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03/15(Sat) 10:46
太祖王建

BS朝日 太祖王建太祖王建 Wiki

新羅が三国を統一して230年。衰退した新羅では王位剥奪合戦が繰り返され、豪族や民衆が反乱を起こし、貴族は独自に勢力を保持していた。農民出身であり西南海で軍功を立てて頭角を現したキョンフォンは、百済の領土だった土地に後百済を建国する。一方、高句麗だった地では僧侶であたクンイェがそのカリスマ性を武器に民衆の心を掴み、勢力を強めていた。しかし、クンイェは次第に権力に固執して暴政を振るうようになる。それを見かねた王建は反旗を翻し、自ら王となって高麗を建国する。王建は亡国に対しても和合唱を唱え、新羅との合併を果たし、キョンフォン率いる後百済との長い戦いにも勝利して半島再統一の偉業を成し遂げる。

Noあらすじ
第1話
後三国時代の幕開け
時は西暦896年、新羅チンソン女王の治世―。このころの新羅はひどく乱れ、中央政府を無視した独自勢力が各地に乱立する戦国時代の様相を呈していた。西南海地方ではキョンフォンが王を自称し、北部ではクンイェが溟州(ミョンジュ)を占領、さらに鉄円(チョルオン)へと兵を進めていた。鉄円に隣接する松嶽(ソンアク)では、城主ワン・リュンのもとに近隣の豪族たちが集まり、クンイェに付く決断を下す。鉄円城が陥落した歓声の中、ついにクンイェは大王を名乗る。
第2話
予言の子の誕生
鉄円(チョルオン)を占領して大王となったクンイェのもとに、近隣の豪族たちがあいさつに訪れるが、その中に松嶽(ソンアク)のワン・リュン、ワンゴン父子の姿はない。クンイェは20年前、乳母とともに官軍に追われ、松嶽のワン・リュンにかくまわれた時のことを思い出していた。乳母は身分を明かし、「世達寺のポムギョに会え」と言い残して息を引き取る。まさにその時、トソン大師の予言通りに男の子が生まれた。のちに高麗国を建て後三国を統一する、太祖ワンゴンである。
第3話
隻眼の真実
世達寺に連れてこられたクンイェは、住職のポムギョから自らの生い立ちを聞かされる。クンイェは新羅のキョンムン王と側室の間に生まれた子であること、王の冷遇をねたんだ王妃によって宮殿を追放されたこと、逃亡の際に左目を失ったこと、ポムギョの助けにより逃げのび乳母によって育てられたこと…。全てを語り終えたポムギョはクンイェに、全てを忘れろと言って出家をさせるが、クンイェの胸には復しゅうの炎が燃え始めていた。
第4話
旅立ち
10年の月日が流れ、世達寺で修行の日々を送ったクンイェは、自ら弥勒(みろく)となって世の中を救うため、チョンガンとともにポムギョのもとを旅立つ。二人は、ちょうど徐羅伐(ソラボル)までの船旅の安全祈願のため、寺を訪れていた少年・ワンゴンと同行することになる。クンイェは、ワンゴン少年の賢さを目の当たりにして感心するが、一方のチョンガンは、クンイェとワンゴンとの間には不吉な相があると言って警戒する。
第5話
英雄たちの出逢い
徐羅伐(ソラボル)へ向かう船の中で、クンイェとチョンガンは、天下を取るためには海を知らなければならないと悟る。そのころ、徐羅伐では、政事を捨てて久しいチンソン女王が、毎晩のように叔父で愛人のウィホンと情事に明け暮れていた。船を下り陸路を進むワン・リュン一行に盗賊が襲いかかるが、そこへウィホン邸の警備兵であるキョンフォンらが助けに入る。この時初めて、後三国時代の英雄、ワンゴン、クンイェ、キョンフォンの三人が相まみえたのだった。
第6話
天の怒り
チンソン女王とウィホンの主催により、皇龍寺で全国の高僧たちを集めた壮大な百高座の法会が行われる。トソンはその席で新羅の腐敗を、激しく非難した。徐羅伐(ソラボル)に到着し、クンイェらと別れてウィホン邸に留まったワン・リュンは、キョンフォンの人並み外れた才能に関心を寄せていた。一方のクンイェは、トソンを訪ねて自らの進むべき道を悟り、その足でウィホン邸を訪ねるが、警備兵のキョンフォンとの押し問答の末、一戦を交えることになる。
第7話
栄華の凋落
ついにウィホンと対面し、積年の思いを吐き出したクンイェは、徐羅伐(ソラボル)に残って王位を継げというウィホンの提案を拒否し、実母がいると聞かされた竹州(チュクチュ)へ向かう。一方のワン・リュンは、トソンがすでに徐羅伐を出発したと知り落胆する。チンソン女王とウィホンは、チェ・チウォンの訴えにも耳を貸さず、宴会に明け暮れる日々。宴会に参席したワン・リュンは、新羅に未来がないことを悟るが、その夜、女王とウィホンの寝所で異変が起こる。
第8話
それぞれの出発
ウィホンが女王の寝所で急死し、王宮は騒然としていた。女王はウィホンとの関係を公表し、二人の関係をよく知るヨンギとキョンフォンは、尚州(サンジュ)の反乱と西南海の海賊討伐のため、それぞれ派遣される。ワン・リュン一行も、松嶽(ソンアク)への帰途につくが、ワンゴンは徐羅伐(ソラボル)の荒廃ぶりに、正しい政治が行われていないことを悟る。一方、竹州(チュクチュ)に着いたクンイェは、山中でキフォンの部下のシンフォン、ウォンフェと出会い、母がいるという七長寺へ向かう。
第9話
新天地
ついに実母と対面したクンイェ。しかし母は、俗世のことは忘れたと言い、大業を成し遂げるためには過去を捨てろとクンイェをしかった。クンイェとチョンガンは、シンフォンとウォンフェの勧めに従い、そのままキフォンのもとで暮らし始める。一方、ワン・リュン一行は松嶽(ソンアク)に戻り、ワンゴンはヨンファに徐羅伐(ソラボル)で買った贈り物を手渡した。そのころ、故郷の尚州(サンジュ)に立ち寄ったキョンフォンは、父アジャゲが引き止めるのも聞かず、赴任地である錦城(クムソン)に旅立った。
第10話
大業への基盤
キョンフォンは、錦城(クムソン)に到着するなり、守門長や兵士を切り殺し、乱れた軍の規律を整えていった。これにより、腐敗した軍隊は精鋭軍へと生まれ変わる。さらに、キョンフォンは、西南海一帯を支配する海賊のスダル(カワウソ)ことヌンチャンの密貿易現場を襲い、押収した品物を民に分け与えた。一方、キョンフォンに痛手を負わされたスダルは、錦城太守や豪族のチョンネらと組んで、ニセの宴会にキョンフォンを招き、その席で彼を殺す作戦を練り…。
第11話
スダルの屈辱
キョンフォンは、スダルのわなと承知のうえで、兵士も連れずに宴会に出向いた。殺伐とした神経戦が繰り広げられる中、ついにスダルが刃(やいば)を向けるが、キョンフォンは一人でスダルの手下たちをなぎ倒す。そのころ、松嶽(ソンアク)ではワン・リュンのもとに近隣の豪族たちが集まり、各地で起こっている反乱軍への自衛策を話し合っていた。しかし、利害関係が一致せず連合を築けずにいた。一方のクンイェは、依然キフォンのもとで医師としての生活を送っていた。
第12話
スダルを得る
スダルは、キョンフォンに一矢報いるため、準備を進めていた。一方のキョンフォンは、ヌンファンを軍師として、敵を迎え撃つ計略を練る。そして、ついに戦いの火ぶたが切って落とされた。スダルの軍勢に押されて、劣勢となったキョンフォン軍は、官庁を明け渡して逃亡する。これを見たスダルは追撃するが、逆にキョンフォン軍の待ち伏せを受けて大敗する。ついにスダルは自らの敗北を認め、キョンフォンに忠誠を誓った。
第13話
蜂起
キョンフォンは、西南海一帯の豪族たちを集め、ともに新しい世界を作ろうと説く。これに対して朝廷は、錦城(クムソン)太守の要請を受けて、勅使シンガンを派遣するが、チュ・ホジョは彼を冷遇した。遅れて現れたキョンフォンは、シンガンに無礼を謝罪し、朝廷への反乱を宣言する。一方、クンイェは、キフォンらと官庁襲撃に出陣した。しかし、幼子までも手にかけるキフォンの残忍さに、クンイェはやり場のない怒りを感じていた。そんな中、キョンフォンは、大軍を率いて武珍州城(ムジンジュソン)を包囲し…。
第14話
旗揚げ
武珍州城(ムジンジュソン)での戦闘が始まった。勝ち目がないことを悟った武珍州都督は自害するが、シンガンは最後まで勇敢に戦い、キョンフォンに命を救われる。武珍州城を陥落したキョンフォンは、ついに王を自称する。そのころ、竹州(チュクチュ)のキフォンは、北原のヤンギルが送った使者に激しく憤っていた。そして、それをなだめようとしたウォンフェに暴力を振るう。その夜、シンフォンとウォンフェはキフォンを暗殺、クンイェに自分たちを導いてくれるよう要請する。
第15話
降伏
キフォンに代わり、竹州(チュクチュ)を率いることになったクンイェは、今はまだ機が熟していないと判断し、北原のヤンギルに降伏して部下となる。ヤンギルはクンイェに娘のミヒャンを嫁がせるが、僧侶の身分であるクンイェは、ミヒャンを妻としてではなく、仏門の弟子として受け入れた。クンイェの勧めで東の溟州(ミョンジュ)を狙うことにしたヤンギルは、ひとまずクンイェの忠誠心を見極めるため、部下のウンブを付けて石南寺に送るが、そこでクンイェは独自勢力を築くことになる。
第16話
弥勒
唐への留学を終えて帰国したチェ・スンウは、母国の変化に戸惑いながら、トソンのいる玉龍寺へ向かった。そのころ、キョンフォンは父アジャゲと和解しようとしていた。しかし、キョンフォンの高慢な態度が気に入らないアジャゲは、使者として訪れたキョンフォンの弟ヌンエを追い返してしまう。一方、石南寺を視察に訪れたヤンギルは、娘ミヒャンのみすぼらしい姿を嘆きつつも、1年あまりを民とともに過ごし、地域の住民たちから弥勒(みろく)と慕われているクンイェの無欲な姿勢を信頼し、ついに溟州(ミョンジュ)攻略を命令する。
第17話
竜王祭
17歳になったワンゴンは、ヨンファとともに竜王祭に出席するが、そこへトソンが姿を現す。ワンゴンは、王となる運命を実現させるため、トソンに連れられ世達寺へと向かった。一方、当代最高の学者であるチェ・スンウを臣下に迎えたいキョンフォンは、さっそくチョンネとチュ・ホジョを彼のもとに向かわせるが、チュ・ホジョの短気な性格のため失敗してしまう。そのころ、クンイェは、破竹の勢いで東へ進み、目的地である溟州(ミョンジュ)の一歩手前まで来ていた。
第18話
賢者の決意
玉龍寺を直接訪れ、礼を尽くすキョンフォンの態度に、チェ・スンウは臣下となる決心をする。一方、世達寺に入ったワンゴンは、トソンから"トソン秘記"を受け取るが、今のワンゴンにはまだ秘記の内容は読めなかった。そのころ、溟州(ミョンジュ)を目前にしながらも、忠誠心を試すためにヤンギルに呼び戻されていたクンイェは、その道中で謎の僧侶ホウォルと出会う。北原に戻ったクンイェは、妻扱いしてくれなければ命を捨てると迫るミヒャンを、一晩限りと抱いた。
第19話
英雄の目覚め
クンイェは、初夜を過ごしたにも関わらず、ミヒャンを冷たく突き放し、普段と変わらず畑仕事に出掛ける。一方、トソンのもとで修行を続けるワンゴンは、ついに"トソン秘記"が読めるようになるが、同時にヨンファとの仲も疎遠になっていった。ヤンギルは、ポク・チギョムの反対を押し切って、ついにクンイェに溟州(ミョンジュ)を攻めさせる。兵を引き連れて本陣へ戻ったクンイェだが、途中で再会した僧侶ホウォルから、弥勒(みろく)の名をかたるのはやめろ、となじられ…。
第20話
無血入城
謎の僧侶ホウォルに興味を持ったクンイェだが、翌朝ホウォルは姿を消していた。ついに溟州(ミョンジュ)への進軍を決めたクンイェは、ひとまず溟州城主のキム・スンシクに降伏を勧めるため、ウォンフェを使いに送るが、そこにホウォルがキム・スンシクの父親として現れ、溟州をクンイェに明け渡すよう命ずる。こうして無血入城を果たしたクンイェは、将軍を名乗り、ヤンギルからの独立を果たすが、ヤンギルの忠臣であったポク・チギョムが反発する。
第21話
近づく台風
ヤンギルの部下だったファン・ソンギルやイ・フナムらもクンイェ側に寝返る中、ついにポク・チギョムもクンイェに忠誠を誓った。軍を整備したクンイェは、鉄円(チョルオン)に向けて進軍を開始するが、裏切られたと知ったヤンギルは激怒する。一方、鉄円に隣接する松嶽(ソンアク)周辺では、クンイェの鉄円進軍を知って慌ただしさを増していた。同じころ、ワンゴンはトソンの修行を終え、松嶽に戻ろうとしていたが、そこへ現れたヨンファとの間に、暗い影が差し始めていた。
第22話
鉄円城陥落
クンイェの到来を知り、松嶽(ソンアク)周辺では、次は我々の番だと緊張が走っていた。そんな中、ワン・リュンはワンゴンに、将来大事を成すために、今はまだ女を知るべきでないと、ヨンファとの婚約破棄を伝える。クンイェ軍が鉄円(チョルオン)城への攻撃を開始したころ、ワン・リュンのもとに近隣の豪族たちが集まり、クンイェの支配下に入ることを決断した。鉄円城を陥落させ、ついに大王を名乗ったクンイェは、近隣の豪族のなかで唯一、まだあいさつに訪れない松嶽に使者を出す。
第23話
主君の座
ワン・リュンは、ワンゴンに城主の座を譲り、服従の意を伝えに鉄円(チョルオン)を訪れる。ワン・リュンは、"松嶽(ソンアク)に王都が建つ"というトソンの予言を包み隠さず語り、海に面した松嶽を首都に定めるよう提案して信頼を得ようとするが、警戒心の強いチョンガンによって、ワン・リュンは金城(クムソン)の長官に任命され、ワンゴンと引き離される。一方、百済の再建を目指して領土を巡視するキョンフォンは、ヤンギルに手を差し伸べるが、ヤンギルはそれを拒絶する。
第24話
皇后
松嶽(ソンアク)城主として王宮建設を進めるワンゴンは、工事現場に現れたヌンサンとパク・スリを迎え入れる。一方チョンガンは、国家体制をより強固にするため、クンイェに皇后を迎えるよう提案する。当然のごとく、それを拒否するクンイェだが、法会の席で出会ったヨンファを、貴人の相(尊い地位に上るべき人相)だと称賛する。これを見たチョンガンとウンブは、ヨンファを皇后に据えようと考えるが、松嶽の視察に訪れたウンブは、ヨンファがワンゴンの許嫁(いいなずけ)であるという事実を知る。
第25話
義兄弟の契り
ヨンファは、必死で自分の思いを伝えるが、ワンゴンはそれに応えられず苦しんでいた。そんな関係を見透かすかのように、チョンガンはカン長者にクンイェとヨンファの縁談を持ちかけ、さらにウンブも近隣の豪族たちに圧力をかけるなど、ヨンファを皇后に迎えようとする動きは、着実に進められていく。そんな中、ワンゴンの人柄に魅せられたユ・グムピル、ヌンサン、パク・スリの三人は、ワンゴンと義兄弟の契りを結んで忠誠を誓った。するとそこに金城(クムソン)から父ワン・リュン危篤の急報が舞い込む。
第26話
別れ
父危篤の知らせに急いで金城(クムソン)へ向かったワンゴンだが、一歩間に合わずワン・リュンは息を引き取った。キョンフォンが完山州(ワンサンジュ)を新たな都として整備する中、松嶽(ソンアク)の王宮が完成し、遷都の準備が始まった。度重なる家臣たちの訴えに、ついにクンイェもヨンファとの結婚をしぶしぶ認める。結婚の話を偶然聞いてしまったヨンファは、ワンゴンのもとへと駆けつけるが、愛情よりも君主への忠誠が大事だと答えるワンゴンに失望し…。
第27話
遷都と国婚
松嶽(ソンアク)に遷都したクンイェは、官職を発表し、本格的に国家体制の基盤を築いていく。一方、ワンゴンは、将軍に相当する精騎大監に任命された。さらに、チョンガンの策略により、クンイェとヨンファの国婚を取り仕切る執事役に選ばれる。そのころ、クンイェの結婚を知って激怒したヤンギルは、キョンフォンに援軍を要請した。そんな中、クンイェとの結婚を拒み続けるヨンファのもとに、ついに国婚の礼物と令書を持って、ワンゴンが訪れ…。
第28話
大勝利
ヨンファは、よりによってワンゴンが執事役としてやって来たことに自らの運命を悟り、ついにクンイェとの結婚を承諾する。ちょうどそのころ、ヤンギルが挙兵したという急報が、クンイェのもとに舞い込んだ。クンイェは、他の武将たちの反対を押して、ワンゴンを総司令官に命じ、ヤンギルの討伐に向かわせる。ワンゴンは、初めての戦闘にも関わらず、周囲の地形を調べたうえで敵の動きを読むなど、知略を巡らしてヤンギル軍を撃退し、松嶽(ソンアク)に凱旋(がいせん)する。
第29話
最後の密会
大勝利の知らせにすっかり気分を良くしたクンイェは、別室にワンゴンを呼び、兄と呼んでみろと言う。義兄弟の契りを結び、ワンゴンに対するクンイェの信頼はますます厚くなるが、それと同時にチョンガンとウンブのワンゴンに対する警戒心は、次第に強くなってゆくのだった。一方、ヨンファは、かすかな希望を胸にワンゴンと最後の夜を過ごすが、すでに決まってしまった運命に逆らうことはかなわなかった。そして、ついにクンイェとヨンファの婚礼が、盛大に行われる。
第30話
八関会
ヨンファを皇后に迎えたものの、クンイェはヨンファに、ミヒャンと同じ菩薩(ぼさつ)の苦行を強いた。絶望したヨンファはミヒャンを訪ね、苦しみを分かち合う。一方、チョンガンは、松嶽(ソンアク)の海をクンイェに捧げさせるため、"八関会"の儀式を利用しようと考えていた。すると、その儀式の準備の場にホウォルが現れ、ワンゴンにトソンの死を伝える。そのころ、キョンフォンは、父アジャゲのもとにヌンエとチェ・スンウを派遣するが、またしても和解は失敗に終わった。
第31話
海の主人
八関会の席で、皇后になったヨンファと切ない再会を果たすワンゴン。しかし、そんな二人の事情をまったく知らないクンイェは、ワンゴンに酌(しゃく)をするようヨンファに言う。視察により、海の魅力を再認識したクンイェは、ワンゴンに水軍の増強を命じた。一方、チョンネやオ・ダリンら西南海の富豪たちの尽力により、ようやく完山州(ワンサンジュ)への遷都を果たしたキョンフォンは、百済の国号を正式に公表し、百済の復興を宣言する。
第32話
領土拡大
完山州(ワンサンジュ)で後百済の建国を宣言したキョンフォンは、パク・ヨンギュやコンジクら有力豪族を新たに臣下として迎え、本格的な国家体制を確立する。一方のクンイェも、ポク・チギョムらを北方へ、ワンゴンを南方へと送り、領土の拡大を進めていた。武力よりも人徳によって各地を降伏させ、破竹の勢いで南進するワンゴンは、ついに竹州(チュクチュ)に至り、北原のヤンギルと再び対峙(たいじ)する。ヤンギルの出兵を知ったクンイェは、自分が解決すべき問題だと、自ら討伐に向かった。
第33話
避けられぬ戦い
クンイェはウンブを使者として送り和睦を申し入れるが、ヤンギルはこれを拒絶し、ついに両軍の全面対決が始まった。そのころ、後百済のキョンフォンは、迫り来るクンイェ軍の脅威に備えて、尚州(サンジュ)地方に兵を進めるが、それがもとで父アジャゲとの溝がますます深まってしまう。一方、チョンガンは、この機会にヤンギルの娘ミヒャンを始末してしまおうと、内軍の副将ヨムサンを送り込むが、すんでのところでヨンファが助けに入り、事なきを得る。
第34話
苦い勝利
クンイェはヤンギルに情けをかけようとするが、これを拒否したヤンギルはついに斬首される。ウンブは、クンイェに歯向かった見せしめとして竹州(チュクチュ)や北原一帯の村を焼き討ちにするが、その無慈悲な仕打ちにワンゴンは心を痛めていた。南進を続け、忠州(チュンジュ)に至ったワンゴンは、キョンフォンの父アジャゲのいる尚州(サンジュ)も狙おうと、まず敵の様子を視察するためヌンサンとパク・スリを送り込む。一方、ワンゴンの接近を知ったキョンフォンは、アジャゲのもとへ向かい…。
第35話
父と子
尚州(サンジュ)から応戦に来たアジャゲの娘テジュドグムに興味を抱いたパク・スリは、単なる偵察の予定がつい深追いしてしまい、思わぬ痛手を負う。一方、家族とともに尚州を訪れたキョンフォンは、アジャゲに太皇帝の座を勧めて和解を図るが、父子の確執は深く、またしても物別れに終わった。そのころ、学者たちを集め、国家の体系的な運営方法について研究を進めていたチョンガンは、クンイェに"高麗"という国号を正式に発表するよう提案する。
第36話
内紛の始まり
キョンフォンは、娘をパク・ヨンギュのもとに嫁がせ、さらにコビを側室に迎え入れて互いの信頼関係を強化しようと画策していた。しかし、それを知ったキョンフォンの妻パク氏が激怒する。さらに、新羅を討つべきかどうかを巡って、ヌンファンとチェ・スンウが対立を始めた。そのころ、高麗の国号を宣言し、さまざまな国法を整備したクンイェは、チョンガンらの勧めで領内を視察しようと準備していた。しかし、それにワンゴンを同行させたいと言うクンイェに、チョンガンは危機感を募らせ…。
第37話
泥酔
ワンゴンに対する警戒心をゆるめないチョンガンにクンイェは、先入観にとらわれず、心を開いてあるがままを見るように諭し、視察に合流するため忠州(チュンジュ)から戻ったワンゴンを酒宴に招いた。そして、その席上で義兄弟の関係を誇示したり、酔いつぶれたワンゴンを自分の寝所に連れて行って休ませたりするなど、ワンゴンを手厚くもてなした。一方、ヨンファは、ヤンギルの娘ミヒャンの身を案じ、彼女も領内視察の旅に同行させるよう、クンイェに願い出る。
第38話
大耶城での大敗
ついにクンイェは領内巡行の旅に出る。竹州(チクチュ)の官庁に到着したクンイェは、そこで行われた宴席があまりにぜいたくなことに腹を立てていた。その夜、自らが立身した竹州の地で、昔の思い出にひたっていたクンイェは、つい酒に酔ってヨンファを初めて女として見るが、結局遠ざけてしまう。一方、新羅討伐のため大耶(テヤ)城に出兵したキョンフォンだったが、キム・ヒョジョンら老将の必死の守りに、シンゴムやチュ・ホジョら先鋒隊が予想外の大敗を喫して…。
第39話
因縁の地
大耶(テヤ)城での戦闘に大敗し、兵士たちを残して一人逃亡した息子シンゴムに、キョンフォンは激怒し自決を迫る。まさかの敗戦を受け入れられないキョンフォンは、退却を勧めるチェ・スンウの言葉にも耳を貸さず、再度の攻撃を模索していた。一方、クンイェ一行は、竹州(チクチュ)を出発し、かつてヤンギルの領地だった北原に至った。故郷の惨状と自らの悲運に感情を抑えきれなくなったミヒャンは、宴会中のクンイェに向かって声を荒げ、一騒動を起こす。
第40話
ミヒャンの死
大耶(テヤ)城からの撤退をなかなか決断できずにいるキョンフォンだったが、梅雨の到来に加え、大耶城の城主キム・ヒョジョンの計略によって、後方から送られた兵糧を奪われ、大打撃を被る。一方、クンイェ一行は、北原を出発し、溟州(ミョンジュ)に至っていた。宴席で、ヨンファがミヒャンの息子がこの溟州にいるという話を持ち出すと、ミヒャンは息子に会わせてくれと騒ぎだす。ウンブはミヒャンを部屋に閉じこめようとするが、誤って床に落としたろうそくの火が燃え広がり、ミヒャンは炎に包まれてしまう。
第41話
初夜
ワンゴンの必死の助けもむなしく、ミヒャンは炎の中で命を落とした。まさにその時、溟州(ミョンジュ)の寺院に預けられていたミヒャンの息子が、連れられて来る。あまりにも悲劇的なミヒャンの運命に、クンイェは大きな動揺を覚えた。初めて人間の感情に触れたクンイェは、ついにヨンファと一夜の契りを交わした。一方、新羅のキム・ヒョジョンに大敗を喫したキョンフォンは、ようやく大耶(テヤ)城からの撤兵を決意し、重い足取りで完山州(ワンサンジュ)へと帰還する。
第42話
父の肖像
ミヒャンの一件以来、絶対的な弥勒(みろく)の存在から解き放たれ、一人の人間としての心に目覚め始めたクンイェは、ヨンファに対して愛情が生まれたと、ワンゴンに正直な気持ちを告白する。そのころ、完山州(ワンサンジュ)に戻ったキョンフォンは、再起を誓うとともに、ヌンファンを軍事から遠ざけた。一方、クンイェは、ホウォルの勧めで浮石寺を訪れていた。しかし、実父である新羅の景文(キョンムン)王の肖像が法堂に掲げられているのを見て、クンイェは怒りのあまりその肖像画の胸を剣で刺す。
第43話
酒宴
クンイェは「新羅は滅ぶべき国」と言い放ち、新羅に対する敵意をあらわにする。一方のワンゴンは、クンイェの突き刺した景文(キョンムン)王の肖像画の剣を抜き取った。そのころ、テジュドグムに思いを寄せるパク・スリは、彼女の父アジャゲの誕生日に、豪華な贈り物を準備して祝いに出向いていた。パク・スリの誠意と、見た目に反して学識も深いところに、アジャゲ夫妻は心を許し、時同じくして訪れたキョンフォンの祝賀使節もそっちのけで酒宴を開き、彼を歓迎した。
第44話
深夜の散策
夜、なかなか寝付けずにいたヨンファが辺りを散歩していると、偶然ワンゴンに出会う。そこに、やはり眠れず散歩に出てきたクンイェが現れるが、居合わせたユ・チョングンの助けで事は大きくならずに済んだ。そのころ、後百済では、キョンフォンの側室コビの懐妊が明らかになり、パク氏の怒りはさらに増していた。一方、忠州(チュンジュ)を発ち、巡行の旅も終わりに近づいたクンイェの前に、清州(チョンジュ)のアジテと熊州(ウンジュ)のイ・チが現れる。アジテはクンイェに、"大東方国"の夢を力説し…。
第45話
大東方国
領内巡行の旅を終え、松嶽(ソンアク)に戻ったクンイェは、ワンゴンを将軍職から解任し、休息を与えた。ワンゴンはこれを、三国統一に向けて何かを準備せよ、というクンイェの意図だと悟り、熊州(ウンジュ)から上京してきたイ・チとともに、停滞しつつある戦況の打開策を練り始める。一方、クンイェは、アジテの語った"大東方国"の夢に大いなる期待を抱き、高麗という名前を捨てるべきだと公言して、アジテを松嶽(ソンアク)に呼び寄せた。しかし、チョンガンは、新たな危機の到来に頭を抱えていた。
第46話
遠大な作戦
クンイェに取り入ったアジテは、国号を摩震(マジン)と改正し、旧高句麗勢力を遠ざけるよう進言するが、この動きにパク・チユンらは戦々恐々とする。一方、イ・チとの対談中に西南海への侵攻作戦を思いついたワンゴンは、現地の状況に詳しいユ・チョングンを訪ね協力を要請した。そのころ、西南海の豪族オ・ダリンやチョンネらは、日増しに厳しくなる重税に耐えかねて、キョンフォンにその貧困ぶりを訴えるが、逆にキョンフォンに一喝されてしまう。
第47話
懐妊
クンイェから遷都の計画を聞いたワンゴンは、民の負担が大きいと反対するが、クンイェはあくまで遷都を推し進めようと熱弁を振るっていた。そんな中、ヨンファが双子を懐妊したことが明らかになる。この懐妊により、ワンゴンとの縁は完全に切れたと判断したユ・チョングンは、西南海侵攻作戦への全面協力に加え、娘のプヨンを託したい、とワンゴンに持ちかけた。一方、大耶(テヤ)城での敗戦から立ち直った後百済では、再び新羅を討つ準備が着々と進められていた。
第48話
チャン・ボゴの宝剣
錦城(クムソン)上陸作戦に向けて、貞州では大規模な戦艦建造が始まる。チャン・ボゴの家臣の子孫である西南海の豪族オ・ダリンを味方につけるため、ユ・チョングンは唐で入手したチャン・ボゴの宝剣をワンゴンに預けた。同時に、ユ・チョングンは、ワンゴンが貞州に滞在する間の身の回りの世話を娘のプヨンに命じ、二人の縁を取り持とうとしていた。ワンゴンは困惑するが、プヨンはワンゴンを慕っていると告白する。そんな中、ヨンファの出産が始まり…。
第49話
不幸な子供たち
ヨンファは難産の末に双子の男子を出産する。一方、後百済でも、キョンフォンの側室コビが男子を出産した。そんな中、ワンゴンは、西南海の豪族オ・ダリンと錦城(クムソン)の長官チョンネを抱き込むため、チャン・ボゴの宝剣とトソン秘記を預け、イ・チとワン・シンニョム、そしてピョン師父を現地に侵入させる。そのころ、新羅侵攻の準備を進める後百済では、チェ・スンウの提案によって、後方守備のため錦城に残ることになったスダルが、不満を露わにしていた。
第50話
深まる溝
無事に後百済領内に入ったワン・シンニョムら一行は、まずトソンが生前に留まっていた玉龍寺に向かい、ワンゴンから預かったトソン秘記を住職に見せて、西南海の豪族との仲立ちを頼む。そのころ、ヌンファンは、大耶(テヤ)城の侵攻以来、ぎくしゃくしていたチェ・スンウと仲直りしようとするが、ちょっとした誤解からかえって溝を深めてしまう。一方クンイェは、遷都計画を巡ってアジテと真っ向から対立するチョンガンに、邪魔をするのは許さないと釘を刺した。
第51話
危険な対談
錦城(クムソン)上陸作戦の準備の様子を視察しに、貞州を訪れたクンイェに、ワンゴンは錦城の豪族と協調するために利用したトソン秘記について包み隠さず話をする。そのころ、後百済に潜入したワン・シンニョムら一行は、オ・ダリンと会って協力を要請するが、驚いたオ・ダリンは彼らをひとまず屋敷の離れに閉じこめてしまう。一方、キョンフォンは、コビや臣下たちを連れて狩りに出かけるが、何の成果も挙げられない息子シンゴムをふがいないとなじり…。
第52話
揺れる錦城
軟禁されたワン・シンニョムらを密かに訪ねたトヨンは、彼らから聞かされたワンゴンの人柄に感服する。そして、後百済への忠誠を貫くべきか、後百済を裏切って高麗側に付くべきかで揺れるオ・ダリンやチョンネに対し、トヨンは錦城(クムソン)を高麗に明け渡し、相応の対価を得るべきだと進言した。一方、太子たちの百日目の祝いに訪れたクンイェは、ヨンファの父のカン長者が養子を迎えたことを知り、不相応な栄華を求めるべきではないと警告する。
第53話
二人の女
チョンガンらの反対を押し切って遷都を進めるクンイェは、アジテを連れて鉄円(チョルオン)に下見に行くことを決める。一方の後百済では、ついに新羅への出陣の準備が整った。そんな中、トヨンは、ワンゴンが錦城(クムソン)を攻撃する能力があるか、錦城の将来を保障する意志があるかどうかを、ワンゴンに直接会って確かめるため、ピョン師父とともに貞州(チョンジュ)へと向かっていた。ユ・チョングンの屋敷に到着したトヨンは、そこでプヨンと出会い、彼女とワンゴンとの関係に興味を抱く。
第54話
新羅出陣
プヨンとトヨンとの間に静かに火花が飛び散る中、ワンゴンから望み通りの提案を取り付けたトヨンは、錦城(クムソン)に戻ってワンゴンを迎える準備をする。一方、ついに新羅に向けて出陣したキョンフォン軍は、完山州(ワンサンジュ)を発って、康州(カンジュ)に駐留していた。同じころ、ワンゴンの作戦を有利に進めるため、ユ・グムピルは新羅の侍中(じちゅう:皇帝の側近)となったキム・ヒョジョンと密会していた。そこでグムピルは、高麗が錦城に上陸すると同時に新羅は康州を討って、後百済軍を足止めしてほしいと要請する。
第55話
嵐の前夜
アジテとともに鉄円(チョルオン)を視察していたクンイェは、宮殿の位置を強引に決め、さらに西南海に出陣するワンゴンを激励しようと、貞州(チョンジュ)に引き返した。そのころ、キョンフォンらは貞州での不穏な動きを察知し警戒するが、スダルはチョンネの口車に乗せられて、西南海一帯の兵士たちを解散させる。出陣を翌日に控えた夜、ユ・チョングンはワンゴンに強い酒を勧めた。酒に酔ったワンゴンは、プヨンがヨンファに見え、思わず抱いてしまう。
第56話
出陣の朝
プヨンと一夜を共にしたと知って驚くワンゴンは、そのことに対して責任は取ると言う。そのころ、錦城(クムソン)に残されたスダルは、ワンゴンの動きに注意せよとの伝令を受け取る。しかし、すっかり油断しきっているスダルは、その伝令を笑い飛ばした。一方、単身で港を訪れたプヨンは、船に乗り込もうとするワンゴンに酒を振る舞い、武運を祈る。ワンゴンは、プヨンを妻に迎えることを改めて誓い、クンイェらが見守る中、いよいよ錦城に向けて出陣する。
第57話
驚天動地
ワンゴン率いる高麗水軍の動きが明らかになり、後百済はもちろん、新羅でも同様に驚きが走る。ワンゴンの接近を知っても、全く気に留めることのなかったスダルだが、オ・ダリンとチョンネが裏切ったことを知り、ようやく事態の深刻さを思い知る。康州(カンジュ)に駐屯中のキョンフォン軍は、油断したスダルが兵士たちを家に帰してしまったと知り、急いで錦城(クムソン)に引き返すことを決めた。そして、ついにワンゴン軍が、西南海沿岸に上陸する。
第58話
奇襲攻撃
トヨンの合図で、ついにワンゴンは錦城(クムソン)に上陸する。スダルはこれに対抗しようとするが、多勢に無勢で錦城山城に追い込まれる。これと時を同じくして、康州(カンジュ)から錦城に急ぎ向かっていたキョンフォン軍と、康州城に残っていたシンゴムとヌンエ軍を、新羅軍の猛攻撃が襲い、一瞬のうちに後百済軍は壊滅的な被害を受けた。その後、錦城一帯を支配下に置いたワンゴンは、さらに錦城山城に立てこもったスダルを討つため、ホン・ユを先鋒にして攻撃を開始した。
第59話
山城の戦い
ホン・ユらは、スダルのいる錦城(クムソン)山城に攻め込むが、鉄壁の守りに城を落とせず、退却を余儀なくされる。ワンゴンは、ユ・グムピルら三副将を先鋒に立て、再びスダルを攻めさせた。そのころ、松嶽(ソンアク)では、クンイェがアジテを連れて再び鉄円(チョルオン)へ視察に訪れていた。その間に、ホウォルの推薦を受けた学者パク・ユがチョンガンのもとに現れ、太子たちの師匠となる。一方、ユ・チョングンはワン・ピョンダルを訪ね、娘のプヨンとワンゴンとの縁談を申し出る。
第60話
浣紗泉の告白
ユ・グムピルらの総攻撃で、ついにスダルの守る山城が陥落し、ワンゴンの錦城(クムソン)上陸作戦は成功を収める。錦城領内を案内して回るトヨンは、浣紗泉(ワンサチョン)のほとりでワンゴンに思いを打ち明ける。ワンゴンはすでにプヨンと婚約した事実を話すが、トヨンは錦城維持のために必要な結婚だと言い…。一方、錦城陥落の知らせを受け、武珍州(ムジンジュ)へと向かっていたキョンフォンの前にスダルが現れ、敗戦をわびて自決を願い出るが、キョンフォンはスダルを許し、錦城奪還を誓う。
第61話
摩震
ワンゴンに錦城(クムソン)を奪われたキョンフォンは、スダルを武珍州(ムジンジュ)に残して完山州(ワンサンジュ)に戻ることを決意する。一方、トヨンとの結婚について悩むワンゴンは、クンイェに相談した。鉄円(チョルオン)の下見から戻ったクンイェは、錦城陥落とワンゴンの結婚の知らせに喜び、錦城を羅州(ナジュ)と改名させるとともに、領土を守る最適な策としてトヨンとの縁談を許可する。錦城上陸作戦が完了し、クンイェはいよいよ鉄円への遷都の準備に本格的に着手し、摩震(マジン)への国号改正を宣言する。
第62話
婚礼
錦城(クムソン)改め羅州(ナジュ)で、ワンゴンとトヨンの壮大な結婚式が行われた。ワン・ピョンダルとユ・チョングンは、ワンゴンの結婚についての対応策を相談するが、二人の話を偶然、プヨンが聞いてしまう。一方、クンイェは、鉄円(チョルオン)の王宮建設工事を本格的に開始するが、チョンガンやパク・チユンら臣下たちは、労役や重税に民の不満が爆発するのではと心配していた。そのころ、ワンゴンらは、キム・オンとチョンヒを残し、松嶽(ソンアク)へと海路を戻っていた。
第63話
失意の家出
クンイェは、パク・ユの命を賭けた進言にも一切耳を貸さず、強引に遷都を推し進めようとする。また、凱旋(がいせん)したワンゴンらを出迎えたクンイェは、宴会の席でワン・ピョンダルらに官職を授け、羅州(ナジュ)攻略で功績を残した家臣を褒めたたえた。一方、失意のあまり家を飛び出したプヨンは、川に身を投げようとしたところを、法相宗の高僧ソクチョンに助けられる。ユ・チョングンらの必死の捜索をよそに、プヨンはソクチョンの勧めに従って、頭を丸める決心をし…。
第64話
偽の弥勒
後百済のチェ・スンウが、クンイェと新羅王室とのつながりを探り始めたころ、出家したプヨンを預かっているソクチョンも、訪ねてきたホウォルとともに、クンイェの弥勒(みろく)を疑問視し始めた。一方、行方不明となったプヨンを探すため、大規模な捜索を命じたクンイェは、ワンゴンやポク・チギョムを連れて、鉄円(チョルオン)の王宮建設現場の視察に出向く。アジテの強硬な指揮により、犠牲者が多発していることを目の当たりにしたワンゴンは、心を痛め…。
第65話
アジテ暗殺
鉄円(チョルオン)の王宮建設現場で、事故に見せかけアジテが襲われた。クンイェは犯人を捕らえて黒幕を追及するが、犯人は舌をかみ切って死んでしまう。幸い一命を取り留めたアジテだが、暗殺が失敗したことにチョンガンやウンブは落胆していた。松嶽(ソンアク)に戻ったクンイェは、大規模な法会の準備を命ずるとともに、アジテ暗殺の一件でチョンガンを取り調べる。一方、後百済ではチェ・スンウが、クンイェが新羅の景文(キョンムン)王のめかけの子であった事実をついに突き止めた。
第66話
プヨン帰る
不意に訪れたソクチョンとホウォルから、プヨンの居場所を聞いたワンゴンとトヨンは、必死の説得の末になんとかプヨンを連れ戻した。一方、ポク・チギョムは、摩震(マジン)国内の政治混乱に巻き込まれないよう、ワンゴンに尚州(サンジュ)戦線行きを勧める。ワンゴンはそれに応じて、配下の武将たちを鳥嶺(チョリョン)や竹嶺(チュンニョン)に派遣した。そのころ、クンイェは大法会のために新しい教典を準備していた。しかし、それを知ったチョンガンは、従来の仏法を否定することになると心配し…。
第67話
クンイェの経典
法会の席で新たな弥勒(みろく)の経典を説いたクンイェは、釈迦(しゃか)を盗賊として公然と否定し、"オム・マニ・ペメ・フム"の真言を発表した。クンイェによる独裁体制の始まりを危惧したチョンガンに対し、パク・ユは、共通の敵を防ぐためにワンゴンと手を結ぶべきだと主張する。一方、アジャゲは、パク・スリが忠州(チュンジュ)に駐留していると知って大喜びするが、同時に後百済領内では緊張が走った。そんな中、ワンゴンとプヨンの婚礼が盛大に執り行われる。
第68話
連合
ワンゴンがプヨンとの婚礼を無事に終え、松嶽(ソンアク)に戻ると、チョンガンから隠密に会いたいという手紙が届く。チョンガンは、共通の敵アジテに対抗するため、これまでの感情をすべて水に流し、互いに協力することを約束する。その後、ワンゴンは忠州(チュンジュ)戦線に向かい、すでに現地に駐留している他の武将たちと合流した。しかし、後百済のチェ・スンウは、それが摩震(マジン)国内で起こっている問題から目をそらすための偽装工作だと判断し、性急な行動を控えるよう進言する。
第69話
弥勒観心法
官職の最高位である「匡治奈」の地位をパク・チユンからワン・ピョンダルに交替させたクンイェは、弥勒(みろく)観心法に目覚め、民の精神的統制をさらに強化しようとしていた。そのころ、ワンゴンは、尚州(サンジュ)のアジャゲのもとにパク・スリを派遣し、キョンフォンとの仲たがいを図るために、アジャゲを"尚父"と呼んだ自筆の手紙を送る。一方、クンイェは、定期的に全国の高僧たちを宮廷内に集めて法会を開催するが、その席でソクチョンは、クンイェに向かって「偽の弥勒」と言い放った。
第70話
痛恨の毒矢
ソクチョンの命懸けの苦言に、クンイェは「許すのは一度だけだ」と忠告した。そのころ、後百済では、チェ・スンウが長い時間をかけて準備してきた、摩震(マジン)国を一瞬で崩壊させる秘策が、明らかにされた。そんな中、ヨンファやチョンガンら一同を連れて鉄円(チョルオン)の王宮建設現場を視察していたクンイェが、刺客の放った毒矢に襲われる。時を同じくして、クンイェの正体は新羅の王子だと誹謗(ひぼう)する張り紙が、松嶽(ソンアク)一帯に張り出され…。
第71話
一大危機
刺客の放った毒矢に倒れ、クンイェは生死の境をさまよっていた。現場で捕らえられた刺客たちが、ワン・ピョンダルに指示されたと証言したことから、チョンガンはこの陰謀を逆手にとって政敵たちを一気に排除しようと、すぐさまワン・ピョンダルらを監視下に置き、忠州(チュンジュ)戦線に出向いているワンゴンを松嶽(ソンアク)に呼び戻す。さらにチョンガンは、王宮建設現場の指揮官であったアジテの責任を追及し、昏睡(こんすい)状態のクンイェを連れて、急きょ松嶽に帰還した。
第72話
投獄
松嶽(ソンアク)に呼び戻されたワンゴンは、ワン・ピョンダルとともに、クンイェ暗殺未遂事件についてチョンガンから厳しい尋問を受ける。チョンガンは、事件に関わった者としてマ師父とピョン師父、それにアジテをも捕らえて投獄した。アジテは獄中でワンゴンに謀反を勧めるが、ワンゴンはそれを一蹴する。ついに投獄され、身動きのとれないワンゴンらは、外部と連絡を取ろうと試みるが、ポク・チギョムに宛てた手紙が、チョンガンの手に渡ってしまい…。
第73話
目覚め
ソルブの気功治療により、ついにクンイェが目を覚ます。毒矢に倒れてからこれまでにあった出来事を内官から聞いたクンイェは、ワンゴンやアジテらが投獄されている事実を知ってがく然とする。一方、獄中のアジテは、ワンゴンに王位を握るように勧めるが、ワンゴンは最後まで取り合わず、アジテを「希代の奸雄(かんゆう:悪知恵を働かせて英雄となった人)」と批判した。そんな中、内紛に揺れる今が、摩震(マジン)国に一矢報いる絶好のチャンスと見た後百済は、キョンフォン自ら竹嶺(チュンニョン)と鳥嶺(チョリョン)に出陣する。
第74話
生まれ変わるクンイェ
チョンガンの報告書を読み、自分が倒れたことを民が密かに喜んでいたと知ってがく然としたクンイェは、これまでの人情を捨て、理想社会の実現のために、厳しい態度で民を統治していくことを宣言した。そのころ、尚州(サンジュ)戦線に出兵したキョンフォンは、鳥嶺(チョリョン)を討つと見せかけて実際には竹嶺(チュンニョン)を攻める偽計を用い、竹嶺から鳥嶺へ向かったホン・ユ、キム・ラクら摩震(マジン)の援軍を全滅させた。さらに、手薄になった竹嶺のファン・ソンギルらを攻め、大勝利を果たす。
第75話
血の尋問
ついに暗殺未遂事件の尋問を始めたクンイェは、弥勒(みろく)観心法を用いて事件の真相を暴き出し、偽証した後百済の刺客たちを鉄ついで殺害する。ワンゴンとアジテは無罪として放免されたものの、ワン・ピョンダルとピョン師父、マ師父の三人は、誤解を生んだ責任を問われ流罪となってしまう。これまでに見たことのなかったクンイェによるむごい処刑に、臣下たちの動揺が広がる中、ようやく鉄円(チョルオン)の王宮建設工事が完了し、遷都が実現する。
第76話
鉄円遷都
ついに鉄円(チョルオン)遷都を果たしたクンイェは、皇帝の威厳を高めるべきというアジテの勧めに従い、黄金の法服を身につけるが、同時に毒矢を受けた際の古傷が痛み始める。一方、内軍の副将ヨムサンをはじめ、鉄円の民の衰弱ぶりを目の当たりにした臣下たちは、クンイェのみがこの悲惨な現状を知らないことを懸念していた。そんな中、ワンゴンは忠州(チュンジュ)戦線に復帰し、一方のキョンフォンは完山州(ワンサンジュ)に凱旋(がいせん)し、シンドクら新たな武将たちを迎え入れる。
第77話
新たな出逢い
クンイェは、アジテとの対談中に再び激痛に襲われる。しかし、医師を呼ぼうとするアジテにクンイェは、何でもないとその場を取り繕った。一方、戦線に復帰したワンゴンは、忠州(チュンジュ)の豪族ユ・グンダルと再会し、娘のスインと出会う。ユ・グンダルは忠州一帯を取り仕切る将軍クムシクをワンゴンに紹介し、戦線への全面的な協力を申し出た。ワンゴンはパク・スリとともに尚州(サンジュ)のアジャゲを訪ねて礼を尽くし、中立の約束を取り付ける。
第78話
邪悪な病
クンイェの病を診察した医師から、クンイェが心痛に侵されていることを聞き出したチョンガンは、弥勒(みろく)であるクンイェが心痛を患ったというウワサが広がるのを心配し、医師に口封じをした。そのころ、忠州(チュンジュ)戦線では、ユ・グンダルが娘のスインをワンゴンに嫁がせようと計画していた。一方のワンゴンらは、後百済軍を奇襲する具体的な方法について頭を悩ませていたが、そこへユ・グムピルの兵卒として従軍していたテピョンが、敵の兵力を分散させる戦法を提案し…。
第79話
恐怖の朝会
法会の準備がなかなか進まないことに業を煮やしたクンイェは、緊急に朝会を開いて臣下たちにハッパを掛けていた。すると、弥勒(みろく)観心法の実行中にせきをした臣下の一人を、クンイェが鉄ついで打ち殺した。これを見た他の臣下たちは、クンイェの変わりように恐怖と不安を感じ始めていた。一方、忠州(チュンジュ)戦線の準備を整えていたワンゴンは、ユ・グンダルに呼ばれ、その席でスインとの縁談を半ば強引に進められる。困惑するワンゴンだが、そこへソクチョンとホウォルが訪れ…。
第80話
真の弥勒
突然ワンゴンのもとを訪れたソクチョンは、ワンゴンに対して真の弥勒(みろく)と言い、仏の象徴である簡子を渡した。一方のユ・グンダルは、ワンゴンとスインの結婚の裁可をもらうため、クンイェとユ・チョングンに書状を送る。新たにユン・シンダルら三人の武将を迎えたワンゴンは、冬の間は戦闘がないとすっかり油断しきっている竹嶺(チュンニョン)のパン将軍を攻撃し、それと同時に鳥嶺(チョリョン)から竹嶺へ援軍として向かうコンジクらを、ユ・グムピルに奇襲させた。
第81話
キョンフォンの怒り
鳥嶺(チョリョン)で摩震(マジン)軍の奇襲を受け、敗走するコンジクは、沙伐城(サボルジュ)のアジャゲに助けを求めるが、アジャゲはワンゴンと結んだ中立の約束を守り、それを無視する。ワンゴンは勢いに乗って洛東江(ナクトンガン)戦線を確保するが、思わぬ敗北とアジャゲの非協力的な態度に、ワンゴンだけでなくキョンフォンも怒りをあらわにする。そのころ、鉄円(チョルオン)では、わずか14歳にして四書五経に通じ神童と評判になったチェ・ウンがクンイェのもとを訪れていた。クンイェはチェ・ウンを聖人とたたえ、側近として登用する。
第82話
血の法会
全国から大勢の高僧たちを集めて荘厳な法会が行われるが、クンイェはその席で自分のことを偽の弥勒(みろく)と否定したソクチョンを、鉄ついで殺害した。そのころ、忠州(チュンジュ)のワンゴンとユ・グンダルのもとに、ワンゴンとスインとの結婚を許可するクンイェの勅令が届くが、ワンゴンはもちろん、縁談の事実を後から知らされた妻のユ氏やオ氏らは複雑な思いを抱く。一方、クンイェは、民の衰弱ぶりを顧みることなく、本格的な北伐に着手しようとしていた。
第83話
妻への手紙
クンイェは朝会を開き、北伐への本格着手と、それに関わる民への負担を増やすことを宣言する。そんなクンイェの暴政に幻滅したパク・ユは、道人ソルブを探しに行く名目で都を後にする。一方、ワンゴンは、ユ氏とオ氏に手紙を送り、今回の婚礼についての理解を求めた。パク・スリは、ワンゴンとスインの結婚式にアジャゲを招待しようと、密かに尚州(サンジュ)を訪れる。そのころ、後百済では、スダルを中心として、錦城(クムソン)奪回の準備に取りかかろうとしていた。
第84話
三度目の婚礼
クンイェは、北伐準備をスムーズに進めるため、強大な権力の象徴である宝剣を要求したアジテに対し釘を刺す。一方、チョンガンとウンブは、ヨムサンが兵部に異動し、パク・ユが都を去ったことに、大きな失望を覚えていた。そんな中、忠州(チュンジュ)ではワンゴンとスインの結婚式が行われる。尚州(サンジュ)からアジャゲも参列し、盛大な結婚式となるが、率直な思いを伝えるパク・スリに対してテジュドグムは、兄のキョンフォンを裏切ることはできないと、拒絶する。
第85話
悪魔の酒
多くの人々が自分を皇帝に、と期待していることに複雑な感情を抱きつつ、ワンゴンは鉄円(チョルオン)へと帰還する。同じころ、後百済がキョンフォン自ら錦城(クムソン)奪回に向けて準備を開始したことを知り、羅州(ナジュ)一帯では緊張が走っていた。一方、クンイェは、チェ・ウンとの対談中に再び苦しみ出し、強い酒で痛みを紛らした。クンイェは深夜、北伐の準備状況を視察しようと王宮の外に出るが、道端で飢え死にした民を見て、酒に酔い凍え死んだのだと勘違いする。
第86話
投石事件
無謀な北伐政策の中断を訴えるワンゴンの進言にも耳を貸さないクンイェは、ワンゴンらを連れて松嶽(ソンアク)の水壇訓練場を視察しに行くが、その途中で民から石を投げつけられる。怒ったクンイェは、その場にいた民を全員捕らえ、村とともに焼き払ってしまう。さらに訓練場では、実力の劣る新羅捕虜(ほりょ)兵を全員海に突き落として殺害した。そのころ、錦城(クムソン)奪回を目指す後百済では、艦隊を率いてやって来るワンゴンを待ち伏せて討つ作戦を準備していた。
第87話
密談
民の信望がワンゴンに集まっていることを悟ったアジテは、ワンゴンを密かに訪ねて玉座に就くよう誘うが、ワンゴンはそれを一蹴した。 そんな中、後百済が大々的な錦城(クムソン)奪回に向けて動き出したことを知り、クンイェは渋々ワンゴンを羅州(ナジュ)に派遣することを決めるが、その席でワンゴンは再度クンイェに北伐の中断を進言する。一方のヨンファも、密かにワンゴンと会い、朝廷に残ってこの苦しい状況を助けてくれるよう訴えるが、ワンゴンはすでに羅州出兵の命を受けたとそれを断る。
第88話
奇跡の南東風
摩震(マジン)朝廷では、アジテがカン長者と接触し、太子の担ぎ出しを勧めていた。一方、摩震軍が羅州(ナジュ)近海で留まったまま、数日間ずっと祭事を行っているのを見て、しびれを切らした後百済軍は、先制攻撃に出ようと戦闘態勢に突入する。その時、テピョンの予言通りに風向きが変わり、南東風が吹き始めると、その風に乗ってワンゴンらは、後百済軍の艦隊を一気に火攻めにした。何とか船から脱出したキョンフォンは、信じられない現実にがく然とし…。
第89話
大手柄
ワンゴンの大勝利から一夜明けた朝。敗走するキョンフォンの一行を、先回りして待ち伏せしていたヌンサンが攻撃し、パン将軍を討った。さらに、猛将スダルも捕らえられる。ワンゴンは、スダルを真の武将として迎え入れようと説得を試みるが、スダルはあくまでキョンフォンとの義理を貫こうとした。またワンゴンは、三国志の記述を参考に、気候の周期的な変化を読み取って南東風が吹くことを予測したテピョンを、諸葛孔明よりも優れた人、と称賛する。
第90話
侍中
ワンゴンは、何とかスダルを味方に付けようとするが、スダルは食事にも手を付けず、キョンフォンへの忠義を尽くしていた。それに対し、スダルを救出しようと躍起になるキョンフォンは、尚州(サンジュ)に赴いている武将を呼び寄せ、軍の再整備を図る。一方、クンイェはワンゴンを臣下最高位である侍中に推薦し、鉄円(チョルオン)に呼び戻すためポク・チギョムを羅州(ナジュ)に派遣した。そのころ、カン長者との接触が目立つアジテに対し、シンバンらは徐々に距離を置き始めていた。
第91話
さらなる野望
アジテは、クンイェに軍事指揮権を司る部署の創設を依頼し、配下のイム・チュンギルをその長に推薦したほか、職制の変更に便乗して多くの清州(チョンジュ)人を朝廷に入れ、勢力の拡大を図っていた。ヨンファは、そんなアジテとしきりに接触を繰り返す父・カン長者をいさめようとする。しかし、カン長者は自分たちが生き残るためには仕方のないこと、と言い張って忠告を受け入れない。そんな中、ワンゴンが羅州(ナジュ)から凱旋(がいせん)し、スダルがクンイェの前に召し出され…。
第92話
男の義理
クンイェの前で堂々とキョンフォンへの義理を貫き通すスダル。ワンゴンはスダルの善処を願うも、クンイェはスダルに油を浴びせて炎で焼き殺してしまう。しかし、そんなスダルの忠誠心を一方でうらやましく思ったクンイェは、ワンゴンに侍中の座を勧めたり、北伐への夢を語ったりと、二人で夜遅くまで酒をくみ交わした。一方、スダルの死を知って驚がくしたキョンフォンは、まだ時期尚早と言うチェ・スンウらの意見も聞かず、自ら先頭に立って錦城(クムソン)の奪還を目指す。
第93話
泰封
クンイェは朝会で泰封(テボン)への国号改正を宣言し、同時に徇軍部の強化など職制の変更を発表する。チョンガンらは、アジテに権力が集中すること懸念するが、アジテ本人はそれだけに責任が重く、これ以上成果が出せなければ、命を差し出すしかないと覚悟を決めていた。そんな中、ワンゴンが羅州(ナジュ)に総司令官として復帰する。対するキョンフォン軍は、錦城(クムソン)山城を再び攻撃するが、強固な守りにまたしても退却を余儀なくされ、栄山江(ヨンサンガン)を越えて進撃しようと作戦を変更する。
第94話
栄山江の戦い
栄山江(ヨンサンガン)を挟んで対峙(たいじ)するワンゴン軍とキョンフォン軍。ついに攻撃が開始されるが、先に川の中流域にワン・シンニョムらの水軍を待ち伏せさせていたことが功を奏し、戦いはまたしてもワンゴンの勝利に終わった。そんな中、オ氏の懐妊が明らかになり、羅州(ナジュ)では二重の喜びに包まれる。一方、栄山江に残ったユ・グムピルとヌンサンは、敗走するキョンフォンを捕らえようと、命令を無視して追撃するが、逆に後百済軍の反撃に遭い…。
第95話
覆われていた真実
クンイェはお忍びで皇宮を抜け、羅州(ナジュ)から海路を貞州(チョンジュ)へと戻ったワンゴンを出迎えに行くが、その途中で飢え死にした子どもを捨てる老人や、人影もなく荒廃した軍の訓練場を見て、国の真実の姿に初めて接する。クンイェと出会ったワンゴンは、北伐政策の中断とアジテ事件の一任を条件に、侍中を引き受ける。クンイェは、アジテの処刑が皇帝の権威に傷を付けないよう配慮を求めながら、鉄の法棒を与え、正式にワンゴンの侍中就任を宣言する。
第96話
アジテの暴露
侍中となったワンゴンは、労役の廃止や税の減免など、民の救済策を次々と打ち出し、混乱していた政局をまとめ上げてゆくが、民の支持がクンイェでなくワンゴンに集中していることに、チョンガンらは複雑な感情を覚える。一方、オ氏の出産が伝えられる中、ワンゴンはアジテ事件の調査に乗り出した。クンイェの威厳を守るため、ワンゴンはアジテに北伐の過ちを認めるよう持ちかけるが、アジテは尋問場でワンゴンとヨンファの過去の関係を暴露して…。
第97話
広がる波紋
アジテは、ついにワンゴンの手によって処刑され、一方でカン長者は謹慎処分、イム・チュンギルらは証拠不十分で放免され、事件は決着した。しかし、アジテが死に際に、ワンゴンとヨンファの過去や、ソクチョンがワンゴンを訪ねた事実などを暴露したことで思わぬ波紋が広がり、クンイェの不信が徐々に頭をもたげ始める。そのころ、後百済のキョンフォンは、新羅攻略を本格的に準備し始め、数年前に大敗を喫した大耶(テヤ)城を再び狙うことを決める。
第98話
疑いの溝
ワンゴンはクンイェに、ヨンファとの婚約していたことは事実だが、それは親同士が勝手に決めた過去のことと弁明する。一度は納得したクンイェだが、チェ・ウンをカン長者の家に送って詳細な調査をさせた。しかしクンイェは、チェ・ウンの報告にも納得できず、ついにヨンファにまでワンゴンとの関係を確認する。一方、後百済のチェ・スンウは、そんなクンイェとワンゴンの微妙な間柄を聞きつけ、二人の不和をあおるための一計を案じる。
第99話
再調査
ヨンファと一夜を共にしたクンイェは、昔の思い出を語っている最中、再び発作に襲われ、ヨンファを寝所から追い出す。ワンゴンの周囲でワンゴンの身を案じる声が高まる中、疑念の抜けないクンイェは、チェ・ウンにカン長者やソクチョンの再調査を命じ、さらにワンゴンから鉄の法棒を取り返した。一方、後百済のチェ・スンウは、クンイェとワンゴンの仲を引き裂いて泰封(テボン)国の朝廷を混乱に陥れるため、僧侶のトウを送り込む。
第100話
死の影
三日三晩の眠りから覚め、病魔から解放されたクンイェ。そのころ、羅州(ナジュ)では、ワンゴンを政情不安定な鉄円(チョルオン)から呼び寄せようと、大々的な戦闘訓練を実施して後百済を刺激していた。しかし、何か裏の意図があると考えた後百済軍は、予定通り大耶(テヤ)城へと出陣する。一方、後百済から送り込まれたトウは、イム・チュンギルの屋敷を訪れ、ワンゴンの反逆を密告するようそそのかす。そんな中、荘厳な衣冠に身を包んだクンイェが、ついにカン長者らの尋問を開始し…。
第101話
弥勒と罪人
クンイェは尋問の末、キジョンとヌンダル、そしてカン長者を殺害する。一方、イム・チュンギルはその席で、ワンゴンこそ謀反の首謀者と告発する。クンイェは、その場でこそ取り合わなかったものの、徐々にワンゴンを疑い始めていた。父親の死を知って嘆くヨンファだったが、同時にクンイェの子どもを再び身ごもったことが分かり、二重の苦しみに襲われる。そのころ、キョンフォン率いる後百済軍は、大耶(テヤ)城で老将たちが率いる新羅軍と対峙(たいじ)していた。
第102話
悪夢の日
クンイェは、ヨンファとワンゴンの仲を本格的に疑い始め、その疑いの矛先はさらに二人の太子にまで向けられる。そんなワンゴンを危機から救うため、オ氏は手紙を送り、羅州(ナジュ)へ来るよう勧める。一方、後百済のキョンフォンは、15年前の雪辱を果たすため、ついに大々的な大耶(テヤ)城攻撃を敢行した。しかし、新羅軍の決死の守りに苦戦を強いられたうえ、シンゴム、ヤンゴムらの軍勢が誘引策にかかり、攻撃を受けたチュ・ホジョが戦死する。
第103話
再び羅州へ
ヨンファはワンゴンに、クンイェを退けて王位に就くよう進言する。ワンゴンは冷静に対処するが、その話をウンブの手下に聞かれ、チョンガンらの耳に入ってしまう。そんな中、ワンゴンは大勢の人々に見送られながら、羅州(ナジュ)へと向かう。長らく尚州(サンジュ)にいたパク・スリも、アジャゲ夫妻の慰留を受けつつ、ワンゴンに合流するため羅州へと向かった。一方、ヨンファがワンゴンに王位を勧めたことを知ったクンイェは、ヨンファが乱心したと憤り…。
第104話
罵倒
謀反事件の徹底的な再調査に取りかかったウンブは、カン長者の養子を捕らえ、さらにヨンファの周辺人物やワンゴンの召喚について許可を求めるが、クンイェは、ヨンファの出産までは尋問を控えるよう命じる。ポク・チギョムをはじめとする臣下たちは、いよいよヨンファとワンゴンの身が危ないと緊張を隠せずにいた。そんな中、クンイェは、最後に情けをかける余地を探そうと、ヨンファと面会するが、ヨンファはクンイェに対して「悪魔」とののしり…。
第105話
選択の岐路
内軍のチャンイルが羅州(ナジュ)へ出向き、ワンゴンの召喚令を伝える。周囲の武将たちは猛反対するが、大事を成し遂げるためには大きな所に行くべきというヒョンミの言葉に従い、ワンゴンはヌンサンを連れて鉄円(チョルオン)へと向かう。そんな中、ポク・チギョムやペ・ヒョンギョン、ホン・ユらが集まり、ワンゴンの安否や国の将来を憂慮して、話し合いをする。そして、ついにヨンファの尋問が開始された。ヨンファの罪状が述べられる中、ワンゴンが遅れて尋問場に到着する。
第106話
絶体絶命
命乞いを拒否したヨンファはついに処刑され、二人の太子たちもクンイェによって殺害される。続けてクンイェは、謀反を企てたかどうか弥勒観心法でワンゴンを鑑定した。絶体絶命の危機に陥ったワンゴンだが、チェ・ウンの助言に従って罪を認めると、クンイェはその潔さに免じてワンゴンの罪を許した。ポク・チギョムやヌンサンらが革命に言及し始める中、ヒョンミは山に捨てられたヨンファらの遺体をひつぎに納め、葬列を作って街を練り歩いた。
第107話
決意の時
あの葬列は泰封(テボン)国の葬列だと言い、自らも死を決意するヒョンミ。民心を憂慮するチョンガンに対し、クンイェはヒョンミの処刑を命じた。一方、革命の意志を固めたポク・チギョムらは、関係各所に協力を要請したり、内軍のチャンイルを抱き込むなどの工作活動を開始する。しかしワンゴンは、決断を求めるヌンサンに対して、臣下としての道理を尽くすべきだと反対した。そんな中クンイェは、平壌(ピョンヤン)遷都という無謀な計画を立て、帝国の再出発を目指すが…。
第108話
古鏡讖文
ポク・チギョムらの主導で、軍事訓練を装った革命の準備が行われる中、ついにヒョンミが大勢の民に見守られながら処刑される。一方チョンガンは、ワンゴンが王になるという予言をつづった古鏡讖文(しんぶん:予言を記した文書)を偽造して、ワンゴンを陥れようとする。しかし、危険を察知したチェ・ウンは禁書省の学者らと謀議し、正反対に解釈した内容をクンイェに報告した。そんな中、侍中への復職を伝えられたワンゴンは、クンイェと酒を酌み交わしながら涙を流す。
第109話
天命
チョンガンは、チェ・ウンの裏切りを責めるが、チェ・ウンは堂々と反論する。一方、大規模な軍事訓練にも関わらず、報告が滞っていることに疑念を抱いたウンブは、内軍のクムデらを偵察に向かわせた。一刻の猶予もないと悟ったヌンサンやポク・チギョムらは、ワンゴンのもとを訪れ説得する。かたくなに拒むワンゴンだったが、話を聞いたユ氏がよろいを持って現れ、天の意志と民の望みを受け入れるよう諭すと、ついにワンゴンは決意して立ち上がる。
第110話
クンイェ帝国の最期
918年6月、ついにワンゴンが革命を起こした。革命軍を率いて皇宮を占領したワンゴンは、新たな君主として万歳の唱和を受けながら玉座に就く。最期を覚悟して独り皇宮内に残っていたチョンガンは、ワンゴンらの見守る中、自ら命を絶った。一方、ウンブらと共に北門から逃亡したクンイェは、ホン・ユたちの軍勢に追われ、鳴声山(ミョンソンサン)の山中で包囲される。知らせを受けたワンゴンは鳴声山に出向き、そこでクンイェとの対面を果たす。
第111話
新たな世
ついにクンイェを倒して王位に就いたワンゴンは、鉄円(チョルオン)で即位し国号を高麗、年号を天授と定めた。新たな官職を定め、徳で民を統治することを宣言したワンゴンだが、クンイェの忠臣だったファン・ソンギルや、鉄円の都建設に尽力した清州(チョンジュ)勢力の長であるイム・チュンギルらは、自分たちに対する評価が低いことに不満を抱き始める。一方、後百済のキョンフォンは、これまで自分たちを苦しめてきたワンゴンが王位に就いたことを不安に感じ…。
第112話
反発
クンイェの功臣だった溟州(ミョンジュ)城主キム・スンシクの反発に、ワンゴンはホウォルを派遣して説得に努める。そんな中、クンイェの暴政に失望して行方をくらませていたパク・ユがワンゴンのもとに現れた。太子の師匠となったパク・ユは、時機を見て松嶽(ソンアク)へ遷都することを勧める。一方、皇后となったユ氏は病気がちになり、第二夫人オ氏と第三夫人スインとの間には、宮廷内の序列や王位継承問題をめぐって、対立の火花が見え隠れし始めた。
第113話
清州の挙兵
清州(チョンジュ)でソンジャンが挙兵したとの知らせを受けたワンゴンは、臣下たちの勧めによりユ・グムピルとホン・ユを向かわせた。時期尚早な挙兵に焦ったイム・チュンギルは、ソンジャンに密書を送るが、その密書が途中でポク・チギョムの手に渡ってしまう。そんな中、イ・フナムに代わり尚州(サンンジュ)に赴任したパク・スリは、アジャゲが危篤状態にあることを知る。後百済のキョンフォンも、アジャゲの危篤を知って対策を講ずる一方、高麗に祝賀使節を送る。
第114話
反乱鎮圧
ミンハプら後百済の送った祝賀使節を迎えるため、皇宮の警備が手薄になった瞬間を狙って、ファン・ソンギルが謀反を起こすが、ポク・チギョムらの働きによって未然に防がれる。一方、清州(チョンジュ)の討伐に向かったホン・ユも、イム・チュンギルが派遣した援軍の振りをして潜り込み、ソンジャンらを制圧する。臣下らの強い勧めによって、ワンゴンがついにイム・チュンギルを処刑する決断を下すと、後百済の間者であったトウもその正体を現す。
第115話
苦渋の決断
皇后の命を救うべきだというチェ・ウンらの訴えを退けて、ワンゴンは国益を優先し、幻の人参をアジャゲのために使うことを決断する。ユ氏が療養のため皇宮を去ると、空白となった皇后の座をめぐって、オ氏とスインとの争いが再燃し始めた。一方、パク・ユにワンの姓を与えたワンゴンは、過日の革命における論功を済ませるとともに、ヨムサンやワン・シンニョムらを平壌(ピョンヤン)に派遣して、かつてクンイェが推進していた北伐を再開する。
第116話
幻の人参
パク・スリが幻の人参を持ってアジャゲのもとを訪れた。にわかには本物の霊草と信じがたいというアジャゲの家族の声に、医師の下人を装って同行したチェ・ウンは、後百済の医師に鑑定を依頼するが、後百済の医師は断定を避けた。そのころ、鉄円(チョルオン)の皇宮内でクンイェの赤子が発見されるが、ワンゴンはこれを助ける。一方、幻の人参を使うことを決意したアジャゲに対しパク・スリは、もしこの人参で病気が治ったら一緒に高麗へ行こうと提案するが…。
第117話
奇跡の回復
ついに幻の人参を煎じた薬湯が完成するが、服用したアジャゲの身体が激しい反応を起こし、パク・スリらは投獄されてしまう。そのころ、スインが男児を出産し、オ氏とスインとの間に王位継承をめぐる対立が影を落とし始める。一方、後百済からチェ・スンウとシンゴムらが、ようやく見つけた500年物の人参を持って、アジャゲのもとを訪れた。しかし、パク・スリの人参のおかげですでに回復していたアジャゲは、チェ・スンウらを追い返してしまう。
第118話
重い決意
幻の人参により奇跡的に回復したアジャゲは、パク・スリとの約束通り高麗に行くことを決断する。アジャゲの処遇をめぐって、後百済では尚州(サンジュ)を討つべきというヌンファンら強硬派と、子が親を討つ不孝を避け今はまだ我慢すべきというチェ・スンウら穏健派とが、激しい議論を戦わせていた。一方、アジャゲの高麗帰服を知ったワンゴンは大いに喜び、歓迎式典の準備を自ら取り仕切るが、その練習の最中に席次を争った臣下たちを処罰する。
第119話
テジュの涙
奇襲に失敗したイ・フナムは自害するが、毒矢を受けたチャンイルも戦死する。無事に鉄円(チョルオン)の皇宮に到着したアジャゲ一行は、高麗の臣下一同から盛大な歓迎を受けた。その夜、パク・スリの一途な想いにようやく心を開いたテジュドグムだったが、兄のキョンフォンに恥をかかせることはできないと、出家してしまう。一方、建国初期の騒乱を全て抑え、国家運営も軌道に乗りだしたワンゴンは、松嶽(ソンアク)に遷都を行うと同時に、八関会の儀式を執り行う。
第120話
古都回復
919年1月、ワンゴンは松嶽(ソンアク)への遷都を果たした。景明(キョンミョン)王の代になり国運がすっかり傾いた新羅は、激しい議論の末、後百済からの圧力に対抗するため、高麗と友好関係を結ぼうと使者を派遣する。一方の後百済も、大耶(テヤ)城への侵攻を準備するとともに、高麗の情勢を探るためコンダルらを使者として送った。そんな中、北方巡行のため平壌(ピョンヤン)へ向かっていたワンゴンは、見事な弓の腕前を披露したヌンサンをたたえて、シン・スンギョムの名前を授けた。
第121話
動き出した百済
平壌(ピョンヤン)へ向かうワンゴンの前に、北方部族の首長らを従えたユ・グムピルが現れた。一方、後百済では、キョンフォンが大耶(テヤ)城へと進撃するとともに、尚州(サンジュ)一帯の掌握のため、ヌンファンやシンゴムらを戦略的要地である碧珍郡へと派遣していた。後百済の動きを知ったワンゴンは、すぐさま親書と援軍を碧珍郡の城主イ・チョンオンのもとに送るが、イ・チョンオンは知略を用い、シンゴムの軍勢を手玉に取る。
第122話
待望の大耶城
シンゴム軍の攻撃を少ない兵力で撃退したイ・チョンオンは、ワンゴンの親書に応えて高麗に帰服することを決める。一方、二度にわたるキョンフォンの猛攻を退けた大耶(テヤ)城だったが、新羅が高麗に援軍要請の使者を出すも空しく、エスルの潜入作戦と1万にもおよぶキョンフォン軍の前に、ついに陥落してしまう。余勢を駆って周辺地域に進撃するキョンフォンだが、シンゴム敗戦の知らせに激怒し、何としても碧珍郡城を落とすよう厳命を下した。
第123話
正胤問題
第二夫人オ氏の父オ・ダリョンは、パク・スリらと会合の席を設け、オ氏の息子ムが次期皇帝である正胤(せいいん)の座に就けるよう働きかける。この動きを察知した第三夫人スインの父ユ・グンダルは、朝廷の元老たちと接触を図り、正胤決定は慎重を期すよう主張した。一方、高麗援軍の接近を知ったキョンフォンは、これ以上の進撃を中止して、完山州(ワンサンジュ)へ帰還することを決定するが、いまだ碧珍郡城を落とせずにいるシンゴムに対し怒りを露わにする。
第124話
不和
キョンフォンの厳命にシンゴムは、残った500人あまりの兵力で碧珍郡城を攻撃する。しかし、イ・チョンオンはわざと退却して誘引策を用い、シンゴム軍を全滅させる。シンゴムの敗戦にキョンフォンは憤慨するが、ヌンファンはキョンフォンの怒りをチェ・スンウがあおっていると不満を抱く。一方、高麗朝廷では後継者問題が公論化される。この問題は後回しにすると宣言したワンゴンだが、二人の太子で悩むワンゴンに、チェ・ウンは長子優先を勧めた。
第125話
四分五裂
ワンゴンが若いころ唐へ渡ったトソンの弟子キョンボが、羅州(ナジュ)の港に留学を終えて帰国した。トソンの予言通りワンゴンが皇帝になったことに驚くキョンボは、その足で玉龍寺に向かった。そのころ、高麗朝廷では、パク・スリをはじめとするワンゴンの義弟たちが、オ氏の息子ムを正胤(せいいん)に推していた。一方、羅州勢力の台頭を危惧する元老や功臣らは、スインの息子テが正胤候補となれる年齢まで問題の先送りを提案、議論は四分五裂の様相を呈する。
第126話
キョンボの答え
キョンボのもとを訪れたチェ・ウンは、彼を高麗に迎えようとするが、キョンボはこの地に自分の果たすべき役割がある、と告げる。そして、時を同じくして訪れたキョンフォンの、三顧の礼を尽くして国師に迎えたいという申し出を受け、キョンボは後百済領内に留まることを決めた。一方、ワンゴンの静かな怒りに大いに反省した高麗の臣下一同は、二度と正胤(せいいん)問題に触れないことを誓う。そんな中、数日前から病を患っていたスインの息子テの容態が急変し…。
第127話
夭折
テの急死に嘆き悲しむスインは、オ氏が数日前から法堂で祈祷(きとう)していた事実を知って、その内容を調べさせた。ワンゴンも、これ以上正胤(せいいん)問題を先送りにするのは得策ではないと、オ氏の息子ムを正胤に決定するとともに、悲しみに暮れるスインのもとを訪れ慰めた。一方、キョンフォン一行を送り出すにあたってキョンボは、シンゴムに対して孝行を尽くすよう、クムガンに対して謙遜を学ぶよう忠告する。
第128話
戦雲再び
大規模な戦闘を休止して内政を充実させ、数年後がたった924年夏―。後百済のキョンフォンは、ついに新羅に向けて挙兵し、自ら大耶(テヤ)城に駐留しながら、高麗の動きをけん制するため、シンゴムら太子たちを曹物(チョムル)城に送った。これを知った高麗も、成長した太子ムを総司令官として曹物城に出陣する。一方、チェ・ウンの推薦により、占術にたけた若者が王宮を訪ねて来た。ワンゴンは、沙火鎮(サファジン)で見た夢を「三国統一の啓示」と解いた彼に、チェ・ジモンの名前を与える。
第129話
曹物城の戦い
曹物(チョムル)城で、高麗と後百済の太子同士の対決が始まった。一進一退の攻防戦が続き、初戦はどうにか高麗の太子ムが勝利を収めるが、高麗の軍事力を確認した後百済は、ヨンゴムを高麗の陣中に送り込んでムを挑発する。ムは、パク・スリが引き留めるのも聞かず挑発に応じてしまい、敵の誘引策に引っかかり、救出に入ったチャン首将とエソンが戦死する。一方、ワンゴンは、ムが正胤(せいいん)となったことで、ムの母オ氏を空席となっていた皇后に冊封(さくほう:王者が冊書をもって領土を諸侯に分け与え、統治させること)する。
第130話
失った目
矢が目に刺さって倒れたクムガンは、自ら眼球を飲み込み、なおも戦い続けようとするが、シンゴムは退却を命じ、こうして曹物(チョムル)城の戦いは高麗の辛勝で終わった。キョンフォンは、クムガンが片目を失ったことに驚き悲しみ、敗戦の責任をクムガンになすりつけようとしたシンゴムに怒りをぶつけた。一方、弔問のため新羅を訪れたチェ・ウンとワン・ギュは、朝廷の大臣たちが親高麗派と親後百済派に分かれ、対立している様子を目の当たりにする。
第131話
皇帝同士の戦い
曹物(チョムル)城の戦いから1年―。再戦に向けて準備を進めてきたキョンフォンは、皇帝同士の正々堂々たる戦いを期待し、ワンゴン自ら参戦するよう求める親書と絶影島(チョリョンド)の名馬を持たせてクムガンを使者に送った。キョンフォンの挑戦を受けたワンゴンは、皇后らの反対を押して自ら曹物城に向けて出陣するが、その途中で疫病に襲われた村を発見する。ワンゴンは、すぐさま原因を医師らに調べさせるが、そんな中、テピョンが疫病で苦しみ出し…。
第132話
薬を探せ
高麗と後百済の両陣営で疫病が広がり、1日に何百人もの兵士が命を落としてゆくが、初めて接する疫病に医師たちは手も足も出ずにいた。そんな中、後百済陣営ではクムガンが疫病に倒れ、キョンフォンは息子の命を救うべく必死に神に祈る。翌朝、薬を探して川辺を歩いていた従軍医師のフンギョムは、謎の老人から高熱にはミミズが効くという話を聞き、ついに薬を手に入れた。一方の高麗陣営では、テピョンが疫病で命を落としてしまう。
第133話
宿敵の再会
無駄な戦闘を避け、実利を取ることを勧めたチェ・スンウは、高麗軍の退路を断ったうえで、自ら高麗陣営に使節として出向く。チェ・スンウの到来を知ったチェ・ウンは、病身を押してチェ・スンウとの和議交渉に臨むが、多くの武将たちの反対もむなしく、10歳年下のワンゴンがキョンフォンに対して尚父の礼を尽くすことが決まる。チェ・ウンはワンゴンに非礼をわびたうえで、後百済陣営に出向いてキョンフォンに、尚父と呼ぶことを約束する。
第134話
恥辱
ユ・グムピルをはじめとする武将たちは、チェ・ウンの恥辱的な交渉の結果を非難するが、ワンゴンはそんな武将たちをなだめつつ、後百済陣営を訪れ、キョンフォンに尚父の礼を尽くす。キョンフォンもワンゴンを弟と呼んで歓迎し酒宴を催す。宴席で高麗の武将たちが意気消沈するなか、チェ・スンウはチェ・ウンに薬茶を振る舞う。高麗と後百済は、それぞれワン・シンとチノを人質として交換して和議を結び、後百済から高麗陣営に薬を送った。
第135話
解決策
チェ・ウンの断食を知り、初めは彼を非難していた武将たちも態度を変え、ワンゴンの強い説得によって、ようやくチェ・ウンは朝廷に復帰した。後百済が新羅への侵攻を着々と準備しているにも関わらず、高麗が何も手を打てずにいることをもどかしく思う武将や文臣らに対してチェ・ウンは、後百済から来ている人質のチノを殺害し、ワン・シンが死ねば、この行き詰まった状況を打開できると説明する。
第136話
さらば弟よ
チェ・ウンからチノの殺害を示唆されたユ・グムピルらは、悩んだ末に、ワン・シンの兄でチノを預かっているワン・シンニョムに相談を持ちかける。弟一人の命が高麗再建のために役に立つと悟ったワン・シンニョムは、さっそく酒席にチノを呼び、その場でチノを毒殺する。高麗軍の再起がワン・シンの命と直結していることに危機感を感じるワンゴンは、チノの死に驚がくするが、周囲は持病による急死と処理をして、後百済にチノの急死を伝えた。
第137話
崩れた和平
チノの急死を知って驚がくするキョンフォンは、ひとまずワン・シンを捕らえ、高麗から遺体が到着するのを待つとともに、新羅につながる各戦線へシンゴムやクムガンら太子たちを送った。しかし、それに関連してヌンファンが世継ぎの問題を持ちかけ、キョンフォンの怒りを買ってしまう。そんな中、チノの遺体が到着し、検死の結果、毒殺と判明する。チェ・スンウの説得も聞き入れず、キョンフォンはワン・シンの処刑を決めるが、ワン・シンは自ら命を絶つ。
第138話
偽計
ワン・シンの貴い犠牲をもとに、ついに高麗は長い沈黙を破って龍州(ヨンジュ)と大耶(テヤ)城へと出陣する。一方の後百済軍も、龍州にクムガンを、大耶城にシンゴムをそれぞれ送るが、シンゴム軍には皇帝の軍旗を持たせて、あたかもキョンフォンが大耶城にいるように見せかけ、そのすきにキョンフォンの本軍は、後百済と密通した新羅の豪族たちの領地を抜けて高鬱府(コウリョン)城へと進軍する。大耶城に入ったシンゴムは、油断の隙にキム・ラク軍に大敗を喫してしまう。
第139話
真の狙い
龍州(ヨンジュ)に駐屯中のクムガンは、大耶(テヤ)城陥落の報告を受けて大耶城救援に向かうが、その途中でペ・ヒョンギョンらの軍の奇襲を受ける。一方、新羅の景哀王(キョンエワン)は、大耶城陥落を祝って酒宴を催していた。生涯をかけて手に入れた大耶城がわずか一夜で高麗に奪われ、さらには龍州までもが敵の手に落ちたと知って、落胆を隠せないキョンフォンだが、「小事を捨てて大事を取れ」というチェ・スンウの勧めに応じて、ついに徐羅伐(ソラボル)への玄関、高鬱府(コウリョン)城に到着する。
第140話
最後の関門
少ない軍勢で予想外の抵抗を見せる高鬱府(コウルブ)城だが、後百済軍との圧倒的な兵力差の前に、ついに高鬱府城は陥落する。酒宴に興じていた景哀王(キョンエワン)のもとに、高鬱府城陥落の伝令が急行するが、後百済に内通するユ・ヨムらによって情報は遮断されてしまう。一方、ワンゴンのもとにも、キョンフォンの徐羅伐(ソラボル)進撃が伝えられる。徐羅伐に至ったキョンフォンは、新羅最後の忠臣キム・ユルが守る月城をも陥落させ、ついに新羅王宮の門をくぐる。
第141話
新羅の屈辱
キョンフォンの徐羅伐(ソラボル)侵攻を知ったワンゴンは、自ら軍を率いて新羅へと向かうが、チェ・ジモンは不吉を予言する。徐羅伐に入ったキョンフォンは、ワンゴン軍の迎撃態勢を整えるため、シンドクらを公山に向かわせる一方、自らは徐羅伐の王宮に入城し、勝者の権利として略奪を行う。一方、鮑石亭(ポソクジョン)で酒宴にふけっていた景哀王(キョンエワン)は、キョンフォンの襲来を知って逃亡するが、隠れていたところを見つかって、キョンフォンの前に連れ出され屈辱を味わう。
第142話
王妃の誇り
キョンフォンは、景哀王(キョンエワン)をさんざん侮辱した挙げ句に自害させ、新たな新羅王としてキム・ブを擁立する。敬順王(キョンシュンワン)の即位を祝う宴席でキョンフォンは、余興として景哀王の王妃に酌をさせようと呼び出すが、王妃は新羅の国母としての威厳を守るため自ら命を絶った。そのころ、高麗軍は、徐羅伐(ソラボル)に進撃したキョンフォンの背後を討つため、南海一帯を攻める。これを聞いたキョンフォンは、急いで公山へ向かい、ワンゴン軍の迎撃態勢を準備する。
第143話
檻の中の虎
休む間もなく新羅に進軍するワンゴン軍は公山に到着するが、後百済軍が偽装のために設置した無人の幕舎を発見し、徐々にチェ・スンウの狙った地点へとおびき寄せられる。その夜、エスル軍の奇襲を受けたワンゴン軍は、強行軍による極度の疲労から、まともに戦えないまま大半の兵を失い敗走した。一方、シン・スンギョム率いる支援軍は、ワンゴン軍と合流するため公山へと道を急ぐが、その途中でシンドクの伏兵による奇襲を受ける。
第144話
公山の激戦
シンドク軍の奇襲により、シン・スンギョムの援軍も大打撃を受けた。そのころ、公山の山中でワンゴンと対峙したキョンフォンは、自らが絶対的優位にあることを誇示していた。ワンゴンは決死の覚悟で戦闘に臨むが、キム・オンが戦死し、絶体絶命の危機に陥っていた。武将たちは相談の結果、シン・スンギョムがワンゴンの身代わりとなって後百済軍と戦う間、ワンゴンが兵卒を装ってこの場を脱出する策を講ずるが、ワンゴンは事実を知って激怒する。
第145話
武将の道
ワンゴンの悲痛な叫びにも関わらず、シン・スンギョムはワンゴンのよろいを着けて出陣し、その隙にワンゴンは後百済軍の兵卒に変装して、陣地を脱出する。最後まで奮戦するシン・スンギョムやキム・ラクだが、後百済軍の猛攻に、ついに命を落とした。高麗王を討ち取ったと思いこんだキョンフォンは、歴史的な大勝利に沸くが、翌朝、高麗王のものとして送られてきた首が、ワンゴンのものでなくシン・スンギョムのものであると知って、がく然とする。
第146話
最大の敗北
山中を逃亡するワンゴンは、途中ではぐれたポク・チギョムらと合流し、駆けつけたホン・ユやペ・ヒョンギョンの援軍と出会う。後百済軍が去った戦場で、犠牲となったシン・スンギョムたちの遺体を捜し出したワンゴンは、三国統一という彼らの遺志を必ず叶えると誓い、松嶽(ソンアク)へと帰還した。一方、新羅の敬順王(キョンシュンワン)は、義理を貫いて新羅を救おうとした高麗を同盟国として頼ると宣言し、後百済派のユ・ヨムやキム・ウンギョムを排除する。
第147話
舞い込んだ国書
公山の敗戦の翌年、後百済のキョンフォンから、自分こそが三韓の主であるという内容の国書がワンゴンのもとに届く。これに怒ったワンゴンは、キョンフォンに返書を送った。そんな中、ヌンエが跡継ぎにシンゴムを推薦し、キョンフォンの怒りを買う。キョンフォンは、玉座が欲しいなら手柄を立ててみろと、シンゴムらを尚州(サンジュ)戦線に送った。シンゴムらの出兵を知ったワンゴンは、ムを連れて三年山(サムニョンサン)城に出陣するが、チェ・ジモンは不吉を告げる。
第148話
豪族たちの裏切り
公山で高麗軍が大敗したことを知った尚州(サンジュ)周辺の豪族たちは、相次いで後百済に投降する。これにより勝利を確信したシンゴムは、三年山(サムニョンサン)城へ向かうワンゴン軍を奇襲し大打撃を与えるが、あと一歩のところでワンゴンを逃してしまう。一方、挟撃のため三年山城へと向かったユ・グムピルは、先回りして待機していたエスルと対戦するが、エスルはユ・グムピルのあまりの強さに恐れをなし城を捨ててシンゴムのもとへと逃げ出してしまう。
第149話
ワンゴンの憤怒
ユ・グムピルと合流したワンゴンは、再びの敗戦を恥じながら撤退する。キョンフォンは、シンゴムが奮戦したことは認めるものの、目的であったワンゴンの捕獲には失敗したことを責める一方、豪族たちの投降を受けて尚州(サンジュ)一帯を制圧したクムガンを褒めた。そのころ、敗戦の衝撃から吐血したワンゴンは、松嶽(ソンアク)に帰還した。さらに、豪族たちの裏切りに憤怒したワンゴンは、人質として松嶽に置いていた豪族の妻子らを皆殺しにし、国への忠誠を誓わせる。
第150話
骨肉の争い
完山州(サンサンジュ)に戻ったシンゴムやクムガンらだったが、キョンフォンはクムガンを公然と褒め、シンゴムを冷遇した。これを知ったパク氏は不満を露わにし、クムガンの生母であるコビは徐々に欲を抱き始める。キョンフォンは、再びシンゴムらを聞韶郡へと派遣するが、すぐさま出兵しようとするワンゴンに対してチェ・ウンは、傍観することを勧めた。そんな中、シンゴムに太子の座を与えるよう再び進言したヌンエに対し、キョンフォンは激怒する。
第151話
真の味方
太子問題の再燃により、キョンフォンはヌンファンへの不信を募らせていた。一方、シンゴムの向かった聞韶郡では、一帯の城主らが相次いで後百済に投降してゆくが、チェ・ウンは、新羅への忠誠心が強い古昌の豪族たちこそ、高麗の真の味方であると見抜く。そんな中、聞韶城や順州城を制圧した後百済は、キョンフォン自ら古昌(コチャン)に出陣することを決める。これを知ったワンゴンも、今度こそ必ず勝利すると誓いながら、自ら古昌へと出陣する。
第152話
反撃
古昌(コチャン)の城主キム・ソンピョンらは、後百済の使者を追い返して高麗へ帰服することを決め、古昌に到着したワンゴンとともに後百済軍を迎え撃つ戦略を練り始める。一方、シンゴムは、遅れて到着するキョンフォンの軍勢と挟撃しようとするが、厳しい警戒のため古昌城内の様子が分からないうえ、進撃路にユ・グムピルが陣取っていると知って、身動きがとれなくなる。危険を押して前進するシンゴム軍だが、ユ・グムピルとパク・スリの奇襲を受け…。
第153話
古昌の戦い
パク・スリとエスルの一騎打ちが繰り広げられるが、なかなか勝負が付かないことに業を煮やしたシンゴムが援軍を送り、それによって一気に高麗軍の反撃を受けた後百済軍は退却を余儀なくされる。進退窮まったシンゴムは、キョンフォンの本軍と合流できなければ、キョンフォンや邪魔なクムガンが危機に陥ることに気づき、わざと本軍との合流を放棄する。そうとは知らず、洛東江(ナクトンガン)に進撃してきたキョンフォンは、高麗軍の奇襲に遭う。
第154話
父の絶叫
シンゴムの軍が合流しなかったことで、キョンフォンは高麗軍の奇襲を受けて窮地に陥り、洛東江(ナクトンガン)の渓谷を逃亡する。一方、数年ぶりの完璧な勝利に沸くワンゴンは、今回の勝利の立役者であるユ・グムピルや古昌の豪族らを大きく称える。そのころ、シンゴムは、キョンフォンやクムガンらが生きていると知って、がく然とする。シンゴムの陣営に到着したキョンフォンは、来られなかったのではなくわざと来なかったのだと、シンゴムをなじった。
第155話
万歳事件
古昌(コチャン)戦での勝利によって、再び三国の覇者の地位に立ったワンゴンは、新羅から徐羅伐(ソラボル)へ招待されるとともに、太子問題を通じた内紛に揺れる後百済から投降してきたヨムフンを迎え入れた。そんな中、ワンゴンは西京へと巡行に出向くが、その途中でユ・グムピルを慕う蛮族の首長らが、ワンゴンの面前でユ・グムピルに万歳を唱えてしまう。このことが朝廷で問題視される中、ワンゴンは再び新羅から招請を受け、新羅の都である徐羅伐へと向かう。
第156話
皇帝の罪
ワンゴンを招いて盛大な宴会を開いた新羅の敬順王(キョンシュンワン)は、麻衣太子の猛反対にも関わらず、ワンゴンに国を捧げると言うが、ワンゴンはそれを固辞する。一方、ワンゴンが松嶽(ソンアク)に戻ると、朝廷ではユ・グムピルの官職はく奪を求める声が高まっていた。困惑するワンゴンに対し、チェ・ウンは、今回の事態はワンゴンがユ・グムピルをひいきしたことが原因だといさめ、二度と臣下の分裂が起こらないよう無言の警告として、ユ・グムピルを流罪に処すことを勧めた。
第157話
秘めた怒り
島に流されたユ・グムピルは、その地で蛮族の首長らとともに、新たな軍事拠点を築く。一方、ワンゴンの処置に、どことなく違和感を覚えていたワン・シンニョムやホン・ユらは、ワンゴンの真意を知り困惑していた。そのころ、太子問題に揺れる後百済では、ヌンファンがチェ・スンウのもとを訪れ、シンゴムに最後の機会を与えてくれるよう懇願する。そんな中、ワンゴンは、ワン・シンニョムとホン・ユを呼び、ユ・グムピルの件で釘を刺した。
第158話
尽きた命運
ワンゴンは、ワン・シンニョムとホン・ユを諭し、自らもまたユ・グムピルを優遇したことを謝罪し、お互いの誤解を晴らした。一方、チェ・ウンは、体調を崩して病床にふしていた。チェ・スンウも、占いによってチェ・ウンの命運が長くないことを知る。キョンフォンに呼ばれて大殿に入ったチェ・スンウは、礼成江(イェソンガン)の奇襲作戦を提案し、これをシンゴムに任せるよう進言する。渋るキョンフォンだったが、チェ・スンウが同行することを条件に、この提案を受け入れた。
第159話
玉座を賭けて
キョンフォンはシンゴムに、礼成江(イェソンガン)の奇襲でワンゴンの首を取ってきたら玉座を渡すと宣言し、息子への愛憎入り乱れた思いを語る。後百済軍は、チェ・スンウとシンゴムの指揮のもと、礼成江奇襲作戦の準備を着々と進めていた。同じころ、高麗では、病状が悪化したチェ・ウンが第一線から退き、ワンゴンは再び西京へと視察に出向く。そんな中、シンゴム率いる後百済軍艦隊が、ついに商船に偽装して礼成江へと潜入し…。
第160話
礼成江の奇襲
かつては三国最強を誇った高麗水軍も、長年の油断からその軍力をすっかり失い、シンゴム率いる後百済艦隊の奇襲によって、一瞬のうちに壊滅してしまう。それと同時に後百済艦隊は、貞州(チョンジュ)や塩州(ヨムジュ)などの沿岸地域を次々と陥落させていった。後百済軍の突然の襲撃に、松嶽(ソンアク)に残っていた一同は驚がくし、急いで西京に滞在中のワンゴンのもとに伝令を送るが、そんな中、病を押して駆けつけたチェ・ウンは、いったん皇宮を敵軍に明け渡すことを勧める。
第161話
王宮蹂躙
ついに松嶽(ソンアク)の王宮に入城を果たしたシンゴムだが、ワンゴンが西京に出向いていて不在という事実を知って落胆する。防衛軍に備えて軍を再整備するため、後百済軍は夜明けの前に礼成江(イェソンガン)の港へと退却し、王宮内の被害は最小限に抑えられたものの、敵軍が都に侵入して水軍が壊滅したという知らせを受け、ワンゴンは西京から急きょ帰還した。一方、勝利に沸く後百済軍の陣営の片隅でチェ・スンウは、チェ・ウンに面会を求める手紙を送る。
第162話
軍師たちの友情
西京から松嶽(ソンアク)に戻ったワンゴンは、その惨状にがく然とする。一方、病の身を押してチェ・スンウの招きに応じたチェ・ウンは、チェ・ジモンを連れて後百済軍の陣営を訪れ、貴重な対話を交わした。そんな中、圧勝で気を良くしたシンゴムは、余勢を駆って高麗水軍の残党を討つため、チェ・スンウらが止めるのも聞かず、大牛島への進撃を計画する。これに対して、鵠島(コクト)に流されていたユ・グムピルは、後百済艦隊を迎え撃つ準備を進めていた。
第163話
チェ・ウンの死
鵠島(コクト)で敵軍を迎え撃ったユ・グムピルは、誘引策と火攻めにより、わずか数隻の漁船でシンゴムの後百済艦隊を壊滅させる。一晩のうちに全てを失ったシンゴムは落胆を露わにする。一方、罪人の身でありながら高麗を危機から救ったユ・グムピルに対して、高麗朝廷では赦免の気運が高まっていた。そんな中、チェ・ウンの病状が悪化したと聞いたワンゴンは、急いでチェ・ウンの屋敷へと向かうが、チェ・ウンは息を引き取ってしまう。
第164話
運命の勝負
ワンゴンは、チェ・ウンの屋敷に到着するが、一歩間に合わず、チェ・ウンは座って目を見開いたまま息を引き取った。一方、後百済では、新たな戦略地として運州(ウンジュ)への進撃を決める。キョンフォンの背中に腫瘍が見つかり、医師のフンギョムは出陣を止め、チェ・スンウもまた時期尚早として反対するが、決意の固いキョンフォンは運州へと出陣する。これに対してワンゴンも、赦免され復帰したユ・グムピルを総司令に据え、自ら運州に向かう。
第165話
南から来た貴人
運州(ウンジュ)に向けて出陣する高麗・後百済の両陣営だが、思わぬ冬の雨に足止めを食う。そんな中、南から二人の貴人が助けに来るというチェ・ジモンの予言通り、ソ・モクとイ・チの協力を得て、ワンゴンは無事に川を越え運州に進んだ。一方、悪天候に加えてキョンフォンの病状のため、運州を目前にして留まっていた後百済軍は、シンゴムの決断により進軍を再開するが、手柄のみを追い、病の父を気遣えないシンゴムに、キョンフォンは失望する。
第166話
冬の嵐
キョンフォンが馬車で陣中に乗り込んだと知って、後百済軍に何か異変が起こっていると察した高麗軍。あまりの寒さに凍死や脱走する兵士が続出する状況に、ついにキョンフォンは撤退を示唆し、シンゴムは高麗軍との和睦を試みる。しかし、この機会に敵を攻撃すべきだ、という武将たちの意見に、ワンゴンは和睦を拒否した。キョンフォンは、敵の目を欺くため、馬車の後方の荷馬車に隠れて脱出し、イ・チはチェ・ピルを倒してこれを追撃する。
第167話
決定打
キョンフォンはイ・チの猛追から何とか無事に逃げ切り、シンゴム率いる後百済軍も退却した。軍師のチョンフンを捕らえ、従軍医師のフンギョムを斬るなど、後百済軍に対して決定的な勝利を挙げ、松嶽(ソンアク)に凱旋(がいせん)したワンゴンは、イ・チにイ・ドの名を与え、南川を利川と改名するなど、運州(ウンジュ)戦の大きな成果を称えた。一方、完山州(サンサンジュ)に帰還したキョンフォンは、シンゴムらを呼んで、後継者問題についてはもうしばらく様子を見ると宣言する。
第168話
キョンフォンの選択
70歳が近づき、背中の腫瘍の状況もいっそう悪化するキョンフォンは、後継者の座にシンゴムではなくクムガンを就ける決心をし、チェ・スンウを呼んでこの件について相談する。すると、チェ・スンウは、クムガンに譲位するのであれば、内乱を防ぐためにシンゴムらを殺すべきだと進言した。そんな中、高麗では、契丹に滅ぼされた渤海の太子テ・グァンヒョンが数万人の民を引き連れて投降し、この事実を知った新羅も高麗に投降する意向を固め始める。
第169話
大刷新
全ての臣下に召集令をかけたキョンフォンは、ヤンゴムとヨンゴムを地方に送り、さらに全軍権をパク・ヨンギュとクムガンに与えると宣言し、シンゴム派の勢力を排除した。新羅が高麗に使節を送り、玉龍寺のキョンボが三国の結末を暗示する中、キョンフォンの大刷新に対して危機感を抱いたヌンファンらは、ついに革命を決意する。ヌンファンらは、シンゴムのもとを訪ねてその意を伝えるが、シンゴムは革命ではなく反乱だとして反対する。
第170話
名分を求めて
ヌンファンから革命を勧められたシンゴムだが、王位を奪い取るのではなく、あくまで名分を得て正当に即位したいと、革命を拒否する。一方、チェ・スンウは国の将来を救うため、クムガンを訪ねて欲を捨てるよう進言するが、クムガンは今さら後継者の座を捨てることはできないと言い、耳を傾けない。そんな中、後百済国内に何らかの内紛が起こっていることを知ったワンゴンは、文臣のワン・ギュとチュ・オンギュをキョンボのもとに派遣する。
第171話
教書
朝廷の人事刷新を断行したにも関わらず、不安を覚えるキョンフォンは、パク・ヨンギュとクムガンを呼んで、クムガンに譲位する意を告げる。これを知ったヌンファンは、パク氏に革命を認める教書を書かせ、一方のキョンフォンも、シンゴムやヌンファン、シンドクらの排除を計画するが、その勅書が内官を通じてヌンファンの手に渡ってしまう。そのころ、新羅は国を捧げるという内容の国書を高麗に送るが、ワンゴンは時期尚早だと断る。
第172話
父子の杯
皇后パク氏の許可を得て、ようやく革命を決意したシンゴムが、キョンフォンと最後の杯を酌み交わしているころ、ヤンゴムとヨンゴムは地方の兵力を率いて完山州(ワンサンジュ)に向かい、シンドクらはパク・ヨンギュを監禁して軍部を掌握した。一方、玉龍寺を訪れたワン・ギュとチュ・オンギュは、キョンボから「まだその時は来ていない」と伝えられる。チェ・スンウが全ての身辺整理を終えて最期の準備をする中、ついにシンゴムが指揮剣を手にして立ち上がる。
第173話
革命の夜
指揮剣を手にして革命の先頭に立つことを決意したシンゴムは、キョンフォンへの忠誠心が強いエスルとキム・チョンの二人を一時隔離する。そして、クムガンから宮殿の警備を一任されたサンエの協力を得て、ついに挙兵した。一方の高麗では、星の動きを読んだチェ・ジモンが、後百済に変乱が起こったことをワンゴンに知らせる。キョンフォンから三国統一の夢を託されたクムガンは、大殿から退出したところを、シンゴム率いる革命軍に包囲される。
第174話
悪夢
シンゴム率いる革命軍の襲撃を受け追い詰められたクムガンは、生母であるコビの寝所に逃げ込むが、そこを包囲した革命軍に捕らえられ、ついに斬首されてしまう。一方、全てを悟っていたチェ・スンウも、自身の屋敷を訪れたヌンファンらの見守る中、毒をあおって最期を遂げる。そのころ、キョンフォンは、ワンゴンらに襲われる夢を見ていた。悪夢から覚めたキョンフォンは、目の前に現れたシンゴムから、革命が起こったことを伝えられる。
第175話
幽閉
クムガンとチェ・スンウの死を知って深く失望したキョンフォンは、コビとともに金堤の金山寺に幽閉されてしまう。革命を成功させたシンゴムは、ヌンファンをはじめとする臣下らの要請を断って、急いで即位することはせず、正式な作法にのっとって即位することを宣言し、エスルとキム・チョンは釈放された。一方、後百済で政変が起こったことを知ったワンゴンは、侍中のキム・ヘンソンらをキョンボのもとに送り、統一に向けて動き始める。
第176話
キョンフォンの心
シンゴムは、即位のための許可を得ようと、ヌンエを金山寺のキョンフォンのもとに派遣するが。しかし、シンゴムに対して深い憤りを覚えるキョンフォンは、ヌンエを怒って追い返してしまう。一方、釈放されて昇平(スンピョン)に帰郷させられたパク・ヨンギュは、キョンフォンの娘である夫人と機会を待っていた。そんな中、ワンゴンはキョンフォンの心を動かそうと、キョンフォンの父であるアジャゲのもとへパク・スリを送り、キョンボも金山寺に足を運ぶことを約束する。
第177話
二通の手紙
シンゴムから対面を許されたキョンボは、キョンフォンに会ってシンゴムの親書を伝え和解を勧めるが、キョンフォンは心を開かない。キョンボは祭を催してクムガンらの霊を鎮め、シンゴムもこれを黙認するが、ヌンファンは逆賊の魂を慰めることに警戒心を強めていた。そんな折、アジャゲがキョンフォンに宛てた手紙が、金山寺に届く。キョンボはキョンフォンに、自らのまいた種を自ら刈り入れるために、ワンゴンと手を結ぶことを勧めた。
第178話
一大決心
高麗に行けというキョンボの勧めに混乱するキョンフォンだが、父アジャゲの手紙を読み、コビからも高麗行きを勧められたキョンフォンは、ついに決心を下す。そのころ、シンゴムは一利川(イルリチョン)で高麗軍と最後の決戦を繰り広げる準備を進める一方で、即位を渋るシンゴムのため、ヌンファンはキョンフォンを暗殺しようと計画していた。そんな中、キョンフォンの決意を受けたキョンボは、家来をパク・ヨンギュのもとに向かわせ、協力を要請する。
第179話
命懸けの作戦
キョンフォンからの連絡を受けたパク・ヨンギュは、後百済内の高麗領である羅州(ナジュ)に使いを出すとともに、弥勒堂の落成を祝う法会の騒ぎに紛れてキョンフォンの脱出を手伝うため、配下の者を金山寺に潜入させる。そのころ、ようやく即位する決心をしたシンゴムは、キョンフォンに即位を知らせるため、金山寺にヨンスンを派遣する。そんな中、羅州のオ・ダリョンらからの報告を受けたワンゴンは、キョンフォンが高麗にやって来ることを知り…。
第180話
脱出
荘厳なシンゴムの即位式が準備される中、キョンフォンがシンゴムの即位を簡単に許したと知って、ヌンファンやパク氏はいぶかしむ。弥勒堂の落成式が盛大に催され、警備にあたっていたパダルら兵士たちが酒に酔いしれる中、キョンフォンは金山寺を密かに脱出して、ユ・グムピルらが出迎えのために待つ羅州(ナジュ)へと向かう。翌朝、キョンフォンが金山寺を脱出したことを知ってがく然とするシンゴムは、パダルらに周辺一帯の捜索を命じた。
第181話
両雄の対面
ヌンファンは、キョンフォンが高麗に亡命するため羅州(ナジュ)へ向かったと予想し、討伐を命ずる。一方、栄山江(ヨンサンガン)の川岸でユ・グムピルらの出迎えを受けたキョンフォンは、その足で羅州の港に向かい、船で高麗へと出発した。その途中、サングィの艦隊に行く手をさえぎられるが、キョンフォンが前に立って威圧すると、後百済の兵士たちは弓を射ることができず、前進を許してしまう。そしてついに高麗に到着したキョンフォンを、ワンゴンが出迎え…。
第182話
三人の皇帝
高麗に到着し、ワンゴンの前にひざまずくキョンフォンに対して、ワンゴンは尚父と呼んで手厚く歓待した。そのころ、後百済ではシンゴムがようやく二代皇帝に即位する。一方、新羅は敬順王(キョンシュンワン)が太子の反対をよそに高麗への帰服を決意し、千年の歴史に幕を下ろす。そんな中、高麗と後百済は一利川(イルリチョン)で最後の決戦を控えていた。キョンフォンは、自ら建てた国を自らの手で終わらせるため、ワンゴンに懇願して戦いに参加する。
第183話
父の復讐
936年9月、高麗と後百済、両軍合わせて20万もの大軍が、一利川(イルリチョン)で最後の決戦に臨んだ。病と高齢の体を押して強引に参戦したキョンフォンは、自ら先鋒に立って後百済軍を威圧する。後百済軍の先鋒として現れたエスルの軍勢は、キョンフォンの姿を見て動揺する。キョンフォンの存在によって兵の離脱が相次ぎ、戦列を大きく乱された後百済軍は、高麗軍の猛攻を受けてあっという間に劣勢に陥り、黄山への敗走を余儀なくされる。
第184話
三韓統一(最終回)
旧百済が敗北した因縁の地・黄山伐まで後退した後百済軍だが、すでにそこには高麗の大軍が先回りしていた。高麗軍に包囲され、勝ち目のないことを悟ったシンゴムは、ワンゴンのもとを訪れて降伏を宣言し、ヌンファンらは処刑される。後百済の最期を見届けたキョンフォンはその場で倒れ、近隣の寺で波乱に満ちた生涯を終えた。こうしてワンゴンは三国統一を成し遂げ、50年近くにおよぶ後三国時代がここに幕を閉じたのだった―。