□三層構造
私は『糞切れ』が悪いため一回トイレに入ると暫く時間をおいて第二弾の放出が時々ある。めったにないことだが第三弾が放たれることもある。第二弾がでる頻度は大体二割、十回トイレに入ればその内二回ぐらいの割合になる。第三弾まで出るケースはめったになく記憶しているだけでも今までに十数回程度であるから二、三年に一回くらいの頻度となる。これもキチンと統計をとった訳ではなくあくまで私の感覚上の話である。 第一弾放出後『残糞感』が続くがなかなか放たれないときの気分はなんともすっきりしないものである。普通(?)の人は第一弾だけで目的達成となりすっきりした気分になると思われるが、私と同じような体質(?)のお方には分かっていただけると考えている。 こうした時はどうするか?いったんトイレットペーパで何回もお尻を拭くのである。こするとお尻に刺激が与えられこれが腸に伝達され第二弾につながる事がある。これでもだめな時は下腹部を手で押したり揉んだりする。未だだめな時は中腰になって勢いよくしゃがむのである。つまり反動をつけて『出ろ!』(断っておきますが声は出しません)と二,三回この動作を繰り返す。我ながら涙ぐましい努力である。但しこの動作は痔がひどい時は絶対してはいけません。これでだめなら有耶無耶な気分のままトイレを後にするしかない。 こういった状態で第二弾が出たときは便器に『うんち』『紙』、『うんち』『紙』の山が築かれる。 話は変わるが会社に入って独身時代は兵庫県の西宮にあった独身寮に住んでいた。 もともとは東京出身であるが、入社直後三ヶ月の集合教育が終了した時点で配属先が通知され大阪勤務を言い渡されたのである。大学卒業までずっと東京にいたのでまさか大阪勤務は無いだろうと思っており言い渡されたときは一瞬呆然となったものの、これもサラリーマンと思い初めて東京から離れての生活が始まった。三十三年前のことである。同期入社の人間が十五人前後この寮に入居した。寮生活をしてみるとそれぞれの個性というか私生活の側面がよくわかった。学生時代から下宿生活をしていて物持ちの者もいれば私のように部屋に殆ど何もないところ、毎日部屋の掃除をする者、かと思うと部屋中漫画や雑誌で足の置き場もないほど散らかっているところ、万年床の者、また忠には同期の人間からあいつが風呂に入っているのを見たことがないといわれるほどの者、大学時代に体操部にいて二階から易々と外に飛び降りる者、十人十色というがたかだか十五人程でも色々な人間いて寮生活は楽しかったことを記憶している。 閑話休題 この寮生活の中である時トイレの話題になり私が『大きい方をして流したあと残骸がくっついて流れない時は後から入って来る人に不快感をあたえるね』という話をしたら、先の二階から易々と飛び降りる同期の友が『糞迅ちゃん、出す前にトイレットペーパを幅広く便器に敷いておくときれいに流れるよ』と教えてくれた。早速実践してみると今までよりはずっときれいに流れるのである。但し下痢などをしていて側面に飛び散った場合はこの限りではない。 私はそれ以来トイレに入るときは必ずこれを実践している。洋式トイレはどうするのかと言われるかもしれない。私は洋式トイレは大の苦手というか大嫌いなのでやむを得ない場合以外は入らない。理由はまた後で説明することにする。 所でめったにないことだが第三弾までお目見えすることがある。こうなると便器の中に『紙』、『うんち』『紙』、『うんち』『紙』、『うんち』『紙』の三層構造ができあがる。マクドナルドの『ビッグマック』ならぬ『トリプルマック』の出来あがりである。 |