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夜叉−ヤチャ−

朝鮮時代中期。王朝内で党派間の争いが激しさを増す中、若き王シジェは政敵を排除するための暗殺組織"黒雲剣"を作り、王権回復の機会をうかがっていた。その組織の首領を任されたのは、王が幼い頃から兄のように慕っていたベンノク。王は、宮廷の中で大きな権力を持ち、自分をも意のままに操ろうとする左議政カン･チスンの暗殺を"黒雲剣"に命じる。しかし、屋敷でベンノクと剣を交えることになったのは、出世のためにカン･チスンの娘婿となったベンノクの弟ベッキョルたっだ。そして、その酒の席には、かつてベンノクとベッキョルに愛されながらも妓生に身をやつしたチョンヨンも居合わせていた。
互いの守るべきもののために刃を向け合うベンノクとベッキョル。ここから、すれ違う兄弟たちと時代の波に翻弄された哀しい運命の歯車が回り出す…。

No	あらすじ
第1話 闇よりの使者	王朝内で党派争いが激しさを増す朝鮮時代中期、ベンノクは、若き王シジェ直属の暗殺組織の首領として王に代わり、政敵の排除に暗躍していた。そんな中、ベンノクに時の権力者カン･チスン暗殺の命が下る。一方、カン･チスンの娘婿として妓楼での護衛にあたっていたベンノクの弟ベッキョルは、そこに現れた妓生(キーセン)ヨニが、かつて共に育ったチョンヨンだということに気づき、驚く。
第2話 めぐり合わせ	カン･チスンの暗殺を試みるベンノクだが、思いも寄らぬ軍勢に取り囲まれてしまう。すんでのところで難を逃れたカン･チスンは、自分をかばったヨニを自分の元に引き取ることにする。そして、ベッキョルに自分を狙った者の正体を暴くよう命じる。暗殺された兵判(ピョンパン)の後継として、地方に住むパク･ユンの名前が挙がる。王もカン･チスンも彼を自らの派閥に組み入れようと使者を送る。
第3話 ひとすじの情け	カン･チスンの仕業に見せかけてパク･ユンの母親を暗殺した王は、彼を味方に引き入れることに成功する。一方カン･チスンは、パク･ユンの腹を探るため、彼を家に招待する。その帰り道、パク･ユンの護衛についていたベンノクは、刺客の存在に気づき剣を交える。チョンヨンに会うために妓楼を訪れたベンノクは、チョンヨンがこれまで行方知れずだった理由を聞き、がく然とする。
第4話 兄である前に	ベッキョルは、義父を襲った黒雲剣の首領の正体を聞いて言葉を失う。命だけは助けるよう懇願すると、カン･チスンは、配下につくならば命は助けると約束する。済州(チェジュ)へ向かうベンノクたちに、すんでのところで追いついたベッキョルは、義父の言葉を兄に伝えるのだが…。対馬に流れ着き、手厚く介抱してくれたミヨの世話になっていたベンノクは、同じく朝鮮から来たパク･ポと出会う。
第5話 太陽が陰る日	自分の姪を王の側室にしようと画策していたカン･チスンだが、側室は既に決まったと王から聞かされ、動揺する。義父に付き従い参内したベッキョルも、王朝内の風向きが変わっていることに気づく。いよいよチョンヨンが身請けされる日が来る。美しいチョンヨンを迎え入れたことに、カン･チスンは目を細める。そんな中、カン･チスンの次男ソクチュがもめ事を起こして捕縛される。
第6話 罠	深手を負ったミヨの父が亡くなった。ベンノクは、ミヨの父が負った島主との約束を果たすために、ミヨの父の代わりに剣闘場へ向かう。都ではソクチュが釈放されるが、肝心のソクチュが殴った吏曹(イジョ)の役人が見つからず、騒ぎになる。その役人を捜していたベッキョルは、調べを進めるうちに、この一連の事件が何者かによる罠ではないかと思うようになる。そんな中、吏曹の役人が見つかる。
第7話 復讐の連鎖	カン･チスンは、逃げ出したソクチュを見つけ出すよう、ヒョジュやベッキョルに指示する。しかしチョンヨンから、ソクチュは一連の事件の黒幕を、父であるカン･チスンだと思っていることを聞かされ、愕然とする。一方、初めての試合に勝利したベンノクは、ミヨたちを連れて対馬を出るために、島主に海賊退治の話をもちかける。そして、その試合の当日。ベンノクの前に現れたのは…。
第8話 黒幕の正体	ベンノクの必死の呼びかけに、かつての仲間ムミョンは記憶を取り戻す。しかし、その様子がおもしろくない島主は、ベンノクとムミョン、そしてパク･ポを牢屋に入れてしまう。ミヨは、３人を助けようと島主の元に向かう。一方、ベッキョルとチョンヨンは、秘密裏にソクチュの元を訪れる。遺書を書くというソクチュを説得しようとするが、事件の矛盾に気づいたソクチュが、チョンヨンを問いただす。
第9話 偽りと裏切り	カン･チスンは一族を守るため、偽の遺言書を作って王に報告し、自分も左議政(チャイジョン)を退くと申し出る。事の真相を隠したいチョンヨンとベッキョルは、この事件の黒幕は、黒雲剣を束ねるト･シピョンだとカン･チスンに進言する。そんな中、ベンノク、ムミョン、パク・ポの３人が朝鮮の地に降り立つ。ところがベンノクは、ムミョンに、ここで別れようと話す。数日後、チョンヨンの前にムミョンが現れる。
第10話 亀裂	ムミョンからベンノクの消息を聞こうとしたチョンヨンだが、ベッキョルにその現場を押さえられ、ムミョンはそのまま捕まってしまう。黒雲剣の後ろ盾が内侍(ネシ)のト・シピョンだと知ったカン･チスンは、自身を失脚に追い込んだ仁賓(インビン)キム氏を使って王とト・シピョンを仲違いさせ、ソクチュの雪辱を果たそうともくろむ。そんな中ベンノクは、街の中でムミョンの消息を知る。
第11話 謀略の海で	ベンノクはパク･ポと供に、ムミョンのかたきを討つため、都に向かう。その道すがら、ト･シピョンが生きていることを知ったベンノクは、王宮に出入りする薬売りを通してト･シピョンに接触を試みる。一方、チョンヨンとの関係をカン･チスンに知られるのを恐れたベッキョルは、王を味方につけ、カン･チスンの元を離れようとチョンヨンに持ちかける。チョンヨンも、それに賛成するのだが…。
第12話 ２つの正義	カン･チスンの謀略を知ったト･シピョンは、それをはばむようベンノクたちに頭を下げる。ト･シピョンの王への深い忠誠心を知ったベンノクは、ト･シピョンたちと供に王宮に赴く。ついに、カン･チスンが王に対して反旗を翻す。狙うのはパク･ユン。そして、その刺客として選ばれたのは、ベッキョルだった。ところがベッキョルは、義父の謀略を全て告白しようとパク･ユンに会う。