03/15(Sat) 10:24
【お知らせ】
インターネット接続の最適化を全面改訂。MTU・RWIN値の確認方法、我が家のスループット(実効速度)計測結果、MTU/RWIN簡単調整ソフト等を追加(2002/5/03)
ADSL8Mタイプと1.5Mタイプのどちら?おすすめタイプ診断追加(2002/3/14)
■ 無線LAN&ADSLに挑戦!
2001年4月28日(土)に待望のADSLが開通。ADSL導入にあたって、私(ノート、Windows98)や息子のPC(ディスクトップ、Windows2000&Linux)から自由にインターネットを楽しめるよう、家庭内無線LANを構築しました。これから挑戦される方のご参考に少しでもなればと思い、開通までのプロセスをまとめたいと思います。
■ きっかけ
- ネット接続中は当然ながら電話が使えない。話中が長い・多いとの話も。
- ノートPC、デスクトップPCの同時接続ができない。どちらか一方が使ってるときはお互いがイライラ・・・
- 印刷のたびにプリンタ繋ぎ変えが煩わしい。PCの裏側にあるケーブルを抜き差しするのは非常に面倒。
- 電話ケーブルを毎回ノートに接続するのが煩わしい。また他の部屋でもノートを使いたい。
- 頻繁に行う作業ではないが、ノートPCのバックアップのために大容量のデスクトップと繋ぎたい。
- そこで、これらの解決手段として無線LANの導入に踏み切った。
■ 開通までの流れ
2000/10/19 | ブロードバンド・常時接続と思い立ち、CATVインターネット会社、ADSLサービス会社の提供状況をネットや電話で調査。CATVは将来とも予定なく、ADSLは2001年3月まで計画がない。イー・アクセス情報配信サービスに登録。 |
2000/10/30 | CATV、ADSLは当分無理とあきらめ、半年間は、電話との両立と常時接続を期待して、@niftyのwebページからフレッツISDN 申し込み。 |
2000/11/08 | NTTから申込票送付。NTT設備不足で開通まで3ヶ月〜半年かかる、3ヶ月後位から順次工事日を連絡するとの話。不本意ながら待つことにした。 |
2000/11/23 | メルコ製「AirStation WLS-128S ISDNセットモデル」(無線LANカード「WLI-PCM-L11」1枚付属)(\42,800)とデスクトップ用LANボード(\970)を購入。無線LAN運用開始。 |
2000/12/27 | このエリアが2001年4月上旬開局予定で、12月27日から申込み受付開始とのメールがイー・アクセスから入る。 |
2001/01/04 | @niftyのwebページから ADSL(イー・アクセス)申し込み。NTTはキャンセルした。 |
2001/01/06 | @niftyから、回線適合性確認は開局後に開始されるので確認結果連絡は4月中旬頃になる。 |
2001/03/08 | イー・アクセスより、NTTへのADSL開通手続き開始との連絡。 |
2001/04/01 | イー・アクセスより、NTTとの調整で、4月上旬開通が3週間程遅れる見込み。 |
2001/04/20 | NTT適合確認結果の連絡とADSLモデム一式が送付された。4/25NTT局内工事、4/26ADSL開通とのこと。 |
2001/04/26 | ADSL開通。ケーブル接続、PC、ADSLモデム設定を終えインターネット接続を試みるが接続できず、WLS-128SはADSLに転用できないのかと不安になる。 |
2001/04/27 | 再度最初からやり直すが接続できない。 |
2001/04/28 | ADSL運用開始。原因は、ADSLモデム−WLS-128S間のケーブルをストレートからクロスにしたらすんなり繋がった。思い込みは怖い。 |
■ 家庭内無線LAN構築
■ 機材
- フレッツISDNに対応できること。
- デスクトップは有線LAN、ノートは無線LAN接続とする。
- こうすることで、無線LANカードが1枚で済み、デスクトップはLANボードの追加でよいので安上がりになる。
- WLS-128Sは、DSU、TA、アナログポート、ルータ、スイッチングHub、無線LANアクセスポイントの機能を搭載。
■ LAN構成
■導入前
- 導入前のネット環境は、PC内臓の56Kbpsモデムによる アナログ回線 接続。
- ノートPC、デスクトップPC、電話機が、回線自動転換器(先取り優先)を介して繋がっている。
- 電話機はドアフォンアダプタを介してドアフォンとも共用。
━━━━━━━━ドアフォンアダプタ━━━電話機(2F)
│ │━ドアフォン
保安器━━━(回線自動転換器)━━━━━ノートPC(2F)
│
━━━━━━━━デスクトップPC(1F)━━━プリンタ(1F)
■導入後
- 回線入口にスプリッタを入れ電話回線(2F)、ADSL回線(1F)に分岐。
- ADSLモデム、無線LANアクセスポイントは 1F に設置。
- デスクトップPCは有線LAN、ノートPCは無線LAN接続とする。
- 図の右半分が無線LAN部、左半分がADSL部です。
電話ケーブル 10baseT クロス 10baseT ストレート
保安器━━━スプリッタ━━━(WAN側)━ADSLモデム━━無線LANアクセスポイント━(LAN側)━デスクトップPC
│(2F) (1F) (LAN側)(1F) │(1F)
│ │ │
ドアフォンアダプタ 外付けアンテナ プリンタ(1F)
│ │
│━ 電話機(2F) (無線)
│━ ドアフォン │
│
ノートPC(2F)
■ 参考までに
- 我が家は木造モルタル造りの3階建てである。電波の状況を試してみたところ、アクセスポイントのある部屋の隣で80〜90%,2つぐらい壁を隔てたところが40%前後,真上の部屋が20〜50%,真上の部屋から2つぐらい壁を隔てたところが20%ぐらいだった。20%ぐらいの電波だと速度が2Mぐらいになるが、使えないことはない。
- 電波状況改善のため別売の外部平面アンテナ(WLE-DA)を設置したところ、20%ぐらいの場所が50〜60%に改善した。これでストレス無く使える。アクセスポイントは上層階に置いたほうが感度は良くなるようだ。
- アンテナWLE-DAは指向性があるので1階から2階に電波を飛ばす場合アンテナの向きが問題になる。電波には、直接波(アンテナから直接届く電波)、回折波(壁や階段などを反射しながら回ってくる電波)、透過波(1階の天井を透過して2階に届く電波)がある。最初は回折波を狙って階段方向に向けてセットしていたが、結果的には2階のパソコン付近を狙った透過波が一番電波状況が安定して良かった(80%前後)。
■ ADSL導入
■ おすすめタイプ診断
NTT提供の電話回線・線路情報(線路情報開示システム)を利用して、あなたの電話でのADSLの速度(目安)をチェックしましょう。「線路距離長」「伝送損失」の結果から、ADSL8Mタイプと1.5Mタイプの、どちらが適しているか診断します。
- NTT東日本 線路情報開示システム
- NTT西日本 線路情報開示システム
- イー・アクセス 道なり距離の測定
・線路距離長---自宅からNTT収容ビルまでの電話回線の長さ(計算値)
・伝送損失---自宅からNTT収容ビルまでの信号の劣化度合いを示す値(計算値)
(参考)我が家の結果は、線路距離長:3.9Km、伝送損失:45dBです。上の診断ページで診断すると、1.5Mタイプも8Mタイプも期待速度は同じ程度なので8Mへの変更はしてません。
■ 機材
- ADSLモデム(ルータタイプ)---イーアクセスから送付
- スプリッタ---イーアクセスから送付
- WLS-128S無線LAN
WLS-128Sはルータ、10M/100MスイッチングHub、DHCPサーバ、IPマスカレード機能を持っているのでISDN部を使わなければ、ADSLに転用できる。
■ ADSL接続
ADSL接続の手順は以下のとおり。用語解説に用語の説明があります。
- パソコンのTCP/IP設定
- ADSLモデムの基本設定(ADSL接続を行うための設定)
■パソコンのTCP/IP設定
- PCの側のTCP/IP設定は「IPアドレスを自動的に取得する」にしておいてゲートウェイは空欄に、DNSは使わない設定にします。
- IP設定の確認をします。
- ・スタートメニューから「ファイル名を指定して実行」を選択し「winipcfg」(Windows98,Me)
- ・アクセサリのコマンドプロンプトを選択し「ipconfig」(Windows2000,XP)
IP設定が正しく行われた場合はIPアドレスなどが表示されます。
- IEの設定。インターネットのプロパティ画面の「ダイアルしない」をチェック後、LANの設定をクリックしてLANの設定画面を開き全ての項目にチェックがないことを確認します。
■ADSLモデムの基本設定
- @nifty(e-Access)ではADSLモデムのWAN側にグローバルIPアドレスが動的に割り当てられます。
- パソコン側(LAN側)はADSLモデムのNAT/IPマスカレード機能、DHCP機能を使用し、プライベートIPアドレスを割り当てます。IPアドレスやネットマスクは、説明書に書いてあるとおりにします。
- ゲートウェイやDNSアドレスは指示されていないので空欄にします。
- これで接続できるはずです。あとはセキュリティのため、外部ネットワークからのアクセスができないよう、IPフィルタの設定します。
■ インターネット接続の最適化
ここからはパソコンの詳しい知識を必要とします。内容を十分理解した上で、自己責任で行ってください。理解できない方は変更しない方が無難です。へたにレジストリをいじるとパソコンが動かなくなるおそれがあります。
- MTU・RWIN値とは
- モデムやTAを使ったダイヤルアップや、ADSL/CATVを使ったインターネット接続を行う場合、標準のTCP/IPスタック(MTU・RWIN値など)の初期設定値を最適化することでパフォーマンスが大幅に向上することがあります。
- TCP/IP スタックの調整で、影響の大きいパラメータは MTU と RWIN です。MTU (Maxmum Transmission Unit) は、IP パケットの最大サイズを規定します。RWIN (Receive Window size) は、TCP 接続で、受信確認せずに一度に転送できるデータ量を規定します。
- あなたのインターネット環境のMTU・RWIN値の確認
- MTU・RWIN値の調整
- MTUについてはOSのデフォルト値が適正値と同じか、近い値となっているので調整せず既定値のままをお勧めします。
RWINについては、過小な値が設定されている場合、これをある程度まで大きくすることにより速度改善が見込めます。
OSごとの初期設定の特徴は次のようです。
・Win95/98/98SE : RWINの値が小さすぎます。下記を参考にRWINを大きくしましょう。
・WinMe/2000 : 1.5MbpsクラスのADSLなら許容範囲です。
・WinXP : 8.0MbpsクラスのADSLも考慮されているようです。
- 具体的には、RWINがMSS(=MTU-40)の10倍未満の場合、たとえばWin98SEでMTU=1500に対しRWIN=8760(MSSの6倍)、過小な値といってよいかと思います。
・1.5MbpsクラスのADSL : 標準12倍、環境によっては8〜14倍程度の範囲内で試してみてください。
・8.0MbpsクラスのADSL : 標準44倍、環境によっては20〜46倍の範囲が良いようです。
(注)いずれの場合にも[65535]を超えないほうが良いでしょう。
- TCP/IP スタックを最適化するには、レジストリを変更します。以下のサイトを参考にしてください。
・Net Lan Do!さんのMTU/Rwin(設定編)
・JANISネットワークさんのMTUとRWINの調整方法
・つっくんのホームページさんのMTU等の調整で高速接続・高速表示
- レジストリをいじる自信がないという方は、フリーのMTU/RWIN簡単調整ソフトを利用しましょう。私はDr.TCPを使ってます。
・みーのホームページさんのNetTune
・SCAPのページさんのEditMTU
・BROADBANDさんのDr.TCP(英語)
- 現在の接続速度の目安を得るには、次のサイトでチェックしてみるといいでしょう。
・ブロードバンドスピードテスト
・価格com ブロードバンドスピードテスト
- 速度が遅いときのチェック項目
Dr.TCPでRWinを推奨値まで増やしても、速度があまり速くならなかった場合や、速度が遅くて悩んでいる方は、次のことを確認してみてください。
・速度が遅いときのチェック項目
RWinの現在値を確認できるページ
・SpeedGuide.net TCP/IP Analyzer
(参考)我が家のスループット(実効速度)計測結果
ADSLでは線路長、伝送損失、OS、キャリア、ISP、時間帯、その他によってスループットが大きく変わります。我が家の計測環境は以下のとうりです。
- 線路長:3.9Km、伝送損失:45dB
- OS:WindowsXP、CPU PV 900MHz
- キャリア:eAccess、プロバイダー(ISP):@nifty
- 回線種類:ADSL 1.5Mbps
- MTU・RWIN値:調整なし〜初期状態:MTU=1500、RWIN=17520(MSS=1460の12倍)のまま
- 無線LAN接続(シグナルの強さ:強い)
- ブロードバンドスピードテスト
- 測定サイト http://speed.on.arena.ne.jp/ v2.0.8
- 測定時刻 2002/05/03 12:57:12
- 回線種類/線路長 ADSL/4.0km
- キャリア/ISP eaccess 1.5Mbps/nifty
- ホスト1 WebArena(NTTPC) 840kbps(195kB,2.2秒)
- ホスト2 at-link(C&W IDC) 850kbps(333kB,3.4秒)
- 推定最大スループット 850kbps(106kB/s)
- BloadLand ブロードバンド総合情報交換サイト
- 測定時刻:2002/5/3(金) 12:59:0
- 計測サイト:http://www.broadland.jp
- 対象サーバー:@nifty
- 回線種類:ADSL1.5M
- 計測結果:
- ■テストタイプN:0.832Mbps
- ■テストタイプB:0.805Mbps
- ※B値、N値のバランスがとれています。
- SPEED TEST
- データ受信速度測定値
- アクセス手段の速度 800k 〜 1.6M bps
- 計測開始: 2002/05/03 13:02:59.046
- データサイズ = 1 M バイト
- 受信時間 = 9.184 秒
- 平均速度(バイト/秒) = 109 k バイト/秒
- 平均速度(ビット/秒) = 871 k bps
(用語解説)
- スイッチングHUB機能
複数のパソコンをLAN接続する際の、ケーブルの集線・中継装置。通常のHUBは、送る必要のあるポート以外のすべてのポートにもデータを送ってしまいますが、スイッチングHUBはデータを送る必要のあるポートのみに送るので効率がよく、ネットワーク負荷低減が図れます。
- NAT(Network Address Translator)/IP(Internet Protocol)マスカレード機能
2つの異なるネットワーク(WAN/LAN)間で、IPアドレスやTCP(Transmission Control Protocol)/UDP(User Datagram Protocol)のポート番号を変換して利用する機能。具体的には、プロバイダーから与えられるグローバルIP(通常だと1個)をLAN側で複数のプライベートIPに変換して使用する、というもの。これは、ブロードバンドルーター必須の機能と言えます。
- DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)クライアント/サーバー機能
「DHCPクライアント機能」は、DHCPサーバーが割り当てたIPを自動取得する機能。PPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)と同様の機能です。「DHCPサーバー機能」は、DHCP機能により各クライアントマシンへ自動的にIPアドレスを割り当てる機能。こちらもIPマスカレード機能と同様にブロードバンドルーター必須の機能です。
- パケットフィルタリング機能
IPパケットのヘッダに含まれている情報をもとに、通信を制御するファイアウォールのもっとも基本的な機能。大抵のルーターはこの機能を備えてます。ルーターを通過する全てのパケットを許可するのではなく、任意に設定したパケットだけを通過させたり禁止することができます。具体的には、IPヘッダに書き込まれているプロトコル、送信先IPアドレス、発信元IPアドレス、その他オプションの情報を読みとって、ユーザーが指定したルールにのっとってパケットを通過/遮断します。一般的には、明示的に許可されていないアクセスはすべて拒否されるので、通過させるルールにあてはまらないパケットは、受信しても破棄されることになります。
- グローバルIPアドレス
インターネットで使うことを許されたIPアドレス。IPアドレスとは、TCP/IPネットワーク上で特定のコンピュータを識別するための番号です。現在は、4つの10進数に区切った32bitの数字で「133.152.1.59」などと表現するIPv4が主に使われている。インターネットにコンピュータを接続するためにはNIC(Network Information Center)と呼ばれる組織から正式にIPアドレスを取得しなければなりません。一般のインターネットサービスプロバイダ(ISP)から電話回線やADSLでインターネットに接続する個人ユーザーは、ISPの所有するグローバルIPアドレスを借り受けて使ってることになります。また、CATVインターネットでは、グローバルIPアドレスではなく、プライベートIPアドレスを割り当てられることもあります。この場合、インターネット側からの接続はできないため、サーバの公開などを行なうことはできません。
- プライベートIPアドレス
家庭内LANや組織内部のネットワークアドレスとして自由に利用できるIPアドレス。NICから正式に割り当てを受け、インターネットで使うことを許可された「グローバルIPアドレス」は、取得に手間がかかるので、申請しなくても使ってかまわないというIPアドレスがあらかじめ用意されています。これを「プライベートIPアドレス」と呼んで区別します。IPアドレス空間のうち「10.x.x.x」「172.16.x.x〜172.31.x.x」「192.168.x.x」の3つの領域が予約されています。これらのアドレスについては、Internet側ではルーティングしないことになっていますが、組織外へこのアドレスを持つパケットを送出することも禁止されてます。しかし、組織内であれば、誰に断わることなく自由に割り当てて使うことができます。プライベートIPとグローバルIPを変換するNATのような技術が開発されると、企業内ネットワークなどで広く用いられるようになりました。ちなみに我が家では「172.25.x.x」を使っています。
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