■開けてびっくり トイレは使用中かどうかドアを見れば分かるようになっているが、二種類あると思われる。ひとつは使用していない時はドアが内側に引かれていて中が見えるので一目瞭然である。もうひとつは鍵の部分に小さな穴が開いており中から鍵をかけると穴の部分が赤表示に、入っていないときは青表示になるものである。信号機の表示と同じである。中にはこの表示がないものもあり、鍵のバーが倒れているかどうか外から良くみないとわからないものもある。 何時頃だったかは覚えていないが、仕事で外出中にトイレに飛び込んだ。どこかのデパートのトイレだったような気がする。例の調子で和式があることを期待しつつ空いているトイレに入ろうとした。空いているはずだった。鍵のところの小さな穴が青表示になっていたからである。勢いよくドアを開けたとたんびっくりしてしまった。中に中年の御仁がしゃがんでいたのである。私は『あっ!』と言ったままドアを閉めようとしたが、中の御仁いわく『すみません』。私は心の中で『うん、まだすんでないよ』と言いつつドアをしめた。(挿絵挿入) 和式トイレだったので私は別のフロアで目的達成となった。実はこの話は会社の同僚に何かの席で話したことがあるが、同席の者も同じ経験があったのである。してみると結構トイレに入って鍵をかけ忘れて用を足すケースが在るのだろうか。緊急事態で鍵どころではないのかも知れない。見られる人、見る人悲喜こもごもである。ところで先の御仁も私同様下半身裸であった。 トイレが使用中かどうかはもう一種類ある。これについては後のお楽しみである。 |