将軍が、ケドンの本当の名前は、テ・ジョヨンであることを王に告げた。王は、今後、ケドンをテ・ジョヨンと呼ぶように全員に宣言した。平壌にとどまったテ・ジョヨンが母の復讐を考えていると察したテ・ジュンサンは、そのことは忘れるようにとたしなめる。ヨン・ゲソムンは、王に面会し唐をすぐに攻めるように進言した。それに対し、文官大臣プ・ギウォンは唐への攻撃は無謀であると反対した。ヨン・ゲソムンは、ソ・リンギが放った矢で致命傷を負っていた。医者は、矢じりが肺に刺さり、鉄の毒が体全体に回っていて、余命は短いと言った。自分の余命が短いことが外に漏れることを恐れたヨン・ゲソムンは、テ・ジョヨンに医者を殺すよう命じた・・・。
第21話ヨン・ゲソムン暗殺のため、商人に変装して平壌城に潜入したイ・ヘゴとチョリンとその従者は、唐のスパイとして、平壌城で鍛冶屋を営んでいるソル・ゲドゥに会って、ヨン・ゲソムン低の見取り図を入手し、覆面をしたチョリンがテ・ジョヨンを誘い出した。戦うチョリンとテ・ジョヨン。追い詰めて、相手の目を見たテ・ジョヨンは、チョリンではないかと気づく。そのとき、背後からナイフが飛んできてテ・ジョヨンの背中に突き刺さった。その隙に逃げるチョリン。巧妙に人払いして誰もいないヨン・ゲソムンの家にイ・ヘゴが忍び込む。部屋の扉を開けると、ヨン・ゲソムンが座っている。座っているヨン・ゲソムンと向き合ったイ・ヘゴはヨン・ゲソムンの気迫に圧倒される。しかし、ヨン・ゲソムンは戦うこともなく、血を吐き倒れた。イ・ヘゴは、ヨン・ゲソムンが死の病に罹っていることを知り、とどめをささずに去った・・・。
第22話高句麗のことを心から考えているのは、ヨン・ゲソムン大将軍とヤン・マンチュン将軍しかいない。ヨン・ゲソムンに頼み、テ・ジョヨンは遼東へ向かった。ヤン・マンチュンにヨン・ゲソムンが病気で心が乱れており、ヤン・マンチュンが暗殺者を送ったと思い込んでいる。ぜひ大将軍の意向に従うようにと伝えたが、ヤン・マンチュンは勝機のない戦は、民を苦しめるだけ出陣はできないと言う。逆に、ヨン・ゲソムンは孤独である、最後まで看取ってやってほしいと頼まれ、手紙を託された。テ・ジョヨンは、ヤン・マンチュンの手紙をヨン・ゲソムンに渡すが、開けようともしない。高句麗王の御前で、ヤン・マンチュンと自分とどちらの考えが正しいか問いかけるヨン・ゲソムン。2人の衝突をさけることのできる人物はいないのかと悩む王。テ・ジョヨンは、暗殺者のアジトをつきとめたコルサビウと共に襲撃するが、すでにもぬけの殻であった・・・。
第23話平壌城前。ヤン・マンチュン将軍配下の将軍、兵士が、ヤン・マンチュン将軍の親書を預かって来たので、ヨン・ゲソムン大将軍に会いたいと言う。これが親書の答えだと、ヨン・ゲソムンは城楼の上からヤン・マンチュンの兵士に向かって矢を放つ。その頃、王の姪スジョンがコン・モジャムと共に、隠れているテ・ジョヨンを尋ね、王の密書をヤン・マンチュン将軍に届けてほしいと言う。そこへ、ヨン・ナムセンたちがテ・ジョヨンを探しに入って来た。テ・ジョヨンとスジョンは隠れて、間一髪で助かった。プ・ギウォン邸のイ・ヘゴとチョリンたち。唐に帰れと言うプ・ギウォンに、ヨン・ゲソムンが死ぬの見届けるまでは帰れないという2人だが、プギウォンは、それを聞いて、牢獄にぶち込めと部下に命じた・・・。
第24話ヤン・マンチュンに切りかかろうとするヨン・ゲソムン。ヨン・ゲソムンの死期が近づいていることを知ったヤン・マンチュンは、自分たちの子孫を信じようと諭す。納得したヨン・ゲソムンは自分がまだ健在であることを示すために、遼東に帰るヤン・マンチュンを見送りに出る。馬に乗れないほど弱っているヨン・ゲソムンに、テ・ジョヨンは自分の背を差し出した。あのケドンと呼ばれた日のように。ほどなく、お寺で勉強中のヨン・ゲソムンの次男ヨン・ナムゴンも呼び戻された。ヨン・ゲソムンは見守る部下の前で、長男のヨン・ナムセンが大莫離支を継ぐこと、自分の死は3年間対外的にふせることを宣告した。皆が引き下がり、テ・ジョヨンが世話をしている時、ヨン・ゲソムンはケドン時代のテ・ジョヨンのことを語りつつ息を引き取った・・・。
第25話テ・ジョヨンはヨン・ナムゴンを迎えに行こうとするが、プ・ギウォンに言われ身の危険を感じたナムゴンは、極楽(クンナク)寺で兄ヨン・ナムセン将軍と会うことにした。兄弟の対立を知ったヤン・マンチュン将軍は、敵は唐ではなく、内部にある、内部の亀裂を防がねばと配下に漏らしていた。しかし、極楽寺へ向かうヨン・ナムセンには刺客が発せられていた。契丹族のチョリンとイ・ヘゴだ。チョリンが投げた短刀を護衛するテ・ジョヨンが防ぎ、コルサビウがチョリンを追い詰めた。コルサビウの一太刀浴びて崖から転落するチョリン。コルサビウに、それを聞いたテ・ジョヨンはチョリンを探しに向かった。探し回ったテ・ジョヨンは極楽寺にたどり着く。極楽寺では体調を崩したポジャン王を案じた王の姪スジョンが、祈りを捧げていた・・・。
第26話ヨン・ナムセンは謀反の罪を着せ、プ・ギウォン邸に文官を集めた。すると、文官たちはひざまずいて許しを請うのだった。ヨン・ナムセンは彼らを許したが、文官の配下はヨン・ナムゴンに嘘の報告をして、彼らはまだ拘束されていると告げた。それを聞いたナムゴンは、自分がナムセンに取って代わることを決意する。文官たちのことを伝え聞いた遼東のヤン・マンチュン将軍は、プ・ギウォンたちの態度が虚偽であることを見抜いて、プ・ギウォンはナムゴンを利用するに違いないと、兄弟の和解のためテ・ジュンサンを平壌城に派遣した。しかし、プ・ギウォンにたきつけられたナムセンは、ヤン・マンチュンと戦うために遼東に向かおうとした・・・。
第27話テ・ジョヨンは、チョリンをスジョンのいる極楽寺へ運び、スジョンにチョリンの世話を頼んだ。テ・ジョヨンの様子を見た、スジョンは、テ・ジョヨンの心にチョリンへの恋心があるのを見抜いた。ヨン・ナムセン将軍が遼東に向かっている間、プ・ギウォンに焚きつけられたヨン・ナムゴンは平壌城を制圧してしまった。ナムセンの配下にいたテ・ジョヨンも捕えられた。テ・ジョヨンはナムゴンに、プ・ギウォンこそが唐と内通している裏切り者であると訴えるが、分かってもらえない。コルサビウが捕らえられたテ・ジョヨンを助ける。プ・ギウォンはポジャン王に嘘を並べ、ヨン・ナムセンを陥れようとする。テ・ジョヨンはすべてを察し、遼東へ向かう・・・。
第28話イ・へゴの秘策とは、自分の部族・契丹族10万人をナムセンに従わせることができるというものだった。それは、唐と手を組むことにほかならなかった。親書は届いたものの、ヨン・ゲソムンの息子2人が争うことを憂えたヤン・マンチュン将軍はテ・ジョヨンとコルサビウを国内城にいるナムセンのもとにつかわせた。しかし、ヤン・マンチュンの思いは届かずテ・ジョヨンとコルサビウは牢獄に入れられてしまう。唐と手を組むと聞いた、ナムセンの護衛隊長フクスドルは、テ・ジョヨンとコルサビウを助けてその事態を防ごうとする。かつてフクスドルの父母兄弟は唐に殺された、その唐の手助けをすることはできなかったのだ。テ・ジョヨンとコルサビウを牢から出す時に、フクスドルはイ・へゴとナムセン、参謀のシン・ホン3人の会話の中から「烏骨城」というキーワードを聞き出して、2人に告げた・・・。
第29話烏骨城は、西海への玄関口で、唐が攻めてくるとしたら、そこだろうとヤン・マンチュン将軍は語った。将軍はテ・ジョヨン、コルサビウとともに双子の将軍トルバル、ムヨムを烏骨城に使いとして送った。同時にヨン・ナムセンも烏骨城に向かった。先に烏骨城に着いたテ・ジョヨンはナムセンの行動の意味を城主に伝えた。ナムセンが烏骨城に着いた時、城主はヨン・ナムセン、フクスドルと数人の兵士だけを城内に入れた。皇命を受けているヤン・マンチュンはナムセンを捕えなくてはいけないが、国を割ることになるナムゴンと文官たちの行動には賛成できなかった。国を割らぬためには、ナムセンが大莫離支にならなければいけないという考えだ。ヤン・マンチュンは、平壌城の文官、武官と遼東の高官が一堂に会しての話し合いをポジャン王に提案した。テ・ジョヨンはその遣いのために平壌城に行った・・・。
第30話プ・ギウォンの使者サブグが、ヨン・ナムセン将軍の引き渡しをヤン・マンチュンに要求してきた。ヤン・マンチュンはそれを突っぱねる。軟禁されているナムセンのもとにフクスドルが会いに来た。ともに死のうとするフクスドルをナムセンが説得し、2人は館を脱出する。チョリンは、テ・ジョヨンが投獄されていることを知り、ナムセンを見張ってテ・ジョヨンの動きを探っていた。チョリンはフクスドルに向かって行った。2人が戦っている間に、ナムセンは迎えにきたシン・ホンとともに去っていく。ソ・リンギのいる筥州に渡ったヨン・ナムセンは、唐に忠誠を誓うことを迫られる。そして、自分のせいでヤン・マンチュン将軍が大罪を着せられ、葬り去られようとしていることを、則天武后の口から聞かされる。そうなると、平壌城にいるテ・ジョヨンの命が危ない。王の姪スジョンがテ・ジョヨンを密かに逃がす。一方、ヤン・マンチュンは捕えられ護送されることになった・・・。
第31話護送車の上に仁王立ちになって、民衆へ矢を射ることをやめさせたヤン・マンチュン大将軍の姿を見たヨン・ナムゴンは、罪人扱いしていた態度を改め、ヤン・マンチュンのために馬をひかせた。将軍を投獄しようとする文官大臣を制し、ポジャン王はヤン・マンチュンを皇宮の奥へ案内させた。暴挙を加えられても、将軍の解放を望む民衆は日に日に増え、平壌城の安鶴宮前は民衆で埋め尽くされた。唐のヨン・ナムセンは、ヤン・マンチュン逮捕を知った則天武后とソ・リンギに、投降し高句麗を立て直すか、高句麗滅亡を見過ごすか、責められていた。プ・ギウォンらの画策により投獄されることとなったヤン・マンチュン将軍。この投獄を喜んだのは、唐と契丹族であった。これで高句麗を倒せる。ついにヤン・マンチュン将軍が裁かれる日が来た・・・。
第32話大逆転の裁定が下り、民衆の動きを見てヤン・マンチュンの徳の高さを知ったヨン・ナムゴンは、兄のいない今、自分が継ぐべき大莫離支の地位をヤン・マンチュン将軍に譲ると宣言した。ヤン・マンチュンは、大莫離支を引き受ける条件として、文武の臣下が一丸とならなければ唐に滅ぼされてしまうと、プ・ギウォンをナンバー2である莫離支にすることを挙げた。そして、自分の警護にはテ・ジョヨン、コルサビウをつけ、遼東の守りを遼東城・城主コ・サゲに、自分の城である安市城をテ・ジュンサンに託した。ヤン・マンチュンの復権を知った唐側は、次の手を打つべく会議を重ね、形式上、唐に忠誠を誓ったヨン・ナムセンよりも参謀シン・ホンの意見を聞いた・・・。
第33話烏骨城では酒肴が振舞われたが、ヤン・マンチュン将軍は、唐が侵略してくる経路について思いを巡らしていた。ヤン・マンチュンは、側についていたテ・ジョヨンに、民を守れば絶対に滅亡はしない。それだけは肝に銘じておけと語った。夜が更け、フクスドルが烏骨城に到着して、ヤン・マンチュン将軍が危ないとテ・ジョヨンに伝える。しかし、時すでに遅く、プ・ギウォンと通じていた烏骨城城主は、プ・ギウォン配下の兵士を引き入れ、ヤン・マンチュン将軍を討った。その頃、安市城の牢獄に進入したイ・ヘゴはチョリンを救出して、ヤン・マンチュン暗殺を伝えた。牢から出たチョリンは、安市城に着いたテ・ジョヨンに彼を想う心を書いた手紙を手渡すのだった。一方、王宮では、プ・ギウォンが王に、ヤン・マンチュンが烏骨城城主に殺されたと伝えた・・・。
第34話扶余城を皮切りに、高句麗の城を次々と陥落する唐軍。唐軍には高句麗の弱点を知っているヨン・ナムセンが先鋒にいる。安市城を攻撃すべきだと言うソ・リンギ将軍と平壌城をすぐに攻撃すべきと言うヨン・ナムセンの意見が対立し、ソ・リンギの安市城攻めと他の将軍の平壌城攻めに分かれた。安市城をソ・リンギに落とされては、自分の計画が難しくなると感じたヨン・ナムセンは、一緒に安市城に向かうことにした。安市城のテ・ジュンサン将軍は、唐が大軍で攻めて来たとき、ヤン・マンチュン将軍がどうやって大軍を防いだか、不思議だと言うテ・ジョヨンに、民のひとりとして手伝わなかったものはいなかったと言った。シン・ホンとともに安市城に入ったヨン・ナムセンはテ・ジュンサン将軍に会い、プ・ギウォンを殺し、唐を一掃し、自分が高句麗を救うと言う・・・。
第35話ソ・リンギは契丹族や他の兵士に制されて、刀を納めた。そこへ、平壌へ向かった唐の大総管イ・ジョク軍が大敗を喫した知らせが入った。ヨン・ナムセンの参謀シン・ホンが、元の主人の実子であるイ・ヘゴにソ・リンギを説得する秘策を進言する。安市城は、後にして、唐軍が陥落できずにいる劍(クム)山(サン)城の背後から攻めると言うものであった。安市城を攻めたいソ・リンギだが、矛先を劍山城に変えた。安市城のテ・ジョヨンは、対峙する唐軍の変化に気づいた。コルサビウとフクスドルが調べにいくと、主力部隊がこっそり出陣していた。劍山城は背後から契丹族が主流のソ・リンギに攻められ陥落する。テ・ジュンサン将軍は、テ・ジョヨンに、安市城は自分が守るからと、平壌城に向かうよう指示する・・・。
第36話王、文官、将軍、民が見守る祭事で、神女が、高句麗が滅亡するという予言をして倒れる。ヨン・ナムセンの参謀シン・ホンが裏で手を回して、神女にそう言わせたのであった。高句麗が滅亡するという噂が広がる。王に進言し、プ・ギウォンが唐に和平の大使として行くことになった。プ・ギウォンを信じられないテ・ジョヨンは、監視のため同行した。唐陣営に着いたプ・ギウォンは、降伏なら許すが、和平は受け入れられないと宣される。降伏の条件は、王という称号を使わず、高句麗は唐の属国になる、亡くなった前王に謝罪することだった。それを聞いたテ・ジョヨンは、敵国の王になぜ謝罪をするのかと叫び、投獄される。降伏を承服したプ・ギウォンは3日の猶予をもらい帰国した・・・。
第37話騒ぎを聞きつけてお出ましになったポジャン王に、テ・ジョヨンは、プ・ギウォンが約束した降伏の条件は偽りであること、ヨン・ナムセンが自分を助け教えてくれたことを話す。テ・ジョヨンの言を信じるか、プ・ギウォンの降伏の条件を飲むべきか悩む王。しかし、唐はかつて一度たりとも高句麗との約束を守ったことはない。王はテ・ジョヨンの言うことを信じ、プ・ギウォンを自宅に軟禁した。プ・ギウォンは今や大莫離支になったヨン・ナムゴンの策士シン・ソンに全権を委ねて、シン・ソンの弟でヨン・ナムサンの策士シン・ホンと唐軍を迎え入れる作戦を練った。シン・ホンは、地形の険しい南門を開け唐軍を入れ、唐と連合する新羅軍を北門から入れるよう、指示した・・・。
第38話逃げ延びた武将と民の多くは、遼東の安市城に到着した。一方、平壌城と運命を共にしようとしたポジャン王、ヨン・ナムゴン大莫離支と多くの文官大臣は捕虜として唐に護送された。唐は5部176城69万戸余の高句麗全域を9都督府42州100県に改編、平壌城に安東都護府を置き、高句麗全体を治めさせた。その長たる検校安東都護には、ソ・リンギが就任、凶作にもかかわらず、住民への弾圧は激しかった。そのため、各地で抗唐運動が起こり、その中でも安市城は独立国のような状態だった。テ・ジョヨンたちは、唐の食糧軍需輸送団を襲い食料を民に分け与えていた。唐にいるヨン・ナムセンに、高句麗の民を奴隷として唐に護送する命令が下った。迷うヨン・ナムセンに、シン・ホンは唐の信頼が得られれば、ソ・リンギが支配する安東都護府を任されるとヨン・ナムセンに進言する。ヨン・ナムセンはソ・リンギを訪ね、契丹族に援助を頼む・・・。
第39話テ・ジョヨンたちを拉致したのは、イ・へゴたちではなく、黒鼠と称する盗賊の一団であった。殺せと命令する盲目の頭領の顔と声から、テ・ジョヨンは彼が遼東の将軍チャン・サネであることを知る。テ・ジョヨンは名前を名乗り、盲目を装っていたチャン・サネは目隠しを取り、テ・ジョヨンたちを解放した。チャン・サネによると、コム・モジャムも中募山にあって抗唐の人々を集め、軍を組織しているとのことだった。1万人の高句麗遊民を唐に送ることを知ったテ・ジョヨンは、その指揮を執るヨン・ナムセンに会う。ヤン・マンチュン将軍が言った、「民がいれば国は再興できる」という言葉を肝に銘じているテ・ジョヨンは、高句麗遊民を救うことを決意し、唐兵になりすまして護送船に乗り込むことにした・・・。
第40話護送船は当初、遼東に行く予定であったが、唐のイムン将軍はソ・リンギとの約束を破り船は唐に向かっていた。テ・ジョヨンは船が唐に着いてからでは遅いと考え、後走する補給船に火を点けた。食料船を失った護送船は、近くの港に立ち寄ることになった。テ・ジョヨンはそのことを安市城のテ・ジュンサンに知らせる伝令を送った。その情報を受け取ったテ・ジュンサンは全軍出陣の命令を下した。護送船の内部では、イ・へゴ、チョリンを先頭に護送の警護はさせられていた。しかし、肝心の領地を分け与えられていない契丹族と、横柄な唐兵の間で小競り合いが起こり乱闘に発展する・・・。
第41話剣の柄を握り締めたテ・ジョヨンをコルサビウが止めた。チョリンはイ・ムン将軍率いる唐軍に連行された。牢獄にいるチョリンをテ・ジョヨンが救い出し、契丹軍を味方に1万人の高句麗の民を助け遼東に送った。契丹族を乗せた船が営州に向かおうとしたが、チョリンは出発直前に飛び降りる。イ・へゴと契丹族を唐軍とソ・リンギの手から救うにはこれしかないとチョリンは思った。「全部、自分が起こしたことだ、自分に罪を着せてくれ」というチョリン。イ・ヘゴは船を平壌城に向かわせた。任務を遂行できなかったイ・ヘゴはソ・リンギに拷問にかけられた。イ・ヘゴはソ・リンギの指示を仰ぐためにもどったと言う。護送船の責任者だったイ・ムンが安東都護府に来て、ソ・リンギに責任をとって高句麗の民を取り戻せと迫るが、不可能だと断るソ・リンギ。すると、イ・ムンは契丹兵を率いて遼東を攻めるよう命令する・・・。
第42話テ・ジョヨン、コルサビウ、フクスドルが平壌城攻略に向かうことになった。一緒に行くというチョリン。テ・ジョヨンは拒否するが、チョリンは、今は何よりもテ・ジョヨンが一番大切だ、一生一緒にいたいと激白する。自分の行く道は地獄かも知れない、それでもいいのかと問うテ・ジョヨン。一緒に死ねたら、それ以上の幸福はないと答えるチョリンだった。テ・ジョヨン、コルサビウ、フクスドル、チョリンはコム・モジャムのいる中募山に向かった。新羅にいる王の甥コアスンを立てて新しい国を興すというコム・モジャムとその前に安東都護府を攻略するというテ・ジョヨンたちが対立した・・・。
第43話安東都護府の牢獄には、親、兄弟がいる。このままでは、我々全てが唐の奴隷となってしまう。正門の前に高句麗の兵が正門を開けるのを待ち、待機している。出て、父母兄弟を助けよう、と民の前で叫ぶテ・ジョヨン。こうして正門を開けるのに成功するテ・ジョヨン。中募山にいたコム・モジャムもまた、牢獄にいる民を助けよと叫ぶ。安東都護府を制圧したテ・ジョヨンとコム・モジャム。テ・ジョヨンは、安東都護府に保管されていた高句麗の民20万人の名簿を燃やし、もう、自由だ、逃げろ、民がいる限り高句麗は滅びない、高句麗が再建されるまで生きなくてはいけないと叫んだ。安市城に唐の大軍が押し寄せている。王の姪スジョンは、平壌城を取られるよりも、罪なく死んでいく民のことが一番悔しかった。何もしてあげられない無能な自分が嫌だった。民を生かせば、その子孫が戦う。そうすれば、高句麗はまた建てられるとテ・ジュンサン将軍に言う。その言葉に導かれるように、テ・ジュンサン将軍は、民を連れて逃げた・・・。
第44話ポジャン王の甥コ・アンスンが、新羅の後見を得て漢城で新生高句麗国の建国を宣言した。国政を担う大莫離支にコム・モジャムが就き、陛下に仕え一般行政を行う国司にはテ・ジュンサンがなった。テ・ジョヨンは兵部大臣として軍務、国防を統括し、コルサビウ、コクスドルは左右の上将軍に就任してテ・ジョヨンの補佐役にまわった。この建国が独立国として脆弱であることを知っているテ・ジョヨンは、コルサビウ、コクスドルに三人が義兄弟の契りを結び、いつまでも高句麗を守っていくことを誓うことを提案、それぞれが掌を切りその血を酒に混ぜ、すすりあった・・・。
第45話目の前の新羅ムンム王に向かって、テ・ジョヨンは高句麗を倒し、民族の統一を成した、英雄・新羅王はどこにもいない。自分を殺し新生高句麗を滅ぼしたあと、唐は次に新羅を征服するだろう、それよりは現在の高句麗と軍事同盟を結ぶべきと説得するテ・ジョヨン。テ・ジョヨンの言葉には、ムンム王が感じていた思いが全て入っていた。テ・ジョヨンは軟禁状態は変わらないが、丁重に客宮に移された。そこでテ・ジョヨンに会ったチョリンは、自分の居場所はここテ・ジョヨンの側だとその胸にすがりついた・・・。
第46話安東都護府に20万人の大軍が集結した報告を聞いた漢城の新高句麗政府内は、新羅軍を合わせて5万の自軍がいかに戦うか紛糾した。新羅の将軍キム・チャンは、納得できる戦略がない限り新羅軍は一緒に戦えないと主張した。安市城においては1万人の軍で100万の唐軍を撃退したテ・ジュンサンだが、守りの違う漢城ではそうはいかないことを知っていた。漢城付近の地図を見つめ考えていたテ・ジョヨンに一つの戦略が閃いた・・・。
第47話あくまでチョリンを信じるテ・ジョヨンは作戦の遂行を主張した。チョリンもまた命を賭して漏らすことはなかった。コルサビウをはじめ、テ・ジョヨンに作戦の変更を求める者が現れ、高句麗・新羅軍は揺れた。コム・モジャムは、チョリンは信じぬがテ・ジョヨンは信じると作戦を推し進める決定を下した。どうしてもチョリンの口を割らせたいイムンは、チョリンを拷問にかけることにした。焼きごてをチョリンの顔に押し当てようとしたその瞬間、伝令が高句麗軍の先制攻撃を伝えた。いきり立つイムンは迎え撃った・・・。
第48話高句麗軍の上に降り注ぐ矢の雨。20万人の唐軍とともに高句麗軍は全滅した。生き残ったテ・ジョヨン、コルサビウ、フクスドルは、ケガを負ったテ・ジュンサンから新羅軍の将軍キム・チャンの暴挙であることを聞いた。テ・ジョヨンの合図を待たなかったキム・チャンのせいで高句麗兵を失ったテ・ジョヨンは、何食わぬ顔で迎え、しかも権力を笠に着て高飛車に出るキム・チャンを一刀のもとに斬り捨てた・・・。
第49話新羅の使者スミサンと対決するテ・ジョヨン。テ・ジョヨンは、直接ムンム王にキム・チャン将軍処刑の説明をするというが、ムンム王は謝罪を求めているとして、直接の咎めはなかった。疲弊した新高句麗で今大切なのは、政局を安定させることだった。百済の村長の孫ミモサが密かにテ・ジョヨンに会い、ポジャン王の密書を渡した。ポジャン王はやがて、新たに安東都護府になる遼東の都督として赴任する、今の新高句麗政府は、漢城を出て旧高句麗の都市に遷都すべきだという内容だった・・・。
第50話漢城を出た、テ・ジュンサン、テ・ジョヨン将軍一行はスギョン姫を囲むように進んだ。しかし、街道沿いはイ・ヘゴたち契丹族の部隊が包囲していた。馬で駆けつけたチョリンが、新羅の裏切りを知らせるが、時すでに遅く、契丹族部隊の矢が高句麗軍に向かって放たれた。次々と射殺される兵士たち。テ・ジョヨンは、テ・ジュンサンにスギョン姫を託して逃がし、イ・へゴに立ち向かった・・・。
第51話テ・ジョヨンが奇跡的に目覚めた。だが、その手足は全く動かなかった。フクスドルは、コ・アンスンの裏切りでコム・モジャムは斬首され、新生高句麗が滅びたことをテ・ジョヨンに語った。フクスドルは動けぬテ・ジョヨンを橇に乗せ、テ・ジュンサンとスギョン姫が潜む高句麗村に着いた。テ・ジョヨンの変わり果てた姿に驚いたテ・ジュンサンは「立て、立って高句麗のために働け」と叫ぶが、テ・ジョヨンの体はぴくりとも動かぬのだった。世は大きく変わり、コ・アンスンは新羅王に報徳王の名を賜り全羅北道の領地へ赴いた・・・。
第52話テ・ジョヨンは立って数歩自力で歩けるまでになった。テ・ジュンサンはテ・ジョヨンのその姿を見て、手を取り心から喜んだ。その日からテ・ジョヨンは一歩一歩回復に向かっていった。そのことは、ミモサからポジャン王にも伝えられた。治療にあたったミモサには、この回復は奇跡としか思えなかった。テ・ジュンサンは、テ・ジョヨンにヤン・マンチュン将軍が愛用していた弓を与えた。この強弓を引けたら完全回復と言える。全く弓を引けずくじけるテ・ジョヨンをポジャン王の姪スギョン姫が励ました・・・。
第53話テ・ジョヨンは最初に殺すのは、プ・ギウオォとサブグ、シン・ソンだと言う。しかし、ミモサは最初に殺すべきは唐の人買い、奴隷商のワンチョンであると主張した。ミモサの店チソン楼でチョリンとイ・ヘゴの婚姻が行われ、テ・ジョヨンは物陰から涙ながらにその光景を見つめた。テ・ジョヨンたち東明天帝団は、奴隷商ワンチョンを襲撃して殺し、遊民を逃がした。東明天帝団は、そのワンチョンの首を安東都護府に送りつけた。中には、東明天帝団が殺す予定の殺人名簿、殺生簿とその罪状が書かれた書簡があった。そんな中、ミモサはチョリンが妊娠している事をテ・ジョヨンに伝えた・・・。
第54話チョリンたち契丹族部隊が営州へ向かう。目を伏せて見送るテ・ジョヨン。チョリンへの想いが胸に渦巻く。ミモサが送った刺客クムランがソ・リンギ暗殺に失敗する。サブクら警護隊は見逃したが、コルサビウはクムランが刺客であることに気づいていた。東明天帝団がもしやテ・ジョヨンが組織しているのではないかと思っていたコルサビウは、城門の外で東明天帝団を待った。そこに現れたのはフクスドルだった・・・。
第55話ポジャン王、テ・ジョヨンらが組織する東明天帝団に、サブグが唐の奴隷商と取引するという情報があった。プ・ギウォン、シン・ソン、サブグの3人がソ・リンギの目を盗んで、遼東城外で高句麗流民を唐の奴隷商に売ると言う。テ・ジュンサン率いる兵と合流した東明天帝団は、城外で彼らを襲い流民を自由にし、金5000両、銀5000両を強奪して民に分け与えた。しかし、サブグは取引に現れず、計画の一つでもあったサブグ暗殺は不備に終わった。流民も金銀も強奪されたプ・ギウォン、シン・ソン、サブグは漏れるはずのない情報が漏れたのは、仲介したミモサが怪しいと気づく・・・。
第56話編み笠をとった男は「東明天帝団団主テ・ジョヨン」と名乗った。テ・ジョヨンは生きていた。剣を抜き、数合まじ合わせて、テ・ジョヨンの剣がサブグの足を、続いて胴を払った。恨み骨髄の高句麗流民たちは手にした丸太で、サブグを容赦なく打ちのめした。次に、唐から辺境を監視していたユ・グァンジョン将軍が派遣されたが、途中で東明天帝団の手で暗殺された・・・。
第57話シン・ソンを葬ると誓ったテ・ジョヨンだが、シン・ソンをもまた、弟シン・ホンとテ・ジョヨンの抹殺を策略していた。遼東都督・朝鮮王を拝命しているポジャン王が安東都護府に捕らえられている東明天帝団員の様子を見に行った。出された茶には、大きな茶葉が入っていた。ミモサはその茶葉は罠が仕掛けられているという合図だと言う。ソ・リンギの側に仕えるクムランが知らせたのだ。シン・ソン、シン・ホンの策略は東明天帝団の捕虜たちを公開処刑に処すというものだった・・・。
第58話テ・ジョヨンに刃を突き付けられたヨン・ナムセンは、自分も愛国の徒だ、方法が違うだけだと訴える。そこへ、官軍が来たと告げられた。次まで命を預けると去るテ・ジョヨン。ミモサの店チソン楼にいるポジャン王を襲撃することにより、ポジャン王とミモサへのソ・リンギの不信を取り除いた。テ・ジョヨンは、安東都護府に直接入って、シン・ソン、プ・ギウォンを殺し、団員を救うとポジャン王に告げる・・・。
第59話テ・ジョヨンたちは、敵の裏をかいて、安東都護府を襲撃し団員を救出してシン・ソンを殺したが、プ・ギウォンは寸での処で命拾いをした。極楽寺のイ・ヘゴとシン・ホンに、安東都護府が襲撃されたと情報が入る。人間の間には宿命がある。シン・ホンは、テ・ジョヨンは必ず越えなくてはいけない宿命だと言う。テ・ジョヨンが生きていることを知ったチョリンは、テ・ジョヨンの子は死んだと伝えなければいけない、イ・ヘゴと部族をもう裏切れない・・・。
第60話寝所に忍び込んだテ・ジョヨンに、殺されそうになり、プ・ギウォンは目を覚ました。夢であった。プ・ギウォンは、そのまま剣を手に表に飛び出し暴れまわった。プ・ギウォンの精神は少しずつ病んでいた。そのプ・ギウォンが高句麗の青年を徴発し、東明天帝団から守る自分たちの楯にすることを提案した。ソ・リンギ、イ・へゴ、シン・ホンはその案を実行に移した。働き手の青年を徴発された高句麗の民の怒りは爆発した。しかし、プ・ギウォンらは押し寄せる民に、その怒りをそうせざるを得なくした東明天帝団に移せと訴える。そのように騒然とした遼東に営州からチョリンが来ていた・・・。
第61話後ろから剣を押し当てていたのはテ・ジョヨンだった。テ・ジョヨンはヨン・ナムセンに、釈放された理由を尋ねた。ヨン・ナムセンは、テ・ジョヨン逮捕に協力すれば安東都護府を与えられるという条件だと答えた。しかし、ナムセンの願いは高句麗復興だと言う。私を利用しろ、ナムセンはテ・ジョヨンに訴えた。コルサビウ、フクスドルはナムセンを信じられないと言うが、ミモサとともに様子を見ることにした。コルサビウは、遼東に出てきているチョリンと密かに会い、チョリンが今後は子供のためにだけ生きる決意を語るのを聞いた。コルサビウはテ・ジョヨンに子供のことは言わず、チョリンに会ったことだけを告げた。テ・ジョヨンもまたチョリンは敵方であると悲しい決意を固めていた・・・。
第62話遼東の路地裏で相対するテ・ジョヨンとプ・ギウォン。イ・へゴたちがプ・ギウォンを探していた。声が聞こえると一転してプ・ギウォンは土下座して命乞いをした。テ・ジョヨンはそんなプ・ギウォンを見逃した。ソ・リンギは気のふれたプ・ギウォンを唐に送る案を受け入れようとしていた。だが、シン・ホンはプ・ギウォンの乱心が演技であることを見抜いていた。そんな折、ヨン・ナムセンが、今まで反対していた都督府を安東都護府に編入する案に賛成の意を表した・・・。
第63話東明天帝団団員を前にしたテ・ジョヨンは、プ・ギウォンを追うと宣言する。プ・ギウォンは気がふれていない、彼が外に出る機会を待っていた、天下の大逆罪人プ・ギウォンを民の目の前で処刑すると。営州へ帰るチョリンとプ・ギウォンは一緒に安東都護府を後にした。都護府を襲うと予想していたイ・へゴはプ・ギウォンの護衛を10人足らずにしていた。町中に差し掛かったプ・ギウォンの前に立ちはだかる男がいた。テ・ジョヨンであった。テ・ジョヨンの頭に、母を殺されたこと、国を売られた時のこと、様々な思いがよぎった・・・。
第64話都督府の書庫。ヨン・ナムセンの返事がないので、身構えて入るイ・へゴとシン・ホンたち。ヨン・ナムセンは読書に夢中で気付かなかったと言う。テ・ジョヨンは、書庫の陰に隠れ一部始終を聞いた。シン・ホンはプ・ギウォンが残した東明天帝団の調査書を見せ、ナムセンの協力を求めた。調査書には、推測であるが、黒幕はポジャン王、根城はチソン楼と書かれていた。協力し、テ・ジョヨンを仕留めた暁には、安東都護府をヨン・ナムセンに任せるという唐の書状も用意してあった・・・。
第65話闇に潜むテ・ジョヨン、コルサビウ、フクスドルたちはヨン・ナムセンの合図を待っていた。ヨン・ナムセンは、イ・ヘゴ、シン・ホンと2人の唐の間者に裏切りを迫られていた。監視が厳しくて遅くなったと、ヨン・ナムセンが現れ、テ・ジョヨンたち東明天帝団を引き入れた。剣を抜いたテ・ジョヨンはソ・リンギの執務室に向かった。執務室には誰もいない。気配を感じて屏風を開けると、そこにはクムランが縛られていた。全てを悟ったテ・ジョヨンだが、時すでに遅く、テ・ジュンサン率いる抗唐軍、東明天帝団は安東都護府の兵に囲まれ、矢を射られた。テ・ジュンサン、コルサビウ、フクスドルの3人は、徴兵された高句麗の青年兵に助けられ逃げ延びた・・・。
第66話イムンはテ・ジュンサンに、黒幕は誰か問い詰めるがテ・ジュンサンは答えない。業を煮やしたイムンは、テ・ジュンサンを殺そうとする。ソ・リンギがやって来て、それを阻止する。イムンとソ・リンギは、東明天帝団壊滅の手柄争いで対立していた。シン・ホンは、黒幕はポジャン王と読んで、ヨン・ナムセンに問いかける。決して答えないヨン・ナムセン。シン・ホンはテ・ジュンサンと東明天帝団の生き残りを公開処刑することを提案する・・・。
第67話テ・ジョヨンは処刑場に戻り、高句麗の民、東明天帝団の面々の累々たる屍に涙した。コルサビウ、フクスドルが駆け寄り、生き残った者たちが潜んでいる洞窟にテ・ジョヨンを連れ戻した。ミモサも生き残っていた。しかし、ポジャン王、テ・ジュンサン、スギョン姫、チャン・サネ他は捕虜として、牢に入れられていた。契丹族の将軍イ・ヘゴの策士シン・ホンは、ポジャン王たち捕虜を唐の長安に押送する案をソ・リンギに提案した。唐政府の頭を悩ませ、苦しめてきた東明天帝団を壊滅させた手柄をアピールするためであった・・・。
第68話ポジャン王たちを奪回せんとするテ・ジョヨンは、営州に着いたソ・リンギたちの動向を探った。テ・ジュンサンたちは牢に入れられているが、ポジャン王は病を得て宮庁内にいるとのことだった。護衛は約1000人の兵士である。一行は臨渝関到着前に馬都山を通るはずである、馬都山には唐に滅ぼされた突厥族が潜んでいるので、彼らの手を借りて王たちを奪還してはどうかと、ミモサが提案した。突厥族の部族長ケピルサムンが女に弱いことを利用して、ミモサは突厥族に近づくことに成功した。ケピルサムンはポジャン王、テ・ジョヨンの名声を知っていて、ミモサのチサン楼の財産の半分を提供することで、協力を承諾した。シン・ホンは突厥族の存在は周知していた・・・。
第69話テ・ジョヨン、ポジャン王、スギョン姫、フクスドルたちは、テ・ジュンサン、コルサビウたちと離れ離れになっていた。剣を抜いたテ・ジョヨンは力の限り戦おうとしたが、イムンの剣がポジャン王の首に当てられ万事休す。テ・ジョヨンは剣を捨てた。テ・ジョヨンとポジャン王を手に入れたイムンだったが、そこにソ・リンギ、イ・ヘゴたち一隊が追いついた。ソ・リンギとイムンの間で大物捕虜2人の取り合いが始まった。それぞれの思いからソ・リンギがポジャン王を、イムンがテ・ジョヨンを捕らえたことになった・・・。
第70話深夜、利発そうな少年が、吊るされているテ・ジョヨンに近づいて、手にした水筒からテ・ジョヨンに水を飲ませた。少年は元遼東城主で今は都城警備隊将軍になっていたコ・サゲの息子コ・ソンジである。明日、ウゴルとの決闘に勝ってほしいとテ・ジョヨンに訴えるのだった。翌朝、則天武后、ソ・リンギ、イムンらが見守る中、テ・ジョヨンとウゴルの決闘が始まった。6日間飲まず食わずのテ・ジョヨンは、巨漢・怪力のウゴルに圧倒されていたが、捨て身の眼つぶしでウゴルの動きを止めて、テ・ジョヨンの剣がウゴルの肩を切り裂いた。その強さに則天武后は興味を示し、テ・ジョヨンたちを唐政府の捕虜とする故、勝手に殺してはならぬとイムンに言い渡した・・・。
第71話則天武后はテ・ジョヨンの処遇をイムンに全て任せる決定を下した。その裁定にソ・リンギは顔を曇らせた。また、則天武后はイ・へゴ、チョリンに自分の子である廃太子イ・ヒョンの警護を託した。イ・ヒョンは異民族嫌いで何人もの警護の者を切り殺したという噂の人物だった。自ら女好きを公言しチョリンに関心を示す態度を見せる。病弱な王が危篤に近い状態であるため、彼を担いで謀反を起こす懸念があるので彼の警護は重要な任務であった。そしてスギョン姫は奴婢に貶められ、後宮全ての洗濯を言い渡されていた・・・。
第72話テ・ジョヨンは、鬼斧山麓奴隷収容所の捕虜たちに一致団結を呼び掛け、食糧を配給制にした。そのことを知った収容所大将チョンガは、各国の捕虜代表を集め、テ・ジョヨン暗殺を命じた。ある夜、テ・ジョヨンを殺そうと忍び寄った男を防いだのはコルサビウだった。コルサビウはテ・ジョヨンを守るために収容所に奴隷として入所していた。テ・ジョヨンは、テ・ジュンサン、ミモサたちが自分を救出しようとしていること、ポジャン王の病が重く客宮にいること、スギョン姫が奴婢になったことを知った・・・。
第73話テ・ジョヨンは両方の杯を飲み干した。それを見た則天武后は、テ・ジョヨンの忠誠心の深さに感心し、始めから杯に毒は入っていない、一方だけ飲んだら即座に殺すつもりだったと言った。再びその忠誠心を私にくれぬかと問われたが、テ・ジョヨンは口から血を流して倒れてしまった。すぐ内医院に運ばれ一命は取りとめたが昏睡状態である。二つとも酒のはずが、両方の杯に毒が盛られていたのだ。毒を盛ったのは誰か?大臣たちと大方の者は常に殺す機会を狙っていたイムンの仕業だと思った・・・。
第74話武器も食料も持たない人間たちを唐の一部隊が、攻めて殺す。“人間狩り”とはそういうものだった。今回はイムンの部隊が出動、ターゲットはテ・ジョヨンはじめ鬼斧山麓奴隷収容所に収容されている奴隷全員だった。そこには多民族は人間ではない、野獣であるという発想が含まれていた。体内の毒が薄まって体力を回復しつつあるテ・ジョヨンのところに、密かにスギョン姫が会いにきた・・・。
第75話テ・ジョヨンの熱い語りかけにも応じず、捕えた唐軍の兵士と引き換えに助けてもらおうと主張する一群があり、唐軍の捕虜と共にイムン軍に向かった。しかし、イムンは捕虜を引き取ると、彼らに弓を放つように命じた。命からがら逃げる奴隷たち。追撃する唐軍。テ・ジョヨンの一隊が、彼らを救いに立ち上がった。逃げた奴隷を取り囲んだ唐軍に竹槍が投げ込まれ、戦闘が始まった。奪った武器を手にしたテ・ジョヨン軍は圧倒し、唐軍は退却した。テ・ジョヨンは唐軍の武器を奪い、服を脱がせて川に投げ入れるように命じた・・・。
第76話“人間狩り”が続く。イムン率いる唐軍は3方をから攻めようとしたが、そこには悉く罠が仕掛けられていた。7000人の唐軍は壊滅状態にされ、イムン自身も罠にかかり木に吊るされた。唐軍の生き残りは1000人になっていた。テ・ジョヨンはイムンを食糧と引き換えにしようと考えた。あくまで戦い抜く姿勢だ。ソ・リンギが鬼斧山に着いてその現状を見た。長安城の動きもあわただしく、イ・へゴたちがイ・ヒョンの武器を捜索したが、もうどこかに隠されたあとだった・・・。
第77話イ・ヒョンは捕えられ牢に入れられた。則天武后は、謀反の一味と怪しいと思われる人物を追求した。自分に挑んでいる反対勢力を服従させるのが目的だった。イ・へゴはイ・ヒョンの側近チョ・ドセンを脅し、謀反に協力した人物としてイムン、チョ・ムネ等の名前を書かせた。則天武后は、生き残ったテ・ジョヨンは殺さず、イムンは死体であっても死後の極刑である剖棺斬屍を行うと言い渡した・・・。
第78話再会したスギョン姫は、二度とテ・ジョヨンのもとを離れないと誓った。テ・ジョヨンは唐を脱出し高句麗再興の気持ちは捨てていなかった。謀反の裁定はイ・ヒョン王子の身分剥奪、宮外追放だけで、他の重臣は則天武后への新たな忠誠を誓わされただけで元の職務に戻された。イ・へゴはチョリンと共に皇宮の近衛隊長になった。チョリンの父契丹族部長たちが、チョリンの息子コムの到着を待って営州に帰ることになった・・・。
第79話テ・ジョヨンはミモサと共にソ・リンギ邸を訪れ、父ジュンサンに会い、スギョンとの結婚を報告した。その間イ・ヘゴの策士シン・ホンは何かを察知し、ミモサに唐脱出は断念するように言うのだった。政務会議の途中、侍中大臣ウィスンが王イ・チに呼び出された。イ・チは死期が近づいているのを悟り、ウィスンに遺言を認めさせた。皇位は第3王子チョルに継承させ、則天武后は皇太后になっても一切政治に関与させるなという内容だった・・・。
第80話テ・ジョヨンはケピルサムンに、自分は戦う気持ちはない、討伐隊の総司令が突厥族を滅ぼしたイムンだからこの機会に突厥族の恨みをはらせと告げた。テ・ジョヨンがケピルサムン一味を一網打尽にしたと見せかけると、予想通りイムンはテ・ジョヨン軍も含めて全滅させ、手柄を横取りしようと考えた。しかし、テ・ジョヨン軍は馬都山を脱出、イムンの全軍はケピルサムンの突厥族軍と戦った。両者が戦っている隙に、ミモサはケピルサムンが強奪した則天武后の献上品を運び去った・・・。
第81話ソ・リンギはテ・ジュンサンとミモサを城外に逃げ延びさせた。テ・ジョヨンが唐を脱出した事を知ったイ・へゴとシン・ホン。イ・へゴは放っておけと言ったが、シン・ホンは部下を使って逃げる先であろう営州を治める契丹族部長に手紙を届けさせた。テ・ジョヨンたちは食糧調達のために営州に行くはずだから、穀物の取り引きをやめさせるように認めさせた・・・。
第82話テ・ジョヨンは、平壌城が落ちる時、自分たちを助けてくれた契丹族部長イ・ジンチュンの「真の勇気は賞賛されるべきだ」という言葉を思い出していた。テ・ジョヨンは、大胆にも契丹族部長に会い、食糧を分けてくれるよう申し出た。その見返りに何をくれる?という問いに、テ・ジョヨンは、友軍となると答えた。契丹族の王の称号・可汗の中でも絶対権力を持つ可汗、無上可汗になることに協力すると・・・。
第83話テ・ジョヨンが各部族部族長の前で規律や心構え、軍の強化について演説している。その話は、唐と戦う時は三足烏の旗のもとに集まれと締めくくられ、部族長たちはテ・ジョヨンへの忠誠を誓った。東牟山を本拠地とするテ・ジョヨンは細かく分かれていた部族を統合して勢力を拡大していった・・・。
第84話イムンは契丹族部族長イ・ジンチュンの誕生日の祝いに、契丹族は事を起こすと読んでいた。契丹の営州には不穏な空気が漂っていた。テ・ジュンサンは再び営州に向かい、察知して止めに来たソ・リンギはこの地に留まっていた。イムン、チョムネは当然、部族長誕生日祝いの招待されていた。誕生日当日、3刻過ぎても唐の招待者は一人も姿を現さない。不審に思った部族長は戦闘態勢を整えようとした、その時様子を見に行った側近が慌てて戻った・・・。
第85話テ・ジョヨンに、コルサビウと私の問題ですと答えたきり、話そうとしないチョリン。テ・ジョヨンは、話したくなければいい和解するようにと去っていった。遠く北西の戦地では、イ・へゴは、突厥族のムクチョルと会談し戦いを中断して営州へ戻ることにした。営州の城門は契丹族の降伏兵が守っていた。反乱軍は数10人で残りの兵士はほとんどが投降していた・・・。
第86話投降兵に偽装したコムが営州の城門を守っていた唐兵を刺し殺し檄を飛ばすと、契丹族の古歌の笛の音とチョリンの呼びかけで里心がついていた投降兵たちは、鬨の声を上げ、唐兵に向かって行った。機が熟したその時、テ・ジョヨン軍が弓を射、総攻撃をかけた。テ・ジョヨン軍はやすやすと入城し、入牢させられていた契丹族部族長イ・ジンチュンたちを解放して、唐の監督官チョムネを捕らえた・・・。
第87話チョムネの首を取ったということは、唐に宣戦布告したも同じだと、ソ・リンギがイ・ヘゴに言う。ソ・リンギが禍根になると判断したシン・ホンはソ・リンギを抹殺しようとするが、見破られてチョムネの首は唐の則天皇帝に渡った。則天皇帝は隠遁していたソ・リンギを探し出し、契丹討伐を命じる・・・。
第88話高句麗流民村。契丹国皇帝イ・ジンチュンに高句麗流民を返す代わりに、唐との戦いに加勢を求められたテ・ジョヨン。テ・ジョヨンは皇帝の期待を絶対裏切らないと答える。そこへ伝令が、イ・ヘゴが率いる契丹軍が高句麗流民村に到着したことを告げた。表ではイ・ヘゴたちとコルサビウ、フクスドルたちが一触即発の状態だった。そこへ皇帝イ・ジンチュンが現れ、事なきをえた・・・。
第89話早馬が臨楡関の唐の陣営に入った。司令部のソ・リンギは敵陣にテ・ジョヨンの姿がないことが気になっていた。早馬はイムンの伝令である。テ・ジョヨンの行方を捜したが見つからないという返事であった。テ・ジョヨンの行方が分からないままソ・リンギは総攻撃の指令を出した。イ・ヘゴの軍師シン・ホンは唐の総攻撃の前日夜、奇襲をかけるよう指示を出し戦闘は開始された・・・。
第90話ソ・リンギの使者を斬り捨てたコムにテ・ジョヨンは、「自分は契丹を裏切ろうと思ったことは一度もない」と言い、コムを営州城に帰した。契丹国では、テ・ジョヨンが心変わりするのではないかとの疑念が渦を巻いた。しかし、この使者派遣がソ・リンギのテ・ジョヨンと契丹国を仲たがいさせる策であることを見抜いていた人物がいた。イ・へゴと唐の則天皇帝である。イ・へゴはより結束を強くすることを決意し、則天皇帝はソ・リンギ下ろしを考える臣下を諌めるのであった・・・。
第91話伝令が大敗とイ・へゴが捕虜になったことを契丹国皇帝イ・ジンチュンに知らせた。しかし、イムンの数百騎に騙されたテ・ジョヨン軍は山に潜み待ち伏せして、イムンを生け捕りにした。唐の司令部ソ・リンギは大勝利とイ・へゴを生け捕ったことに大いに気をよくしていた。そこに、イムンが捕虜になった知らせが届いた・・・。
第92話イ・へゴの首に刀を押し当て、投降すれば命を助けてやると唐のソ・リンギ将軍。テ・ジョヨンはイムンの首に刀を突きつけたままだった。にらみ合いが続く。均衡を破って、契丹国皇帝イ・ジンチュンがソ・リンギとの会談を提案し、翌日、会談が行われた。契丹国としては時間稼ぎであったが、イ・ジンチュンのイ・へゴ、イムンの捕虜交換はソ・リンギに断られて会談は決裂した・・・。
第93話契丹国とテ・ジョヨン軍は家族のために戦っているから絶対、ソ・リンギには負けぬと言うイ・へゴに斬りかかるソ・リンギ。間一髪、ソ・リンギの側近ホンペが止めに入った。契丹国の軍師シン・ホンはイ・へゴを取り戻す方策を考えていた。イ・へゴ救済については、意見の別れるテ・ジョヨン軍であったが、テ・ジョヨンは唐との戦に犠牲者を少なく勝つにはイ・へゴが必要であると主張した・・・。
第94話テ・ジョヨンは前線に契丹軍の補充をイ・へゴに頼むが聞き入れられない。それならば、テ・ジョヨンは総司令の地位をイ・へゴに返さず、テ・ジョヨンの手中に置くことにした。数に勝る唐の陣営ソ・リンギは、波状攻撃作戦を考え、軍を二つに分けて、その夜の夜襲から再戦を開始する手筈を整えた。数に劣るテ・ジョヨン軍である・・・。
第95話山中でテ・ジョヨン軍が見守る中、テ・ジョヨンの軍勢が営州城内に入ったと信じた唐軍が進軍を開始、城外10里に陣を張った。全軍が東門に集結したが、高句麗の三足烏の旗を北門に見つけると、ソ・リンギは5000の兵を北門に送った。そして、イムン軍が攻撃を開始した。すると間もなく、その唐軍の後方に火矢が飛んできた。山中に潜んでいたテ・ジョヨン軍が総攻撃をかけたのだ。城内の契丹軍も前方から攻撃した・・・。
第96話テ・ジョヨンの力は後になって契丹国の災いになると信じる契丹国の軍師シン・ホンは、泥酔しているテ・ジョヨンに刺客を放った。しかし、この気配を察していたミモサ、コルサビウ、フクスドルら腹心が刺客を悉く葬った。シン・ホンはこの機に殺してしまおうと兵を集めテ・ジョヨンの寝所に向かった・・・。
第97話テ・ジュンサンに会った唐の使者は、契丹が唐に勝利したのはテ・ジュンサン、テ・ジョヨン親子の力であるから、則天皇帝が「北方の王と認め震国公の名を送る」と認めた文書を渡した。王は唐が決めるのでなく、高句麗の民が決めるものと文書を突き返すテ・ジュンサン。イ・ヘゴは、営州城に入り契丹国皇帝を無視した唐の使者を逮捕し、高句麗流民村を契丹兵で包囲した・・・。
第98話テ・ジョヨンを天下の勝者にするために、ミモサ、コルサビウ、フクスドルは武力で営州を制圧することに決めた。全ては、決起に反対するテ・ジョヨンに内緒で進められた。武装解除して村の内外にいる兵に呼びかけてその日を決めた。しかし、その決起は契丹国軍師シン・ホンの掌の上のことでしかなかった・・・。
第99話契丹国皇帝イ・ジンチュンに、王位を譲ると言われたテ・ジョヨンは、王になる器ではない、王位は娘チョリンにと答えた。その対応にイ・ジンチュンは、自分が一度でもテ・ジョヨンを殺そうとしたことを恥じ、これからは、どんなことがあってもテ・ジョヨンを信じることを約束した・・・。
第100話負けを認めたコム。イ・ヘゴは息子との初めての手合わせに素直に喜んでいた。そんな二人を見守るチョリン。テ・ジョヨンは出陣しようとしていた。しかし、シン・ホンは家族を連れて行くことに異を唱えた。ミモサはその代わりに王孫イ・コムの同行を求めた。コムは両親の反対を押し切って、テ・ジョヨンについて出陣することを決めた・・・。
第101話契丹のイ・ヘゴのもとに、テ・ジョヨンが新城に達したと知らせが入った。イ・ヘゴはテ・ジョヨンに負けられぬと勇み立つ。シン・ホンに皇帝暗殺を持ちかけられたソン・マニョンは、「契丹の王孫は高句麗の血筋」というシン・ホンの言葉が頭の中をぐるぐる回っていた・・・。
第102話玄菟城城主の首を見た新城城主ヤン・ソウィに、貴様もそうなると言い放ち、去るテ・ジョヨン。ヤン・ソウィは動揺を隠し切れなかった。そして翌日ミョジャク城城主の首が届いた。最後の首はミモサが入城を求め、直接、ヤン・ソウィに渡し無血入城を迫った。もともと高句麗の土地、降伏と言うより撤退と言うべきでしょうとミモサ。テ・ジョヨン軍は一本の矢も射ずに新城に入った・・・。
第103話遼東のテ・ジョヨン軍。テ・ジョヨンは遼東制覇のため、コルサビウとクムラン、フクスドル、テ・ジョヨン自身にそれぞれ一万人ずつ兵を配し、遼東城、白巌城、安市城を落とすのを競わせる作戦を立てた。“勝負”である。将軍たちは城を攻める作戦を練った・・・。
第104話契丹国営州皇宮、皇帝の寝所に現れた義弟ソン・マニョンが言った「コムは誰の子か知っているか」その問いかけに、戸惑う契丹国皇帝イ・ジンチュン。そこへ、チョリンとテ・ジュンサン配下の兵が到着してソン・マニョンは捕えられた。契丹で謀反があったことは、すぐ、遼東のテ・ジョヨンにも伝わった・・・。
第105話安市城が天恵の要塞であることをテ・ジョヨンはよく知っていた。そして、ここで戦ったことのあるテ・ジュンサンも。唐の攻勢を何度かこの城で食い止めた高句麗屈指の城である。遼東城、白巌城を攻め落とし、戻った兵も含めてテ・ジョヨン軍は3万人。安市城攻めには少なかった。スギョンとテ・ジュンサンは、契丹国に援軍を頼もうとした・・・。
第106話安市城から抜け出して来た高句麗の民たちを問い質してみると、彼らは家族を人質にとられてテ・ジョヨンを騙すためにやって来たのだった。テ・ジョヨンは彼らが城内に戻って罰せられないように、言われたとおり、満月の夜に南門を攻めると言って彼らを帰そうとした・・・。
第107話安市城を手に入れた数日後、テ・ジョヨンは高句麗の民を迎えに契丹国営州へと発った。テ・ジョヨンが到着する前に、イ・ヘゴが契丹国に凱旋した。皇帝イ・ジンチュンは、自分の命がそう長くないことを悟っていた。後継者争いで謀反が起こった今、遺書を肌身離さず持っていた・・・。
第108話高句麗流民の移住準備は着々と進んでいた。コムがテ・ジョヨンの子供であることを皇帝イ・ジンチュンが知ったことをシン・ホンから聞かされて以後、イ・ヘゴは酒浸りになり荒れていた。そんな中、イ・へゴは唐のチョ・インサ他3名の将軍に忠誠を誓わせた・・・。
第109話覚えのない契丹軍の出兵を知り、異様に思うコムだったが、その兵が唐軍の軍服をまとい、遼河を臨む地で、高句麗流民を襲おうとしていることは察知できなかった。山全体を包囲され、転んで偽唐軍に襲われるスギョン。間一髪、兵の胸を矢が貫いた。コルサビウが安市城から迎えに来たのだ・・・。
第110話高句麗人のために契丹の民を殺すとは何事と父イ・ヘゴの叱責を受けるコム。翌朝、突厥よりムクチョルの息子イネルが使者として契丹国に到着、皇帝ソン・マニョンに謁見し、相互不可侵条約の締結を提案した・・・。
第111話テ・ジュンサンが暗殺されるという情報はコルサビウも入手していた。しかし、それ以外の情報がなく、救出に向かうことができなかった。皇宮の裏山で、処刑が行われようとした瞬間、手裏剣が飛んで来て処刑者を殺した・・・。
第112話突厥の可汗、ムクチョルは契丹の無礼な態度に怒り、イ・ヘゴが出兵した後のがら空きの営州を攻めることを命じる。押し寄せるイ・ヘゴの大軍を安市城で迎え撃つ決意をするテ・ジョヨン。深手を負ったテ・ジュンサンをかくまっていたコムは、その居場所を襲撃してきたコルサビウに伝える・・・。
第113話突厥軍に包囲された営州城では、契丹国の皇帝ソン・マニョンが自らを責めながらも、イ・ヘゴ軍が戻ってくるまで持ちこたえるよう命じていた。城内に残ったテ・ジュンサンは、わずかの手兵で流民を救出する道を探る・・・。
第114話ソ・リンギは、突厥の可汗、ムクチョルに、民に対する略奪や殺戮をしないことを条件に降伏を認めさせたことを告げる。城内に入った突厥軍だったが、そこでムクチョルは、契丹の皇族の皆殺しや女たちを貢物でいただくなどの無理難題を言い出し、再び城内で乱戦が始まる・・・。
第115話ソ・リンギが自ら唐の兵を率いてイ・ヘゴの討伐に向かい、追い詰められたイ・ヘゴは、遼河を渡り、旧高句麗の砦に立って籠った。イ・ヘゴの状況を知ったテ・ジョヨンの幕僚たちは、安市城内にいるコムが、イ・ヘゴと内通することを警戒する・・・。
第116話コムが実の息子だと知っても出兵の決断を下せずにいるテ・ジョヨン。突厥の遼東への野望を告げる幕僚たち。コムのことを知ってもなお出兵すべきだという夫人スギョンの言葉に心動かされ、テ・ジョヨンは出兵の決断を下す・・・。
第117話コムは必死に懇願した。父を、契丹兵を助けてくれるように。明朝、コムが、唐、突厥連合軍陣営・遼河城に戻らなければ、皆、処刑される。テ・ジョヨンは、コムが自分の子であるからこそ戻したくなかった。臣下の意見は、コムの願いを無視して、総攻撃であった。テ・ジョヨンは決断した・・・。
第118話テ・ジョヨンにはイ・ヘゴを殺せば、永遠にコムを失うという思いがあった。傍らにいたテ・ジュンサンが、コムを臣下として側においてはどうか、建国には人の力が必要だと語った。翌朝、ミモサがイ・ヘゴの様子を見に行くと、イ・ヘゴはまんじりともせず、毒の壷が置かれたテーブルの前にいた。ミモサを見るなり、テ・ジョヨンに会わせてくれと言う。テ・ジョヨンの前にイ・ヘゴと部下達が引き出された・・・。
第119話イ・ヘゴ追撃は失敗に終わった。イ・へゴ達は、営州の街中に潜みソ・リンギの動向を探った。ソ・リンギは病の床にいた。ムクチョルとの神経戦で精も根も尽き果てていたのだ。イ・へゴは皇宮に忍び込み、ソ・リンギの寝所を襲った。気配を察知したソ・リンギは、物陰に隠れて逆にイ・ヘゴに短剣を突きつけた…。
第120話命をかけてテ・ジョヨンと戦うという契丹村の民の声を、コムの若々しい声が制した。今、反乱を起こしたら、永遠に契丹国は復活できなくなる、いつか必ず、この手で契丹国を再興する。反乱を起こしたい者はこの剣で私の首を斬れと剣を抜き、地に刺した。コムの言葉に打たれた契丹村の民はコムについていくことを誓った…。
第121話イ・ヘゴは荒れていた。使者を送ってもチョリンとコムが来ない。シン・ホンは安市城にいる2人を間者にできると考え、再び使者を送る。安市城では、唐の大軍をよそに、東牟山の麓への大移動を推し進めていた…。
第122話深夜、唐軍陣営、イ・へゴはヤン・ソウィと重臣チャン・ヒョヌを襲った。翌朝、イムンが止めるのも聞かず処刑は始まった。夜襲の邪魔をした兵士は縛り上げられ、弓で射られた。命乞いするヤン・ソウィはイ・ヘゴに斬り捨てられ、チャン・ヒョヌはイムンが葬った。イムンは「これで戻れぬ橋を渡った。テ・ジョヨンを倒すしか生き残る道はない」と呟いた…。
第123話軍の先鋒はイ・ヘゴ軍。テ・ジョヨン軍先鋒はコム軍。どちらも先に攻めずに時間が過ぎる。ついにイ・ヘゴが動いた。圧倒的な唐軍の力でコム軍は押しまくられた。イ・ヘゴとコムは戦場で睨み合った。斬り合うこともなく、側近の者達に分けられた2人。コムは、山道を逃げ延びたが、そこにイムンが待っていた…。
第124話テ・ジョヨン軍は、テ・ジュンサン達にひと山越えれば追いつくところまでやって来た。残ったフクスドルは相手の先手を取って夜襲をかけた。フクスドルの大活躍で、緒戦は大勝利に終わった。テ・ジョヨン軍は、無事テ・ジュンサン一行と合流できた…。
第125話唐軍に大打撃を与えたフクスドルは、捨て石になる覚悟で兵たちに命が惜しいものは去れと伝えるが、一人も立ち去るものはいなかった。テ・ジョヨンの陣営では、大業を成すためには、天門嶺へ向かうよう訴える家臣たちに、自分一人でも助けにいくとテ・ジョヨンが言い張っていた。そんなテ・ジョヨンにフクスドルの夫人、オホンは、フクスドルは決してひき返すことを望んではいない筈と訴える。単身、救出に向かおうとするテ・ジョヨンにコルサビウが同行を申し出た。押し寄せる唐軍に、フクスドルは一騎打ちを申し出て、イムンが相手することになる。火花を散らす両雄、フクスドルが馬乗りになってとどめを刺そうとした時、背後からチョ・インサが襲い掛かり、フクスドルは囚われてしまう…。
第126話イムン率いる馬兵は、テ・ジョヨン軍に追いつき、出兵準備を進めていた。イ・ヘゴ率いる唐軍本隊も昼夜を問わぬ強行軍でそれを追っていた。テ・ジョヨンは、家臣たちに、国を建てるためには、唐軍の攻撃を防ぐのみならず、ここで全滅させなければならないと告げた。軍師ミモサは、かねて用意の策として、天恵の要塞、天門嶺の地形を利用して罠を仕掛け、防御壁を作ることを提案する。しかし、そのためには工事が終わるまで時間を稼ぐ策が必要だった。テ・ジュサンが、民を率いて天門嶺を上ることになり、時間を稼ぐためには、決死隊を編成して峰の入り口を塞ぐことになった。その死地にコルサビウとクムランが自ら志願、クムランを道連れにしたくないコルサビウは一人で残ると言うが、テ・ジョヨンの判断で二人組んで残ることになる…。
第127話唐軍が動き始めたという合図の火矢が放たれた。契丹の陣では、コムがチョリンに、戦は自分に任せて撤退するように言うが、チョリンは引かなかった。テ・ジョヨンは、イ・ヘゴは自分のいる本陣を攻めてくると予想するが、姿を現したのはチョ・インサとソル・ゲドゥだった。イ・ヘゴは契丹兵の守る裏道に向かっていた。イ・ヘゴが攻めてきたことを知ったコムは、再びチョリンに後方に引くように勧めるが、チョリンは契丹の希望のために戦うと言った。対峙するイ・ヘゴ軍と契丹軍。チョリンは白旗を掲げるように命じる。それを見て契丹陣に向かったイ・ヘゴ軍に、かねて用意の罠が襲い掛かった。そこに斬りかかっていく契丹兵。白旗は計略だった。戦いの最中、イ・ヘゴはチョリンに連れ戻しに来たと言うが、チョリンは裏切り者のイ・ヘゴを許せないと答える。思わず剣を取り落とすイ・ヘゴ。その目前でチョリンが唐兵に追い詰められる…。
第128話イ・ヘゴと共に契丹陣内に忍び込んだシン・ホンは、内通者を得て、罠の位置を記した地図と内通の約束を手に入れていた。契丹に疑念を抱くミモサは、クムランに契丹陣営を見張るように命じる。日が暮れ、出掛けようするクムランに行くなというコルサビウ。しかし、クムランは軍師の命を守り、契丹陣に向かった。そして、潜んできたシン・ホンたちの会話を聞き、契丹陣内での裏切りを知る。コムとチョリンに知らせに走るクムラン。そこにイ・ヘゴ率いる唐軍が攻めかかり、コムとチョリンはテ・ジョヨンの本陣に向かう。追い詰められたテ・ジョヨンは、陣営を立て直すべく谷向うの峰に向かうこととなり、敵を食い止めるために父テ・ジュンサンがその場に残ることを申し出た。谷を渡るテ・ジョヨンたちは、コルサビウの陣が炎上しているのに気付く…。
第129話冷たくなったクムランを背負ったままコルサビウが本陣に戻ってきた。囚われのテ・ジュンサンは、ソ・リンギの前に引き出され降伏をすすめられるが、息子の大業のためなら死も厭わないと答えた。テ・ジョヨン軍の士気は著しく下がっていた。その上、頼みの綱の靺鞨族も唐を恐れて援軍を断ってきた。チョリンはコムを呼び出し、自分が時間を稼ぐので靺鞨族を説得してくるよう命じた。そして、テ・ジョヨンに、イ・へゴと内通した罪で自分を捕虜として拘束し、テ・ジュンサンとの捕虜交換を申し込み、コムが援軍を連れてくるまで時間を稼ぐよう願い出た。人質として柱に縛られたチョリンを見てイ・ヘゴの心は揺れ、交渉の使者として訪れたミモザたちを牢に放り込んだ。唐軍の軍議では、ソ・リンギが、目の前で処刑してテ・ジョヨン軍を奮起させるくらいなら、テ・ジュンサンは解放したほうがいいと提案した。捕虜の交換は、両軍の境である川をはさんで行われることとなった…。
第130話捕虜交換のために川をはさんで対峙したテ・ジョヨン軍と唐軍。人質のテ・ジュンサンとチョリンの縄が解かれ、チョリンは川を渡った。しかし、テ・ジュンサンは近くの唐兵の腰の刀を奪うと一人で唐の軍勢に斬り込んでいった。一斉にテ・ジュンサンに斬りかかる唐兵たち、テ・ジョヨンも攻撃を命じる。乱戦の中、深手を負い、イ・ヘゴの剣に貫かれたテ・ジュンサン。最後に、必ず勝ってこの地に高句麗の栄光を復活させるよう、テ・ジョヨンに頼んで息を引き取った。唐の大軍が押し寄せるが、テ・ジョヨンは決死の覚悟で、この谷に踏みとどまって反撃することを選んだ。テ・ジュンサンの死に奮起した兵たちの鬼神の働きで、戦いは日が暮れても続いた。その時、ソ・リンギの待つ手薄な唐の本陣に敵軍襲来の知らせが入る…。
第131話テ・ジョヨン軍の追撃に追い詰められたイ・ヘゴ。家臣たちが捨石となって、テ・ジョヨン軍に立ち向かう間に、イ・ヘゴは、未だ再起をあきらめず、シン・ホン、チョリンたちと共にほんの数騎で落ちて行った。奮闘するイ・ヘゴの家臣たちを打ち破って、さらにイ・ヘゴを追うテ・ジョヨン。イ・ヘゴの軍師シン・ホンは一計を案じ、シン・ホンが囮になってテ・ジョヨン軍を引きつけている間に、イ・ヘゴたちは、すでに調べられて盲点となっている遼河城に隠れた。テ・ジョヨンは、シン・ホンを捕縛したが、イ・ヘゴの行方を見失う。イ・ヘゴの居所をしゃべらぬシン・ホンに、テ・ジョヨンは処刑を命じた。処刑場に引き出され、彼方のイ・ヘゴに向かって最後の挨拶をするシン・ホン。しかし、すべてはテ・ジョヨンの策、シン・ホンが語りかけたその方向から、テ・ジョヨンはイ・ヘゴが遼河城に潜んでいることを見抜く…。
第132話いつ果てるともなく思われたテ・ジョヨンとイ・ヘゴの一騎打ちは、最後にテ・ジョヨンが勝利をおさめた。イ・ヘゴは、テ・ジョヨンに、唐よりも高句麗よりも雄大な帝国を建てろと言って息絶えた。イ・ヘゴの亡骸に歩み寄ったチョリンは、一息で毒をあおってイ・ヘゴの後を追った。凱旋してきたテ・ジョヨンを大勢の民が出迎えた。民たちは、口々にテ・ジョヨンが王になってくれるように頼んだ。民が望むなら喜んで王になろうとテ・ジョヨン。テ・ジョヨンは正式に初代太王に即位し、国名を渤海と号した。宰相にチャン・サネ、大将軍にコルサビウが任じられた。病をえて床についていたソ・リンギは、渤海建国の知らせを受けるが、未だ決着つかずと、イムンに最後の秘策を与え長安の則天皇帝のもとへ向かわせた。あえて官位につかなかったミモサは、残された危険勢力である突厥が、唐と手を組む前に、渤海が同盟してしまうべきだと策を献じた…。
第133話突厥の可汗、ムクチョルは、唐のイムンと渤海のコムが、目の前で意見を闘わせるよう求めた。イムンが、新興国の渤海が対等に同盟を求めるのは、突厥を侮辱していると口火を切るが、コムは、天門嶺での大勝を引いて、国力の弱まった唐こそ突厥の属国になるべきだと返して、論戦に勝利、同盟を手に入れた。寝食を忘れ、古の法を調べるテ・ジョヨンのもとを、皇后スギョンが訪れ、後継者は高句麗王朝の血を引く者であるべきだと訴えた。危篤に陥ったソ・リンギのもとを訪れたイムン、突厥との同盟に成功したと嘘をつくしかなかった。しかし、ソ・リンギは、イムンの心づかいに気づいていた。自分がテ・ジョヨンに敗れたことを悟りながら、ソ・リンギは息を引き取った。突厥の脅威が除かれ、テ・ジョヨンは今後10年間を国力勃興の期間と定め、各自に役割を与えた。更に、テ・ジョヨンは統治の基本となる国法を定めるべく、密かに民の思いを調べることをコムに命じた。定められた国法は、民中心の差別のない平等な国を謳いあげていた…。
第134話突厥の援軍にコムが自ら名乗り出た。唐と突厥の戦が長引いてこそ、渤海が国力を蓄え、領土を回復する機会が増えると分かった上での申し出だった。遠征計画が実行に移され、部隊が北へ東へと送られた。テ・ジョヨンは、部下に全ての戦勝品を分け与えたのみならず、戦勝地域の王の地位も与えた。唐の長安では、突厥に押される唐を救うためにはテ・ジョヨンに和睦を求めるしかないと、イムンが則天皇帝に涙ながらに上奏した。遠征部隊は目覚ましい成果を上げたが、トルバルとテ・ジョヨンの息子、ダンの向かった遼東でのみ、堅城の連続に苦戦していた。イムン率いる唐の使節団が渤海を訪れた…。