03/15(Sat) 13:50
悪徳商法110番(1) − 未払い債権回収を装った架空請求詐欺行為にご注意 |
---|
本日現在、なんらのリアクションもありません。悪質事業者の目的は嫌がらせではなくお金なのでしょう。夜中に家を訪問するぞとか、会社に行くぞと暗に脅していたのにこれもありません(メールアドレスから住所や勤務先などが分かることもあり得ませんので当然ですが・・・)。放置する相手をいつまでも相手にしていては効率が上がらないので諦めたのでしょう。(2003.1.19追記)
下記の電子メールは、実際に私に届いた架空請求メールです。いきなりこのようなメールを貰うとビックリしますが、悪質な詐欺行為に引っかからないようにとチェック項目を含め公開します。
■ 電子メールの内容
■メールヘッダー(件名:最終和解案、送信者:リサーチ・顧客対応担当 <coll-capital@koshin.net>、受信日時:2003/01/06 3:13:06)
Return-Path:
Delivered-To: ranking@0
Received: (qmail 67556 invoked by uid 89); 5 Jan 2003 18:13:06 -0000
Received: from p3057-ipbf02marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp (HELO localhost.localdomain) (61.214.131.57)
by mailbox.hrnoc.net with SMTP; 5 Jan 2003 18:13:06 -0000
Received: from localhost ([127.0.0.1]) by
localhost.localdomain with SMTP id rad1011EE for
; Mon, 6 Jan 2003 03:12:48
+0900
To: ranking@realsnowboard.com
From: =?ISO-2022-JP?B?GyRCJWolNSE8JUEhJjhcNVJCUDF+QzRFdhsoQg==?=
Date: Mon, 06 Jan 2003 03:12:55 +0900
Subject: =?ISO-2022-JP?B?GyRCOkc9Kk9CMnIwRhsoQg==?=
X-Mailer:fack_u_69
MIME-Version: 1.0
Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp
Content-Transfer-Encoding: 7bit
Message-Id:rapist1107
|
【解説】メールヘッダーから読み取れること
- この種のメールは送信元のメールアドレスを隠していたり、全く無関係なメールアドレスにすり替えたりしているので、返信でクレームメールを送っても相手に届くことはありません。
- しかも身を隠すため自分のプロバイダーのメールサーバーからは送信せずに 外部のメールサーバーを利用しているケースが多いです。
- どこのSMTPサーバーから送信されたかを調べるには、メールのヘッダーのReceived: fromの欄を見れば、そこに送信者のIPアドレスやREMOTE HOSTが記されています。
- メールの送信に利用されたSMTP サーバーのポストマスターへ苦情を伝えてみるのも有効です。プロバイダーにとっても自社のSMTPサーバーを利用されるのは「百害あって一理なし」、何らかの対処をしてくれるかも知れません。
具体的には以下の情報が読み取れます。身元を隠すため、架空のメールアドレスと実在しないメーラを装い、発信元を隠すためローカルホスト(サーバ)からプロバイダー経由で送信しています。
- Subject → 件名:最終和解案
- From → 送信者:リサーチ・顧客対応担当 <coll-capital@koshin.net>(架空のメールアドレス)
- Date → 送信日時:2003/01/06 3:12:55
- Received → 送信メールサーバ:ローカルホストのSMTPサーバから発信しプロバイダーOCNのSMTPサーバを経由して送信
- X-Mailer → メーラーの名称:fack_u_69(実在しないメーラ。通常はMicrosoft Outlook Expressなどの名称になる)
■メール本文
平成15年1月6日
通知人:庚申リサーチ(株)
顧客管理部 料金徴収課
担当 稲田
<< 最 終 和 解 案 >>
あなたの利用した、インターネット・アダルトコンテンツ利用料が未だ
に確認できません。
これまで、再三連絡を試みてきましたが、誠意ある回答も示されません
でした。
当社としましては、これ以上入金をお待ちする訳にはいきません。
つきましては、ここに最終的な和解案を示し、これでも尚、入金なき時は
断固たる態度で望む所存です。
その際は、メールアドレス、電話番号、IPアドレス、その他サーバー
に保管されているログの開示請求を貴方がお使いのプロバイダに行い、住
所、氏名(本名)、勤務先等を調査し、回収にうかがいます。
当社は貸金業規制法の対象となる、いわゆる「金融業者」ではありませ
ん。
従いまして、「夜21時から翌朝8時までの督促禁止」「威圧的態度の禁
止」「大人数での自宅・勤務先への訪問の禁止」等々の法律的制限は一切
ありません。
よって、いかなる手段を持ってしても、利用代金・延滞利息・督促費用
の回収を実行いたします。
回収のため、あなたの自宅・勤務先に当社の回収担当が行った場合には、
交通費・宿泊費も追加請求いたします。
当社もそこまでするのは本意ではありませんので、期限までに入金され
るように、お願いいたします。
尚、これは最終的な勧告であり、また、当社人員の対応による時間的損
失等の理由からメールでのお問い合わせは受け付けておりません。
問題解決をお望みなら、至急下記要領にてお支払い願います。
○振込先 みずほ銀行 いわき支店(普通)8022323
○入金額 ¥73,500−
(上記内訳)
サービス利用代金=¥65,000
延滞利息======¥8,500
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計金額=====¥73,500
○入金期限
平成15年1月8日(水) 午後2時
|
【解説】この本文には次のようなでっち上げや欠陥があります。
- 警察が捜査令状を持っていかない限りプロバイダーが個人情報を教えることはありません。メールアドレスやIPアドレス、クッキー情報だけで個人の住所、氏名、電話番号が分かることもあり得ません。
- 本当の未払い代金ならば、利用したサービスの内容と利用明細があるはずです。それらの用件に欠ける請求は、ただのでっち上げと考えて構いません。
- そもそも今まで一度も請求をしてこなかったのに、いきなり「延滞料」などを請求する権利などありません。
- 請求者の身元や問い合せ先なども明示する義務があります。架空の会社名を名乗ったりメール等での問い合わせは受付ないなど身元を隠しています。
|