No | あらすじ |
第1話 異母兄弟 | 深い山奥で野宿をする剣士のもとに突然現れ、産気づいて男の子を産んだ女。名前さえ知らないまま、廃村で家族のように暮らす3人だったが、ある日、女は赤ん坊を連れ、密かに町の商家を訪れる。その家の主フィチャンこそ赤ん坊の父親で、女は召使いであった。流産したばかりの夫人の願いで赤ん坊は次男として引き取られる。10年後、兄シヨンは退屈を嫌う武術の好きな少年に、弟チェヨンは喧嘩嫌いで友達思いの少年に育っていた。 |
第2話 正反対の兄弟 | 青年になったシヨンは中国武術家の父娘に武術を習い、チェヨンはけがを治してくれた娘ヨジンに一目惚れ、嫁にするのだと毎日のように言っていた。兄弟は家業を手伝っていたが、冷酷な商売人で野心家の父は、チェヨンが身分の低い者と友だちづきあいするのが気に入らない。ある日、チェヨンの悪友三人が、判伊(ハンユン)一家殺害の罪を着せられ投獄される。それはチェヨンにとって長い苦難のはじまりであった。 |
第3話 濡れ衣 | フィチャンは息子チェヨンを事件から遠ざけようと旅に出す。また、なぜか料亭の女将タンエも商人ソンチェを介してチェヨンの身を守ろうとしていた。友人を救おうと町へ戻ったチェヨンのもとにヨジンから「医院を開く約束を忘れないで」と手紙が届く。だがチェヨンは、かごに乗り大勢の召使いを引きつれて行列するヨジンを見て、身分の差を思い知る。一方、監獄の三人には死罪が言い渡される。 |
第4話 真犯人 | チェヨンは自ら監獄へ入り、役人と取り引きしようとするが相手にされず拷問を受ける。チェヨンが捕らえられたと知ったヨジンは「あの人が死んだら私の心も死ぬ」とチェヨンへの思いを自覚する。フィチャンは事件を利用、新判伊となった余人の父を操り、商売敵を罠にはめ富を奪う。自分だけがゆるされ監獄から出たチェヨンは、友人たちが父に利用されたことを知る。 |
第5話 家族との決別 | 絶望したチェヨンは家を出る。ヨジンはチェヨンが迎えに来ると信じて待つが、現れたチェヨンは友の供養のため、ヨジンの父が没収した船の権利証を燃やしたいと頼む。そして共に逃げようと望むヨジンに「チェヨンはもういないのです」と別れを告げる。山道を行くチェヨンの後を、女将タンエの部下とソンチェの男装した娘トンヒが追う。そこへ盗賊が現れ格闘の最中チェヨンは傷を負い、谷底深く落ちてしまう。 |
第6話 兄の策略 | ヨジンと弟の仲を知ったシヨンは、チェヨンの行方不明を伝えるが、ヨジンの心が揺るがないのを見て興味をもつ。ソンチェはタンエに頼まれてチェヨンの残した荷をフィチャンに届ける。中国人タン・カチョンに武術を習うシヨンは、タン父娘が刺客に追われているのは、ある地図を持ち出したからだと知り、わが物にしようと策略を巡らす。谷底へ落ちたチェヨンは、タンの娘ザヨンの手当てで一命をとりとめる。 |
第7話 それぞれの道へ | 料亭の女将は表の顔、裏で情報綱を持つタンエは、現王の弟クンピョン大君の取り巻き、内侍チョン・インギョが密かに武装していることをソンチェに告げる。また、ヨジンの父ユン大監と癒着を続けるチェヨンの父フィチャンも、謀反の気配を感じていた。シヨンは自分のことを探っている剣士の存在に気付き、味方にしようとする。怪我の治ったチェヨンは、山で鉄砲づくりの男に拾われ、一緒に暮らし始める |
第8話 理不尽な罪 | シヨンは策謀によりクンピョンの信頼を得るが、協力したザヨンは重傷を負う。女将タンエを愛するソンチェは、タンエがフィチャンに遺恨を抱く理由が気にかかる。山で世捨て人として暮らすチェヨンは、鉄砲づくりを援助するソンチェに再会、処刑された友人の家族までもが罪を問われ、下僕として売られたことを聞き「みんなを買い戻すにはいくら必要ですか」と慟哭する。 |
第9話 商いの旅へ | チェヨンは友人の家族を救う金を稼ぐため、ソンチェの娘で男装のトンヒと、その召使に交じって商いの旅に出発する。中国人武術家のタンはシヨンが娘ザヨンを傷つけたことを知り、ある決意をする。シヨンの身辺に出没していた剣士イスは、シヨンのことを知るため、回復したザヨンの後をつけてタンを訪れるが、シヨンの性根には善も悪もないと聞き「あの時の子であるはずがない」とつぶやく。 |
第10話 悪人退治 | フィチャンは息子シヨンをクンピョンの側に送り込み、さらに情報を得るためタンエに接触するが主導権を握られイライラする。煙草農家を訪れたトンヒとチェヨンは悪徳官吏と高利貸に食い物にされる村人を助け、自分たちも利を得ようと一計を案じ町に戻る。タンを殺害して深手を負ったシヨンをヨジンは手当てする。だが、シヨンが自分の心の闇を訴えると「あなたは卑怯で弱い人」と突き放す。 |
第11話 煙草の取引 | ヨジンを探してミン医師の葬儀に紛れ込んだチェヨンだが、姿を見ただけでその場を去る。兄である王と、病弱な世子に対して野望を抱くクンピョンは、世子が宮中にいないと知ってシヨンに町を探すよう命じる。チェヨンは煙草の商売に失敗、ソンチェに相談するが助けてもらえない。暮夜密かに実家を訪れたチェヨンは、母の客で、身分の高い青年と行き合い、世俗離れした会話に面食らう。 |
第12話 挫折 | 煙草が売れないチェヨンは、トンヒの助言で女将タンエに会いにゆく。もてなしを受け、思わず寝入ってしまったチェヨンの寝顔をじっと見つめるタンエ。チェヨンは帰り際に最高級煙草の栽培法の書付を渡される。価値ある栽培法とヨジンの父から盗んだ船の権利証を買い取るようにソンチェに頼むチェヨンは、志が低いと非難されるが「もう面倒になった。わたしが英雄になれるわけはない」と涙をこぼす。 |
第13話 駆け落ちの約束 | ついにヨジンを迎えにゆくチェヨン。つかの間の、しかも塀越しの逢瀬だったが二人は喜びで涙する。「あなたを悩ませていたことは解決したのね」というヨジンの言葉に一瞬たじろぐチェヨン。深夜二人で逃げる約束をするのだが、待ち合わせ場所に向かう途中、昔の仲間ソグの窮地に出くわし見過ごすことができない。そこに現れたイスは、自分が探していた赤ん坊がチェヨンだということを知る。 |
第14話 兄の嫉妬 | 夜通しチェヨンを待ち続けて疲れ果てたヨジン。遅れて現れたチェヨンは、駆け落ちの計画を知ったシヨンから「堂々と迎えに来られない奴に愛する資格はない」と罵られる。中途半端な自分を恥じたチェヨンは再びソンチェの元に戻る。女将タンエは、かつて不義の子を身ごもり山に逃げた時、自分たち親子を助けてくれた武士がイスだったと知り・・・。 |
第15話 心機一転 | 煙草農家は新天地を求めて鉄砲職人デュイの住む場所に移る。ソンチェの大がかりな商売も動き出し、チェヨンも元の名を棄て「ムヨン」という新しい名を得る。一方、クンピョンとフィチャンの野望も徐々に姿を現してくる。ユン大監はフィチャンの差し金で、娘ヨジンと世子を密かに見合いさせる。だがヨジンは、自分には心に決めた人がいると世子に告げてその場を去るのだった。 |
第16話 三角関係 | 何としてもヨジンを手に入れたいシヨン。ザヨンはシヨンが父の仇だと知りながらも憎むことができず、その苦しみをイスに語る。水場がないことで責められたムヨンだが、懸命な姿は村人の心を動かし、水脈を発見する。タンエはクンピョンにシヨンの企みをにおわせる。シヨンはわが身を守るため、フィチャンが抱き込んだユン大監を切り捨て、同時にヨジンを手に入れようと画策する。 |
第17話 一難去ってまた一難 | 朝鮮一の商団組織をつくるというソンチェの計画は着々と進む。タンエは息子の想い人ヨジンが気高く美しい心の持ち主であることを知り、二人を守り抜こうと心に決める。フィチャンに罪をなすりつけられたユン大監は捕らえられ、娘のヨジンも拷問を受ける。ムヨンは友人の家族を救い、ほっとしたのもつかの間、ヨジンのことを知り呆然とする。 |
第18話 必死の救出 | タンエはユン大監の無罪の証人を捜し出すが、シヨンに邪魔される。ムヨンは、タンエが止めるのも聞かずにヨジンのいる牢へ向かい、イスとザヨンがその後を追う。デュイの火薬を爆発させて建物に入り込むムヨンたち。縛られ気絶しているヨジンに「遅くなってごめん」と謝るムヨン。傷ついたヨジンを荷車に乗せ、隠れ家へ急ぐムヨンを呼び止めたのはシヨンたち追手だった。 |
第19話 首謀者 | イスのおかげで逃げおおせたムヨンは、トンヒが用意してくれた隠れ家でヨジンを看病する。ムヨンへ淡い恋心を抱いていたトンヒは少し寂しい。ユン大監の事件で微妙な立場に立たされ、クンピョンからも狙われている世子が突然フィチャン家に現れる。真の首謀者を知ったムヨンはシヨンに会うため生家に行くが、そこで世子を見かけ、あわてて追手から世子の身を隠す。 |
第20話 しばしの別れ | ムヨンと世子が隠れ家に戻ると、ヨジンはシヨンに連れ去られた後だった。ヨジンは後を追ってきたトンヒに「わたしのせいで彼の友人に何かあったら耐えられない。堂々と暮らせるまで待っていて」とムヨンへの伝言を託して寺に身を寄せる。タンエのところに匿われていた世子は、父王が逝去し、クンピョンの陰謀で、自分が王殺しに汚名を着せられていることを知る。 |
第21話 独りの結婚式 | 権力争いに嫌気がさし身分を棄てるという世子を、ソンチェは商団の一員として、ムヨンと共に新しい村へ向かわせる。クンピョンの寵愛の深さゆえ何かと足を引っ張られるシヨンだが、以前、ザヨンの父タンから奪った地図を利用して、ヨジンの両親を自由の身にする。両親の無事を知ったヨジンは、その晩、天地に誓い、たった独りでムヨンとの婚礼を行うのだった。 |
第22話 次男の嫁として | ヨジンはムヨンの生家に、ムヨンの嫁として行く。未だに清国から王と認められないクンピョンは苛立っていた。軍備を増強し清国を出し抜きたいクンピョンに、将軍となったシヨンは、清国の商人を味方につけるようそそのかし、権利がフィチャンに集まるようにする。ムヨンの居場所を突き止めたシヨンの部下は、世子がいることを知る。一方、昔の仲間と出会った鉄砲職人のデュイは・・・。 |
第23話 決死の願い | 世子と関わり合いになるのを恐れる村人に責められ、ムヨンと世子は村を出て行方不明のデュイを探す。クンピョンの武器製造所に拉致されていたデュイは、自らを犠牲にして武器庫を爆破する。それを目の当たりにしたムヨンは、自分だけ幸せならいいという考えを改める。そして、「あなたが王ならデュイは死ななかった。どうか王になってください」と世子に頭を下げる。 |
第24話 民のための王 | ムヨンは、血を流すことなく世子を王にすると宣言。タンエはフィチャン家を訪れ、自分がムヨンを産んだ下女であることを明かす。夫人はタンエが実母と名乗り出るつもりがないのを知り安堵する。タンエの目的はフィチャンとのある取引だった。ムヨンはクンピョンの悪事を芝居にして大道で演じさせ、それはクンピョンの悪政に苦しむ人々のあいだで徐々に人気となる。 |
第25話 婚礼 | ムヨンがいると聞いて密かに芝居を見に来たヨジンは、たくましくなったムヨンを見て誇らしく思う。クンピョンはヨジンのことで思い悩むシヨンを見かねて、すぐ祝儀をあげるよう命ずる。タンエはフィチャンを通じ、クンピョンと二人きりで会う手はずをつける。実母が身近にいると聞かされ複雑な思いのムヨン。その間にも、シヨンとヨジンの婚礼の日は迫る。 |
第26話 悲しい結末 | 婚礼の日。毒薬で自殺を図ったヨジンに我を失うシヨンだが、息も絶え絶えのヨジンの言葉に「自分には十分です」とその場を後にする。ムヨンのためにクンピョン殺害を決行したタンエはイスと逃げるが、シヨンに邪魔され、ザヨンも加わって静かな闘いが繰り広げられる。いくつかの命が失われ、ようやく現れたムヨンにシヨンは「人間らしくなりたかった」と自分の弱さを初めて見せる。 |